初恋限定。(Hatsukoi Limited.)のネタバレ解説まとめ

『初恋限定。』は、河下水希による漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』にて、2007年44号から2008年26号まで連載された。
中学2年生の有原あゆみと江ノ本慧を中心に、中学生と高校生計8人の恋が同時進行で進む姿を描いたオムニバス作品だが、連載期間は約半年と短命に終わった。
いわゆる「打ち切り」となった作品であるが、打ち切りに遭いながらドラマCDやアニメといったメディアミックス化された珍しい作品でもある。

『ゆらめきアンバランス』 - 体育祭準備

応援係は面倒と他人事のように思っていた江ノ本だが、土橋の推薦によって任命されてしまう。

あゆみの友人である江ノ本慧は、14歳でありながら起業家の男性(年商13億)からプロポーズされるなど絶大な美貌を誇り、自分でも「はっきり言ってかなりモテる非常にモテる」と語るなど自分に絶対の自信を持っていたが、男は顔と公言するなど理想が高く彼氏や恋人とは無縁だった。

ホームルームで体育祭の応援係を男女一人ずつ決める事になるが、江ノ本自身は面倒だからやりたくないと他人事のように見ていた。

しかし、友人の土橋りかが「人に命令するのが得意」との理由で江ノ本を応援係に推薦した上に、他の友人も土橋の推薦に賛同してしまったため断れなくなってしまう。

女子のチア衣装を目当てに応援係に立候補した楠田だが、真面目にやらないため江ノ本から怒りを買ってしまう。

応援歌の作成、振り付けの考案など、やる事が多い応援係の苦労も知らず、みんなでチアをやったら楽しそうと好き勝手に盛り上がる仲良しグループだが、女子の発した「チア」という言葉に釣られて楠田も応援係に立候補する。

推薦した土橋の期待通り、江ノ本は元来持っている責任感の強さもあってクラスメイトに的確な指示を出して動かしていたが、チア目当てで応援係に立候補した上に顔も好みではない楠田は江ノ本にとって邪魔でしかなく、彼女の口から出るのは楠田に対する悪態ばかりだった。

チア衣装が完成せず、疲れの余り眠ってしまった江ノ本は作業を手伝ってくれた楠田に驚く。

体育祭の準備に追われる江ノ本だが、他のメンバーは大会が近いなど部活が忙しくなったため江ノ本を手伝えなくなってしまい、彼女達の協力を頼りにしていた江ノ本にとって大きな打撃となる。
嫌っている楠田と2人きりという江ノ本にとって辛い状況の中で応援歌の歌詞を考える事になるが、楠田はまともに歌詞を考えず、応援歌そっちのけでチア衣装のデザインに没頭するなど仕事をせず、江ノ本はとうとう楠田に愛想を尽かしてしまう。

楠田は頼りにならないから一人で何とかしようと振り付けの練習に衣装作りと奔走する江ノ本だが、クラス分の衣装を一人でどうにか出来るはずもなく、体育祭前日になっても出来たのは一着のみだった。

顔を合わせればお互いに憎まれ口を叩き合う関係だが、楠田も江ノ本もお互いが気になる存在になっていた。

完成した衣装の出来に満足する江ノ本だが、疲労がピークだった事もありこのまま眠ってしまう。

全員分の衣装を用意出来ず、応援係の責任を果たせない事を心の中で詫びながら眠っていた江ノ本は、ミシンの音で目を覚ます。

ミシンを使っていたのは自分が毛嫌いしていた楠田で、同じ応援係として手伝ってくれる彼の姿に江ノ本は心の中でときめきを感じていた。

結局衣装は一着しか完成せず、女子は学ランで応援する事になり、唯一完成したチア衣装は、ネタなのか罰なのか楠田が着る事になる。
女子に着せるはずが自分が着るハメになってしまい楠田としては不本意だったが、体育祭までの短くない時間を一緒に過ごした事によって江ノ本が楠田の事を気になっていたように、楠田も自分の携帯の待ち受けを(昨日こっそり撮っていた)チア衣装を着て眠る江ノ本の写真に設定するなど、彼の中でも江ノ本慧は気になる存在になっていた。

『ナイショノコトバ』 - 妹大好きなお兄ちゃん達

妹自慢がエスカレートした有二と良彦は妹達が通う雪ノ下中学校でも大騒ぎして目立っていた。

衛に兄がいるように、あゆみ達女子グループにも兄や姉がおり、偶然にも岬とは別の高校に通う操と、土橋の兄以外は水仙寺高校の同じクラスだった。
中でも、あゆみの兄である有原有二と、小宵の兄である別所良彦は仲がいいものの、お互いの妹自慢でしょっちゅう喧嘩する妹大好きな「お兄ちゃん」だった。

いつものようにお互いの妹自慢で仲良く喧嘩する有二と良彦だが、口論の末にお互いの妹を紹介し合ってどちらがかわいいか決めようと、妹達の通う雪ノ下中学に向かう。
妹達の下校を待つ間も相変わらず妹自慢で揉める有二と良彦だが、中学校の前で大騒ぎする高校生二人組は非常に目立っており、あゆみと小宵もすぐにお互いの兄が来ている事に気付いた。
お兄ちゃんが迎えに来てくれたと良彦に抱き着く小宵に対して、あゆみは一緒に帰ろうと肩を組む有二の足を踏んで冷たくあしらうなど(決して有原兄妹も仲が悪い訳ではないが)見事なまでに真逆な対応だった。
筋金入りのブラコンで、小宵からのお兄ちゃんLOVEに頭を悩ませている良彦の苦労に一切気付いていない小宵は、帰ってからも他界した母親の仏前で良彦が迎えに来てくれた事を報告するなど上機嫌だった。

あゆみの発した「財津君大好き」という言葉を操と勘違いした有二は、あゆみが心配で仕方なかった。

一方、いわゆるシスコンで妹への愛情が強すぎるため、あゆみから避けられている有二は、何とかあゆみに振り向いて欲しいとコミュニケーションやスキンシップを取ろうと努力しており、決してあゆみからの扱いは良くなかったものの、一緒にゲームをするなど妹と過ごす日々を楽しんでいた。
だが、ある日あゆみが口走った「財津君大好き」という言葉によって大きなショックを受ける。

勿論、あゆみが言っている「財津君」とは財津兄弟の弟である財津衛の事だが、有二は弟の存在など知る由もなく、操があゆみを籠絡させたと勘違いして激しく動揺していた。
操とあゆみがくっついてしまったらどうしようと、本気で心配した有二は良彦に相談するが、当然ながら良彦はまともに相手をしてくれず、他人事と思って大笑いするだけだった。

色々と勘違いを暴走させた有二は、持っていた飴を通りがかった岬の口に突っ込むという暴挙に出る。

あゆみの交友関係や操に弟がいる事など事実関係を深く調べず、あゆみは操が好きであると勘違いを暴走させた有二は更に思い込みが激しくなっていた。
想像力の逞しい有二は、操はこのようにあゆみを手懐けたという勝手な思い込みを再現するため、たまたま持っていた飴を日直の仕事でノートを運んでいた岬の口に突っ込むという暴挙に出る。

通りすがりの岬にとっては、ただのクラスメイトでしかない有二からいきなり飴を口に入れられて困惑するしかないが、唐突すぎる有二の行動に驚きながらも、何故かこれまで感じた事のないドキドキした感情を感じていた。

これがきっかけで岬は有二に興味を持つ事になるが、岬に対してずっと前から好意を抱いていた良彦は彼女にとって「有二の友達」という認識でしかなかった。
そして、有二に関する相談相手としてお互いに交流を持つ事になるが、良彦にとっては残念ながら岬と友達以上の関係になる事はなかった。

『逆走少年!』 - 曽我部の根拠のない自信

曽我部は自分に対して根拠のない自信を持っており、自分がモテない事をこの学校の女子は見る目がないと決め付けるなど、自分に好意を寄せてくれない異性を見下していた。

あゆみ達5人に、衛、楠田と同じ2年2組に在籍する曽我部弘之は初登場のモノローグで「この学校の女子は男を見る目がない」と言い出し、初登場の人物は何者なのか読者が理解する暇を与えず「こんなに素敵な僕がいるとゆーのに」と、ナルシストのような発言をする。
このように曽我部は自分に対して根拠のない自信を持っており、自分がモテない事をこの学校の女子は見る目がないと決め付けるなど、自分に好意を寄せてくれない異性を見下していた。

実際の曽我部はまともに異性と話せないほど奥手であり、自分で「この学校の女子は男を見る目がない」と言っているだけで根拠も何も証明されてない彼の「魅力」が分かるはずもなく、まともに女子と接する事がない以上モテないのも当然だった。

自分がモテない理由を考えず女子のせいと決め付けている曽我部だが、廊下でぶつかった千倉が声を掛けてくれた上に自分を心配してくれたため(廊下を走っていて曽我部にぶつかったのだから相手を心配するのは当然だが)彼女が自分の魅力を理解出来る女性であると、これまた意味不明な勘違いを起こす。

千倉と二人きりになる時間と空間が欲しい曽我部は楠田に相談し、千倉と二人になるチャンスを作るため作戦を練る。

千倉を振り向かせるため、曽我部は本人が全く見ていないにも関わらず千倉の前でクールなポーズを決めたり、教科書を忘れたという彼女のために黙って差し出したり(本人は千倉に背を向けて手を振って「男は黙って背中で語る」姿を気取る)と彼なりの努力をするが、お互いに言葉を交わすコミュニケーションを取っていないため、当然ながら千倉に曽我部の気持ちは伝わらなかった。

コミュニケーション不足で意思が伝わっていない事を「千倉さんはシャイだから」とある意味ポジティブに受け止めている曽我部は、二人きりになる時間と空間が欲しいと楠田に相談し、千倉と二人になるチャンスを作るため作戦を練る。

小宵が「お兄ちゃんLOVE」を公言する重度のブラコンである事を利用して、彼女の兄である良彦のお面(良彦の写真は携帯で撮影)を着けた楠田が小宵を引き連れて逃げ回るという作戦は完璧に成功し、小宵がいなくなった事により千倉は取り残されてしまう。

その隙を突いて曽我部が声を掛け、ついに千倉と一緒に帰る事に成功する。

一緒に帰っていい雰囲気になる曽我部と千倉だが、曽我部が発した「また明日」という言葉の意図を出来ず、単純におもしろい人としか見ていなかった。

千倉と一緒に帰れる事で舞い上がってしまった曽我部は、帰りの道中色々と話し掛けてくれる彼女に対してまともに返事も出来ない有様だったが、気難しいと思っていたけど面白い人だったという千倉の言葉で二人の間は予想外にいい雰囲気となる。

追って来る小宵をまいて二人が一緒にいる現場に遭遇した楠田は、曽我部と千倉がいい雰囲気になっている事に驚くが、後は告白するのみと背後から応援する楠田の期待に反して曽我部の口から出た言葉は「また明日」だった。

曽我部の言葉の意図を出来ず千倉も「また明日」と返すが、深い意味のない彼女の言葉を曽我部は「明日また一緒に喋ったり帰ったりしてもいいですという意味でのまた明日」と有り得ないほどポジティブに捉えてそのまま走り去ってしまう。

当然ながら千倉には曽我部の行動(というか奇行)の意図は一切理解出来ていなかったが、自分の目標を達成して「任務完了!」と曽我部は告白のチャンスを逃した事を惜しむ楠田の前で盛り上がっていた。

『雪が降り出すその前に』 - 江ノ本と楠田のクリスマスデート

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