ベスト・キッド2(The Karate Kid Part II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ベスト・キッド2』とは、1986年公開のアメリカ映画。高校生のダニエルが日系人・ミヤギから学んだ空手を通して成長していく大ヒット作『ベスト・キッド』シリーズの第2弾。監督は前作にひき続きジョン・G・アヴィルドセン。今回はミヤギの故郷、沖縄に舞台を移し、ミヤギに復讐を目論むかつてのライバル・サトウとの因縁の対立に巻き込まれるダニエルの新たな試練を描く。

サトウの甥で、那覇市内のサトウの空手道場の一番弟子。
道場では師範として米軍の兵士たちにも空手の指導をしている。喧嘩っ早く、村人を騙したりする街のチンピラのような存在の若者。
ミヤギとダニエルが沖縄到着時に空港にプラカードを持って送迎に現れたが、その時ダニエルがミヤギのカラテの弟子だと知ると攻撃的な態度に変わり、その後はダニエルに対し再三に渡って嫌がらせを仕掛ける。

ユキエ(演:ノブ・マッカーシー)

沖縄のトミ村に住む日本人女性。
アメリカのミヤギに、父危篤の手紙を贈った張本人。
45年前、ミヤギと恋仲にあり、彼と結婚するつもりだったが、家が貧しかったため自分の両親に資産家であるサトウと婚約させられてしまう。
帰郷したミヤギと久しぶりの対面をした時、彼に一度も結婚していないことを明かした。

ミヤギの父(演:チャーリー・タニモト)

沖縄のトミ村に住むミヤギの実父。
400年続くミヤギ家の空手道場を守って来た空手師範であり、ミヤギに空手を教えた師匠でもある。
危篤状態に陥り、実家に戻ったミヤギと45年ぶりの対面で、「これが夢なら起こさないでくれ。起きているなら眠らせないでくれ。」と感涙しミヤギの手を握った。その翌日、ミヤギと兄弟弟子のサトウを呼び2人を仲直りさせようとお互いの手を握らせるが、そのまま天国へ召されてしまう。

イチロウ(演:アルセニオ・ソニー・トリニダード)

沖縄のトミ村に住む老人。
ミヤギがまだ村にいた頃からずっと同じ神社の前で沖縄三味線を引いて、子供たちに聞かせていた。
チョーゼンと仲間たちが仕切っていた野菜市場に持って行こうとした野菜を台車から落として困っていた時、ダニエルに助けてもらい彼と知り合いになる。

ジョン・クリース(演:マーティン・コーヴ)

カラテ道場「コブラ会」を開いているカラテ師範。
マッチョな体と自信たっぷりな態度で、常に不敵な笑みを浮かべる非情な男。
少年カラテ選手権大会で門下生のジョニーがダニエルに優勝をさらわれた不甲斐なさに腹を立て、大会会場の駐車場でジョニーに制裁を加えようとする。そこへ止めに入ったミヤギの顔を見るなり彼に鉄拳をお見舞いするが悉くかわされ、逆にねじ伏せられてしまう。

タロウ(演:マーク・ハヤシ)/ トシオ(演:ジョイ・ミヤシマ)

トシオ(左)とタロウ(右)

那覇市内のサトウの空手道場の弟子たち。
チョーゼンと常に行動を共にしている彼の子分のような存在で、ダニエルへの嫌がらせに加担する。

『ベスト・キッド2』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「人を許す心を持たない者は、死ぬより辛い人生を送らなければならない。」”For person with no forgiveness in heart...living even worse punishment than death.”

少年カラテ選手権大会終了後、コブラ会師範のジョン・クリースは会場を後にするミヤギとダニエルを凄い形相で睨み付け、そのまま駐車場にいる門下生たちの所へ行くと、決勝で敗れたジョニーを痛めつけようとした。その様子を見ていたミヤギが止めに入ると、怒り心頭のクリースはミヤギに殴り掛かって来た。ミヤギは冷静にクリースの鉄拳をかわして彼を押え込み、顔面に空手チョップをお見舞いしようとする。恐怖に慄いたクリースに、ミヤギは空手チョップを寸前で止め、彼の鼻をつまむ。するとクリースは戦意喪失し、そのまま倒れ込んだ。「なぜ倒さなかったの?」と問うダニエルに、ミヤギが答えた言葉。

このシーンは、前作のラストシーンとして撮影されたもので、このセリフは前作におけるミヤギの決め台詞になったであろう重要なセリフであり、それが本作冒頭での空手の達人・ミヤギをアピールする見事な登場シーンとなっている。

「感情で戦をしてはいけない。例え自分が正しくても負ける。」"Never put passion before principle. Evenif win, you lose."

沖縄に帰郷するミヤギが荷造りをしている間、ダニエルはミヤギに45年前のことをいろいろと質問する。かつてミヤギはユキエという女性に恋をし、彼女は親が決めたミヤギの親友であり父の弟子でもあった男・サトウと婚約させられた。「親の決めた結婚なんて意味はない。ユキエはわしのものだ」と村人たちの前で宣言したミヤギにメンツを潰されたサトウは、名誉挽回のためミヤギに決闘を申し込んだ。だがミヤギは決闘をせずに沖縄を出たという。ダニエルに、決闘をしなかった訳を聞かれたミヤギが彼に答えた言葉。

ミヤギは前作でダニエルに、「暴力では何も解決しない。カラテは防御のみ。」と散々教えて来た。本作のこのミヤギのセリフも相通じる部分があり、それは45年前のミヤギの行動から掴んだものなのかもしれない。ミヤギ空手の教えの原点とも言える教えの言葉で名セリフでもある。

ダニエルとクミコの美しいキスシーン

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