アリス・ギア・アイギス(アリスギア)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アリス・ギア・アイギス』とは、コロプラより配信されているスマートフォン用ゲームアプリである。機械生命体ヴァイスの襲撃により地球を捨て宇宙船団による航海を続ける人類は、ヴァイスに対抗し得る高次元兵装「アリスギア」を開発。それから3世紀、若い女性だけが操作できるアリスギアによって宇宙船団の平和は守られてきた。その船団の一つ「東京シャード」のヴァイス対策企業「成子坂製作所」に新たな隊長が赴任したことで物語が始まる。

『アリス・ギア・アイギス』の概要

『アリス・ギア・アイギス』とは、ピラミッドが開発・運営しコロプラより配信されているスマートフォン用のゲームアプリである。2018年1月にサービスが開始された。「武装カスタマイズアクションゲーム」と銘打たれているように、登場する「アクトレス」と呼ばれる女性キャラクターに「アリスギア」と呼ばれる多彩なメカニック武装を装着して戦闘を行うゲームである。操作としてはいわゆるTPS(Third-parson shooting)に近い。
開発のきっかけがアクションフィギュア「武装神姫」をゲーム化した「武装神姫BATTLE MASTERS」の開発元であったピラミッドと「武装神姫」シリーズのデザイナーである島田フミカネ・海老川兼武・柳瀬敬之らの交友によるものであったことから、サービス開始前からフィギュアなどのメディアミックス展開が先行して発表されていた。
音楽にはタイトーで多くの名作シューティングゲームのBGMを手掛けた「ZUNTATA」を起用、スマホアプリの域に留まらない本格的なシューティングゲームとしての雰囲気を醸し出している。
2019年6月にDMM.GAMESよりPC版がリリースされ、パソコンでもプレイすることが可能になった。PC版はスマートフォン版とデータを同期させることができる(Android版の引き継ぎと同様の方法による)。

『アリス・ギア・アイギス』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

戦いを望まない「赤の女王」を突き放す「白の女王」。その真意はまだわからない

機械生命体ヴァイスを統べる「赤の女王」と「白の女王」。決別を告げる白の女王に追いすがる赤の女王だが、白の女王は謎めいた言葉と共にそれを拒絶する。
二人の女王は戦わなければならない宿命なのか、そもそもこれは現実の話なのか。今はまだわからない。

東京シャードを襲う無数のヴァイスとの激戦の中、一瞬の幻を見ていた比良坂夜露。他のアクトレスとの通信はなかなか繋がらず、ようやく繋がった吾妻楓からの情報は絶望的なものだった。東京シャードを守る主力であったAEGiS東京は壊滅、その他のアクトレスも多くが行方不明であった。東京シャード壊滅の日が遂に訪れたのだ。
これも現実に起こるはずの未来なのか、それとも避け得る運命なのか。今はまだわからない。

黎明編

叢雲工業と癒着したAEGiSによる妨害にも負けず成子坂製作所は名門復活への第一歩を踏み出した

成子坂製作所

成子坂製作所の所長にスカウトされて会社の立て直しのために着任した新人隊長。彼を出迎えたのは3人のアクトレスだった。
アクトレスと事務員を兼任する百科文嘉、オタク少女の兼志谷シタラの古参メンバーに加えて新人の比良坂夜露。夜露は入社試験を受けた他社すべてが不合格でやっと入社できたのが成子坂なのだという。
かつてはヴァイス対策企業の名門と言われた成子坂製作所だったが、現在は事務員の雇用すらままならず3人1チームで細々と小型案件を請け負う零細企業に成り果てていたのだ。
そんな中、対ヴァイス公的防衛機関であるAEGiSに代わり東京シャード防衛の4割を担うことから「民間のAEGiS」を自認するヴァイス対策企業の大手・叢雲工業が成子坂製作所を買収するという噂が浮上していた。整備部長で社一番の古株である磐田宗一郎は買収の話を根も葉もない噂と切って捨てるが、小型ヴァイスの撃退ばかりでたいした奨励金も補助金も入ってこない成子坂が赤字であるという事実だけは重くのしかかってきていた。高収入である大型ヴァイスの撃退案件はAEGiSの指定業者である叢雲にほとんど取られてしまっているのである。成子坂の面々は、TVで華々しく取り上げられる叢雲所属のトップアクトレス・吾妻楓の姿を羨ましく思いながら見るしかなかった。

憧れは遠く

叢雲工業は新型のアリスギアとアクトレススーツの導入を大々的に発表するなど羽振りの良さを見せていた。それに引き換え機材も旧式で人手も足りない成子坂製作所は対抗する手段を見出せない。かつては成子坂も大人気アクトレスを抱えアリスギア開発で大きな利益を出していた名門企業だったのだが、7年前の事故で評価が急落。当時は成子坂の下請けだった叢雲にすっかり追い越されてしまったのだという。
苦境の中、たびたび大型ヴァイスが担当地区に出現するようになったことで少しずつ成子坂の業績も上向きつつあった。夜露が出撃すると何故か大型ヴァイスの出現率が上昇するためシタラから「ヴァイス神」「ラッキーガールよつゆちゃん」と呼ばれる夜露。しかし叢雲の業績はそれ以上の急上昇を見せている。
そんな業績上昇中の成子坂を訪れた日刊東京AEGiSニュースの記者と名乗る人物、それはかつて成子坂のアクトレスだった神宮寺真理だった。彼女は磐田に叢雲の新型機についての見解を聞くよう装いながら、アリスギアの違法研究についての情報を引き出そうとしていた。真理は、叢雲が違法研究だけでなく業績に関しても意図的な操作を行っている可能性を示唆する。

月に叢雲、花に風

神宮寺真理が示唆したのは「叢雲工業はシャード外壁の小型ヴァイスを見逃し、大型に成長するまで待っている」という疑惑だった。それに関して叢雲の大型ヴァイス撃退達成率を調べていた文嘉は、叢雲がシャード外部の撃退案件のみ不自然に達成率が低いことに行き当たる。真偽を確かめるべく、隊長はシャード外壁の調査案件を受注することを決断。その結果、シャード外壁部にサーペント級の大型ヴァイスが営巣していることが確認された。そのデータをAEGiS本部と叢雲に送付し問い合わせを行った文嘉だったが、両者とも因果関係を否定し相手にされなかった。そこで再調査した成子坂は更に多くのサーペント級と遭遇。叢雲が脅威性が薄いとして見逃した個体と成子坂が撃破した個体の同一性を確認した上で再度AEGiSと叢雲に対して厳重抗議を行った。しかし、AEGiSからは「指定業者への妨害行為」と見做されペナルティ対象となってしまう。成子坂に課せられたのは無償でのシャード外壁のスペースデブリ除去だった。そこにもやはり叢雲が見逃していたヴァイスの姿があった。
そして、叢雲の不法行為をAEGiSが見逃し続けてきたツケが最悪の形で訪れることとなる。東京シャードの新宿エリアに大型ヴァイスが複数侵入してきたのだ。しかし、事ここに至ってもAEGiSは指定業者である叢雲の面子のために成子坂の出撃を許可しようとしない。一方、叢雲工業内部でも被害を速やかに抑えるため旧型装備での出動を要請する吾妻楓と調整が遅れている新型装備のお披露目を優先して出撃を遅らせようとする上層部が対立していた。人を守る剣であることを何より重んじる武人気質の楓は人命より会社の業績を優先する上層部の決定に怒りを露わにする。そんな楓を見かねたチームメイトの日向リンと小鳥遊怜は、楓のために保管庫から無断で旧型装備を持ち出す。成子坂は「小型案件の処理中に大型ヴァイスと遭遇」という裏技でなんとか出撃しようとするが、そこに楓から助力を求める戦闘通信が入る。旧型装備で単身出撃した楓への救援という形で出撃した夜露たちは、AEGiS戦闘部隊所属の鳳加純による援護もあってポイゾネルモス級を撃破、東京シャードの危機を救ったのだった。
TVではかつての名門の活躍と共に新型装備のデータ不正を行っていたばかりか特定のAEGiS幹部と癒着して大型ヴァイスを故意に見逃し甚大な被害を出した叢雲工業に捜査が入ることが報じられていた。それから一週間後、経営責任を問われた叢雲工業はアクトレス部門の閉鎖が決定。楓・リン・怜は成子坂製作所へ移籍してきたのだった。

躍進編

躍進を始めた成子坂製作所には新たな仲間と新たな敵が待ち受けていた

新生! 成子坂製作所

東京シャード最大手のヴァイス対策企業である叢雲工業の撤退はAEGiSにとっても痛手だった。そこでAEGiS東京は成子坂製作所に叢雲のアクトレスを移籍させその担当地域を譲渡、速やかに叢雲の抜けた穴を埋めるよう命じた。シャード外壁部の大型ヴァイス撃退案件が増加したのは叢雲の責任だと気に病む楓たちは、できればそれを自分たちに任せて欲しいと隊長に要請する。しかし、夜露は今の成子坂はみんな仲間なのだから抱え込まないで一緒に戦おうと楓を諭す。そんな中、シャード外壁で増殖する大型ヴァイス群が発見された。協力して無事に大型ヴァイス撃退を成功させた成子坂ではレストランで楓たちの歓迎会を開催。そこで一行と出会ったふくよかな女性は叢雲工業アクトレス部門の管理栄養士だった大関小結だった。無事に再就職が決まった楓たちを祝福する小結だったが、彼女自身はまだ職が見つからないという。叢雲が解体されていなければ小結が失職することもなかったのではと落ち込む夜露だったが、楓は叢雲の上層部や不正に気付かなかった自分たちのせいであって成子坂は悪くないと言う。そして、今は同じ会社で共に戦う仲間だとして夜露と楓は改めて結束を誓い合うのだった。

初めての後輩

解体された叢雲工業から更に2人のアクトレスが成子坂製作所へと移籍してきた。相河愛花と一条綾香の中学生コンビである。大人しく礼儀正しい愛花に対して勝気で挑戦的な綾香は成子坂の面々に対して早速先輩を先輩とも思わない態度で臨むが、それでも後輩ができたことを喜ぶ夜露。この移籍は、2人のことをかねてから気にかけていた楓が隊長に依頼したものだった。叢雲では二軍扱いだったため、少しでも功績を挙げようと隊長に出撃を要請する綾香たち。一方、親睦を深めようと2人を喫茶店に誘った夜露だったが綾香からはアクトレス歴は自分の方が長い、と相手にされない。そんな綾香を諌めたのはたまたま店に居合わせた小結だった。叢雲時代に世話になった小結には綾香も頭が上がらない。
アクトレスの数がいきなり倍以上に増えた成子坂の整備部では、各自が勝手な強化要望を出してくることに困惑していた。文嘉は、装備強化に関しては隊長に一任することで収めようとする。装備強化のみならず、アクトレスの急増に伴う提出書類の倍増で事務員兼任である文嘉の負担は膨れ上がっていた。その手間を減らすために文嘉はアクトレスの意見を集約すべく連絡会議を開催するが、まるで意見がまとまらず各々が勝手に隊長に直談判を始めたため会議は崩壊。結局隊長の負担が増えるだけで終わってしまった。遂にブチ切れて事務関連を全部外部に丸投げしようと言い出す文嘉とそれをなだめる楓。楓の話ではAEGiSから派遣事務員が来るということだが、お役所のすることなのでそれもいつになるか分からない。見かねた楓は、自分も事務を手伝うと言う。そんな時、所長の意向でエンパイア中野に出向していた四谷ゆみが契約終了で成子坂に帰ってきた。早速綾香たちの新人教育と事務の手伝いに駆り出されたゆみだったが、彼女は成子坂とAEGiSとの契約に問題点を発見した。

激闘! 新宿エリア防衛戦

成子坂製作所とAEGiSとの契約の問題点、それはAEGiSの要求する査定ポイントの高さだった。現状の成子坂ではそれを満たしていないのだという。叢雲工業からの引き継ぎポイントは叢雲の不正のため全て無効となっていたのだ。このままだと成子坂が所有する新宿エリアの業者指定が取り消しになってしまう。その不足分は大型ヴァイス9体分にも及んでいた。街の人々と自分を受け入れてくれた成子坂を守るために戦おうと決意する楓には、大型ヴァイスとの戦いを競争として楽しもうとするリンや楓のようになりたいから戦うという夜露の態度をあまり快く思えなかった。
そんな中、AEGiSの鳳加純が成子坂を訪ねてきた。AEGiSは、今の成子坂の戦力であればシャード周辺宙域の大規模調査「フロンティア・プロジェクト」を受注できるとしてその依頼に訪れたのだ。高度なミッションであるが報酬も高額である。これは成子坂の戦力を増強して叢雲の抜けた穴を補わせたいAEGiSの意向であった。
連戦の末、なんとか規定のポイントを稼ぎ出して新宿エリアの業者指定を守り切った成子坂。しかし、叢雲から引き継いだエリアは新宿だけではなかった。その一つ、白金エリアの業者指定を狙って聖アマルテア女学院が係争を仕掛けようとしていた。

係争! 聖アマルテア女学院

聖アマルテア女学院は、成子坂が叢雲から引き継いだ受注地域のうち自分たちの学校周辺である白金エリアを引き取ることを申し出てきた。聖アマルテア女学院は東京シャード最大のアクトレス養成実績を持ち、多くのトップアクトレスやAEGiS幹部を輩出してきた名門である。近年になってアクトレスの養成だけでなくヴァイス対策にも進出してきたアマルテアは戦力が未だ整わない成子坂から受注地域を奪取するつもりであった。AEGiSの裁定は、成子坂とアマルテアの双方で一定期間内に白金エリアのヴァイス撃退ポイントを競い合い、勝利した側と受注契約を締結するというものだった。一方、成子坂の事務員不足問題に関してはAEGiSからの派遣事務員として安藤陽子が着任することで決着した。
係争は一進一退の攻防が続く。そんな中、アマルテア生徒会から副会長の州天頃椎奈と風紀委員長の仁紀藤奏が相次いで成子坂の視察に訪れる。係争では敵対する関係ながらも椎奈と奏は成子坂の面々と親交を深めていた。そして生徒会長の紺堂地衛理も成子坂を訪問。今までの戦いを見て、最も警戒すべき相手はエースの楓ではなく幸運を呼び込む未知数の存在である夜露であると思いその力を見極めようとしたのだ。
係争は大詰め、大型ヴァイス3体分のポイントでリードしていた成子坂だったが最終戦で大型ヴァイス4体を単独撃破した地衛理の活躍でアマルテアが逆転勝利、白金エリアはアマルテアのものとなった。トップアクトレスでも困難な記録を出した地衛理の実力に驚愕する成子坂の面々。楓はただの高校生ではあり得ないその強さの由来を訝しむのだった。

yuku_sakana
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