ロマンシング サ・ガ(ロマサガ1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンシング サ・ガ』とは、1992年1月28日に現スクウェア・エニックスから発売されたスーパーファミコン(SFC)用ロールプレイングゲーム(RPG)。
ゲームボーイ用ソフト『Sa・Ga』シリーズのスタッフが新たに手掛けた意欲作。最大の売りは、当時まだ珍しかった自由度の高い「フリーシナリオシステム」を採用したこと。それぞれ異なる事情を抱えた8人の主人公から1人を選んで自由に世界を冒険するうち、伝説の邪神と戦うこととなる。

『ロマンシング サ・ガ』の概要

『ロマンシング サ・ガ』とは、1992年1月28日に現スクウェア・エニックスから発売されたRPG。
今作はゲームボーイ用ソフト『Sa・Ga』シリーズの第4作目にあたるが、ハードがSFCになったことからシステムも一新され、新たな『ロマサガ』シリーズの第1作目となった。
このゲームの大きな特徴は、シナリオやシステムの面でプレイヤーの選択の自由度が高いことである。
ゲームの最終目的はラスボスを倒すことだが、スタート時点こそ決まったシナリオがあるものの、大部分においては、プレイヤーが任意でストーリーを進められる「フリーシナリオ」となっている。
レベル制ではなく、戦闘で使用した技能によって能力値が上昇するというスタイルも『Sa・Ga』シリーズから健在。キャラを魔法使いにするのも、戦士にするのもプレイヤーの自由である。

主人公は8人のうちから好きな1人を選び、パーティーに加えられる人数は最大6人までで、十数名の仲間キャラクターから自由にパーティーメンバーを選ぶことができる。

また、イベントでの選択肢も用意されており、その選択によっては盗品の横領、殺人などの悪行をはたらくことも可能。
こうした選択はストーリー終盤の展開に影響する。

今作は『ドラクエ』や『FF』などのようなフィールドマップが存在せず、地図に記された場所を選択するとその場所に直接移動できる。
ただし、その地域の地図を持っていないと移動できないため、地図を持つ特定のキャラクターを仲間にしたり、イベントを起こしたりして地図を得る必要がある。

バトルはシンボルエンカウントを採用しており、ダンジョンを徘徊している敵のシンボルに接触すると戦闘になる。
そのため、敵シンボルを避けることでバトルを回避することができる。
この技を駆使して、ラスボスまでほとんど戦闘せずにたどり着くことも可能である。

自由度の高いシステム上、致し方ないのかもしれないが、やたらにバグが多い今作。特に戦闘関連でのバグが多く、バグを利用した楽な敵の倒し方などがファンの間で指南されている。

門番に話しかけた時の「通さない」「帰れ」などのように、イベントでの説明が少ないうえ、数々の印象的で突き放したセリフは、『ロマサガ』の代名詞ともいえる。これらのセリフが漫画のフキダシのような形で表示されることも珍しい試みであった。

キャラクターデザインに小林智美氏を起用し、やわらかなタッチの中世ファンタジー風のイラストが人気を博した。
音楽を手掛けるのは、『Sa・Ga』シリーズから引き続き、伊藤賢治氏。ロマサガワールドともいうべき音楽を確立した。

今作は2001年にワンダースワンカラー版にリメイクされた後、モバイル端末での配信やWiiU、3DSなどのバーチャルコンソールにてDL販売された。
また2005年4月21日にプレイステーション(PS)2にて今作の設定を元に大幅なリニューアルを施したリメイク作品『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』が発売されている。

3体の邪神サルーイン、デス、シェラハ。彼らはかつて他の神々と人間に戦いを挑み、敗れ去った。
3体のうち最後まで抵抗していたサルーインも太陽神エロールが人間に与えた「ディステニィストーン」によって封じ込まれた。
だが長い年月を経て今、その封印が解かれようとしている。
8人の主人公たちはそれぞれの故郷を追われ、世界を冒険するうち、「ディステニィストーン」をめぐる争いに巻き込まれていく。

『ロマンシング サ・ガ』の世界観

マルディアス

物語の舞台になる世界。
マルディアスは、創造神マルダーによって創られた世界である。
創世間もないマルディアスは古代神の時代と言われ、多くの神々や巨人族、古代人などが、幸せに暮らしていた。
この時代に、オールドキャッスルや伝説の湖の街などが造られた。

ある時、マルダーの妻で破壊の女神サイヴァは、マルダーや他の神々に戦いを挑んだ。
神々の戦いは激しく、長期に渡ったために、マルディアス全土を壊滅させてしまった。
なかなか決着がつかないため、サイヴァは自らの小指から援軍となる神を生み出した。
ところが、サイヴァの小指はサイヴァの「善」の心が唯一残されていた部分であったため、そこから生まれたエロールは善の神であり、サイヴァに反旗を翻し、彼女を滅ぼした。
この時、滅んだサイヴァの体の一部から三邪神が生まれた。

サイヴァとの戦いで、地上の動植物は滅びたが、エロールの妻ニーサの導きにより、古代人は地底に逃れて生き延びた。戦いの道具とされた巨人族は山里に隠れた。
そしてマルダーをはじめ、多くの神々は滅びたマルディアスを見捨てて去って行った。

マルディアスに残った神は、エロールとその妻ニーサだけとなった。
エロールとニーサは、ウコム・シリル・エリス・アムトの4神を生み、彼らを中心にしてマルディアスを復興させた。
復興のために、神々は古代人の姿に似せて人間を創った。動植物も、新たな種を創り出した。
善なる神々に見守られ、世界はかつての栄華を取り戻そうとしていた。

ディステニィストーン

マルディアスの神エロールが三邪神との戦いの最中に生み出した、世界を構成する10の要素を閉じ込めた宝石の総称。
三邪神の力を弱める為にエロールが生み出した神の秘宝であり、邪神サルーインを倒すためにエロールがミルザという人間に与えたものである。
火のルビー、水のアクアマリン、風のオパール、土のトパーズ、魔のエメラルド、幻のアメジスト、気のムーンストーン、邪のオブシダン、光のダイアモンド、闇のブラックダイアの10種。
しかし、1000年の時の流れの中でディステニィストーンのいくつかは失われてしまった。
現存するものはブラックダイア以外の9種だが、実際に入手出来るのは7種のみ。
リメイクのワンダースワンカラー版では9種が入手可能となった。

また、リメイク作品の『ミンストレルソング』では10個のディステニィストーンすべてを入手することが可能となった。
それにより、関連イベントも強化され、ミニオンとの争奪戦が鮮明となり、サルーイン復活を阻止するキーアイテムとしてハッキリと描かれることとなった。

『ロマンシング サ・ガ』におけるマルディアスの国々や島

フロンティア (Frontier)

バーバラのスタート地点。
未開の開拓地。中心都市ウエストエンドには夢を求めて人々が集う。
古代からの魔物も多くいる。

クジャラート (Kjaraht)

ジャミルのスタート地点。
マルディアスの南西部に位置する国。アジア風の雰囲気がある。
首都はエスタミルで首長はアフマド。
元はクジャル族の国であったが、エスタミル王国を呑み込んで現在のクジャラートができた。ローザリアとは何度も戦っている。
南エスタミルは強盗や物乞いが多数いる治安の悪い街であり、盗賊ギルドが仕切っている。
中央部にある旧首都のタルミッタはエスタミルに比べると廃れている。

ローザリア王国 (Kingdom of Rosalia)

アルベルトのスタート地点。
マルディアスの中央に位置する国で、マルディアス随一の軍事と文化を誇る大国。
元はバファル帝国領だったが、500年前に独立を果たす。
イスマスという地域がバファル帝国との国境の役目を果たしている。
現在は病気の国王に代わり、皇太子ナイトハルトが実権を握っている。

ローザリア北部 (N. Rosalia)

アイシャのスタート地点。
リメイク版の『ミンストレルソング』ではドライランドという名称になっている。
北部と南部のマップに分かれており、ガレサステップという広大な草原やカクラム砂漠が広がる。

バファル帝国 (Bafal Empire)

クローディアのスタート地点。
マルディアスの南東部に位置する大国。鉱山や迷いの森などがある。
首都メルビルには巨大な図書館があり、メルビルからは離島へもアクセスできる。
帝国内部では皇帝の後継者争いなどの陰謀が渦巻いている。

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