平家物語(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『平家物語』は、鎌倉時代の軍記物語である『平家物語』を古川日出男が現代語訳した版を底本として、サイエンスSARUが制作した2022年1月から放送されたテレビアニメ。物語の語り部となる琵琶法師の「びわ」がアニメオリジナルキャラクターとして主人公に据えられている。未来が見える力を持つ琵琶法師の娘「びわ」が平家の屋敷で暮らすようになり、滅びゆく一族の栄華と衰退をその目で見つめていく。平家の人々と「びわ」の交流を軸に、時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の群像物語。

出典: www.tyoshiki.com

清盛に初めて逆らう徳子。

福原に遷都してわずか半年で、平家と天皇は再び京都に戻ってきた。そんな平家を快く思わない興福寺の僧兵らは、戦う気がないことを知らせに来た平家の使いを返り討ちにする。これに怒った清盛は、興福寺を攻めるように重衡に言った。夜まで僧兵との戦いは続き、火を焚かなければ勝機が消えるため重衡は仕方なく民家を燃やして灯りをとった。しかし、以仁王を追討する際に意図せず燃やしてしまった寺のことを悔やみ、最後まで決断を渋っていた。その心配通り、周囲の火は寺まで届いて興福寺と東大寺が燃え落ちた。戦で続けて寺を燃やしたことで、祟りを恐れた重衡は芸事をすることもなくなり、一心に経を唱える日々を送った。

そんな折、福原から体調を崩していた高倉上皇が危篤となり、清盛に呼び出される徳子。清盛は徳子に、義父である後白河法皇に嫁ぐことを勧めてきた。しかし徳子は「いいえ」とその話を断り、その場で髪を切り出家しようとする。慌てた清盛は徳子の好きにさせる事にする。そして、清盛はその後すぐに高熱に苛まれることになる。清盛は全身から湯気を出し水を浴びていたが、妻の時子(ときこ)に「墓前に頼朝の首をもってこい」と言い残して亡くなった。それからすぐ、資盛はびわを平家から遠ざけるために、「春になる前に出ていけ」とわざときつく突き放した。

倶利伽羅峠の戦いと都落ち

出典: fugaofftime.com

帝とともに都を落ちる徳子。左から安徳天皇、徳子。

平家の屋敷から出たびわは、琵琶を弾きながら白拍子だった母を探していた。聞くところによると、びわと同じ目の色をした白拍子が越後にいるという。その白拍子は浅葱(あさぎ)の方と呼ばれており、越後平氏と呼ばれた男の側室だったとびわは土地の人間に聞いた。「やっと会える」と喜ぶびわだが、浅葱の方は越後から京に帰ったと知り肩を落とす。

頼朝には木曽義仲(よしなか)がつき、義仲が平家を追い詰めていく。京にまで頼朝よりも先に義仲がやってきそうな勢いだが、棟梁の宗盛は毎夜宴ばかり開いていた。呆れて焦りを隠せない維盛は、義仲を討つために出陣する。「明日そちらに行く」と名乗り合いの末に義仲に言われた維盛は、明朝の戦に備えて休むが夜中に、大群の掛け声で目を覚ます。平家の背後に大群が押し寄せており、維盛はまんまと義仲に騙されたのだった。逃げ惑う平家の兵士は追い詰められて、谷の底に落ちていった。そして、平家はとうとう福原に移り、京を出る事になる。数年ぶりの福原は大層荒れ果てており、かつて共に笛を吹いた浜で清経は敦盛に、「僅かな兵で平家はどうなるのだ」と涙ながらに訴えた。「我らが戦う番だ」と意気込む敦盛とは対照的に、清経は以前の朗らかさを失っていった。その後福原も源氏に攻め入られ、焼け落ちたため平家は海に逃げる。

清経の死、びわの母

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母の無事を祈って涙するびわ。

九州の太宰府まで逃げてきた平家は、粗末な家で一夜を明かす。徳子には京で後白河法皇により、新たに帝が擁立されたと知らせが入った。「帝は一人だ」とはっきり言う徳子の側で、まだ幼い安徳天皇が寝息をたてる。しかし、太宰府にまで後白河法皇からの平家打倒の命が下り、仕方なく平家一門は戦いに備えることになる。未だ身支度をしない清経に資盛が「こうなるのは仕方ないことだ」というと、「平家と共にあった武士たちの誠実さや実直さは、何の意味もなさない」と清経は涙を流す。

びわは海を逃げる平家を想っていた。京で出会った3人の若い白拍子と旅を行い、母を探す途中でびわの脳裏に清経が見える。太宰府からも逃れた平家は、陸に上がると敵襲に遭うため船の上で一夜を明かそうとしていた。月明かりの下で清経は笛を少し響かせ、おもむろにへりへ登り、そのまま海に飛び込み自ら命をたった。その様子を先が見える右目で確認したびわは、「自分はいつも何もできない」と一晩中泣いた。次の日、3人の白拍子とともにようやく母親の居場所を突き止めて、家を訪ねる。全盲の母に出会い、今までとある武士に無理やり嫁がされていたことを聞かされる。「どんな時でも、びわと父親を想って祈っていた」と話す母の言葉を聞いて、「平家の行く末を見届けようと思う。見届けて、祈りを込めて琵琶を弾く」と再び平家と行動を共にする。

一ノ谷の戦いと敦盛

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一人戦う敦盛。

平家が一ノ谷で、頼朝の弟である義経(よしつね)率いる軍に圧倒され敗走する最中、敦盛は清経に誓った「雄々しく戦う」という言葉を思い出していた。そして、戦場に亡き清経の笛を忘れたことに気づき、引き返す。笛を手に平家の船が浮かぶ浜へ向かおうと馬で駆けていると、「敵に背を向けるとは」と一人の源氏の武者に挑発される。敦盛は馬を降り、刀を抜いた。見事な剣術で敵に膝をつかせるも、戦いに不慣れなため人を斬ることに躊躇い、一瞬の隙を作ってしまう。そこを見逃さなかった源氏武者に、押し倒されて兜を取られる。しかし、敦盛のまだ若く幼い顔を見た武者は、その顔を自身の息子に重ねて動きを止めた。助けようとした武者に、敦盛は「さっさと首を取れ」と言い放ち「首を取れば、其方の名も上がろう」と穏やかに武者へ語りかけた。若い敦盛の命はこの瞬間、終わることになる。

維盛の最期

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維盛と再会を果たすびわ。左からびわ、維盛。

一ノ谷の戦いの敗走中に捕えられた重衡から、平家に朝廷へ三種の神器を返すようにと書状が届く。しかし結局返さず、重衡は鎌倉の頼朝の元へ送られた。倶利伽羅峠から気を病んでいた維盛の元にも、資盛からこの重衡のことが伝えられた。肩を震わせて「地獄に落ちるのだ」と怯える兄に、資盛は少しでも笑わせようと冗談を言うが虚しさが勝った。鎌倉に送られた重衡は頼朝と出会うことになるが、重衡の雅で美しい様を見て頼朝の罰する気持ちが揺らぐ。それでも、根絶やしにしなければ終わらない戦を想い、一層平家打倒に覚悟を決める。その頃、びわは平家の逃れた屋島近くまでやってきていた。そこで、出家して坊主となった維盛に再会する。維盛は屋島を逃れ、数人の家臣とともに出家し、そしてこれから入水することがびわには見えていた。「其方のことも語ろうぞ」と話すびわの目を見つめて、「生きた甲斐がある」と微笑む維盛。入水間際、念仏を背に立つ維盛の手は震えていた。最後まで子供の時のように臆病な維盛だった。

屋島の資盛は後白河法皇に命乞いの書状を送っていたが、返事はなくため息をついていた。そこにびわが現れ、びわはようやく平家一門の元に辿り着く。再会を喜ぶのも束の間、屋島に義経の軍勢が押し寄せて再び海へと平家は追いやられてしまった。

滅びる平家と語り継ぐ物語

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手に数珠を持って、海に沈む安徳天皇。

屋島を追われた平家は、これ以上退く場所がない程追い詰められていた。そして、壇ノ浦で義経の兵と正面から戦うことになる。兵力に分はあれど、勇猛な知盛の活躍によって平家が源氏を押していた。しかし突然風が止み、どこからか現れたイルカが両者の船の回りを泳ぎ始めた。そして平家の連れていた陰陽師が、「イルカがこちらに来れば平家が滅ぶ」と予言した。その通りに、イルカは次第に平家側へ泳ぎ出し、止まっていた風は源氏に追い風として吹き始めたのだ。一気に劣勢となった平家に勝機はなく、知盛は母の時子に負けを伝えに行く。「敵の手にはかからない」と言う時子は、孫の安徳天皇の手を取って船の先に立つ。まだ小さい天皇を抱いて、「波の下にも都がありますよ」とつぶやいた時子は入水した。続いて飛び込む女たちに混ざって、徳子も沈む。しかし、「徳子の先はまだ続いている」とびわが叫んで、徳子は引き上げられる。平家の武者たちは鎧を着て、敵を道連れにして海に飛び込んでいく。知盛は全身に錨の綱を巻きつけて、雄々しく沈んでいった。びわの目はその瞬間から、みるみる視力を失っていく。

時が経ち、後白河法皇が山寺に住む徳子のもとを訪れる。「どうすれば苦しみを超えられるのか」と徳子に問う法皇に、徳子は「ただ愛する者を想い、祈るのです」と柔らかに語った。びわが自分たち平家の物語を語り継ぎ、その中で平家一門は生き続けていると徳子は信じていた。徳子は、その物語の始まりは「祇園精舎の鐘の声」だと法皇に教える。

『平家物語』の登場人物・キャラクター

主要人物

びわ

声: 悠木碧
薄い青緑の右目で未来が見える琵琶法師の娘。アニメオリジナルキャラクターで、平家の滅亡を見届けるまで容姿の変化が全くない子供の姿。父親の死をきっかけに平家の行く末を知り、重盛に伝えたところ平家とともに生活することになる。重盛の子供たちと成長していく。

平重盛(たいらのしげもり)

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