はたらく細胞(第8話『血液循環』)のあらすじと感想・考察まとめ

Saibou

『いつまでも半人前じゃ、足手まといになってしまう。迷わず最後まで一人で、この循環器を一周してみせる!』そんな熱い思いを持った方向音痴の赤血球を、ひそかにサポートする心配性の白血球。ふたりは、下大静脈から心臓へ行き、次に肺へと向かわなければならない。キラーT細胞は、免疫細胞が他の細胞や血球たちと仲良くすることに、なぜか不満のようだ。
今回は「はたらく細胞」第8話『血液循環』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「はたらく細胞」第8話『血液循環』のあらすじ・ストーリー

ここは人間の体の中。道に迷っていた赤血球は、見学中の新人赤血球たちを見て思った。
赤血球『新人さんたち、もうすぐお仕事はじめるんだ。わたしももっと、しっかりしなきゃ。みんなからアホだとか、方向音痴だとか言われてきたけど、いつまでも半人前じゃ、足手まといになってしまう。もう、誰かに頼っている場合じゃない。二酸化炭素を肺に届け、酸素を受け取り、身体中の細胞に届ける。それがわたしの仕事!迷わず最後まで一人で、この循環器を一周してみせる!』
いま赤血球がいるのは、下大静脈の手前だ。ということは、まず心臓へ行き、次に肺へ。そして、また戻ってくればよいのだ。赤血球が角を曲がろうとしたとき、雑菌が襲いかかった。そこへ現われた白血球が、あっというまに雑菌を駆除する。

5d8ae813

赤血球(右)に襲いかかる雑菌を白血球(左)が駆除する

白血球「こんなところで何してんだ、この先リンパ管しかないぞ」
赤血球「わたし、また道間違えて」
自分のせいで雑菌にケガを負わされた白血球を見て、赤血球は再び思った。
赤血球『このままじゃダメだ、もっとしっかりしなくっちゃ』
いつものように道案内しようとした白血球は、地図をにらみつける赤血球に圧倒される。
白血球「赤血球が燃えている!自分の力だけでやりとげてみせると、ヤツのオーラがいっている。おせっかいはやめとくか」
赤血球と別れた白血球だが、すぐに赤血球の悲鳴を聞き駆けつける。赤血球は破損した血管から落ちそうになっていた。

7b480e1f

破損した血管から落ちそうな赤血球(左)と駆けつけた白血球(右)

白血球「だ、大丈夫だったか……?」
赤血球「大丈夫です。お手数をおかけしました。すいません。それじゃあ失礼します」
落ちずにすんだが、かなり狼狽し大慌てで先を急ぐ赤血球。それを見送った白血球は、ひどく不安そうな顔をする。白血球は、仲間に連絡を入れた。
白血球「こちら1146番だ。これより全身のパトロールに向かう」
パトロールにかこつけて、赤血球が無事に循環できるよう、こっそりサポートするつもりなのだ。

A7cc38c7

赤血球(中央奥)を尾行する白血球(右)

赤血球が、静脈弁の前にやってきた。静脈弁は、静脈を流れる血液を心臓行きの一方通行にし、血液の逆流を防ぐ。しかし、地図を逆さまに見ていた赤血球は、逆走して静脈弁の細胞に怒られてしまう。次に、下大静脈にやってきた。下大静脈は、ヒトの身体の中で一番大きな静脈で、下半身などからの血液を集め、心臓の右心房に送っている。大静脈は大きな一本道なので、楽といえば楽だが、上り坂になっている。ここから先は、心臓だ。非常に混雑するため、荷物を乗せていたカートは持ち込めない。荷物を持った血球は、心臓循環へと出発する。つまり、肺循環と体循環だ。まず肺循環は、右心房から右心室を通り、肺動脈を経て肺にたどり着いたら、二酸化炭素を捨て、酸素を受け取る。そこから肺静脈を通って左心房へ。次は肺循環だ。左心室から大動脈を通り、動脈から毛細血管へ。そこで酸素と養分を渡し、二酸化炭素などの不要物を受け取る。そして再び、右心房に戻ってくるまでが、体循環だ。赤血球は思った。
赤血球『ついにきた、最後の難関。何度見てもよくわからない場所、心臓』
二酸化炭素の入った重い箱を持ち上げると、赤血球は気合いを入れた。
赤血球「よおっし、行くぞ、いざ心臓!」
心臓は、全体が筋肉でできた器官で、静脈から戻ってきた血液を動脈に押し出すポンプの役目を担っている。その動きは、1日におよそ10万回繰り返されているのだ。右心房が上下の大静脈から静脈血を受け、右心室へ送る。三尖弁は、心臓の右心房と右心室の間にある三枚の弁だ。心臓が収縮するときは右心室へ血液を流し、拡張の際は右心房への血液の逆流を防ぐ。右心室は、二酸化炭素を多く含んだ静脈血になっている。ひどく混雑した右心房で、三尖弁が開いたとき、赤血球がメモ帳を落とす。少し離れたところから様子をうかがっていた白血球が、メモ帳を拾い、赤血球の方へ投げる。メモ帳は赤血球が持っていた箱の上に着地した。驚く赤血球。
赤血球「え、メモが飛んできた」

85277c2a

白血球が、メモ帳を拾い、赤血球の方へ投げる

肺動脈を進む赤血球。肺動脈は、静脈血を肺に送る動脈である。肺は二酸化炭素を捨て、酸素を受け取る器官だ。
赤血球「さて、肺胞でガス交換を」
酸素を受け取った赤血球は、ここが、はじめて白血球に助けてもらった場所であることを想い出し、なつかしむ。
肺静脈は、酸素を多く含んだ血液が流れている。心臓へ戻る入り口から大動脈へ。大動脈から、それぞれに分岐した動脈を通り、全身の毛細血管へと流れる。毛細血管は、細胞に酸素と養分を渡し、二酸化炭素などの不要物を受け取る。
すり傷から侵入した細菌たちが、赤血球の行く手で待ち伏せをしていた。
細菌「さっそくいいところに、カモがきたようだぜ。ターゲットは、あのアホそうな赤血球か」
赤血球を尾行していた白血球は、先回りし、こっそり細菌たちを駆除する。
ひどく狭い道を通り抜け、細胞に酸素を届けることができた赤血球は、迷わないで循環できたことに歓喜していた。それを遠くから見守っていた白血球に、キラーT細胞が声をかける。キラーT細胞は、白血球が赤血球を気づかっていることが、なぜか気に入らないようだ。
白血球「いままで気にとめたことはなかったが、たいへんな仕事だな、赤血球というのも。オレたち免疫細胞は、赤血球たちに怖がられることも多いけど、もっとお互いの仕事を理解しあって、いつの日か、あいつらと仲良くやっていけるようになるといいな」
そういってニッコリ微笑んだ白血球をキラーT細胞は、おもいきり殴った。
キラーT細胞「バカヤロウッ!甘っちょろいこといってんじゃねえっ!必要とあらば味方だろうと容赦なく殺す、それが免疫細胞というもんだろうが!ったく世話がやけるぜ」
突然のことに呆然とする白血球を残し、キラーT細胞は去っていった。白血球を見つけた赤血球は、循環について楽しそうに話し出す。道端では、B細胞が一般細胞たちと和気あいあいと談笑している。そんな彼らを脇目に、仏頂面のキラーT細胞はひとりつぶやいた。
キラーT細胞「うらやましくなんか、ない!」

「はたらく細胞」第8話『血液循環』の感想・考察

「はたらく細胞」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

renote.jp

essaywriter
essaywriter
@essaywriter

Related Articles関連記事

はたらく細胞(アニメ全話)のネタバレ解説まとめ

『はたらく細胞』とは、鈴木健一監督、david production制作によるアニメ作品である。ナレーションは能登麻美子。講談社の『月刊少年シリウス』にて、2015年3月号より連載中の清水茜による漫画が原作となっている。 舞台は、人間の身体の中。細胞たちが擬人化、侵入した病原体などがモンスター化・怪人化して描かれている。酸素を運ぶ赤血球や、細菌と戦う白血球。傷口をふさぐ血小板や、殺し屋のキラーT細胞など、そんな約37兆2000億個もの細胞たちの知られざるドラマが展開される。

Read Article

はたらく細胞(第4話『食中毒』)のあらすじと感想・考察まとめ

赤血球と白血球は、一緒に胃の見学をしていた。すると白血球のレセプター(細菌レーダー)が反応する。近くに細菌がいるのだ。好酸球は侵入した細菌を排除しようと、ひとり戦っていた。細菌が好酸球にとどめを刺そうとしたとき、現われた白血球に助けられる。周囲にいた細胞たちは、弱い好酸球の陰口をいった。そんな時、胃壁を食い破り、白血球でもかなわない寄生生物アニサキスが侵入しようとする。好酸球はアニサキスに立ち向かう。 今回は「はたらく細胞」第4話『食中毒』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第9話『胸腺細胞』)のあらすじと感想・考察まとめ

「キラーT君、もうちょっとクールにやれないの?」「こっちも仕事なんでね。アンタの司令に合わせて、キチッと攻撃できるように鍛えなきゃならんのですよ」と、ヘルパーT細胞とキラーT細胞が口喧嘩をしていた。その上司と部下ではない様子に、困惑するナイーブT細胞たち。「彼らはね、胸腺学校時代の同期だったんだよ」と樹状細胞は一枚の写真を取り出すと、ナイーブT細胞たちに昔話をはじめた。 今回は「はたらく細胞」第9話『胸腺細胞』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第1話『肺炎球菌』)のあらすじと感想・考察まとめ

酸素を動脈に届けていた新人の赤血球は、細菌に襲われる。しかし、そこへ現われた白血球に救われる。仕事に戻った赤血球は偶然、細菌の生き残りである肺炎球菌に出くわすが、ふたたび白血球に助けられる。迷子の赤血球を、肺へ案内し終わった白血球は、レセプター(細菌レーダー)の反応に違和感をもっていた。 今回は「はたらく細胞」第1話『肺炎球菌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第5話『スギ花粉アレルギー』)のあらすじと感想・考察まとめ

今年もスギ花粉の季節がやってきた。眼から入った花粉がアレルゲンとなり、さまざまな症状を引き起こす。スギ花粉アレルギー緊急対策本部には、被害報告が次々と寄せられていた。記憶細胞は『言い伝え』を口にする。『宇宙より災いの流星飛来せし時、山は怒り、大地は荒ぶり、海はうごめく』。ヘルパーT細胞は、B細胞を現場へ向かわせた。血球や細胞たちは自分の仕事をまっとうしようとするが、災害はどんどん広がってゆく。 今回は「はたらく細胞」第5話『スギ花粉アレルギー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第10話『黄色ブドウ球菌』)のあらすじと感想・考察まとめ

赤血球は全速力で逃げていた。細菌に追われているのだ。逃げ場を失った赤血球を細菌が殺そうとした時、何者かが細菌に強烈なパンチをお見舞した。その者は黄色い防護服をまとい、マスクで顔を覆っている単球と呼ばれる細胞だ。とても頼れる人だと白血球に教えてもらう。傷口から黄色ブドウ球菌が侵入し、白血球がピンチに陥った瞬間、単球が現われ、そのマスクを取る。 今回は「はたらく細胞」第10話『黄色ブドウ球菌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第2話『すり傷』)のあらすじと感想・考察まとめ

毛細血管に養分を運んでいた赤血球が表皮に近づいたとき、大きな音とともに地面がゆれ、血管の外壁がくずれた。やがて大きな穴があき、その穴へ吸い込まれそうになった赤血球を、白血球が血管へと連れもどす。赤血球たちを逃がし、傷口のそばで侵入してきた細菌たちと戦っていた白血球は、彼らの動きに疑問をもっていた。血管の奥にいる白血球も、捨て身で向かってくる細菌たちは、何かがおかしいと考えていた。 今回は「はたらく細胞」第2話『すり傷』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第6話『赤芽球と骨髄球』)のあらすじと感想・考察まとめ

偶然迷い込んだ赤色骨髄で、赤血球は自分が幼い頃のことを思い返していた。そして、緑膿菌に殺されそうだったところを救ってくれた、骨髄球の男の子のことを思い出す。一方、白血球は変な姿をした細胞に襲われていた一般細胞を助ける。その一般細胞の案内で、キラーT細胞やNK細胞とともに、変な細胞の仲間が潜んでいる現場へやってくる。二手に分かれ偵察をはじめたとき、一般細胞とふたりきりになったNK細胞が口を開いた。 今回は「はたらく細胞」第6話『赤芽球と骨髄球』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第3話『インフルエンザ』)のあらすじと感想・考察まとめ

体内を偵察していたナイーブT細胞が、インフルエンザウイルスに感染した細胞に襲われた。しかし、そこへ現われた白血球に救われる。マクロファージや、ナイーブT細胞の先輩であるキラーT細胞たちも応援に駆けつけるが、ナイーブT細胞は恐ろしさに逃げ出してしまう。号泣するナイーブT細胞に、樹状細胞は昔の写真を取り出して見せる。そこには、今のナイーブT細胞のように泣いている、キラーT細胞たちが写っていた。 今回は「はたらく細胞」第3話『インフルエンザ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第7話『がん細胞』)のあらすじと感想・考察まとめ

幼いころ、免疫細胞に仲間を殺された辛い思い出を抱えていたがん細胞は、免疫細胞に恨みをもっていた。殺される側から、殺す側になる機会をうかがっていたのだ。その正体を早くに見破ったNK細胞は、現場の偵察に来ていたキラーT細胞と白血球をうまく逃がし、自分一人でがん細胞と戦おうとしていた。一方、赤血球は大量の栄養分を運ぶ仲間を手伝っていたが、途中でマクロファージに声をかけられる。 今回は「はたらく細胞」第7話『がん細胞』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

目次 - Contents