花よりも花の如く(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『花よりも花の如く』とは、2001年より白泉社の『月刊メロディ』にて連載の開始された、日本の伝統芸能『能』をテーマに描かれた成田美名子による漫画。
2006年より掲載誌が隔月刊誌『MELODY』にリニューアルした。
元々は同作家の連載『NATURAL』のスピンオフの読み切りから始まり、連載になった作品。
榊原憲人は幼い頃から祖父の元で能楽師として修行を積んでいた。憲人は様々な人物と出会いながら成長していく。

狂言方

狂言の諸役を務める。狂言は能と同様に猿楽から発展した伝統芸能で、猿楽の滑稽味を洗練させた笑い中心のもの。

ワキ方

シテと共に能を演じるにおいて重要な役割を演じる。ワキを演じる為に専門的な修練を積んでいる物をワキ方と言う。
ワキはシテの心のうちを聞き出す役割をしており、その役割の為か僧侶であることが多い。

連雀

憲人の祖父の左右十郎の主宰する創風会の事務所、稽古場のある所。
左右十郎夫婦も住んでおり、内弟子の森澤楽や渡会直角も同じ建物に住み込みをしている。
能に必要な様々な衣装や小道具、面などをしまった倉庫もあり、海外遠征の際はこちらで荷造りして持参する。

若女(わかおんな)

能面のなかでも女面の一種であり、ストーリーの中では京都の骨董店で憲人が心魅かれ購入したもの。隆生先生の指摘で、曾祖父がかつて所持していて行方不明になったものだとわかる。
美しい若い女性を演じる際に使用され、有名な小面などに比べると人間ではない役柄の時に使用されることが多い。

直面(ひためん)

本来面を付ける能楽で、面を着けずに地の顔のまま演じること。
直面と書いて「ひためん」と読む。
直面で演じる役として「鷺」などが有名。

道成寺

能の有名な演目のひとつで、後に歌舞伎でも有名な演目となる。
もとは和歌山県の道成寺に残る伝説が元になっているが、ストーリー自体は中国の伝奇「白蛇伝」が元になっている。
難曲でもある為、シテ方の技量を示す為の、ひとつの区切りの演目にもなっている。

『花よりも花の如く』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「本当に僕はやっていないので、こういうのも変ですけどどういう結果に終わっても、ずっとあなたを信じて認める人がいるように祈ってます」

痴漢の冤罪を受けた憲人が、偶然地下鉄で出会った被害を訴える女性に、次の舞台のチケットを渡しながら、かけた言葉。
彼の基本的にある相手に対しての優しさが見えるセリフ。

「もう染めません」

森澤楽が奈良から創風会に再び戻った時に、決意を表して言ったセリフ。
元々が茶色の髪色であり、子どもの頃は能を習う為に黒く染めていた。しかしその為に皮膚を傷めてしまい、染めないのではなく体の為に染められないのが真実だった。
周囲に誤解を受けていても、能を続けたい楽の信念が表れている。

「一度やるとくせになるぞ。キモチいいよー」

演目「土蜘蛛」で土蜘蛛の役が使用する、蜘蛛の糸を掌に入れておくためのものを、陽一が憲人に譲った際にかけた言葉。
舞台の上で、糸をばさーっと広げると、確かに気持ちがいい。

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