Caligula Overdose(カリギュラ オーバードーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

鈴奈はヤンデレ属性持ち

キャラクター紹介にもあったように、鈴奈は帰宅部に入部してもなおその自信なさげな態度から自らの行動を肯定するような精神の支えを探している。そんな時、キャラクターエピソードの7回目で主人公のある発言がきっかけとなり、鈴奈は主人公に依存めいた思慕を抱いていくようになり、ついにラストで今でいう「ヤンデレ」と言っても過言ではないほどの深い恋心を覚醒させ、現実世界に戻ったら主人公のストーカーはもちろん、主人公の為に犯罪をやらかしかねない状態に発展している。その琴乃に負けず劣らずのスタイルの良さと合わせて、鈴奈ファンのプレイヤーならむしろ願ったり叶ったりな展開だが、そうでないプレイヤーは少なからず背筋が冷えたかもしれないだろう。

7回目のキャラクターエピソードで、主人公と鼓太郎から自分に自信を持つために、帰宅部全員を昼食に誘ってみたらどうかと言われる。それに狼狽え、拒否しようとする鈴奈に、主人公はこう言った。「大丈夫、俺がついてる」その一言を聞いた鈴奈は驚きに表情を変えたが、次の瞬間には「私、もう一度頑張ってみます!」と、思い切った顔で頷いた。その後、今までの弱気で自信なさげな態度がまるで嘘だったかのように主人公や鼓太郎も含めた帰宅部のメンバー全員を次々と誘って、見事帰宅部全員の昼食の席を作り上げた。この時、鈴奈は鼓太郎にべったりしてると言われるほど主人公に寄り添っており、そして現実に戻ったらどうするのかという話題になった時、「え……? なに言ってるんですか? 先輩は、ずっと一緒にいてくれますよ?」と、鈴奈は笑顔で答えた。その言葉と鈴奈の笑顔を見た時、笙悟と琴乃が息を呑んだ様子から、この時点から鈴奈のヤンデレは覚醒しつつあったと考えられる。

そして最後のキャラクターエピソードで、鈴奈は主人公のおかげで自分は変わることができたと感謝の言葉を述べた後、「これからも私と一緒にいてくれますよね?」と、聞いてくる。それに主人公が肯定すると、鈴奈は笑顔になって主人公にこう語る。主人公が嫌われずに一緒にいてくれて、初めて主人公を心から信じることができる人間として認められた。だからもう誰に何を言われても気にならなくなったし、主人公が見ていてくれるなら現実に帰っても自信を持って生きていける気がする、と。最後に「ふふふ……先輩……」と、頬を赤らめてはにかみながら主人公を見つめる鈴奈の表情は、色っぽいが、その一言と合わせて背中にどこかゾッとくるようなものとなっている。そしてこれを見たアリアが「アタシには、鈴奈に新たな問題ができた気がしてならないよ……」と、ぼやいた所から、鈴奈は完全にヤンデレに覚醒してしまったと言ってもいいだろう。

鳴子に引っ掻き回される楽士たち

楽士ルートのメインストーリーの中で唯一見ることができるコミカルな場面で、待ち伏せ作戦に託けて鳴子が送りつけてきた挑戦状の内容に、楽士たちがいいように、そして面白おかしく引っ掻き回される姿が描かれている。

その1:部屋を公開された少年ドール

この場面は楽士ルートの宮比温泉物語編で見ることができ、主人公がLucidとなって楽士の間へやってきて、そこで少年ドールと出会うところから始まる。「え……!? だ、誰……?」と、初めて見る透明人間の姿に少年ドールは驚いたが、スイートPから説明を受け、戸惑いながらもとりあえず挨拶をする。そこでどうして自分がこんなところに呼び出されたのかと少年ドールが聞くと、「ドールちゃんが、帰宅部に負けたからでしょうねぇ〜」と、スイートPが答える一方、Storkが「変態だからじゃないかぁ〜?」と、茶化しの横槍を入れてきた。スイートPが「あんたは黙ってて!!」と、気色ばむと、少年ドールが「ぼ、僕は変態じゃない! あんたたちと一緒にしないでくれ、不本意だっ!!」と、慌てて否定する。

鳴子にSNSで部屋を公開されたことに悲鳴をあげる少年ドール。これを機に、鳴子の挑戦状ついでの楽士側の引っ掻き回しが始まっていく。

そして、自分の部屋の無断公開と変態呼ばわりしたことへの恨みに、少年ドールは温泉での直接対決の場で鳴子に突撃した。

それにスイートPが再び「こっちの台詞よ! あんたの汚部屋、鳴子って女がgossiperに晒してたわよっ!?」と、気色ばむ。すると、帰宅部に見られてしまった「聖域」と呼ぶ自分の部屋を、ついにネットを通して大衆に晒される羽目になったという事実に、少年ドールは絶叫。「あ、あの女ぁ……許さないぞぉぉっ!!!」その後、宮比温泉物語で鳴子と対峙した少年ドールは、鳴子の罠に嵌められ、変態と騒がれた分と合わせて鳴子に怒りをぶつけにかかるが、鳴子は「なんかキレてる?」と、首を傾げるだけだった。

その2:温泉の変態騒ぎにミレイ激怒

会釈が終わった後、ソーンと共に現れたμが携帯でその書き込みを見せた時から、この一幕は始まる。

その書き込みの内容は、添付されたStorkと少年ドールの画像と合わせて楽士に対してかなり挑発的なものだった。

この場面は楽士ルートの市立図書館編で見ることができ、Lucidとなった主人公が梔子・ミレイ・シャドウナイフと出会うところから始まる。「こいつか……ヒットチャートを塗り替えまくっている、新参の楽士というのは」と、シャドウナイフが少し興味ありげにLucidを見てそう言ったが、ミレイはそんなことはどうでもいいと鼻を鳴らし、ソーンはどこにいると唇を尖らせる。するとそこでソーンがμを連れて現れ、帰宅部からの新たな挑戦状として、SNSにて市立図書館でのデジヘッド狩りの予告があったことを伝える。そしてμが携帯で、SNSでその鳴子が書いた予告を見せたその時、ミレイが大声でこう叫んで血相を変えた。「ちょっとぉ!? これ私のプライベート温泉じゃない!!」

プライベート温泉を変態騒ぎという名の茶番劇の舞台にされたことに激怒し、Storkと少年ドールに噛み付くミレイ。

さらにシャドウナイフも、変態騒ぎで楽士の名に泥を塗ったStorkと少年ドールに一喝を浴びせる。

そしてミレイにも変態呼ばわりされるという踏んだり蹴ったりな展開に、少年ドールはさらなる悲鳴をあげた。

シャドウナイフ、梔子、そしてμが読み上げてみた所によると、鳴子の予告はこうあった。「この顔にピンときたら帰宅部へ!女湯を覗きに来た犯罪者です!楽士変態ばっか。チョーウケル」「アホを尻目にデジヘッド狩り in 図書館!悔しかったら止めにくれば?また変態写真晒されるだけだろうけど」しかもその書き込みには、女湯でのStorkと少年ドールの画像までもデカデカとアップされており、少年ドールは再び悲鳴を上げ、Storkは「よく撮れてるねぇ〜!」と、逆に愉快そうに笑い出す。これにミレイは「あんたたち……人の温泉で何してんのよっ!!?」と、自分のプライベート温泉を変態騒ぎの舞台にされたことに激怒し、さらにシャドウナイフも「情けない……! オスティナートの楽士の面汚しめ!!」と、楽士の名を汚す騒ぎの張本人であるStorkと少年ドールを一喝。少年ドールは「違うんだぁぁぁ〜〜〜!!!」と、頭を抱えてさらに悲鳴をあげた。鳴子の罠にはまって女湯に足を踏み入れてしまい、しかも鈴奈にも見られてしまい、誤解されたと思い込んで落ち込んでいる少年ドールにとってのこの追い打ちは、文字通りの「泣きっ面に蜂」な展開だ。

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