Caligula Overdose(カリギュラ オーバードーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

その後、フラワープリンセス全員から資格を得たことでお茶会への参加を認められた美笛だが、ひとりじゃ不安だということで主人公に自分の彼氏と偽らせ、お茶会に同席をしてもらうことになった。そこでついにスイートPと出会い、μの情報を聞き出せるお膳立てが整ったかと思いきや、お茶会とは名ばかりの、同席したフラワープリンセスたちがお菓子を貪り食う姿をこれ見よがしに見せつけられ、ついに美笛が爆発する。「だからデブなんて大っ嫌いっ!! デリカシーなんかまるでなくって、人に迷惑かけてもおかまいなしで!! 食べることしか頭になくて、見境なくガツガツガツガツガツガツ、豚みたいっ!!!」すると、スイートPが不敵な笑みを浮かべて「さては現実のあなたはおデブさんなのねぇ?」と、投げかけた。さらにスイートPは、美笛と主人公の正体ならとっくに気付いていると言って、プリンセスたちへの過剰な反応から美笛も現実が直視できないとも決めつけ、メビウスにいれば可愛らしい見た目のまま好きなものをたくさん食べられると挑発するように言う。
すると、さらに琴線に触れられたらしい美笛が「一緒にしないで!! あんたこそ、実は脂ぎっしゅなデブ男なんでしょ!?」と、罵倒を浴びせた。その瞬間、スイートPの表情から笑いが消えた。「脂ぎっしゅって言うなぁぁぁぁぁ!!」と、語調を変え、鬼の形相で吠え出したスイートPに、フラワープリンセスたちが驚いて食い漁るのをやめた。その後、異変を察した笙悟ら他の帰宅部が駆けつけてくると、「オレにはメビウスしか認めてくれる場所なんてないんだよぉおお!!! まとめて踏みつぶしてやるぅぅぅぅぅ!!!」と、激しい怒りで我を忘れたスイートPは弓を召喚し、襲いかかってきた。そして激しい戦いの末、帰宅部はスイートPも下すことに成功するが、スイートPは逃げ去ってしまい、μの居場所は掴めずじまいとなってしまった。スイートPに見捨てられたフラワープリンセスたちは揃って「ぶひぃぃぃぃ!? なんだか知らないけど許してぇぇぇ!」と、泣き出す。その姿を見て、美笛は我に返り、「プリンセスたちも…何も悪くないのに、ひどいことばかり言っちゃって…わたし…」と、謝りながら貰い泣きしてしまう。そんな中、主人公たちは地面に落ちている一枚のチケットの切れ端を見つけたのだった。

主人公に自分たちの拠点へ通じる扉を見せるソーン。ここで出される選択肢を選んだことで、この後の物語が大きく変化するのは本作における最大のキーポイントであり、見所だ。

扉を潜った先で、主人公は仲間たちより一足先にμと再会する。

「Lucid」という名の楽士の姿と力を与えられた主人公。髑髏のマスクと黒衣を纏っているためよく分からないが、ラテン語で「光」を意味する名前の通り、身体が透明化しているらしい。

スイートPとの戦いの後、駅前広場をひとり歩いていた主人公の背後に、「ねえ……私と一緒に死んでくれないかしら」と、不穏な言葉を投げかけてきた者がいた。振り返ると、そこに陰気な雰囲気を漂わせた黒髪の女が立っていた。その女性の名はソーン。μに楽曲を提供するオスティナートの楽士のリーダーである彼女は、主人公は佐竹笙悟に利用されており、物事の両面、つまり楽士のようにメビウスに留まることを望む者たちの心情を知る必要があると語った。そして、紫色に輝く扉を召喚し、覚悟があるならこの扉をくぐって自分たちの所へ来いと言った。そして主人公が考えに出した選択肢は、ソーンのその誘いに乗ることだった。
扉を潜った主人公は、その先にある「楽士の間」と呼ばれる部屋で待っていたμと再会を果たし、彼女に楽士としての姿と力を与えられる。漆黒の髑髏を模した仮面を被り、黒衣に身を包んだ透明人間の楽士となった主人公は「Lucid」と名付けられた。Lucidとなった主人公に、ソーンはその姿でいる間は帰宅部の部長であることに目を瞑り、楽士として指示を出すと言い、最後に帰宅部に戻るか楽士に着くかは、共に行動して楽士たちの戦う理由を見定めてからでも遅くはないと言った。それにLucidが承諾すると、μは主人公がLucidでいる間は自分がアリアの代わりに一緒に行動してあげる、と言って、なんとアリアと同じ小さい妖精の姿になった。この姿ならLucidの黒衣の中に潜り込むだけで身を隠せるし、Lucidに守ってもらえると言うμにソーンは呆れるが、帰宅部に彼女を渡さないようにとLucidに釘をさすことでそれ以上に言及はしなかった。

アリアを真似て自らをデフォルメ化させることで、自らも小さい妖精の姿になったμ。これ以降、楽士ルートではその言葉通り、μがアリアの代わりとして主人公のパートナーとなる。

このシーンから初披露となる主人公ことLucidの楽曲「Suicide Prototype」。この時点で歌詞はまだないが、ソーンが目を見張り、μが心を踊らせるほどの出来らしい。

楽士であるならばμに提供するための曲が必要だということにLucidが思い当たると、μは近くにあった機材に力を送り込んで、この機材に向けて自分の思いを込めて念じれば曲ができる、と言った。言われた通りにLucidが機材に念じた時、激しく情熱的な曲が流れてきた。ソーンはそれに「素晴らしいデキ」と目を見張り、μは「頑張って歌えるようになるね!」と、はしゃいだのだった。

Stork編

永至との出会いのシーン。この時の彼は至極穏やかで、帰宅部にも協力的でもある。

宮比温泉物語での潜入前のシーン。笙悟たち男性陣は入り口前で待機し、スイートPが出てきた所を捕まえる作戦をとる。

スイートPに男性の醜さを力説する彩声。しかしこの時の彼女は、目の前にいるスイートPも自分が嫌う男性のひとりであることに気づいていない。

そして琴乃たちが入ってきたのを察知してか、この彫像が興奮したかのように目を輝かせ、鼻から蒸気を噴射する。

スイートPが落としていったチケットの切れ端に書かれた「物語」のことについて帰宅部が調べていると、一人の上品な雰囲気を漂わせた男子生徒が現れる。主人公たちが聞き込みをしようと声をかけた時、「やあ、君は佐竹君や琴乃さんと一緒にいた……僕に何か用かい?」と、穏やかに返事してきた彼の名は、琵琶坂永至。琴乃や笙悟とは同学年の知り合いで、学年トップの成績を誇る天才であり、現実ではベンチャー企業の若社長と堂々と名乗る彼は、このチケットは宮比古市の南東に位置する巨大テーマパーク「シーパライソ」に隣接する温泉リゾート施設「宮比温泉物語」のチケットだと教えてくれた。そして、多くの従業員とその家族の生活を守る立場にある社長として、自分は一刻も早く現実世界に戻らなければならないと語る永至は、帰宅部への協力を申し出る。さらに鳴子も現実世界での情報を集める中、現実にある肉体が衰弱し、最終的に肉体が死んで精神もメビウスから消滅するらしいという情報を見つけたことに動揺し、現実世界へ戻るために帰宅部の参加を決意した。
その後、スイートPが宮比温泉物語へと通っていることを突き止めた帰宅部は、今度こそμの居場所を探るために宮比温泉物語へと乗り込む。施設を探索している中2階の重曹泉の浴場に差し掛かり、男湯を探してみたがスイートPの姿が見当たらなかったため、琴乃、美笛、鈴奈、鳴子、アリアが女湯に入って様子を確かめることになった。女湯に入ると、スイートPはひとりのセミロングの茶髪の女子生徒と話をしていた。そのセミロングの女子生徒の名前は天本彩声。「男なんて最低最悪」「男なんて滅べばいい」と、異常なまでの男嫌いをぶちまける彩声にスイートPが尻込みさせられつつも話を聞いていると、鈴奈が突然悲鳴をあげた。アリアと美笛と鳴子がびっくりして振り返ると、その鈴奈の視線の先を辿って何かを見つけたらしい琴乃が突然表情を険しくし、その何かへ向かって攻撃を仕掛ける。その何かである浴場の彫像は、琴乃の攻撃を受けて仰け反ると共に正体を現した。それは、コウノトリを模したマスクと白タイツを纏った怪人のような楽士・Storkだったのだ。

琴乃にそれぞれ正体を暴露されたStorkとスイートP。あろうことか、スイートPの正体が男だったということにStorkは憤りを見せる。

男を目の前にしたことで表情が凍りついた彩声。次の瞬間、絶叫と共に彼女も覚醒を果たす。

最上階でStorkと対峙する彩声。この怒りの叫びと、後に見せる悲痛な表情から、彩声の男嫌いには間違いなく大きな理由があると考えられる。

そして、彩声の「警察に突き出してやる」という宣戦布告に、Storkは異常なまでの動揺ぶりを見せた。

男が紛れ込んで覗きをしていたことに騒然となる女湯。さらに琴乃がスイートPを見つけ、「そいつも中身は男よ!」と、叫んだことで女湯は大パニックになる。大混乱の中、スイートPは悪態をつきながらバスタオルのまま飛び出していく。一方、男であるStorkを目の当たりにした彩声は大きく目を見開いた。「お……と……こ……?」と、呆然とした面持ちで呟いた後、絹を裂くような悲鳴と共に腕を振り上げる。すると、スタンガン型のカタルシスエフェクトが発現し、凄まじい電撃をStorkめがけて浴びせた。Storkは吹っ飛ばされながらも、擬態を使って浴場から逃げる女子生徒たちにまぎれて逃走した。
その後、琴乃たちの説得と介抱で落ち着きを取り戻した彩声は、戸惑いながらも帰宅部への協力を決意する。直後、「よくも紳士の嗜みを邪魔してくれたな〜! 見つけられるものなら見つけてみたまえ、じっくりたっぷり睨め回してやる!」と、どこからともなくStorkの挑発する声が聞こえてきた。先ほどの浴場での一幕から、Storkは周囲の人や物に擬態する能力を持っていると推測し、覗き魔であるStorkを懲らしめるために挑戦に受けて立つことを決意した。
それから提灯や自販機、ベンチなどさまざまなものに紛れるStorkの擬態を看破していき、ついに施設の最上階である混浴場へと乗り込む。観念しろと意気込む鍵介と鼓太郎に、Storkは見るなと言われるものほど見たくなるのが人間の性質だと開き直り、自分は正直になっているだけで誰も傷つけてなんかいないと叫ぶ。そんな身勝手な反論に彩声が激怒した。「ふざけんじゃねーよ!! あんたみたいな男のために、人生めちゃくちゃにされた女がどれだけいると思ってんだよ!!」そう悲痛に表情を歪めて叫んだ彩声は、Storkを捕まえて現実世界へと連れて帰り、警察に突き出してやると宣戦布告する。するとStorkは異常なまでに動揺して「警察だけはいやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と、悲鳴をあげながら鞭を召喚して襲いかかってきた。

戦いの後、さらにひどく動揺し、錯乱するStork。アリアによるとこれで正気らしい様子を見て「警察を異常に恐れているみたいだな」と、永至は言った。

次の楽士の手がかりを教えたことに免じて、彩声は悲痛な表情でStorkを見逃したのだった。

そして激闘の末、ついに帰宅部はStorkの撃破に成功する。たちまち戦意を喪失し、異常なまでに怯えきった様子で許しを乞うてくるStorkに、頭でもおかしくなったのか、と帰宅部は疑問を抱くが、アリアはこれがおそらく本当のStorkなんだろうと言った。それでも納得がいかない様子の彩声に、笙悟が「こいつはクズだが、警察に突き出すのは難しいと思うぞ」、永至が「ここは法が及ぶ現実じゃない。μの居場所を吐かせて手打ちってのが、僕も現実的だと思うがね」と、それぞれ諭す。そこでStorkは、自分はカギPに次ぐ新参の楽士でよくわからないが、カビ臭い場所で本を読んでいるという「少年ドール」という名前の楽士なら何か知っていると教え、彩声に詫びを入れてからその場を去った。

楽士ルート・上

吉志舞高校編

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