ドールズフロントライン(ドルフロ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ドールズフロントライン』とは、中国のサンボーンが開発しているスマートフォン用のゲームアプリである。民間軍事会社の指揮官であるプレイヤーは、第三次世界大戦により荒廃した近未来を舞台に、人工知能の反乱により襲い来る機械の兵士たちを撃退するため、銃の名前を冠する戦術人形と呼ばれる機械の少女を率いて戦うことになる。

(異性体04「鮮血の信念」より続く)
指揮官たちグリフィン部隊とウルリッヒ主席、そして避難民たちが籠城している教会の入口に、突然1台のトラックが凄まじい速度で突っ込んできた。自爆車輛かと思って銃を向けるグリフィン部隊の人形たちだったが、運転席から現れたのはKのサポートを務めるメイド人形のマホロだった。現在使用できる車輛はこれしかなかったのだと言う。「装甲車はなかったのか」と言うカリーナに、続いて現れたKは「車が見つかっただけでもありがたいと思え」と答える。このトラックでは避難民までは守りきれないと言うカリーナに、Kはウルリッヒ主席と一部の精鋭人形だけをこのトラックで撤退ポイントであるヘリの到着場所へ運び、他の人形たちはここで引き続き避難民の警護にあたらせると答えた。反対するカリーナだったが、ROはパラデウスの狙いがウルリッヒ主席である以上敵の主戦力はこのトラックを追ってくるはずであり、感染者の駆除だけなら残った人形部隊で充分だと言う。少数の人形だけでウルリッヒ主席を護衛するのは危険だと言う指揮官だったが、ROは「私たちを信じてください」と言う。このまま籠城していてはどうにもならないと判断してのことであった。そして、既にROとSOPIIは出撃準備を済ませていた。ROが立案した作戦は、ウルリッヒ主席を乗せたトラックが高速で市内を突っ切り撤退ポイントに向かい、それを追ってパラデウス部隊が教会から離れたら残った人形部隊が避難民を警護し感染者を排除しながら市外へ脱出するというものだった。
それから5分後。高速で市街地を走るトラックの車内で、ROはウルリッヒ主席に謝罪していた。「危険な賭けともいえるこんな作戦に巻き込んでしまって申し訳ない」と。しかしウルリッヒ主席は、自分が逃げることで避難民たちが助かるなら喜んで危険に身を投じると言う。そして、既にパラデウス部隊はトラックへの追撃を開始していた。戦闘態勢を取ったSOPIIだが、パラデウス部隊はトラックにまだ追いつけていない。その時、1台のセダンがトラックの前に飛び出した。かわし切れずセダンに衝突したトラックは進路を変えて路辺のフェンスに激突する。ウルリッヒ主席の無事を確認したROたちは車外へ飛び出す。トラックは、後方から追ってきたパラデウス部隊と前方からやって来る感染者の群れに挟まれてしまった。ROは、人形部隊でウルリッヒ主席を護衛しつつ、前方の感染者を突破して徒歩で撤退ポイントを目指す作戦に切り替えるのだった。
感染者の群れを突破したROたちは、追撃してくるパラデウス部隊から逃れながら撤退ポイントを目指す。「あの時あのネイトみたいなやつを倒しておいてよかった」とつぶやくROに、「ホントに私があんな攻撃でやられると思ってたの?」と言う声がした。そこにいたのは、SOPIIの榴弾で瓦礫の下に埋められたはずのニモゲンだった。ニモゲンは「今すぐ殺してやりたいけど、その前にやっておかなければならないことがあるの」と言い、次の瞬間パラデウス部隊から発煙弾が撃ち込まれた。煙幕が張られた一瞬の隙にウルリッヒ主席を拉致したニモゲン。わざと見せびらかすようにウルリッヒ主席を抱えたニモゲンは、ずっと遠くにいるマーキュラスに通信で合図を送ると、そのまま逃げ去っていった。何としてでもウルリッヒ主席を奪回すべくニモゲンを追うROとSOPII。

それと同時刻、新ソ連国家保安局のオフィスで、ゼリンスキー局長は鳴っている電話を見つめていた。どうせろくなことではないだろうと考えながら受話器を取るゼリンスキー。電話の主は、「君たちの客人は我々の手中にある」と言う。それが何を意味するのか、そして電話の主が何者なのかをゼリンスキーは把握していた。「22号基地の起動権を渡せ」と言う電話の主に「テロリストと取引はしない」と答えるゼリンスキー。しかし電話の主は、「保安局の目的は別にあるわけか」と言い、「その目的を我々に手伝わせてほしい」と言い出した。逡巡するゼリンスキーに、「私の人脈、情報網、手の届く先は保安局よりもはるかに広く、深い」と言い、国家保安局では自分を捕えることができないことを仄めかす。そして、改めて22号基地の起動パスワードを要求した。「そうすれば主席も、功績も、そして残る13基地の所在地も全ては君の思うままだ」と語る電話の主。ゼリンスキーは、この男が自分の欲している情報を握っていることを確信した。「他に選択肢はない」と言うその声に、ゼリンスキーは屈せざるを得なかった。

ROとSOPIIは、ウルリッヒ主席の行方を追っていた。こうなることを想定してウルリッヒ主席に発信機を持たせておいたと言うRO。その反応は、思ったよりも近かった。そして、移動を停止した。ニモゲンが逃走を諦めたのではないかと言うSOPIIに、ROは罠の可能性があるから慎重に包囲してから行動しようと指示する。
それから12分後、発信機の反応があるビルをRO率いる人形部隊は包囲していた。しかし、ビル内およびその周辺にパラデウスの識別信号はない。不気味さを感じながらもビル内に突入するROたち。そして、そこで目撃したのは、がらんとした一室に椅子に縛りつけられて放置されたウルリッヒ主席の姿だった。ウルリッヒ主席は、力なく「ごめんなさい」とROたちに謝るのだった。

それより5分前。椅子に縛られたウルリッヒ主席は、ニモゲンと対峙していた。「殺したいなら殺せばいい」「生き残った人々は悪には屈しない」と言うウルリッヒ主席。しかしニモゲンは、あの薄気味悪い笑顔を引っ込めて「人間の”主義”に興味はない」と吐き捨てる。そして、沈黙したまま何者かと通信を続けていた。そして、再び薄気味悪い笑みを浮かべたニモゲンは「あなたの価値はもうなくなったわ」と言う。そして、ROたちとの再戦に向かおうとしたが、再び通信を開始した。そして、「私の妹が困ったことになったみたい」と言うと、「あなたたちは理想による災難に嬲り殺されるでしょう」と言い残して姿を消した。

ニモゲンとのやり取りを話し終えたウルリッヒ主席は、ニモゲンが何を目的として自分を捕らえ、そして何故「価値はなくなった」と言って放り出していったのかまるでわからないと困惑していた。しかし、何かをやり遂げた表情を浮かべていたのは確かだと言う。ROたちにもニモゲンの目的が何だったのかはまるで見当もつかなかったが、ウルリッヒ主席が無事に解放され、パラデウス部隊も撤退したのは好都合だった。撤退ポイントへ向かうためウルリッヒ主席を解放したROに、彼女は「あなた達がいるなら、きっとこの世界はより良いものとなる」と言う。そして、ニモゲンたちはきっと良くないことを企んでいるはずだからそれを阻止してほしい、と。ROは、必ずパラデウスの目論見を打ち砕くことを約束するのだった。

異性体08「鮫と海」

M16はM4を真実から遠ざけるためにマーキュラスの口を封じた

(異性体06「高い壁の下」より続く)
暴風雨の中、先ほどまで鳴り響いていた銃声と爆発音も消えひっそりと静まり返ったベルグラード市内を駆けるM4とAK-12。まだ市内各所には感染者が徘徊しており、二人はそれらを排除しながら目的地へと向かっていた。AK-12は、M4の戦闘技術を高く評価していた。M4は弱いというAR-15の言い分はあてにならない、と言うAK-12に、無責任な噂に振り回される人の方がもっとあてにならないと皮肉を言うM4。AK-12は、M4に興味を持ったのでもっと観察したいと言う。嫌そうなそぶりを見せるM4。その時、アンジェリアから通信が入った。AR-15たちの信号を発見したかと問うアンジェリアに、何の反応もないと答えるAK-12。最後の連絡から既に30分が経過しており、悪い予感がすると言うアンジェリアは、二人に一刻も早くAR-15たちとの通信を回復するよう要請した。AK-12はアンジェリアが安全なセーフハウスに隠れることができたかを気にしており、「感染者に襲われても助けに行けない」と慎重に自衛するよう念を押すが、アンジェリアは自分に構わず任務を遂行するように告げ通信を切った。アンジェリアの状況を案ずるM4に「アンジェリアが大丈夫と言ったら大丈夫なのよ」と言ったAK-12は、急いで劇場へと向かうのだった。
ようやくベルグラード城塞近くの劇場へ辿り着いたM4たち。正面からの突入は難しいのではと言うM4に、AK-12は、どうせ鉄血にせよパラデウスにせよ増援を迎え撃つための対処はしているのだから多少遅れても安全策を取るべきだと答えると、劇場周辺の探知を開始した。AK-12のやり方を回りくどいと感じたM4は、「AN-94が心配じゃないのか」と言うが、AK-12は、無鉄砲なM4やAR-15と違い、AN-94は生存のために最善策を取るだろうと信じていると答えた。M4は、AK-12が相棒のことをよく理解していることに感心すると同時に、自分はAR-15のことをよくわかっていなかったと反省するのだった。そんなM4をからかいながら劇場周辺のスキャンを続けているAK-12は、M4にAR-15たちの信号を探知するよう要請するが、劇場の建物近くまで接近しても二人の信号は探知できない。それどころか、交戦しているはずの鉄血やパラデウスの信号すら発見できなかった。M4が拾えたのは、避難民を教会に誘導するグリフィンの緊急放送だった。「Kが知ったら腰を抜かすでしょうね」と言うAK-12に、グリフィンの指揮官は助けが必要な人を見過ごせない人物だと語るM4。AK-12は、M4が無線放送を探知できたということは劇場外には電波妨害がかけられておらず、AR-15たちや敵の信号が探知できないのは劇場内部がジャミングされているからだと結論付けた。これからの戦いが厳しくなることを告げたAK-12は劇場に突入し、M4もそれに続いた。

一方、鉄血に投降したAR-15とAN-94は、M16に連れられて城塞の地下通路を歩いていた。どうして鉄血に加担しているのかを尋ねるAR-15に、最初にAR小隊を離脱したのはAR-15だと言うM16。「あの時はやむを得なかった」と答えるAR-15に、M16は「幸せの形はだいたい似通っているが不幸はそれぞれ違う形だ」と言う。以前の彼女らしくない感傷的な物言いに「変わった」と言うAR-15。M16は、酒も人形も時間が経てば変わるものだと答えると、今のAR-15を「落ち着きのないガキだった頃とはずいぶん変わった」と評した。M16が自分のことをそう思っていたことに驚くAR-15。AN-94は不用意な雑談から情報が洩れると警告するが、同行していた鉄血人形ビークは「黙ってても喋ってもどうせ後でぶっ壊すんだけど」と挑発する。M16はビークを制し、「利用価値がある間は壊さない」と言う。そして、追撃してくるパラデウス部隊に配下の鉄血部隊を差し向けると、バラクーダノードの在処を目指して進んでいく。
パラデウスは増援を要請したのか、マーキュラスの部隊と戦った時に比べてはるかに数が多い。部下の損耗が増えたことを愚痴るビークに、AR-15は加勢すると言い出した。思わず「ハァ?」と言ったビークだが、M16は「面白い」と言う。AN-94はAR-15の正気を疑い、ビークは「酔っ払ってんの?」とM16の正気を疑う。しかしM16は、バラクーダノードの在処を知っているのはAR-15たちで、仮に鉄血を罠に嵌めるつもりでも先に罠にかかるのは先導するAR-15たちの方だと言う。そして、AR-15たちが最も避けたい事態はパラデウスがバラクーダノードを手にすることだ、と。AR-15は武器を手に取りパラデウスに突撃を開始し、M16はAR-15とAN-94を鉄血の友軍と設定した。ビークはうんざりした顔でAR-15を監視するために同行し、AN-94は納得いかないながらも「アンジェリアからの増援が来るまでの時間稼ぎだ」と言うAR-15に従う。
おびただしい数のパラデウス部隊と鉄血・反逆小隊の連合軍は地下道で激しくぶつかり合う。最前線に立つAR-15とAN-94の連携がパラデウス部隊をねじ伏せていく。その時、背後からの狙撃でAR-15が膝をつく。咄嗟に援護に入ったAN-94の目の前で、AR-15を撃ったパラデウス兵がビークの駆る戦闘バイクに撥ね飛ばされていた。「こんなザコも倒せないなんてがっかりしたぜ」と吐き捨てたビークは、両手に持った銃を乱射すると戦闘バイクで敵陣へ突撃する。その圧倒的な破壊力を見たAR-15は、過去の鉄血のデータにはなかったけれど本当に鉄血人形なのかと疑い、AN-94はエルダーブレインが開発したのだろうと言う。自分の情報を引き出すためにカマをかけられていると察したビークは、AN-94の推察通りに自分はエルダーブレインが開発した人形であり、その最初の機体でも最後の機体でもない、と言葉を濁しつつ答えると、口は悪いながらもAR-15たちの援護を申し出る。AR-15は不安に感じるが、AN-94は「仲良くできるかもしれない」と言うと背中をビークに任せて敵部隊へと突撃するのだった。
一方、劇場内に突入したAK-12とM4が見たのは、激戦で荒れ果てた舞台と客席の惨状だった。まだ残る焦げ臭さが、つい先ほどまでここで戦いが行われていたことを示していた。AR-15が最後に通信してきたのはこの場所だったが、今はもう動いているものはいない。AR-15の姿を探そうとするM4の背後に飛び降りてきたのは、鉄血のエクスキューショナーだった。かつて倒した(註:EP02参照)仇敵の姿に驚くM4。エクスキューショナーの長剣を武器ケースで受け止めたM4を援護するAK-12だったが、そこに現れたのは同じく鉄血のハンターだった。以前の意趣返しとばかりにM4を狙うエクスキューショナーを援護するためAK-12を食い止めるハンター。そして、鉄血部隊が次々に突入してきた。MOD3に改造されたM4の強さを喜ぶエクスキューショナーだったが、彼女自身もかつての戦いとは比較にならないほど強化されていた。こんなところで時間を浪費したくないと焦るM4に、OGASは「この劇場には隠し通路があり、それがバラクーダノードの隠し場所に繋がっている」と語りかける。通路からパラデウス部隊が出てくることを怖れるM4に、OGASは「鉄血を退けることだけに専念すればパラデウスは自分が何とかできる」と言う。M4はAK-12に合図を送ると、追い詰められたふりをして客席端まで移動する。エクスキューショナーが決着をつけようと長剣をふりかぶった瞬間、爆弾により壁が爆破され大量の土砂が流れ込んで鉄血部隊を押し流した。ハンターはエクスキューショナーを庇おうとするが、M4は武器ケースを展開してプラズマ砲を発射、エクスキューショナーを舞台ごと粉砕していた。そして、破壊された舞台の下には隠し通路が口を開けていた。AK-12があらかじめ劇場の壁に爆弾を仕掛けていたのを知っていたM4は、AK-12にタイミングを見計らっての爆破を要請したのだ。AK-12はM4を隠し通路へ向かわせると、それを追おうとするハンターと残った鉄血部隊の前に立ちはだかる。「グリフィンの畜生ども」と恨み言を吐いてAK-12に襲いかかるハンターだったが、AK-12は自分がグリフィン所属ではないことを明かし、「あなたもお仲間と同様に無知の代償を支払うことになるわ」とハンターに死の宣告をするのだった。

その頃、鉄血部隊はいくら倒しても次々に現れるパラデウス部隊の物量を前に劣勢を強いられていた。ビークは片っ端からパラデウス兵をなぎ倒していくが、鉄血人形たちは数に勝るパラデウス部隊の攻撃で次第に数を減らしていく。そしてパラデウス部隊に包囲され、虚勢を張りながらも絶体絶命の危機に陥ったビークだったが、その前方の敵部隊が次々と倒されていく。それは、AR-15とAN-94の連携攻撃だった。「グリフィンの犬でも恩は忘れないもんだな」と憎まれ口とも感謝ともつかない台詞を吐くビークに、「ただ通路を通れるようにしただけ」と返すAR-15。本当にこの通路で正しいのかと尋ねるビークに、AR-15は「敵がたくさんいるということはここが重要な場所だという証拠だ」と答える。納得するビークだったが、ふと道案内のはずのAR-15たちが自分の背後に回っているのに気がつく。「どういうことだ」と喰ってかかるビークに、「誰かが途中下車するんだって」と返すAR-15。次の瞬間、激しい眩暈に襲われたビークはバイクから転げ落ちていた。オーバーロードハッキングにより大量のエラー信号をメンタルモデルに送り込まれたビークは、扉を開けて出ていくAR-15たちに悪態をつきながら気を失っていった。ビークが再び目を覚ました時には、二人の姿は見えなくなっており、目の前の扉の電子キーも一方通行に書き換えられていた。悔しさのあまり荒れ狂いながら扉のコントロールパネルを殴り壊すビークの背後から現れたのはM16だった。M16が二人を信用したからこんなことになった、と悪態をつくビークに動じる様子もなく、目的地はすぐ近くでもはや案内人は不要だと言うM16。ビークはM16の甘さを指摘するが、M16は自分たちの任務はバラクーダノードの奪取であってグリフィン人形を始末することではない、と取り合わない。M16を「あんたはズルい」「言い逃ればっかり」と罵るビークだったが、次の作戦のために大型バイクに乗って別方向へと走っていく。一方のM16は、鉄血の残存戦力をまとめ上げるとバラクーダノードの所在地である城塞の奥深くへと進んでいくのだった。

隠し通路から城塞地下へと侵入したM4は、聞こえてくる銃声が味方のものではないと判断すると迂回しながら慎重に先へと進んでいった。OGASはそんなM4を「成長した」と称えるが、M4は「助けに行くのに自分がやられたら意味がない」と突き放す。OGASは、M4は鉄血との戦いについては経験もあり怖れるものはないだろうけれど、パラデウスに対してはまだ知識が足りないと言い、自分はパラデウスを効率的に倒す方法を知っていると告げる。しかし、それは機械兵ではなくネイトにしか通用しないのだと。そして、OGASは「ネイトは自分たちによく似ている」と言う。
パラデウスの機械兵はメンタルモデルを持っているがネイトにはメンタルモデルがない、と言うOGAS。ネイトは人間なのかと問うM4に、OGASは「彼女たちは人間を模して造られた生物だ」と答える。しかし、OGASはネイトの精神と接続できるかもしれないと言うのだった。M4は、指揮権を持つネイトに接続すればパラデウスを部隊ごとハッキングできるのかと問う。OGASは、ネイトには外部からの干渉を防ぐ装置がカチューシャとして付けられており、それを破壊すれば可能だろうと答えた。M4は「そんなことをするより撃ち殺した方が早い」と言うが、OGASは「殺しても次のネイトが指揮権を引き継ぐだけ」「ネイトに接続すればより多くの情報を引き出せる」と言う。それを聞いたM4もネイトの鹵獲に関心を持つ。その時、新たに銃声が聞こえた。その音がAR-15とAN-94の発砲音だと気づいたM4は、二人の無事を確認する。急いで駆け出したM4は、ようやくAR-15たちと合流を果たした。AN-94は膝に被弾しており、修理が必要な状況だった。AN-94はAK-12が来ていないかを問う。M4は、AK-12は劇場で鉄血部隊を引きつけていると答え、それを聞いたAN-94は「合理的な作戦だ」と言いAK-12が無事に切り抜けることを信じていた。M4は地下通路が鉄血とパラデウスの残骸だらけだったことに驚いており、AR-15にこれまでのいきさつについて説明を求めた。
M16率いる強化された鉄血部隊、そして二体の新型ネイトと大量のパラデウス部隊。AN-94はすっかり弱気になっており、増援を待つしかないと言う。M4は「それでは手遅れになる」と反発するが、AR-15は、M4はM16に恨みがあって(註:イベント「特異点」においてあと一歩のところでエルダーブレインを連れ去られた件)すぐに戦いたいのはわかるが戦力が足りなすぎる、と言う。それに対してM4は、ネイトに対して有効な作戦があると答える。ネイトは頭部の遮断機を破壊すればハッキング可能だと言うM4に、相手は二体いると言うAR-15。その時、OGASは「同時に破壊すればいい」とM4にささやく。M4は、一呼吸置いた後にその言葉をそのままAR-15へ告げた。なおも「危険過ぎる」と尻込みするAN-94に、AR-15は「できるわ」と言う。M4の命令にどこまでも従う覚悟を決めたAR-15は、AN-94に膝の修理を続けながらこの情報をAK-12とアンジェリアへ送るよう要請する。AN-94はそれを受諾するが、「鉄血とはどうするのか」と問う。M4は、M16と話し合って和解の余地がないかを探り、どうしてもだめな時は自分がM16を討つと答える。

その頃、バラクーダノード保管庫前では鉄血とパラデウスの総力戦が行われていた。マーキュラスに加えて市中に展開していた全戦力を連れて妹の援護に現れたニモゲン。二体の上級ネイトと大量のパラデウス兵を前に、鉄血部隊は反撃の余地もなく壊滅寸前に陥っていた。鉄血の現有最大戦力を投入してもなおこの結果になったことに驚いた口ぶりのM16だったが、その表情は変わらなかった。奥の手である自身の中のOGASを使おうと身体を震わせたM16だったが、その時鉄血でもパラデウスでもない銃声が二発同時に響いた。ニモゲンとマーキュラスに密かに接近していたM4とAR-15が二人のカチューシャを同時に撃ち抜いたのだ。次々と糸の切れた人形のように制御を失い倒れていくパラデウス機械兵。そして、M4たちに向き直ったニモゲンとマーキュラスは砕けて落ちたカチューシャを見てゆっくりとうなだれた次の瞬間、激痛からのすさまじい悲鳴を上げた。「お父様!助けてぇ!」との甲高い悲痛な叫びは徐々にしわがれたものとなり、ニモゲンはそのままふらふらとした足取りで、武器を捨てて撤退していく恐慌状態のパラデウス部隊に交じって歩み去っていった。一方のマーキュラスは、微動だにせず立ち尽くしていた。狙撃に成功したAR-15は、思わず喜びの声をあげると、狙撃後すぐにネイトをハッキングしパラデウス部隊の制御を狂わせたM4の能力に感嘆する。OGASによるハッキング能力に驚くM4は自身の中に潜むOGASのことを話すのを躊躇し、「あの後、いろいろと身につけたの」とごまかした。AR-15は、早く鉄血とM16を追おうとM4に促すが、M4は「その前にすることがある」と未だに全く動かないマーキュラスに視線を向けた。
バラクーダノード保管庫の前では、生き残った鉄血部隊が制御を失ったパラデウスの残存部隊を掃討していた。AR-15は、マーキュラスのメンタルモデルは焼けてしまったのだろうと言うが、その直後マーキュラスが動き出した。AR-15に銃を突きつけられ両手を挙げるよう命じられたマーキュラスは、怯えながら「お姉様がどこに行ったか知りませんか?」と言う。彼女は完全に幼児退行を起こしていたのだ。そして、M4と目が合ったマーキュラスは「お姉様」と呼びながら、屈託のない笑顔で駆け寄っていった。しかし、マーキュラスはその途中でM16に撃たれてあっけなく絶命した。M16は、M4がマーキュラスを鹵獲することでM4とネイトとOGASの関係を知ることを怖れていたのだ。
マーキュラスの死体を挟んで対峙するM4とM16。なぜマーキュラスを殺したのかを問うM4に、M16は「お前は知らなくてもいいことを知り過ぎた」と答える。そして、内なる声、すなわちOGASの言葉を信じるなと言う。M16もまた自身の中に別のOGASがいることを仄めかしていた。その言葉を聞いたM4は、M16が鉄血に洗脳されているのではなく自身の意志で鉄血に与していることを理解した。M4は、グリフィンに戻ってみんなで力を合わせればどんな困難も乗り越えられる、とM16を説得するが、M16は自分とM4が一緒にいること自体が何者かの計画の一部であり、だから今は戻れないと答える。ならばせめて鉄血に加担するのだけは止めてほしいと懇願するM4だったが、M16は交渉を拒否。M4がどうしてもバラクーダノードに接触しようとするのなら戦ってでも阻止すると宣告した。M4とAR-15、そしてM16が武器を構えたその時、轟音と共に1台の大型バイクが輸送トラックと共に現れた。それは別行動を取っていたビークの部隊だった。トラックはM4たちを撥ね飛ばそうとし、M4を庇ったAR-15は咄嗟にM4を突き飛ばす。この一瞬の間に、M16はバラクーダノードをトラックに載せていた。ビークの大型バイクと共に去っていく鉄血のトラック。M4は、「まだ諦めるわけにはいかない」とAR-15にトラックを追跡するよう指示を出す。

異性体09「喧騒の中」

M4はビークと共に逃走を図るM16を執拗に追う

M4は、AK-12にも鉄血部隊のトラックがバラクーダノードを奪って逃走したことを報告する。ハンターを倒した後は劇場の外に出ていたAK-12は既に目視でそれを確認しており、追跡用のバイクを調達し終えたところであった。M4たちは、すぐに追跡を開始するためAK-12との合流地点へと急ぐのだった。

一方その頃、撤退ポイントではグリフィン部隊に警護されたウルリッヒ主席がヘリコプターへと乗り込んでいた。ウルリッヒ主席はこれまで自分を守ってくれたROに礼を言い、グリフィンの今後の成功を祈っていた。その時、ROにカリーナから通信が入った。カリーナたちの部隊も避難民を郊外に退避させることに成功していた。ROはグリフィン部隊も撤退の時が来たのではと言うが、カリーナはKの命令でアンジェリアの救援に向かうのだと言う。そして、M16が鉄血部隊を率いているとの情報も伝えてきた。M16が出現したことを知ったROは、すぐに合流すべく集合地点の座標を要求する。

ベルグラード市街地では、敵味方問わない残骸と瓦礫に埋め尽くされた道を鉄血のトラックが疾走していた。指揮系統を喪失したパラデウス兵はもはや脅威ではなく、感染生物も怖れる相手ではない。作戦の成功を確信するM16だったが、並走するバイクに乗ったビークは市中に展開していたグリフィン部隊を警戒していた。M16は、グリフィン部隊は既に郊外に撤収したと言う。「昔の同僚と戦わずに済んで良かったな」と皮肉るビークだがM16は動じない。その時、ビークのバイクの前方に着弾があった。市街地で検問を行っているグリフィンの人形部隊だった。M16は相手を「地球人形」と呼ぶ奇矯な言動のグリフィン人形UKM-2000に「そこをどけ、さもないと死ぬことになる」と警告するが、UKM-2000は「人形は死ぬことはない」と言い張り荷物を下ろすよう要請してくる。UKM-2000の意味不明な言動と聞き分けのなさに呆れるビーク。M16は鉄血部隊に強行突破を命じた。その次の瞬間、ビークのバイクの前に飛び込んできたのはバイクを駆ったM4だった。M16にAR小隊に戻るよう懇願するM4だったが、M16は「これ以上邪魔をするなら容赦しない」と武器を構える。そこに割って入ったのは鉄血の高等人形ジャッジだった。思わぬ援軍に「イイところに来たじゃん、チビスケ」と声をかけるビーク。体格のことを言われると激怒するジャッジだったが一旦怒りを抑え、M16たちが逃亡するまでの時間稼ぎを買って出る。そして、M16にも命令外の余計なことをしないよう釘を刺す。殿軍を得たM16たちはグリフィンの検問を突破、AK-12は急いで後を追おうとUKM-2000率いるグリフィン部隊にジャッジの相手を任せる。UKM-2000の言動からすぐに彼女を「自分のことを宇宙人と思い込んでいるおかしな人形」と察したAK-12は「さすが異星人、頼りになる」とUKM-2000を褒めそやし、その気になったUKM-2000は意気込んでジャッジを迎え撃つ。
反逆小隊の執拗な追撃に苛立つビークは、後部シートにタンデムしながら迎撃するM16を「あんたは言うほどたいしたことないな」と罵る。M16は、ビークの大型バイクに搭載された全兵装を使用して攻撃するよう命令、ようやく実力をフルに発揮する許可を得たビークは、これまでのストレスをぶつけるように猛攻撃を開始した。
(註:ゲーム内ではここで「ビークの特殊攻撃を対応するボタンで回避しながら反撃する」というミニゲームが入る)

本領を発揮したビークのすさまじい攻撃力の前に危機に陥る反逆小隊。発射された無数のミサイルのうち迎撃が間に合わなかった1発がM4を襲う。しかしその時、M16が密かに放った銃弾がミサイルの軌道を逸らし、ミサイルはM4ではなくその後方にいた残り3人のバイクの直前で爆発した。爆風で転倒しバイクから落とされたAR-15たちは、残されたM4に追撃を任せる。
(註:ゲーム内ではここで「バイクに乗ったM4を操作して障害物を回避しながらビークが乗ったバイクに追いつく」というミニゲームが入る)

一方その頃、Kの指示を受けた指揮官は逃走中の鉄血部隊の進路を予測し、再編した部隊を要所に配置して進行を阻止しバラクーダノードを奪回する作戦を立案していた。
SOPIIは、M16が今は鉄血人形であることを理解しながらも、彼女と戦う決心がつかずにいた。そして、指揮官はたとえ敵であってもM16を殺せるのかと問う。指揮官は、M16を殺すことはできないとはっきり答えた。自分にとってもAR小隊にとっても大切な仲間だからだと。指揮官は、M16が鉄血に加担しているのは何かしらの理由があることを察していた。それは、この事態を動かしている何者かの陰謀に抗うためであることも。
ベルグラード市郊外のある地点では、ROとSOPIIが率いるグリフィン部隊が迎撃態勢を取っていた。指揮官の予測通りなら、鉄血の輸送トラックはこの地点を通過するはずであった。M16と戦うことにまだためらいがあるSOPIIを、ROは指揮官がM16を連れ戻す方法を考えてくれるはずだと励ます。そこに哨戒部隊のルイスから通信が入った。鉄血部隊はグリフィンの待ち伏せを巧みに回避しているとのことだった。SOPIIは、M16がグリフィンとの対決を可能な限り避けているのではないかと察する。ROは、鉄血がベルグラードから脱出するなら必ずこの場所を通るはずだと言う。

M4を仕留め損ねたビークは、M16がちょっかいを出したのではないかと疑う。しかしM16は、ビークの運転が下手だから照準が定まらないだけだと答える。納得いかない様子のビークだったが、その時前方の道をトラックが塞いでいるのを確認した。荷台の上にはグリフィン人形たちが待ち構えている。それを見たM16は、要人の救出を終えて撤退したはずのROとSOPIIが部隊の中にいるのを怪訝に思っていた。

ROは、ビークの大型バイクに同乗しているM16に向かって、「その珍妙なバイクから降りなさい」と叫ぶ。自慢の愛車を珍妙呼ばわりされたビークは怒り心頭であった。続いてSOPIIもM16に投降を呼び掛けると、バイク目がけて榴弾を発射した。爆風に吹き飛ばされたビークとM16はバイクから転がり落ちる。その瞬間、周囲に煙幕弾が着弾し、同時にROの通信回線にAR-15からの着信が入った。AR-15は、ROたちに助力を要請する。
煙幕が晴れた時、ビークたちを挟んでROとSOPII、そしてM4とAR-15が立っていた。グリフィンと反逆小隊は鉄血を挟み撃ちにすることに成功したのだ。あと一歩のところで市外に逃げ損ねたことをぼやくビークを叱咤したM16は、随伴する鉄血部隊に何としてもこの場を突破するよう命じる。

その時、M16に宿るOGASはM16にささやく。M16がこのままかつての仲間たちの下に戻れば、AR小隊の面々に植え付けられたOGASが相互作用で成長し彼女たちのメンタルモデルを蝕んでいくことになる、と。そして、M16がこの場を無事に離れるための手段があるという。それに興味を示したM16に、M16に宿るOGASは、バラクーダノードのコアに彼女のメンタルモデルを接続すればいいと答える。拒否するM16に、OGASはかつての戦友や信頼するグリフィン指揮官と戦う覚悟はあるのかを問う。そして、ここでM16が敗北してバラクーダノードを手放せばM4がバラクーダノードに接続し、それにより成長したM4のOGASがM4のメンタルを蝕み尽くすだろうと。逡巡するM16に、残り時間はわずかだと煽るOGAS。自身のOGASもバラクーダノードに接続することを求めていると知っているM16は、OGASは何を代価に差し出すのかを問う。M16に宿るOGASは、グリフィン人形たちも鉄血人形たちも誰も傷つけずこの場を収めることができるのが代価であると答えた。かつての仲間を傷つけたくないと願うM16は、その申し出を受諾せざるを得なかった。

前線指揮をビークに任せたM16は、自身の内にある接続ケーブルを引き出す。その接続規格がバラクーダノードにぴったり合致していることを知ったM16は、造物主であるペルシカの思惑を感じざるを得なかった。意を決してバラクーダノードに接続したM16は、負荷によるすさまじい激痛により全身が痙攣し倒れるが、銃を支えに辛うじて立ち上がった。M16に宿るOGASは「これで手に入った」と言う。バラクーダノードに記録されていた情報を全てM16のメンタルに移動させたのだ。M16に宿るOGASは、もうノードは抜け殻だから放棄していいと言う。それに対し約束を履行しろと迫るM16。M16に宿るOGASは、バラクーダノードの持っていた機能をM16にも扱えるようにしたのでそれを使えば安全に撤退できると答えた。M16は通信回線を開き、「このままじゃ全滅する」と焦るビークに撤退を指示した。
その頃、グリフィンと反逆小隊は包囲した鉄血部隊を殲滅寸前に追い込んでいた。もうすぐバラクーダノードまで辿り着く、M4がそう思った瞬間、戦場全体が強力なジャミングに襲われる。OGASによる電子戦防御で辛うじて動けるM4を除いた全てのグリフィン人形は、麻痺して動けなくなっていた。鉄血にはここまでの強力なジャミング能力を持つ機体はいないはずだ、と焦るM4のOGAS。我に返って行動を開始したM4だったが、既にM16とビークはバイクに乗って走り去っていた。その直後にジャミングが消失したことで、M4のOGASは誰がこの能力を使ったのかを確信した。M16がなぜここまでして自分と距離を置くのかを知らないM4は、ただ戸惑っていた。

戦いは大勢が決し、ROは市外へと逃走していく鉄血部隊を深追いしないよう指示していた。グリフィン部隊のところに向かうM4は、自分に力があればM16を取り戻せたと思い、もっと強くなることを誓う。しかし、M4のOGASはM16の真意は別にあることを察して言葉を濁すのだった。
ジャミングによる麻痺から回復したSOPIIは、M16たちが逃亡したことをROから聞かされた。そして、奪還するよう命じられていたバラクーダノードが現場に投棄されていることを確認していた。きょろきょろと辺りを見回すSOPIIは、この戦場でAR-15とM4を見かけたような気がすると言う。「見間違いだったのかも」「きっと夢だった」と寂しげにつぶやくSOPIIに、ROは二人がここにいることを告げる。ROが指差す方向には、M4とAR-15がこちらに向かって歩いてくる姿があった。お互いにうなずき合ったM4たちは足早に走りはじめ、SOPIIも駆け出す。そして、SOPIIはM4を抱き締めた。「夢じゃないんだよね?」と言うSOPIIに、M4は「みんな無事でよかった」と言い涙ぐむ。そして、エルダーブレインの部隊と共に爆死したはずのAR-15が無事で立っていることに驚くSOPIIに、「結局死ねなかったわ」と言うAR-15。泣きながら勢いよく抱きついてくるSOPIIを子供扱いするAR-15をM4が宥め、AR-15はSOPIIに笑うよう促す。しかし、SOPIIの嬉し泣きは止まらなかった。
長い戦いの末に散り散りになっていたAR小隊は、こうして再会を果たした。M4は、残りの一人であるM16も必ず連れ戻すと固く誓っていた。

パラデウスも鉄血も姿を消したベルグラード市内。夕刻に至る頃には、もはや感染者を相手にした散発的な戦闘が行われるだけになっていた。そんな中、セーフハウス内ではアンジェリアが「バラクーダノードには果たしてこれだけの犠牲を払う価値があったのか」と自問自答していた。
その頃、グリフィンの臨時駐屯地では接収されたバラクーダノードをグリフィンの人形たちが警備していた。そこに現れたM4に、警備の人形たちが声をかける。新入りの人形たちにとって、伝説のエリート人形M4A1は憧れの存在だった。戦闘で激しく損傷したままの彼女たちを案ずるM4は、自分が警備を代わるから修理に向かうよう促す。警備の人形たちは、持ち場を離れて修理へと向かった。これは、M4がバラクーダノードに接触するための方便でもあった。M4のOGASは、接続ケーブルでバラクーダノードに接続するよう促し、M4もそれに従う。次の瞬間、M4の意識はブラックホールのような暗闇に吸い込まれ、そしてたくさんのきらめく光が噴き出していく光景が目に入った。これはバラクーダノードに記録された多くのデータであった。その中で、はっきりとした形で映し出されているものがあった。それは、たくさんの座標が記された世界地図、発掘された遺跡、衛星、宇宙空間の画像だった。M4のOGASは、これは自分の過去の記憶だと言う。そして、あの世界地図に記された座標は残りのバラクーダノードの所在地だと告げた。バラクーダノードは自分の欠片であると言うOGASは、このバラクーダノードはほとんどのデータが抜き取られた後であると言い、もっとたくさんのバラクーダノードと接続し、失われた記憶を取り戻す手伝いをしてほしいとM4に頼み込む。OGASは、自分の記憶を取り戻すことがM4の記憶の中にある光景の秘密を探ることにもつながると言う。気のない返事をするM4に、「あなたは他の人形と違う」と言うOGASは、自分たちが失われた記憶を取り戻すことは未来を得ることになるのだと説得した。その一方で、M4のOGASは、M4にはバラクーダノードとの接続による負荷がほとんどないことに感嘆し、やはりM4こそが選ばれし者であることを確信していた。

アンジェリアのセーフハウスでは、AK-12がこれまでの顛末を報告していた。アンジェリアは、鉄血があっさりバラクーダノードを放棄して逃走したことを訝しんでいた。アンジェリアはバラクーダノードが現在グリフィンにより保管されていることをAN-94から聞き、破壊を命じようとする。その時、Kから通信が入った。Kは、バラクーダノードは国家保安局が接収すると言う。それを拒否しあくまでバラクーダノードの破壊を主張するアンジェリアだったが、Kは「だったらグリフィンとの戦争を覚悟しておけ」と言う。グリフィンにはバラクーダノードの警護を命じているというのだ。指揮官の真意がどうあれ、グリフィン基地は国家保安局の管理下にある以上指揮官はその命令を聞くしかないと言うKに、アンジェリアは舌打ちしながらもバラクーダノードの接収を認めざるを得なかった。
アンジェリアは、明らかに不本意だという表情でAK-12たちにバラクーダノードは国家保安局が接収する旨をグリフィンへ伝えるよう命じる。アンジェリアは、国家保安局がいきなり方針転換したことを不審に思いつつも、このままでは終わらせまいと次の策を考えていた。

その頃、鉄血の臨時拠点ではM16が自身のメンタルモデル内に転送していたバラクーダノードのデータを鉄血の高等人形・エージェントへと引き渡していた。任務を遂行したM16の働きを褒めるエージェントだったが、M16の要求であるエルダーブレインとの面会については「鉄血の再生で忙しく都合がつきません」と拒否していた。正規軍との戦闘で大幅に損耗した鉄血部隊の再編が完了したら面会の機会を設けるとのエージェントの言葉に、ひとまず引き下がり去っていくM16。その背中を見送ったビークは、「あいつのことを本当に信用してるのか」とエージェントに問う。エージェントは、M16のことは信用していないが、M16がM4と接触し続けることはM4との融合を目論むエルダーブレインにとって有益であり、利害が一致する間はM16を利用するだけだと言うのだった。
(EP12に続く)

異性体10「混乱の幕引き」(ランキング戦)

パラデウスからウルリッヒ主席を助け出すことに成功し、またバラクーダノードを鉄血から奪取したグリフィン部隊。しかし、ベルグラード市内には浄化壁の外から雪崩れ込んできたE.L.I.D感染者がまだ大量に残っていた。既にほとんどの市民は軍により退去が完了しており、あとは感染者たちを残らず駆除すればこの事態は解決するはずであった。

ドールズフロントライン×VA11Hall-A

※「VA-11Hall-A」コラボのストーリーは、「グリフィンシティ(夢)」と「グリッチシティ(現実)」を行き来する形で展開する。

E-1-1「ディジュリドゥ演奏指導」

テラ・コンピューター跡地から記憶喪失の人形を救助したデイナ。これが物語のはじまりとなる

〈グリフィンシティ〉
遺跡ガイドの仕事をしていたデイナ・ゼインは、その遺跡で動けなくなっていた戦術人形・Super-Shortyを救助した。長期間の機能停止状態にあったせいか記憶を失っているSuper-Shortyにデイナは現状を説明する。地球環境を管理していたテラ・コンピューターが機能を停止して以降、地球には毎朝砂の雨が降るようになり人類は激減。そのためこの世界の人口の99%が人形やリリム(人造人間)となっていた。そしてグリフィンシティの総理大臣となったリリムのドロシー・ヘイズは娯楽にしか興味を持たず、代わりにグリフィンシティを管理する警察・ホワイトナイトは住民である人形たちに降ってきた砂を海に捨てる労役を課しているのだ、と。そして、かつてグリフィンシティを脅かしていた不法人形集団である鉄血も現在はその勢力が激減しているという。Super-Shortyは、「鉄血」という名前に本能的な嫌悪を見せる。それは失われた記憶に関係するものであるのだろうか。
遺跡から街へ戻るため車を走らせていたデイナたちの前に、鉄血の残党であるアーキテクトとホワイトナイトの部隊長であるジェリコが現れる。数多くの武勇伝を残してきた暴れ者であるデイナを警戒するジェリコ。しかしデイナはお構いなしにアーキテクトにチキンレースを挑み、挙句の果てにフランスパンでぶん殴ってアーキテクトを失神させてしまった。不本意な形ながらアーキテクトを殺さずに逮捕できたことに安堵するジェリコ。アーキテクトは鉄血の首領であるエルダーブレインの居場所を知る唯一の人形だったからだ。そして記憶喪失のSuper-Shortyもホワイトナイトに保護されることになった。鉄血が世界中に撒き散らしている「傘」ウイルスの保有者かもしれないからであった。

〈グリッチシティ〉
207X年、グリッチシティ。この街で治安維持実験を行うために民間軍事会社のグリフィン社がリリムではない人造人間「戦術人形」を多数送り込んできた、という話題は既に多くの市民が知るところであった。そんな中、バー「VA-11Hall-A」にいきなり乗り込んできた客は開口一番「おい! そこのペチャパイ! あんたは逮捕されたわ!」と言い放った。あまりに無礼な言い草に驚愕する雇われ店長兼バーテンダーのジル。その客はグリフィンの戦術人形M870Pであった。交通警官の格好でショットガンを振り回し不謹慎な発言を連発するM870Pに困惑しながらも注文通りにカクテルを出すジルは、「VA-11Hall-A」の所在地が一見さんが来るような場所でないことからM870Pの来訪を不審に思うが、M870Pは人気アイドルのキラ☆ミキがブログでこの店を紹介したことが理由だと言う。なんとかM870Pの機嫌を損ねずに接客を終えたジルだったが、宿舎に帰ったら店の宣伝をするというM870Pの言葉から今後もグリフィンからの客が訪れるであろうことは予測できた。

E-1-2「青春期」

セイたちが発見したエルダーブレインは既に機能を停止しており、鉄血の指揮権も失われていた

〈グリフィンシティ〉
グリフィンシティのバー「VA-11Hall-A」の店長・ジルはバーテンダーとして今日もカウンター内に立っていた。そこにやってきたのはホワイトナイト隊員のセイ・P・アサギリだった。彼女は部隊長ジェリコとの待ち合わせ場所としてここに呼ばれたのだ。初めての店ながらジルと意気投合するセイ。ジルは、セイが3年前はグリフィンシティ最大の財閥であるI.O.P.社の令嬢で著名な慈善家「ステラ・星井」のボディガードだったことを知っていた。幼馴染で親友だったセイとステラだが、次第に他人を寄せ付けなくなったステラと疎遠になったセイはボディガードを辞めてホワイトナイトへ転職していたのだった。ジルは、セイにもう一度ステラとちゃんと話し合うことを勧める。そこにジェリコが現れ、二人は任務へと向かう。
今回のジェリコたちの任務は、アーキテクトから入手した情報に基づきエルダーブレインを捕獲することであった。目的地である倉庫街で鉄血の部隊を退け、倉庫の地下にある廃棄された工場を発見したジェリコとセイ。情報通りそこに隠れていたエルダーブレインだったが、彼女は3年前に機能を停止していたばかりか鉄血の指揮モジュールまで剥ぎ取られていた。セイからこの倉庫がステラの持ち物だと聞かされたジェリコは、現在の鉄血の首領がエルダーブレインに成り代わったステラではないかと疑う。しかし、親友であるステラをホワイトナイトに逮捕させたくない一心でセイはジェリコを撃とうとする。ここでジェリコを撃てば、その記憶データは倉庫突入直前まで巻き戻ることとなる。一度殺した相手とこれまで通り上司と部下として付き合うことができるのか、セイは苦悩する。

〈グリッチシティ〉
次に「VA-11Hall-A」を訪れた戦術人形は、ジル曰く「韓国アイドルのような可愛さ」のK-2と猫耳ヘッドホンを付けた内気そうな少女・TMP。やはりキラ☆ミキのブログで紹介されたことからこの店に興味を持ったというK-2は、キラ☆ミキの日常生活に興味津々でジルから逸話を聞き出そうとする。そこにやって来た店長のデイナは、匂いを嗅いだだけでジルが咳き込むほどの超激辛メニューであるレッドホットチキンを持参していた。辛いものが大好きなためレッドホットチキンに興味が切り替わったK-2は、デイナと共に店の奥にある事務所へ行ってしまった。残されたTMPがジルに注文してきたカクテルは、予想外の非常に酸っぱく刺激の強いものだった。見た目通りの性格でないことに興味を持ったジルはTMPと話し始めるが、異様に猜疑心の強いTMPの言動に驚くジル。TMPは、情報を容易に信じさせるプログラムに対するカウンターシステムをテストするために自分に組み込んだところ、目に映るもの全てを疑いその背後に陰謀があるのではと思い込むようになってしまったのだと言う。陰謀論の妄想に支配されると日常生活に支障をきたすのではと心配するジルだったが、K-2がサポートしてくれるから大丈夫だと言うTMP。そこに戻って来たK-2だったが、あまりに辛過ぎたレッドホットチキンに完敗していた。ジルとデイナは帰っていくK-2とTMPを見送るのだった。

E-1-3「先駆者」

親しい常連客とはいえドロシーの性格には時々ついていけなくなるというジル

〈グリフィンシティ〉
セイがジェリコを撃ったその頃、ステラは雇った狙撃手のWA2000と共にかねてからの計画を実行しようとしていた。グリフィンシティ政庁前では、市民の激しい抗議デモを収束させるべく、砂の雨による環境破壊についてドロシー総理が公開聴聞会を開催していた。その群衆に交じったステラは、こっそりと人形たちに「傘」ウイルスを散布していた。聴聞会では、ドロシー総理の砂の雨対策が場当たり的で効果を挙げていないことが人形の記者G28や人間の質問者からも批判されていた。腹を立てたドロシーは警備員に質問者の排除を命じたが、記者のG28が警備員にプロレス技をかけてそれを妨害した。人形が職務を妨害したばかりか違法行為であるプロレス技を使用したことに激昂するドロシー。しかし、それはステラが感染させた「傘」ウイルスによるものだった。ウイルスに感染した人形たちを暴れさせ、その混乱に乗じて壇上に登ったステラは、ドロシーこそがテラ・コンピューターを奪い、世界を滅ぼそうとしている黒幕だ、と糾弾する。政庁内に逃げ込んだドロシーはホワイトナイトの機甲兵を送り込みステラを排除しようとするが、WA2000の狙撃で機甲兵は破壊され、ドロシーは執務室に追い詰められる。かつてドロシーはテラ・コンピューターのことを調べていたステラを鉄血を使って暗殺しようとし、その片目を失わせたが、ステラは逆にその義眼に奪った鉄血の指揮モジュールを埋め込みドロシーへの復讐にやって来たのだ。しかし、ドロシーはテラ・コンピューターを奪った犯人ではなかった。ドロシーの保護者であり彼女を傀儡総理に仕立て上げていたアナ・グレアムこそが砂の雨による世界滅亡を目論んでおり、そのことに心を痛めながらもアナに逆らうことのできないドロシーはいずれ来る滅びの恐怖からグリフィンシティ住民の目を逸らし幸福なまま死んでいけるように娯楽政策ばかりを手掛けていたのだ。そして、既に実体のない電脳存在となっていたアナはドロシーの身体を乗っ取ると、改めてこの世界を滅ぼすことをステラへと告げて大量の機甲兵を送り込んできたのだった。

〈グリッチシティ〉
すっかりグリフィンの人形が街に馴染んできたある日。いつもは最初の客はグリフィンの人形だったが、今日は久しぶりにやって来た常連客のドロシーだった。そのドロシーが連れて来たのはOts-44。彼女もグリフィンの人形だった。悩みごとを抱えていたところ、たまたまドロシーに出会って連れて来られたのだという。ジルは、初対面の相手を疑わずにスラム街の奥までのこのこ付いてきてしまったOts-44の純真さに危機感を抱く。そして、肝心のOts-44の悩みは「電柱に恋をしてしまった」ことだという。電柱ばかりかワイヤレスイヤホン、人工衛星、果ては映画の予告編とおかしなものばかりに恋心を抱くOts-44は、グリッチシティの電磁波に悪影響を受けているのではないかと推測するジルとドロシー。Ots-44から恋に落ちた時の状況を聞くと、いずれも強い物理的な衝撃を伴った時に恋心が発生したのだという。電柱相手に恋愛するよりは疑似恋愛的な仕事をしている自分に惚れてくれた方が対処しやすいと思ったドロシーは、実験としてアルコール度数の強烈なカクテルを飲ませた後に自分を見ればいいのではと思い、ジルに頼んでカクテルを作ってもらう。しかし、Ots-44が惚れ込んでしまったのはドロシーの口から出る「ドロシー」という言葉だった。対処不能と見てOtS-44をグリフィンの宿舎まで送り届けに行くというドロシー。ジルは想定外の顛末にぐったりと疲れ果ててしまうのだった。

E-1-4「ソニックブーム」

ジルは人形であるG36に「遠視」という設定をわざわざ付けた開発者の趣味にドン引きしてしまう

〈グリフィンシティ〉
ステラによるグリフィンシティ政庁襲撃から少し前、デイナとSuper-Shortyは、ホワイトナイトの護送車でグリフィンシティに到着していた。Super-Shortyは、もはや人間の文明がグリフィンシティにしか残っていないことに悲しみを覚える。しかし、デイナは人間の滅びは運命であったと受け容れていた。ホワイトナイトの基地で輸送車を降りた二人はSuper-Shortyの検査のため別れることとなった。しかし、デイナは基地にいるホワイトナイトの機甲兵が不可解な行動を取り始めたことに気付く。ホワイトナイトの状況を確かめようとしたデイナは、機甲兵に包囲され射殺されそうになったが、それを救ったのは逮捕されたものの混乱に乗じて逃げ出したアーキテクトであった。アーキテクトはドロシー総理を操っていたアナ・グレアムがホワイトナイトの機甲部隊を乗っ取ったことを知っており、またアナにとってデイナが邪魔者であることも理解していた。そのことを知ったデイナはアナの陰謀を叩き潰すことを決意し、その前にSuper-Shortyを助け出すことにした。協力を渋るアーキテクトを買収することにも成功したデイナは、ホワイトナイトの基地に突入する。
その頃、ホワイトナイト基地で検査を受けていたSuper-Shortyの失われた記憶データが修復されていた。それは、鉄血の大軍勢からテラ・コンピューターを守るために仲間の戦術人形と共に最後の作戦に臨む自身の姿であった。しかし今のSuper-Shortyは仲間を持たず戦う力も失われていた。絶望するSuper-Shortyの前に現れたデイナとアーキテクト。デイナはアーキテクトの助力で検査カプセルに閉じ込められたSuper-Shortyを救い出した。Super-Shortyはデイナが鉄血であるアーキテクトと手を組んだことを非難するが、アーキテクトは鉄血人形を造ったのがテラ・コンピューターであり、コンピューターを奪ったのはグリフィンシティの戦術人形たちだと言う。その言葉に信じていた正義が揺らいだSuper-Shortyは、真実を知るために嫌いな鉄血のアーキテクトと一時的に手を組むことを了承した。そんなSuper-Shortyに語りかける声があった。立体映像を通して語りかけてきた声の主はアルマ・アルマス。3年前の作戦でSuper-Shortyたちの部隊を指揮していた指揮官だった。

〈グリッチシティ〉
グリッチシティでは、グリフィン社が記念品や鹵獲したダイナゲート(鉄血の小型機械兵)などを販売していた。また、民生人形経験のある戦術人形による家政婦レンタルサービスも行っていた。ジルは飼い猫に持っている服全部を散らかされたことから家政婦レンタルを頼もうとしていたが、デイナによると好評につきサービスは売り切れだという。
気を取り直して仕事を始めるジル。その日の最初の客は常連のアルマ、そして彼女が連れてきたメイド服姿の戦術人形・G36であった。アルマは競争率の高いグリフィンの家政婦レンタルサービスを勝ち取っていたのだ。ただのメイドとしてではなく、着せ替えを楽しむパートナーとしても可愛がっていると話すアルマ。最近は多忙で「VA-11Hall-A」に来られなかったアルマは、仕事でグリフィンの戦術人形のデバッグを引き受けていた。戦術人形に使われている人工知能技術の由来が90Wishと呼ばれた謎の技術集団のものだと知ったアルマは、その解析に没頭していたのだ。一方、ジルはアルマが連れてきたG36が自分を見る目が険しいことに怯えていた。しかし、それはG36が元々目つきが悪い上に遠視だったせいなのだ。ジルを怯えさせたことを謝るG36。それを聞いたジルは、人造人間をわざわざ遠視に設定した技術者は頭がおかしいのではないかと思った。アルマが取引先に電話をかけるために席を外し、二人きりになったジルとG36。しかし、そこに現れたのは男装し執事の姿をした別のG36であった。自分こそが本物のG36と名乗る執事G36。執事G36は、メイドG36をただの掃除機だと言う。掃除機の人工知能が手違いでG36のダミーボディに入り込んでしまったのだ、と。自己存在が揺らぎショックを受けるメイドG36は自分が掃除機であることを受け容れようとするが、そこに現れたのは子供の姿をしたG36だった。子供G36は、その執事G36がやはり手違いでダミーボディに入り込んだトースターの人工知能だと告げる。自分もまた家電でしかなかったことにショックを受ける執事G36。その姿を見た子供G36は、家電でいることに不満があるならダイナゲートにならないかとメイドで掃除機のG36と執事でトースターのG36に提案。そして3人のG36は新たな身体を購入するため去っていった。戻ってきたアルマは、ジルから事の顛末を聞いた挙句に自宅の家電が飲んだカクテルの代金まで請求されるのだった。

E-1-5「鶏むね肉」

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