平家物語(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『平家物語』は、鎌倉時代の軍記物語である『平家物語』を古川日出男が現代語訳した版を底本として、サイエンスSARUが制作した2022年1月から放送されたテレビアニメ。物語の語り部となる琵琶法師の「びわ」がアニメオリジナルキャラクターとして主人公に据えられている。未来が見える力を持つ琵琶法師の娘「びわ」が平家の屋敷で暮らすようになり、滅びゆく一族の栄華と衰退をその目で見つめていく。平家の人々と「びわ」の交流を軸に、時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の群像物語。
声:杉村憲司
びわが平家の文句を言った事で罰せられるのをかばい、その場で斬られた。盲目で、琵琶法師をしており、びわには未来を見ないように言っていた。また娘の将来を案じて、男児の格好をさせていた。
藤原成親(ふじわらのなりちか)
声:森宮隆
重盛の義理の兄で、維盛の義父。鹿ヶ谷の陰謀では、現場に居合わせてしまったため島流しにされる。
俊寛(しゅんかん)
声:土田大
自分の邸宅で開いた宴で、平家を倒す密議を行ったため鬼界ヶ島に流された。恩赦で解放される事もなく、その地で命を終える。
『平家物語』の用語
琵琶(びわ)
琵琶は東アジアの弦楽器の一つ。日本には7・8世紀ごろ伝わり、半開の扇もしくはイチョウの葉の形に似た撥で弦を弾奏するのが特徴。『平家物語』を語る時に用いられる平家琵琶といわれる種類の琵琶もある。平家琵琶は小型で、撥は大きく先端の開きも大きいものが好まれている。
琵琶法師(びわほうし)
琵琶を弾奏しながら物語などを語った僧形(そうぎょう)の芸能者。ほとんどが盲人であった。鎌倉時代に入ると『平家物語』を生仏(しょうぶつ)という盲僧が語ったといわれ、その系譜は平曲(へいきょく)とよばれる。一方(いちかた)流、八坂(やさか)流(城方流)の平曲は15世紀に全盛時代を迎えた。
禿(かぶろ・かむろ)
頭に髪のないことを指し、肩まで切りそろえた児童期の髪型、或いはその髪型をした子供をさす。『平家物語』では平安京に放たれる、平家方の密偵として描かれている。この時の禿は市井の情報、特に平氏に対する批判や、謀議の情報などを集めて清盛に密告した。
棟梁(とうりょう)
棟梁という言葉は今日では「大工の親方」という意味で用いられることが多いが、元は建物の屋根の主要部分である棟と梁を指していた。棟と梁は建物の最も高い部分にあり、かつ重要な部分であるため、転じて国家などの組織の重要な人物を指して使用する事もある。10世紀から11世紀にかけて、武士が登場すると「武家の棟梁」という呼び方が広まる。
摂政(せっしょう)
一般に、日本史上における摂政とは天皇の勅令(ちょくれい)を受けて天皇に代わって政務を執ることまたその者の職であると定義される。
白拍子(しらびょうし)
平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こった歌舞の一種、及びそれを演ずる芸人のことをいう。また、男装の遊女や子供が今様や朗詠を歌いながら舞うことが多かった。
強訴(ごうそ)
平安時代中期以後、僧兵・神人らが仏神の権威を誇示し、集団で朝廷・幕府に対して行なった訴えや要求、江戸時代に農民が領主に対して年貢減免などを要求したことを指す。「南都北嶺(なんとほくれい)」と並び称された奈良の興福寺と比叡山延暦寺は強訴の常連で、興福寺は春日大社の神木(春日神木)、延暦寺は日吉大社の神輿などの「神威」をかざして洛中内裏に押し掛けて要求を行い、それが通らない時は、神木・神輿を御所の門前に放置し、政治機能を実質上停止させるなどの手段に出た。
恩赦(おんしゃ)
行政権(又は立法権)により、国家の刑罰権の全部又は一部を消滅若しくは軽減させる制度のことを言う。
令旨(りょうじ)
律令制のもとで出された、皇太子・三后(太皇太后・皇太后・皇后)の命令を伝えるために出した文書。平安時代中期以降は、皇太子・三后に加えて女院や親王などの皇族の命令も令旨と呼ばれるようになった。「以仁王の令旨」は、皇太子でも親王でもない以仁王が命令の正統性を高めるためにあえて親王の身位を冒して発したものである。
Related Articles関連記事

けいおん!・けいおん!!・映画けいおん!の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
「けいおん!」とは、かきふらい作の4コマ漫画作品、およびそれを原作としたアニメ・映画・ゲームなどのメディアミックス作品である。廃部寸前だった軽音楽部を舞台にした学園コメディー。帰宅部、楽器経験ゼロの主人公が仲間と共に成長する、等身大の女子高生の日常を描いた作品である。 アニメ第1期・第2期だけでなく、卒業旅行を描いた映画も公開された。 女性キャラが中心であり、友情を感じる名言・名セリフが多く存在し、楽曲とともに高い評価を得ている。
Read Article

日本沈没2020(アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『日本沈没2020』とは小松左京の小説『日本沈没』を原案としたNetflix配信のオリジナルアニメ作品、全10話。監督は湯浅政明。ジャンルはSFパニックで架空の2020年東京オリンピック終了後が舞台。日本で巨大地震が発生し、都市機能が崩壊する。未来のオリンピック選手として有望視されていた中学生の武藤歩は倒壊した東京を捨て、両親や弟とサバイバルしながら日本を旅する中で様々な人との出会いと別れを繰り返していくが、日本列島沈没はすぐそこまで近付いていた。
Read Article

けいおん!(第1期)のネタバレ解説・考察まとめ
『けいおん!』はまんがタイムきららに連載されていた、かきふらいによる四コマ漫画が原作のアニメ。 音楽経験の全く無かった高校生平沢唯と個性的な仲間達が織りなす、ほのぼのとしていながらも時折ふっと切なくなる空気系青春バンドストーリーである。 劇中でキャラクター達が結成するバンド「放課後ティータイム」の楽曲のクオリティの高さも相まって社会現象にもなった。
Read Article

けいおん!!(第2期)のネタバレ解説・考察まとめ
けいおん!!(K-ON!!)はまんがタイムきららに連載されていたかきふらいによる四コマ漫画を原作とするアニメの、2010年4月から2010年9月まで放送された第2期である。1期は感嘆符が一つだけだったが、2期では二つ表記されている。 単行本第3巻以降の「3年生編」がベースになっており、メインキャラクター達の卒業までのストーリーが描かれる。
Read Article

映画けいおん!のネタバレ解説・考察まとめ
『映画けいおん!』とは、かきふらいによる4コマ漫画作品が原作のアニメ映画である。軽音楽部を舞台にした学園コメディー作品。女性キャラが中心であり、友情を感じる名言・名セリフが多く存在し、楽曲とともに高い評価を得ている。本作はTVアニメシリーズでは描かれなかった「卒業旅行」をテーマとした話である。 卒業を控えた軽音部3年生4人は、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、軽音部も行こうとなる。くじの結果「ロンドン」に行くことに。ロンドンで軽音部の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。
Read Article

羊文学(バンド)の徹底解説まとめ
羊文学とは2012年に結成されたオルタナティブ・ロックバンド。結成当初は5人組で他のアーティストのコピーバンドとして活動していた。発起人だった塩塚モエカ(しおつかもえか)を含めメンバーが高校生だった事から、受験などのために活動停止や脱退など、幾度かのメンバーチェンジを経験して2017年から3人バンドになる。楽曲には「ありのままの自分を生きる」という前向きなメッセージが込められている。その飾らない姿と繊細な音楽が多くのファンの心に刺さり、共感を呼んでいる。
Read Article

レキシ・セカンドアルバム「レキツ」におけるコラボレーションとレキシネームについてのまとめ
歴史をフィーチャーし、独自の路線を突き進む人気のアーティスト「レキシ」 そんなレキシがコラボレーションしたアーティストはいつも豪華。 そして、コラボレーションする際にアーティストには”レキシネーム”という名前がつけられ話題になっています。 今回は、レキシのセカンドアルバム「レキツ」でコラボレーションしたアーティストとレキシネームについてまとめました。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『平家物語』の概要
- 『平家物語』のあらすじ・ストーリー
- 平家とびわの出会い
- 妓王の運命と徳子の輿入れ
- 厳島の思い出と延暦寺の強訴
- 鹿ヶ谷の陰謀
- 以仁王の令旨
- 敦盛の登場、富士川の戦い
- 清盛の死
- 倶利伽羅峠の戦いと都落ち
- 清経の死、びわの母
- 一ノ谷の戦いと敦盛
- 維盛の最期
- 滅びる平家と語り継ぐ物語
- 『平家物語』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- びわ
- 平重盛(たいらのしげもり)
- 平家の人々
- 平徳子(たいらのとくこ)
- 平維盛(たいらのこれもり)
- 平資盛(たいらのすけもり)
- 平清経(たいらのきよつね)
- 平経子(たいらのつねこ)
- 平宗盛(たいらのむねもり)
- 平知盛(たいらのとももり)
- 平重衡(たいらのしげひら)
- 平敦盛(たいらのあつもり)
- 平清盛(たいらのきよもり)
- 平時子(たいらのときこ)
- 平時忠(たいらのときただ)
- 平高清(たいらのたかきよ)
- 新大納言局(しんだいなごんのつぼね)
- 平忠度(たいらのただのり)
- 平教経(たいらののりつね)
- 源氏の人々
- 源頼朝(みなもとのよりとも)
- 北条政子(ほうじょうまさこ)
- 源義経(みなもとのよしつね)
- 武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
- 静御前(しずかごぜん)
- 木曾義仲(きそよしなか)
- 巴御前(ともえごぜん)
- 熊谷直実(くまがいなおざね)
- 朝廷
- 後白河法皇(ごしらかわほうおう)
- 平滋子(たいらのしげこ)
- 高倉上皇(たかくらじょうこう)
- 安徳天皇(あんとくてんのう)
- 後鳥羽天皇(ごとばてんのう)
- 以仁王(もちひとおう)
- その他の登場人物
- 妓王(ぎおう)
- 浅葱の方(あさぎのかた)
- びわの父
- 藤原成親(ふじわらのなりちか)
- 俊寛(しゅんかん)
- 『平家物語』の用語
- 琵琶(びわ)
- 琵琶法師(びわほうし)
- 禿(かぶろ・かむろ)
- 棟梁(とうりょう)
- 摂政(せっしょう)
- 白拍子(しらびょうし)
- 強訴(ごうそ)
- 恩赦(おんしゃ)
- 令旨(りょうじ)
- 小枝の笛(さえだのふえ)
- 『平家物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- びわ「いつかというのはいい言葉だの。明日、明後日。先のことが少し、楽しみになるの」
- 平重盛「其方を巻き込んでしまった。滅びゆく、平家という一族に」
- 平徳子「私は世界が苦しいだけじゃないって思いたい。だから私は許して、許して、許すの」
- びわ「平家の行く末を見届けようと思う。見届けて、祈りを込めて琵琶を弾く」
- 敦盛の一騎打ちと死に様
- 平重盛・びわ「祇園精舎の鐘の声」
- 『平家物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 徳子の物語
- びわの歌はプロお墨付き
- 維盛の弱さが『平家物語』には必要
- 『平家物語』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):洋文学「光るとき」
- ED(エンディング):agraph feat. ANI(スチャダラパー)「unified perspective」