Caligula Overdose(カリギュラ オーバードーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

「メビウスをぶち壊してしまえばいいじゃないか」穏やかな表情で、さらっと物騒な響きのある提案を出してくる永至。

待ち伏せ作戦決行日、ついに主人公の携帯にソーンからの呼び出しが届く。

そして、Lucidへと姿を変えた主人公は、μ、スイートP、Storkと共に吉志舞高校へ乗り込み、オスティナートの楽士としての初陣に立つ。

Storkとの戦いの後、次にどう動くかを検討し合う帰宅部に、「片っ端からデジヘッドを狩って、メビウスをぶち壊してしまえばいいじゃないか」と、永至が提案を出す。それは、μの歌に熱狂し、彼女に力と与えてメビウスを保つ存在となっているデジヘッドを探して倒し、正気に戻していくことでメビウスの安定を揺らがせる。そうしてメビウスを守る立場である楽士たちを誘い出し、彼らを捕まえてμの居場所を聞き出すという作戦だった。手がかりが今のところは何もない以上、永至の提案に乗ってみることを決意した帰宅部は、吉志舞高校にいるデジヘッドを標的として狩りを始めるのだった。
その前日、主人公の元にソーンから呼び出しの連絡が入る。早速ソーンから教えられた扉を使い、Lucidとなって楽士の間へ向かうと、そこにはスイートPとStorkがいた。初めて目の当たりにするLucidの姿に驚きを隠せないスイートPとStorkだったが、すぐに感じ良い会釈をする。その後にμと共に現れたソーンは、スイートPとStorkに帰宅部がデジヘッド狩りを高校でしようとしていると話し、負けた責任としてLucidと共に、帰宅部と同じ現実世界への帰還願望を抱く生徒たち「ラガード」を掃討してこいと言い渡した。これにスイートPとStorkは不服の色を見せたが、「惨めな現実に戻りたければいつでも出て行きなさい」と、ソーンは脅すように言って、μに現実への扉を呼び出させる。従わないのならメビウスから追放する、というソーンの意思表示にたじろぐスイートPとStork。そこへμも「スイートPも、Storkも帰らないよね……? ずっと、メビウスにいてくれるんでしょ……?」と、悲しそうな表情で縋ってきたので、スイートPとStorkは仕方なしにソーンの指令を受け入れたのだった。
それからLucidがスイートP・Storkと共に高校へと向かうと、μは今日は記念すべきLucidのデビューだからこそ彼の曲を流すと張り切り、校内放送を使って生徒たちに呼びかける。「今日は新しい楽士、Lucidの曲を紹介するね! とーってもカッコいい曲だから、いっぱい聞いてくださいっ!」その楽しそうな言葉の後、μによって歌詞が吹き込まれたLucidの曲が学校全体に流れだし、生徒たちの多くが熱狂し始める。そしてこれは帰宅部にも知るところになり、すぐさまLucidたちの迎撃とμの捕獲に動き出した。

かつてのファンから掌を返されて「おっさん」呼ばわりされたスイートP。逆に「おっさんがゆめかわいくて何が悪い」と開き直る。

そしてStorkも、久しぶりに通う学校での覗きという出来心でスタンドプレーに走ったあまり、彩声の強襲を受けることになった。

だが、そんなスイートPとStorkの窮地を救いに、Lucidがついに帰宅部の前に颯爽と現れる。

その後、帰宅部に戻った主人公は、Lucidの正体を知らない仲間たちから早速問い詰められる。鼓太郎はここぞとばかりに部長を交代しろと迫る。

ラガード狩りを進めていく中、スイートPはかつての自分のファンであったラガードたちを見かけ、穏便に話を済ませようとしたが、先の宮比温泉物語で琴乃に正体をバラされたことが原因で逆に反発され、「キモかわおっさん」呼ばわりされてしまう。それにスイートPが逆上して気をとられた一瞬、今度はStorkが更衣室に忍び込み、ロッカーに擬態して着替え中の女子たちを覗くという、敵地だからこそ無謀な行為に出た。そこへ美笛と共に現れた彩声が、Storkの擬態を見破ってスタンガンで攻撃。怒り心頭の彩声は、擬態が解けたStorkを一気に追い詰めにかかるが、今度はスイートPと共にLucidが乱入してこれを阻む。そして、異変を察して駆けつけてきたアリアは、楽士が3人もいることに焦りと危機感を募らせるあまり、禁じ手としていたカタルシス・エフェクトのリミッターを解除する「オーバードーズ」を発動した。力が急激に湧いてくるのを感じたが、同時に物凄い頭痛に襲われる彩声と美笛。だが、負けてはいられないとばかりに踏ん張って頭痛に耐え、Lucidたちを迎え撃つ。そうして始まった戦いの結果は、Lucidたちの勝利に終わり、彩声は悪態をつきながら美笛とアリアと共に撤退した。
その後、スイートPとStorkがそれぞれトラブルを起こしてしまったものの、ラガード狩りの成果は上々なものに終わった。また、ソーンは今回初披露となったLucidの曲についてうなぎのぼりと言っていいくらいに人気が出てきていると評価し、次にラガード狩りの機会があったら連絡するから今回は帰ってもいいと言った。そして、Lucidから帰宅部の部長としての姿に戻った主人公は、仲間たちの所に戻るや否や、どこに行っていたのかと問い詰められるが、適当に弁解をして受け流す。そして仲間たちは、主人公がその正体とは知らないまま、Lucidという新たな強敵が現れたことに気を揉むのだった。

帰宅部ルート・中

少年ドール編

図書館に着いて早々、少年ドールの嘲り笑う声と共に本棚が動き出し、仲間たちを分断する。

最初に発見できた鈴奈は、変わり果てた中学時代の親友の姿に困惑し、泣きそうになっていた。

続けて発見された鳴子。この時の彼女は、普段からは想像できないほどの不安と動揺ぶりを見せていた。

先のデジヘッド狩り作戦の後、Storkから教えられた「少年ドール」という次のオスティナートの楽士の存在を知った帰宅部。そこで「カビ臭い場所で本を読んでいる」というStorkの言葉から、少年ドールは市立図書館にいると鈴奈が推理し、市立図書館へと向かうことになった。しかし、図書館に到着するや否や、本棚や壁が一斉にひとりでに動き出して、その場にいた仲間たちを次々と分断し、あっという間に主人公とアリアだけになってしまった。「群れなければ何もできない馬鹿には、この図書館から出ることはできないよ……孤独に打ち震え、己の無力を噛み締めるといい」薄気味悪い笑いと共に、少年ドールの声がどこからともなくそう挑発をかけてくる中、主人公とアリアは仲間たちを探しに図書館の奥へと進むことになる。
しばらく先へ進むと、ひとりおろおろした様子の鈴奈を発見する。彼女のそばには、目や耳に釘が打ち込まれた女子生徒の人形があった。鈴奈によるとこの人形は、彼女の中学時代の友人である亜衣だといい、少年ドールはこのように図書館に迷い込んだ生徒たちを次々と人形に変えては、飾りにして楽しんでいるらしい。また、亜衣は中学を卒業した後は鈴奈とは違う高校に進学しているらしく、ある日、鈴奈が下校している時、その高校の制服を着ている彼女を目撃したことでここが現実じゃないということに気づけたと語った。そして、友人を助けるという強い決意を固め、ついに槍型のカタルシスエフェクトを発現させたのだった。その後、主人公は鈴奈とアリアと共に迷宮のような図書館を探索し、次々と仲間たちを発見していく。さらに道中、ひとり閉じ込められてしまったことで「ひとりは嫌だ」と、現実世界で友人がいなく一人でいたことのフラッシュバックとその恐怖に囚われかけた鳴子も、主人公たちとアリアの手助けによって自分をしっかり繋ぎ止め、ビット型のカタルシスエフェクトを発現させる。こうして鈴奈と鳴子を新たな戦力に迎え入れた帰宅部は、ついに図書館の最奥部に辿り着いた。

図書館の最奥に辿り着いた帰宅部が見た少年ドールの棲処。そこはいかにも引き篭もりの場所で、鍵介曰く「生活感あふれる痛々しい部屋」である。

部屋を暴かれ、鈴奈に本心を指摘されたことに逆上し、少年ドールも戦闘態勢に入る。

戦闘後、鈴奈の優しさにふれたことで、少年ドールも態度と人当たりを軟化させた。

そして図書館での戦いを経て、維弦も一人で現実に戻るには限界があると悟り、笙悟たちの申し出を承諾する。

辿り着いた先で主人公たちが見たのは、ものすごく散らかって汚い部屋で、その部屋にいたのはフード付きのローブを纏った、不気味な人形のような姿をした楽士だった。「よ、よくも聖域を穢したな!? 群れなければ、ここに来ることすらできなかったくせにっ!!」と、その人形のような楽士・少年ドールは、現実世界で引き篭もりのニートとして使っていたものと同じ自分の部屋に足を踏み入れたことに逆上する。これに対し、鈴奈が「そんなに群れを意識するのは、自分が他人と打ち解けられなくて寂しいからじゃないんですか!?」と、真っ向から反論。そして鈴奈は、少年ドールは他人と関わるのが怖いからそんな不気味な見た目を選んでいると指摘し、いつまでもコソコソしていないで前に出て、どうしてみんなを人形にして傷つけるのか教えてほしいと叫ぶ。これにさらに「知った風な口を聞くなぁー!!」と、逆上した少年ドールは、巨大なカッターを召喚して襲いかかってきた。
そして戦いの末、帰宅部は少年ドールの撃破に成功する。負けた途端に急に卑屈になる少年ドールに、鈴奈はこう優しく声をかける。「そんなに寂しいなら、私と友達になりませんか? それから、一緒にご飯食べませんか? 現実に戻れたらですけど……」その鈴奈の言葉に驚きを隠せない少年ドール。さらに美笛や琴乃、笙悟も便乗して一緒に弁当を食べないかと優しく誘ってくる姿に、少年ドールは改心したのか、μは「シーパライソ」というテーマパークでゲリラライブをしに向かったと帰宅部に教える。そして、少年ドールは人形にした生徒たちをすぐさま元に戻し、鈴奈も人間に戻った亜衣と無事再会を果たせた。
また、人形にされた生徒の中には、笙悟の知り合いで、高校一の美形として有名な男子生徒・峯沢維弦の姿があった。笙悟によると、笙悟が閉じ込められた部屋に維弦は人形にされた姿で閉じ込められていて、一人でメビウスの出口を探すと言って自分の誘いを断り、手がかりを求めて市立図書館に入ったが、少年ドールに人形にされてしまったという。その後、一人で行動するのには限界がある、という笙悟の説得に応じ、維弦も帰宅部に同行することを決意した。

梔子編

謎解きに間違えると強制的に地上1階に戻される仕掛けが、複雑なアトラクションの構造とあわさって帰宅部を翻弄する。

探索の最中、突如とした恐ろしげな豹変と共に永至も覚醒。そしてここから、知られざる残酷で凶暴な一面を見せ始める。

そしてライブ会場前で梔子が仕掛けた罠を前に、さらに恐ろしげな形相と振る舞いを見せつけた。

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