君の膵臓をたべたい(キミスイ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『君の膵臓をたべたい』とは、2018年に公開されたアニメーション映画。
住野よる著の2015年の同名小説を原作とした作品であり、2017年には実写映画版が公開されている。スタッフは本作が初監督となる牛嶋新一郎が監督・脚本を担当。制作会社はスタジオヴォルン。
孤高な主人公の少年「僕」と膵臓の病で余命わずかの快活な少女の青春模様や、キャラクターの葛藤・成長が描かれる。劇中の経過時間は約4ヶ月ほどで、独特なタイトルの本当の意味が劇中終盤でようやく明かされる。

「僕」の母

声 - 田中敦子

春樹の母親。春樹に対しては一見 放任しているが、実際にはよく観察していて鋭い。
春樹は「学校では普通に友達がいる」ということで通していたが、それが嘘だということは見破っていた。終盤では、春樹にようやく桜良のような特別な相手ができたことを嬉しく思っていた。
その後、春樹が桜良の死で塞ぎこんでいたことから彼女が特別な人間だったことを察する。桜良の家へ向かう春樹に香典を渡し、「ちゃんとさよならしてきなさい」と後押しした。

「僕」の父

声 - 三木眞一郎

春樹の父親。春樹とは仲がいいわけではないが疎遠というわけでもないらしい。
劇中ではほとんど出番はなく、セリフも少ない。

桜良の母

声 - 和久井映見

桜良の母親。
桜良のよき理解者で温厚な性格。娘の病という深い悲しみを背負いつつも、彼女の日常を取り繕うことに必死だったらしい。

中盤 桜良から、彼女の死後は共病文庫を預かり、春樹が来たらそれを渡してほしいと頼みごとをされていた。
言付け通りに家に来た春樹に共病文庫を橋渡しする役を務める。桜良から春樹の名前は聞かされていなかった。終盤で春樹の下の名前を聞き、桜良という名前にぴったりだと評した。

以降、春樹とは親しくなり、1年後には春樹と恭子と共に食事をする約束をしている。

声を担当した和久井映見はメインキャストでは最後に決定された。女優として数々の実績を持つが、声優の経験はほとんどなかった。

『君の膵臓をたべたい』の用語

君の膵臓を食べたい

本作のタイトルにして、劇中におけるセリフでありキーワード。
タイトル名では「たべたい」とひらがな表記だが、原作小説および劇中のメール文では「食べたい」という表記になっている。

住野よるは、本作の執筆にあたりまずこのセリフが浮かび、それをタイトルとしてストーリーを考えたと語っている。
その本当の意味は「君のような人になりたい」というもの。

共病文庫

桜良が書いた本。春樹と桜良の交流が始まるきっかけとなったもの。

白紙の文庫本に手書きで文章を書きこんだもので、桜良が膵臓の病を患ったとき(春樹と病院で会うより前)から書き始めた日記。本の終わりの方には家族、友人、恭子、春樹へ向けた遺書が書かれている。

その名称を知っているのは桜良以外では春樹と桜良の母のみ。終盤では春樹から恭子へ送られ、恭子も桜良の病や遺書を知ることになる。

日記の内容は8月18日で終わっており、遺書の方もまだ第一稿で桜良は改稿するつもりだったが、突然の死でそれは叶わなかった。

桜の花が春に咲く理由

序盤で桜良が語る、本作のキーワード。

桜の花は、春に咲いて散ってから数ヶ月が経過すると、次の花の芽を付け、花を咲かせる準備を始める。7~8月には「花芽」という小さな芽ができるため、本来ならその時点で咲くことは可能な状態となっている。しかし実際にはそれから花芽のまま眠りにつき、冬の寒い空気にさらされることで徐々に眠りから覚め、気温が高くなり春になった時点で咲く。
つまり、桜は芽の状態で咲くべきときを待っているという意味。

桜良はそんな桜の花の習性がとても好きで、自分の名前にもそれが含まれていることを嬉しく思っていた。
後に「僕」の「春樹 = 春に咲く樹木」という下の名前を知った際に、自身の名前と通じるところがあったため、桜良は驚いていた。

終盤、桜良は春樹により彼女が彼女自身として必要とされていると知ったことにより救われていた。そのときに桜良は、桜の花が春に咲くのを待っているように、春樹に必要とされるのを自分は待っていたのだと感じたと遺書に書かれている。
そして、桜良と出会ったことで本当になりたかった自身を知ることができた春樹もまた、自分は桜良に出会うためにこれまで生きてきたのだと確信している。

「僕」

主人公の志賀春樹のこと。
劇中では終盤まで名前は明らかにされず、桜良にも呼ばれるシーンはない。中盤で名乗るシーンがあるが、音声はない。
原作では名前は呼ばれているらしいが、「【仲良し】くん」、「【地味なクラスメイト】くん」などのように表記され、伏せられている。

Cafe Spring

劇中で登場するカフェ。
店の名前から桜良が気に入り、以降待ち合わせ場所などに使われる。

『君の膵臓をたべたい』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「君の膵臓を食べたい」

kazuya2004m3
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@kazuya2004m3

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