Caligula Overdose(カリギュラ オーバードーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

ミレイ / 一ノ瀬美玲(いちのせ みれい)

CV:中村繪里子

豪奢で露出度が高めな衣装に身を纏った、グラマラスな美女の姿をしたオスティナートの楽士。シーパライソのアクアリウムを根城にし、取り巻きの男たちを跪かせて優雅な生活を送り、自他共に認める「クイーン」的存在である。
傲岸不遜、唯我独尊を絵に描いたようなワガママで高飛車な性格で、世界の中心が自分であるかのように振る舞うが、楽士としての実力と才能は虚飾ではなく、美しい容姿も相俟って絶大な人気を誇っている。そして、自らがナンバーワンだというこだわりは異常なほどで、メビウス内の絶対的アイドルであるμすら対抗心の対象となっており、つっけんどんな接し方をする。

現実世界では没落してしまった名家である一ノ瀬家の令嬢で、シーパライソは一ノ瀬グループの社長であった父が彼女のために一から造らせた総合遊園地だった。そうして名家のお嬢様として生まれたことで甘やかされて育ったため現在のような性格となり、数年前に一ノ瀬グループの経営が破綻して一気に貧乏になり、不幸のどん底にいるような生活に叩き落とされてもその性格は変わることはなかった。

そのため、父親のコネでさまざまな職を転々とするがどれも長続きせず、音大出で楽曲制作の才能があるということから、バーチャルアイドルを使ったとある会社の新規事業部にようやく落ち着くことができた。しかしそれでも性格は変わらずむしろ不満を募らせるだけで、μの歌を聞いてメビウスに誘われ、オスティナートの楽士としてスカウトされたのをいいことにシーパライソのホテルのスイートルームに居を構えて根城にし、女王として在り続けながらメビウスを守ろうとする。

イケP(いけぴー) / 小池智也(こいけ ともや)

CV:斉藤壮馬

バンドマン風のオスティナートの楽士で、主人公たちと同じ吉志舞高校の2年生。維弦のクラスメイトでもある。
女性人気が高く、自らの容姿に自信を持っている生粋のナルシストで、ファンからの賞賛の声を何よりも求めており、自らの人気っぷりを確認するためにライブ活動も一切欠かさない。

現実世界ではメンズアパレルショップの店員で、イケメンに劣等感を抱く雰囲気イケメンで、営業成績も万年最下位と不憫な有り様となっている。
そしてバンド経験者でもあるが、平日しか休めないために昔の仲間たちともつるむことができず、暇つぶしに1人でできるDTMでの楽曲制作を始め、メビウスに迎えられてからはその才能を見込まれてオスティナートの楽士となる。

そして同時にメビウスの力によってイケメンの容姿を得て、大勢の女の子たちにモテて騒がれるようになるなど理想の生活を手に入れたが、同じクラスに自分よりもさらに眉目秀麗で女の子たちにもっと騒がれる維弦の存在を知り、執拗に敵愾心を燃やしてしまうことになる。

シャドウナイフ / 山田大樹(やまだ だいき)

CV:内田雄馬

黒いフード付きのジャケットに身を纏い、ナイフを肌身離さず持ち歩いている暗殺者のような出で立ちをしたオスティナートの楽士。
メビウスでの叛逆者を粛清する正義のヒーローを自称する男で、影とナイフを自在に操る能力を駆使して獲物を確実に仕留める。こうした能力と、楽士の中でも戦闘に特化した性質であることから、μの護衛役も担っている。
ちなみに名前や外見、その能力に至るまで、現実で数年前に流行っていたあるアニメの登場人物に似ているという噂が流れている。

現実世界では小柄な体格と弱気な性格ゆえに、酷いいじめにあっていたという悲しい過去を抱えたアニメーター専門学校生。そのため、ヒーローになりきり、自分をいじめ抜いた憎い連中に復讐する妄想を膨らませ、中二病を患った。
メビウスに来てからは「いじめられて逃げるだけの惨めな自分の否定」という願いゆえに、自らが焦がれたヒーローと同じ容姿と能力を手に入れ、その強い想いと戦闘力を見込まれてオスティナートの楽士に誘われることになった。

ソーン / 棗飛鳥(なつめ あすか)

CV:大坪由佳

病的なイメージが感じられる黒髪の女性の姿をしたオスティナートの楽士のリーダー。長い前髪で右目を隠し、何を考えているかわからないと言っていいほど無表情で口数も少ないが、μの楽曲制作者の中では最古参のクリエイターで、重く暗く激しいラブソングで絶大な人気を博している。

その正体は現実世界における笙悟の旧友で、彼が引き篭もる原因となった早乙女一凛に片思いしていたもう一人の男で、職業はサウンドエンジニア。ソーンという楽士のリーダーとして借りている女性は一凛のものである。
かつて、一凛が心中する相手に自分ではなく笙悟を選び、その挙句に笙悟が逃げて一凛はひとり自殺してしまったことに絶望と悲しみ、笙悟への恨みを募らせ続けていた。そして、学生時代からやっていたDTMでの楽曲制作の経験を活かしてサウンドエンジニアとして働く中、暗く重く激しいメロディが特徴的なラブソングを数々作って多くの中高生女子の人気を獲得し、さらにそれらの曲がノベライズされるほどの大成功を収めている。

そのため、自我を得たμから真っ先に接触を受け、彼女を支える最初のオスティナートの楽士となる。「みんなを幸せにする」というμの目的に協力する見返りとして一凛を蘇らせることを望んだが、メビウスの力を持ってしてでも死者の再生は不可能で、その望みは終ぞ叶わなかった。
そんな中、「誰かを少女の見た目にすることができる」とμから聞かされたソーンは、棗飛鳥としての自分の全てを捨て、一凛を演じることで彼女は生き続けるという結論に至り、自らを一凛の姿にして欲しいと望んだのだった。

それからしばらくは一凛を演じ続けながら静かに暮らしていたが、メビウスに笙悟が呼び寄せられたことをきっかけに忘れかけていた彼への怨念が蘇る。そして、μにメビウスから笙悟も含めた全ての人間を出さないよう提案し、一凛が飛び降り自殺した現場であるランドマークタワーを建設中のままに留めるなど、笙悟への復讐のためだけに理想の世界であるメビウスを抜け出すことのできない地獄へと塗り替えていくようになる。

ウィキッド / 水口茉莉絵(みずぐち まりえ)

本作でも妖艶かつ危険な香りを漂わせる身格好と、狂気と殺意に満ちた表情は健在である。

これがウィキッドの表の顔である「水口茉莉絵」としての姿。もしも彼女に悲惨な過去さえなければ、こんな風に普通の人間として生きられたかもしれない。

CV:渕上舞

胸元を大きくはだけたミリタリーベストとボロボロの制服を組み合わせた、妖艶な服装を纏った少女の姿をしたオスティナートの楽士。その存在の全てが謎に包まれた楽士として有名で、一般には名前と楽曲のみが知れ渡っているが、その姿を知る者はいない。

表向きは「水口茉莉絵」という鳴子のクラスメイトの女子生徒を演じており、物腰は柔らかく誰とでも気さくに接していて、クラスで浮きがちな鳴子のことも気にかけている。帰宅部のことは、詮索するわけでもなく遠くから温かい目で見守っている。
しかし、「ウィキッド」としての本性は超がつくほどの好戦的で凶暴な性格で、気に入らないものと見なせば誰であろうと躊躇い無しに攻撃する。また、家族や仲間の絆や友情といった人間的なつながりを「反吐が出る」ほど嫌悪しており、仲違いさせたり、自分の手で壊したり引き裂いたりすることしか嫌悪の解消方法を受け入れず、むしろその方法に至上の喜びすら見出す危険人物である。そして楽曲も強烈な暴力性をはらみ、全てを嘲笑う響きのあるものばかりだが、一部には熱狂的な支持を得ている。

また、彼女がここまでの危険人物になってしまったのには、彼女の現実世界での過去にある。幼少時に両親からの暴力を受け続け、さらに強盗傷害事件を起こした父親は逮捕され、母も蒸発したことで祖父母の家に預けられた。しかし、母の醜態によるものか祖父から手酷く殴られるという幼少期を過ごし、服や文具すらもろくに買い与えられなかった。さらに学校でもその見窄らしい身なりからいじめを受け、担任から見て見ぬ振りをされるという残酷な日々を送ることになってしまっている。
そのため、友人や家族の絆などに対して激しい嫉妬と憎悪を抱くようになり、ありとあらゆる手を使って自分の周囲にいる人間関係を破壊することに楽しみと喜びを見出すようになり、その凶行がバレると外聞を気にする祖父によって天候をさせられ、高校時代までもを過ごした。また、この頃から楽曲制作に興味を持っており、祖父母に機材を購入させるや否や過激な楽曲を作ってネットにアップしていた。

しかし最後に通っていた高校で、ある美人で気立ての良いクラスメイトを自殺に追い込み、その彼氏を奪い取ろうとした計画を立てていたが、実はその彼氏が自分の中学時代の同級生だった。転校が多かったためにウィキッドはすっかり忘れていたが、彼氏は覚えていた。本性がバレて窮地に陥ると共に逆上し、つかみ掛かって揉み合いになり、結果自分だけが歩いていた歩道橋から転がり落ちて脊椎損傷という重傷を負い、植物状態になってしまった。
その後、入院先で祖父から「どうして死んでくれなかった」「いつになったら死ぬのか」と詰られたことで、もう現実では自分には誰も受け入れてくれる人間や居場所がなく、ただ死を待つだけでしかないと深い諦念を抱いて生存を放棄。そしてμの歌に誘われたのをいいことにメビウスに身を投じ、自分が生きられる世界であるメビウスを破壊する敵となる帰宅部を殺してでも止めようとする。

その他の登場人物

田所興起(たどころ こうき)

CV:杉田智和

粗悪で陰険そうな顔つきと雰囲気が特徴的な男で、周りの迷惑を考えずにμを熱狂的に応援することから、「エゴヘッド」と呼ばれる狂信者のひとり。
相手が女子供でも平気でバットで殴るなどの暴力に及ぶほどの独りよがりな性格と、常に口汚ない物言いと横柄極まりない振る舞いをし、さらにμや楽士のコントロールも効かず、同じμの信者であるデジヘッドや楽士からも忌み嫌われている。

現実世界では札付きの凶悪犯であり、彩声の友人である日向を自殺に追い込み、梔子の家族を焼殺した張本人で、彼女たちから深い恨みを抱かれている。しかし、現実でもその独りよがりで自分勝手な性格と振る舞いをしており、罪悪感の微塵も抱いていない。

南出日向(みなみで ひまり)

現実世界での彩声の友人で、地下アイドル「ウズメ隊」のセンターを務める女性。回想シーンにのみ登場する。
男性不信に陥る彩声を心配し、彼女を元気付けて、頑張って生きていけるようにする為にウズメ隊に誘い、共に地下アイドル活動に精を出した。しかしある時、自分の好意を無視したという身勝手な逆恨みをした田所による襲撃を受け、顔面に重傷を負って失明したのを苦に非業の自殺を遂げ、彩声が極度の男嫌いとなる原因となった。

フラワープリンセス ローズ / リリィ / アイリス

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