ロマンシング サ・ガ(ロマサガ1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンシング サ・ガ』とは、1992年1月28日に現スクウェア・エニックスから発売されたスーパーファミコン(SFC)用ロールプレイングゲーム(RPG)。
ゲームボーイ用ソフト『Sa・Ga』シリーズのスタッフが新たに手掛けた意欲作。最大の売りは、当時まだ珍しかった自由度の高い「フリーシナリオシステム」を採用したこと。それぞれ異なる事情を抱えた8人の主人公から1人を選んで自由に世界を冒険するうち、伝説の邪神と戦うこととなる。

闇のエネルギーを使って強力な攻撃を行う。
光術と相反する。
イベントで赤魔法使いのみが使える。パーティキャラクターは使用できない。

『ロマンシング サ・ガ』のリメイク作品

ワンダースワンカラー版

2001年12月20日、本作はバンダイの携帯ゲーム機ワンダースワンカラー(WSC)にリメイクされ発売された。
移植開発はKANNABI。
オリジナル版との主な違いは以下の通り。
ゲーム進行に支障のある、大きなバグが修正された。
移動中にダッシュが出来るようになったが、その分敵の動きも早くなった。
ダメージを与えてこなかったモンスターに攻撃手段が追加された。
イベント面では、ブラックダイアを除く9種のディステニィストーンが入手可能になったことや、SFC版では語られることのなかったシェラハ関連のイベントなどが追加された。
システム面では、セーブファイルの数が3から4に増加した。
また、アフマドがドマファに変更されたりと、キャラクターや敵モンスターの名前が一部変更された。

ロマンシング サガ -ミンストレルソング-

2005年4月21日にPlayStation2向けに発売されたリメイク作品。
『ミンストレルソング』とは『吟遊詩人の歌』という意味で、今作のテーマソング「メヌエット」を手掛けたミュージシャンの山崎まさよしのイメージからつけられたサブタイトルである。

ワンダースワンカラー版と違い、こちらは単なる移植ではなく、SFCオリジナル版のプロデューサーである河津秋敏が直接手掛けたリニューアル作品である。

グラフィックが3Dになったことや、イベントムービーの挿入、キャラクターの声を声優がアテレコするなどの大きな変化が見られる。
またシステムも「閃き」や「連携攻撃」など『ロマサガ2』以降のシリーズの良いところを採用している。
スキルや調合、マップアビリティの導入など、やりこみ要素も増えた。
セーブシステムも、通常のセーブに加え、クイックセーブが追加された。

最も大きな変化は主人公たちを含むキャラクタービジュアルが一新されたことである。
さらに、SFCオリジナル版では登場しなかった海賊シルバーや新キャラのダークなどが新たに登場した他、ディアナやファラ、ナイトハルトといった期間限定でしか仲間にできなかったキャラクターが正式に仲間にできるようになった。

ストーリー面では、「アクアマリン探索」の理由や「皇帝の奇病」の黒幕など、SFCオリジナル版では語られなかったことへの説明が追加された。
ディステニィストーンが、10種全て集められるようになったり、シェラハ関連のイベントの追加など、SFCオリジナル版ではカットされていたイベントが追加されている。

戦闘システムも武器の種類の細分化や術の合成など、『ロマサガ』シリーズ集大成ともいうべき進化を見せている。

『ロマンシング サ・ガ』の音楽

サウンドトラックの他、各アレンジヴァージョンCDも発売されている。

今作の音楽を手掛けたのは『Sa・Ga2 秘宝伝説』からシリーズを担当することになった伊藤賢治。
これ以降、『ロマサガ』シリーズは彼のライフワークとなった。
「オープニングタイトル」や「熱情の律動」など、『FF』シリーズと双璧をなす名曲の数々を生み出しており、多くのファンを魅了している。
師匠と仰ぐ植松伸夫の作曲した『Sa・Ga2 秘宝伝説』の「涙を拭いて」を使用しているあたりは彼のリスペクトが伺える。

『ロマンシング サ・ガ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

イラストレーターの決定

いまやロマサガの「顔」となった小林智美氏のイラスト。

『ロマンシングサ・ガ』のイラストレーターは小林智美氏が務め、その世界観を構築する一端を担っている。
ユーザーからの人気も高く、同氏の代表作ともなっている。
このキャラクターデザインおよびイラストレーションを新たに選定する際、開発内の会議では漫画家の島村和彦や荒木飛呂彦、紫堂恭子などの名前が候補に挙がっていた。
選考の結果、イメージにふさわしく、所属している出版社などのしがらみもなく、これまでに他のゲームなどでの露出の少ない同氏に決定した。

バグ問題

有名な「レイディバグ」。意味不明な文字の羅列になってしまう。

今作はバグが多いことでも有名である。
これはフリーシナリオという独自のシステムを採用している上、キャラクターも多いことから、テストプレイを経ても十分な検証が行えなかったからである。
当時はまだデバッグを行う専門の部署もなく、数人のアルバイトと社員を動員してのテストプレイを行っていた。
特に有名なバグは通称「レイディバグ」と呼ばれるもので、ニューゲームで主人公をホークで始め、彼の船であるレイディラック号でアロン島への出入りを繰り返すことで発生させられることから、そう呼ばれる。
バグの症状は、画面やセリフがバグり出し、ありえないセリフや見たこともない職業や敵の名前が表示されたりする。
そしてしまいにはフリーズしたりデータが消えたりする。
このバグが出来るのはSFC版のみで、ワンダースワン版では修正されている。

もっとも深刻なバグは、召喚魔法使用中に、敵から「火の鳥」(火術の一つ)を受けるとゲームのセーブデータが飛んでしまうというもの。
バグの定義として、ゲームの進行不可、あるいはゲームが停止、消去されてしまうというものは最も深刻な不具合として回収や交換の対象となる。
また、SFCはロムカセットだったため、輸送中の衝撃などにより最初からセーブ不良ということもよくあった。

漢字が大きい理由

今作ではテキストに漢字が使用されており、ひらがなやカタカナに比べると漢字だけが大きい。
これはこれで味わいがあるということでファンには認知されているが、これはすべてのフォントを手作りしたためである。
通常フォントは使用料を払うなどして使用するのだが、今作ではグラフィック担当スタッフが作成したオリジナルのフォントを使用した。
そのため、ひらがなやカタカナと同じ大きさで漢字を作成するとつぶれて読めなくなってしまう為、倍角の大きさになってしまった。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

ロマンシング サ・ガ3(ロマサガ3)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ロマンシング サ・ガ3(ロマサガ3)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンシング サ・ガ3』とは、1995年に現スクウェア・エニックスより発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲームソフト。サガシリーズの6作目にあたり、ロマサガシリーズの3作目にしてシリーズの集大成との呼び声も高い。シリーズの特徴であるフリーシナリオの他、ミニゲームも充実。グラフィックや演出、音楽などの点で特に評価が高い。8人の主人公から1人を選び、「死食」がもたらす数々の謎を解き明かす冒険の旅に出る。

Read Article

ロマンシング サ・ガ2(ロマサガ2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ロマンシング サ・ガ2(ロマサガ2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンシング サ・ガ2』とは、スクエア(当時)が開発したSFC用のRPGである。特徴は、決まった流れを追うのではなく、フリーシナリオを採用している点と、レベルに関係なく技を習得する閃きシステムが挙げられる。プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝となり、かつて世界を救った「七英雄」と対峙していくこととなる。その戦いは世代を超えて続き紡がれる。

Read Article

サガ フロンティア(SaGa Frontier)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サガ フロンティア(SaGa Frontier)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サガ フロンティア』とは、現:スクウェア・エニックスが1997年7月11日に発売したプレイステーション用ソフトで、ジャンルはRPG。サガシリーズの7作目にあたる。主人公は7人の中から1人を選び、それぞれ違ったストーリーが展開する。今作ではこれまでのファンタジー路線に加えSF要素も盛り込まれている。また今作より「連携」システムが搭載された。多数の小世界「リージョン」を舞台に、7人の主人公たちがそれぞれの物語を紡いでいく。

Read Article

サガ フロンティア2(SaGa Frontier 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サガ フロンティア2(SaGa Frontier 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サガフロンティア2』とは、現スクウェア・エニックスが1999年に発売したプレイステーション用ソフト。ジャンルはRPG。サガシリーズとしては8作目、『サガフロンティア』シリーズでは2作目に当たる。 シリーズの特徴であるフリーシナリオは、今作では年代順にシナリオを追っていく「ヒストリーチョイス」システムとして採用されている。術が一般化している世界を舞台に、術が使えないギュスターヴ13世と時代の影で起こる災いに立ち向かうウィリアム・ナイツとその一族を主人公に、約100年に及ぶ物語が描かれる。

Read Article

Sa・Ga2 秘宝伝説(Final Fantasy Legend II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

Sa・Ga2 秘宝伝説(Final Fantasy Legend II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Sa・Ga2 秘宝伝説』とは、1990年12月14日に現:スクウェア・エニックスから発売されたゲームボーイ(GB)用ソフト。サガシリーズの第2作目。 基本的なシステムは前作『魔界塔士Sa・Ga』を踏襲しているが、さらに遊びやすくなるようシステムに変更や追加がなされている。 古の神々の遺産「秘宝」は手に入れるとすばらしい力が得られるという。主人公は、その「秘宝」を追って行方不明になった父親を探して、仲間たちと共に旅に出る。

Read Article

時空の覇者 Sa・Ga3(Final Fantasy Legend III)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

時空の覇者 Sa・Ga3(Final Fantasy Legend III)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『時空の覇者 Sa・Ga3』とは、1991年12月13日に現:スクウェア・エニックスから発売されたゲームボーイ専用ソフト。サガシリーズの完結編。今作がGB最後の作品となった。システムは前2作とは異なり、経験値でレベルアップするというオーソドックスなものに変更され、武器や魔法の使用回数制限も撤廃された。滅びの未来を変えるため過去へ送られた3人の若者たちが、仲間と共に時空を超えて異次元の神と戦う物語。

Read Article

魔界塔士 Sa・Ga(The Final Fantasy Legend)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔界塔士 Sa・Ga(The Final Fantasy Legend)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔界塔士Sa・Ga』とは、1989年12月15日に現・スクウェア・エニックスから発売されたゲームボーイ(GB)専用ソフト。ジャンルは当時、携帯機のGBでは不可能といわれた初のRPGで、当社初のミリオンソフトとなった。 サガシリーズの記念すべき第1作目。経験値やレベルの概念がなく、キャラクターの種別によって成長方法が異なるという斬新なシステムで注目された。舞台は1本の塔によって結ばれた4つの世界。その塔の頂上には楽園があるという。その楽園を求めて主人公は塔への冒険に旅立つ。

Read Article

ロマンシング サガ リ・ユニバース(ロマサガRS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ロマンシング サガ リ・ユニバース(ロマサガRS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロマンシング サガ リ・ユニバース』とは、スクエアエニックスとAkatsukiが共同開発しリリースされた、iOS・Android用スマホオンラインRPGである。『ロマンシング サ・ガ3』の300年後の世界を舞台としており、新しい命の全てを奪う「死食」復活を画策する魔王を阻み世界に平和をもたらすため、新8英雄(ポルカ、リズ、ゼノン、ヴァルドー、妖精ブラウニー、シン・ドゥ、マドレーン、イーヴリン)が集結する。 愛着を持って一つのスタイルを育て、戦術を練って戦いに挑めるところが魅力だ。

Read Article

ONE PIECEの王下七武海とロマンシング サ・ガ2の七英雄を比較してみた【ワンピース】

ONE PIECEの王下七武海とロマンシング サ・ガ2の七英雄を比較してみた【ワンピース】

『週刊少年ジャンプ』の大人気漫画である『ONE PIECE』。作中には「王下七武海」と呼ばれる世界政府公認の7海賊が登場するのですが、スクウェア(現スクウェア・エニックス)のゲーム『ロマンシング サ・ガ2』に出てくる「七英雄」が王下七武海のモデルになっているとのウワサがあります。そこで、この記事で両者について比較してみることにしました。なるほど、いろいろ共通点はありそうですね。

Read Article

ロマンシング サ・ガ2の七英雄とONE PIECEの王下七武海の共通点まとめ【完全に一致】

ロマンシング サ・ガ2の七英雄とONE PIECEの王下七武海の共通点まとめ【完全に一致】

ゲーム『ロマンシング サ・ガ2』に登場する「七英雄」と、漫画『ONE PIECE』(ワンピース)に登場する初期の「王下七武海」には共通点が多い。「七英雄」のワグナスと「王下七武海」のクロコダイルは、国を乗っ取ろうとした点が共通している。また「七英雄」のノエルと「王下七武海」のミホークは、紳士的で剣の達人という点が似ている。

Read Article

目次 - Contents