ミュージシャン峯田和伸の俳優としての活動

日本テレビ系列ドラマ「高嶺の花」で石原さとみの相手役として出演し、その立ち振る舞いが気持ち悪いと炎上した峯田和伸。朝の連続テレビ小説「ひよっこ」にも出演し、大河ドラマへの出演も決定している彼の本業はミュージシャンである。俳優として注目を浴びる峯田のフィルモグラフィとともに、峯田が俳優として活動する経緯を紹介する。

バンドマンが俳優へ

日本テレビ系列ドラマ「高嶺の花」で石原さとみの相手役を務め、その名前を世間に大々的に知らしめた峯田和伸。近年、峯田和伸という男がメディアで紹介されるのは俳優としての活動が主であり、ドラマや映画の番宣のために出演するバラエティー番組や朝の情報番組などで見る機会も多い。だが、本来の職業はミュージシャンである。伝説のパンクバンドとまで言わしめたGOING STEADYから始まった峯田の活動は、かつての日本のパンクバンドシーンを席巻した銀杏BOYZになり、メンバーの脱退を経てソロで銀杏BOYZを支えている。2000年代前半に一斉を風靡したバンドのボーカルだった峯田がいかにして俳優としての活動を始めたのか、フィルモグラフィとともに追っていく。

峯田和伸 概要

峯田 和伸(みねた かずのぶ) 日本のミュージシャンであり、俳優である。
山形県東村山郡山辺町出身。
山辺町立山辺小学校、山辺町立山辺中学校卒業。
1996年3月、山形市立商業高等学校卒業(軟式野球部に所属していた)
1996年4月、東京情報大学経営情報学部に入学。2000年3月、東京情報大学経営情報学部卒業。作曲家の井筒昭雄とは同期である。
1996年にバンド GOING STEADYを結成。
2002年に自主レーベル(現在も在籍)「初恋妄℃学園」を立ち上げる。
2003年、GOING STEADYを解散。その後、ソロとしてエレファントカシマシのトリビュートアルバムに参加したのち、銀杏BOYZを結成。
2005年に銀杏BOYZとしてアルバム「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」と「DOOR」の二枚を同時にリリース。
同年8月7日、ライブ中全裸になり書類送検される。
2007年、台湾でのライブ中に下半身を露出し、警察当局の調べを受ける。
2008年12月24日、銀杏BOYZとして出演したイベントで男性ファンに男性器を噛まれ、泣く。
2013年、銀杏BOYZから峯田以外のメンバーの脱退が発表される。
2014年、アルバム「光のなかに立っていてね」と「BEACH」が同時リリースされる。
2016年にドラマ「奇跡の人」で連続ドラマ初主演。
2018年日本テレビ系列ドラマ「高嶺の花」で石原さとみと共演。演技が気持ち悪いとネットで炎上。

GOING STEADY

峯田は、1996年に高校時代の友人や後輩たちとともにGOING STEADYを結成し音楽活動を開始した。俗に彼らは「ゴイステ」と呼ばれる。
1999年に1stシングル「YOU&I」を発表、これがCDデビューとなる。本作はおよそ1ヶ月で1万枚を売り上げ、瞬く間に人気となる。
1991年結成のHi-STANDARDが形成した日本のパンク・バンドムーブメントの波に乗り、ガガガSPやサンボマスターなどとともにゼロ年代前半のバンドムーブメントを牽引、「青春パンク」という新しいジャンルを作った。
だが、2003年の人気絶頂の中、ライブ中に突然の解散発表をしてファンを驚かせる。理由は多くは語られてはいないが、メンバーの浅井と峯田の関係の悪化が原因と言われているが、峯田本人がそれを濁し、自身が続けたくなかったといった理由を話しているために定かではない。

ゴイステ解散後

GOING STEADYを解散後、しばらくの間ソロで活動していた峯田は、俳優である田口トモロヲに声を掛けられて映画デビューすることとなる。その作品は、田口トモロヲ初監督作品であり、田口トモロヲの盟友であるみうらじゅんが原作の漫画、「アイデン&ティティ」の実写映画版であった。
主演が峯田和伸、ヒロイン役にはこの先、峯田と何度も共演することとなる麻生久美子。かつて一世を風靡した「イカすバンド天国」時代の一発屋バンドマンに焦点を当て、一発屋でも自分のアイデンティティを探してもがく若者たちの青春音楽映画になっており、みうらじゅん自身も峯田の演技を高く評価し、その年のみうらじゅん賞を峯田に授与した。みうらじゅん賞とは、ただ単純にみうらじゅんが気に入ったものや人にあげる賞である。だが、みうらじゅん自身の先見の明(ゆるキャラという言葉を作ったりと、ムーブメントの予測力)を受けて賞そのものにも権威がつき始めてきている。
「アイデン&ティティ」の撮影と同時期に、GOING STEADYの頃のメンバーだったベースの安孫子、ドラムの村井と新メンバーのギターにチン中村を引き連れて銀杏BOYZを結成。ゴイステ時代のファンも取り込み、浅井が抜けただけでほぼ再結成のような状態とはいえ仲も良いまま音楽活動を始めていく。

銀杏BOYZになってから

銀杏BOYZとして音楽活動を再開させた峯田。2005年にはアルバム、「DOOR」と「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」を同時に発表し、オリコンチャートで6位と7位を獲得する。アルバム発表から約一ヶ月後には全国ツアーを開始。過激なパフォーマンスゆえに骨折、感電、二度目の骨折でツアー先の病院に長期入院、ライブ中に全裸になり書類送検と、幾度となくツアーを延期しながらも完走。峯田和伸著のブログ本である「恋と退屈」には、この頃に考えていたことや事象が峯田の主観により事細かに記されている。

立て続けに映画出演

銀杏BOYZとしてアルバムを二枚出し、ツアーも落ち着いてきた2007年頃、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督による「グミ・チョコレート・パイン」に出演。「グミ・チョコレート・パイン」は原作が筋肉少女帯の大槻ケンヂであり、前作、「アイデン&ティティ」でモチーフにされているイカすバンド天国にも大槻ケンヂは出演しており、「アイデン&ティティ」にも本人役で出演しているといった繋がりもあり、峯田の出演につながった。その後、再び田口トモロヲ監督、みうらじゅん原作の黄金コンビによる「色即ぜねれいしょん」に出演。「色即ぜねれいしょん」の主人公は「寝ても覚めても」や「勝手にふるえてろ」などで俳優としても注目を浴びている黒猫チェルシーの渡辺大知であり、共演にくるりの岸田繁と、ロックファン垂涎のキャスティングであった。さらに「アイデン&ティティ」の脚本を務めた宮藤官九郎が監督の宮崎あおい主演作品「少年メリケンサック」に銀杏BOYZは4人とも出演。しかし、この頃からファンに「映画ばかり出ずに新曲を出せ」と言われ始めることとなる。それを受けてシングルを出すが、今度は「シングルはいいからアルバムを出せ」と言われ始めてしまう。「恋と退屈」にはこの頃からもニューアルバム制作をしていたことがうかがえる記述がある。

ボーイズ・オン・ザ・ラン

峯田の役者としての人生に拍車がかかるのは2010年に花沢健吾の漫画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の実写映画化で主演を務めてからである。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は、劇団ポツドールを主宰していた三浦大輔監督の商業監督デビュー作でもある。峯田は漫画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の帯コメントを寄せており、かつ三浦のラブコールで主演が実現した。
共演に渋川清彦、松田龍平、黒川芽以、YOU、リリー・フランキーとそうそうたるキャストであり、評価も高い。
関ジャニ∞の丸山隆平バージョンでドラマも制作されており、原作ファンからは「主人公、峯田は正解」といった声や「原作の最後まで描き切ったドラマ版の方がいい」とその評価は割れている。

三浦大輔監督との出会い

舞台作家であり映画監督、三浦大輔との出会いにより役者としての人生に重きが置かれ始めるようになった峯田。

裏切りの街

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