XBLAZE(エクスブレイズ)のネタバレ解説まとめ

『XBLAZE』とは、格闘ゲーム「BLAZBLUE」や「GUILTY GEAR」で有名なアークシステムワークスが開発したPS3、PSvita用のアドベンチャーゲームソフトで、主人公の篝橙八が謎の少女・Esと出会い、自分の中に隠された「魔導書」と呼ばれる強大な力を巡る大きな事件に挑んでいく物語を描いている。BLAZBLUEとリンクしたストーリーと世界観が大きな特徴となっており、2013年に第1作「CODE:EMBRYO」が、2015年に第2作「LOST:MEMORIES」がそれぞれ発売されている。

こうして、母が死んだ日の出来事と、それも含めた父の記憶の全てを見た「わたし」は、茫然自失となる。そんな彼女の前に、ついに「いもうと」が現れた。涙ながらに激しく再会を喜ぶ「わたし」に、ノーバディはこう語った。「いもうと」は「地下の父の工房に入ってはいけない」という姉の言いつけを破り、工房に入りこんで遊んでいる途中、ファントムフィールドに迷い込んでしまった。そんな時、父の記憶の欠片を見たことで「おとうさんはおねえちゃんが思ってたような悪い人じゃない」ということに気づき、ノーバディに会った時、姉にも父の記憶を見せてほしいと頼んだという。そして一方、ここまでの道中でEsの記憶を集めて見てもらったのも、父の記憶を見るためにも、まずは記憶を見ることに慣れてもらおうと「いもうと」が思いついたことだったという。
そんな「いもうと」と、記憶の中の父の思いに触れた「わたし」は、「いもうと」が本当に姉である自分のことをここまで思いやってくれていたのと、父も自分たちのためにも、母が亡くなってもなんとかしようと頑張ってくれていたことを理解し、ついに笑顔になる。それから、今までは自分一人で「いもうと」を守るということに躍起になっていたが、これからは「いもうと」と二人で力を合わせて頑張っていき、周りに相談したり協力を求めたりすることも考えていくと「わたし」は決心する。そしてそのきっかけを作ってくれたノーバディにも「初めてできた友達が、あんたでよかったわ」と、頬を赤らめながら感謝の言葉を述べたのだった。
こうして、ノーバディの案内で「わたし」は「いもうと」と共にファントムフィールドの出口に辿り着いたが、突然、ノーバディは自分が一緒に行けるのはここまでだと言い出した。驚きを隠せない「わたし」と「いもうと」に、ノーバディは自分がファントムフィールドを出て現実の世界に行ったら、必ず世界に悪い影響を与えてしまう。だから二人とはもっともっと一緒にいたいけど、ここで別れなければならない、と、寂しげに言った。「いもうと」と共に「わたし」は涙ながらに別れたくないと必死に訴えるが、「キミの、その気持ちだけで充分だよ……友達になれて、本当に良かったって思うよ。これからは、キミは外の世界でたくさん友達を作っていくんだからさ」と、ノーバディも涙を零しながら、「わたし」にいつまでも笑顔でいてほしいと頼んだ後、そのままふたりを送り出した。こうして、「わたし」と「いもうと」は、現実世界へと無事に戻れたのだった。

ファントムフィールドに戻った「わたし」が見た、ノーバディがEsとして何度も見た絶望の記憶。その中には無残に死体となって転がっている橙八たちの姿と、その間に立って咆哮を上げ続ける「吸血鬼」の姿がある。

橙八たちを助けたい、という悲痛な思いを聞き届けた「わたし」によって、ついにノーバディはEsとして自分がいた世界へ戻る力を手に入れる。

その後、「いもうと」は台所に立つ許可をもらい、今では食事当番制となって「わたし」と交代でご飯を作るなど、協力しあっての生活をするようになる。そして「わたし」も、今までは「いもうと」を守ることに躍起になるあまり行かなかった学校へ行ってみるようになり、友達も作ろうと前向きになり始めていた。
だがそんなある日、「いもうと」がもう一度ノーバディに会いに行こうと訴え、「わたし」も自分をここまで変えてくれたノーバディに感謝しており、もう一度会いたいと思っていたからこそ、その訴えを聞き入れる。そして、「いもうと」がファントムフィールドに迷い込むきっかけとなった、父の工房にある機械に魔術を使ってファントムフィールドへの入口を作り、そこからまたファントムフィールドへと飛び込んだ。
そして、ノーバディとはすぐに再会できた。「せっかく……友達ができたのに……でも、自分で決めたことだもん……我慢しなくちゃ……」と、泣きじゃくるノーバディ。やはり、自分たちとは別れたくなかったようだ、とその後ろ姿を見てそう感じた「わたし」は、「いつもの笑顔はどうしたのよ?」と、声をかけた。涙を濡らした顔で驚くノーバディに、「わたし」はノーバディを外の世界に出してやるためにここへ来たと言い、ファントムフィールドについてこう自身の推測を述べる。ファントムフィールドは存在する人間の記憶を結晶にして具現化した世界であり、父の記憶は妹が入り込んだから偶然具現化したもの。そしてそれ以前のEsの記憶については、この世界には自分と妹とノーバディの3人しか存在していなく、自分と妹もEsのことなんて知る由も無い。それならば、Esの記憶は誰のものなのか? そこまで推測を述べた後、「わたし」はノーバディに向かってこう言った。「あんたの正体は、Esでしょ?」
しかしノーバディは、首を横に振った。自分はもうEsではなく、エンブリオそのものだ、と。エンブリオ事件の後、境界の力を悪用させないためにも、自分は橙八たちの世界と境界を永遠に繋げさせないための「ツクヨミのセカイ」と呼ばれる領域を作り、自分はここで眠りにつくことでその境界の封印を守り続けていた。だがそんな時、橙八たちの世界に「吸血鬼」と呼ばれる怪物が現れ、その圧倒的な力で橙八と仲間たちを皆殺しにしてしまうという悲劇が起きた。エンブリオの力でそれを見たEsだったが、彼女には悲劇が起こる前と「完全に同じ条件」の世界を作り直すことしかできず、何百回以上いくら何度繰り返しても結末は変えられなかった。そんな光景を何百回も見せられて絶望したEsは、ツクヨミのセカイをファントムフィールドに創り替え、ノーバディとなって自分の記憶を封印したという。
だからこそ、このファントムフィールドにずっと一人でいるしかない。そんなノーバディの辛い胸中を聞いた「わたし」は、やりきれない思いになった。「あんたは、これからどうするつもり……? これからも、ここで1人で生きていくつもり? エスの記憶を抱えたまま、たった1人で……」と、震える声で問う「わたし」に、ノーバディは「そんなの、覚悟できてるもん!! だって私はもう、エンブリオなんだもん!! エンブリオがここを出たら、せっかくみんなで守ったあの世界がメチャクチャになっちゃうかもしれないんだよ!?」と、涙ながらに叫ぶ。その悲痛な叫びを聞いた「わたし」だが、自分と妹を救ってくれて、自分の初めての友達になってくれたノーバディだから放ってはおけないと首を横に振った。そして、決意を湛えた表情で、今度は自分がノーバディを助ける番だからこそ、自分が橙八ら仲間たちの元へと帰してやるとも言い、自分の左目を覆う眼帯をゆっくりと外した。「わたし」によると、自分のこの左目には、かつて父が自分と母を救うために作った魔導書の力があり、魔導書にはすでにたくさんの記憶の欠片がエネルギーとして吸収され、元の世界へ帰すための力となる原初の魔導書を擬似的に再現できるという。さらに擬似的に再現した原初の魔導書の力でノーバディにエンブリオの力を取り戻させ、橙八たちの世界であの悲劇が起きる前の時間に「普通の人間」としてのEsの身体」を器として作り、そこへEsの記憶だけを転移させる。この方法なら、今まではここから悲劇を見ていることしかできなかった自分が、橙八たちを救うことができる、と「わたし」に説得され、励まされたノーバディは元気を取り戻し、「わたし」の方法を受け入れた。そして、「わたし」の左目の魔導書の力と強い思いによって、ノーバディは普通の人間のEsとして橙八たちの世界へと転生し、帰還を果たした。

Es編

橙八たちの世界に帰還して間もない頃のEs。名前以外の記憶を失ったEsに、橙八たちはかつてと変わらない優しさと温かさで接してきてくれた。

キリの初登場シーン。この気弱だが心優しい彼と、彼が友達としていつも一緒にいるブレインキャットが、後にEsに何度も絶望を見せたリッパーことフリークスであるとは、この時は誰も知る由もない。

転生を果たしたEsが目を覚ました場所は、エンブリオ事件の後の閉鎖特区だった。そこを通りかかった橙八に保護されて姫鶴家に運び込まれ、さらにひなたと由貴の厚意で再び姫鶴家へ居候の身となる。しかし、Esは自分の名前以外の記憶は失っており、左目が開かない状態となっていた。その一方で、橙八たちもEsのことを忘れていたが、それでも新横崎市を案内してくれたり、買い物に行ったり、一緒に食事をしたりなど、彼女に対して変わらず親身になってくれた。そうして橙八たちと共に過ごしていくうちに、Esは朧げだが何度か橙八たちと過ごした以前の記憶が僅かずつフラッシュバックし、その度に頭痛に苦しみながらも、橙八たちとの日々を大切にして過ごしていく。
そんな中、Esは公園で猫のぬいぐるみ「ブレインキャット」を抱いたひとりの黒いフードの青年と出会う。彼の名前は「キリ」で、Esと同じように自分の名前以外の記憶の全てを失っており、かなり気が弱いが非常に強い正義感の持ち主だった。そして、ワルモノを探して宛てのない旅を続けている間、新横崎市まで来てしまったという。記憶喪失同士気が合うものがあるのか、キリと親しげになっていくEs。しかし同じ頃、橙八は冥と久音からこのような話を聞かされる。ある日、イシャナで魔導協会の上層部の人間の多くが殺され、魔導協会は混乱状態にあるということ。そしてその犯人で「フリークス」と名乗る凶悪な力を持ったユニオンが、新横崎市までやってきて、夜な夜な人間を襲い、血を吸って殺している。そうしたことから「吸血鬼」という怪物として噂で囁かれているということだった。エンブリオ事件が終わり、ユニオンの数も徐々に減ってきた今、凶悪なユニオンの出現に冥たちと共に気を揉む橙八。そして一方でEsも、このフリークスも含めたユニオンの探索・拘束任務を「アルバイト」と隠して毎日のように黙って出かけることが多い橙八が気になって仕方がなくなる。

キリを焚きつけるブレインキャット。そしてここから、彼らは橙八たちを苦しめた因縁深い強敵のひとりとして復活を果たす。

そんなある夜、冥からの電話を受けてまたアルバイトへ向かおうとする橙八を見て、Esはどこで働いているのかと呼び止めるが、橙八はばつが悪そうに関係者以外は言ったら駄目なんだ、と言い残して、そのまま出かけてしまう。だが、この時、胸騒ぎがしてならないEsは、ひなたや由貴に「疲れたから先に寝ている」と嘘をついて、そのまま橙八の後を追って家を出ていってしまった。
それからEsは、フラッシュバックしてくる記憶の断片を頼りに閉鎖特区に向かった。すると、何やら話し声が聞こえてくるので、そちらへ向かってみると、そこにキリがいた。「……うん、そうだよね……きっと近くにいるはずだよね……」と、まるで誰かがそこにいるかのように、キリは誰もいない空間に向かってブツブツと話しかけていた。Esが不審に思って後ろから声をかけた時、キリは大仰に驚いたが、Esだと気づいてすぐに元の表情に戻った。誰かと話していたのか、とEsが聞いてみると、キリは誰とも話してない、ただの独り言だと慌てて誤魔化す。それからこんな時間にひとりでどうしたんだ、とキリが聞き返すと、Esは少し困ったようにしながらも、人を探していると言った。するとキリは、「だったら……僕も一緒に探すよ。君は、僕の仲間だからね……記憶がない仲間。ヒーローはね、仲間のピンチを救うんだよ」と、申し出てきた。そのどこか頼りないが優しい表情にEsは勇気付けられ、笑顔になった。
それからEsはキリと公園で会った時のように親しげに話をする中、キリの記憶喪失についてどうなったかを尋ねてみた。キリはまだ名前以外の記憶を失っていて、何も思い出せないままだった。それなのに、自分は正義の味方だと名乗り続けている。Esが疑問に思うと、キリはこう言った。「実は……僕、あるところから逃げてきたんだ。とっても、怖いところ。そこでね、僕、ワルモノに改造手術をされて、記憶を奪われちゃったんだ……」その突拍子のない話にEsが耳を疑いながら聞いていると、キリはさらにこう言った。自分は記憶を奪って改造手術をしたワルモノのボスを倒さなければならない。そしてそのボスの名は、なんと「カガリトウヤ」ということだった。Esがそれにさらに耳を疑った瞬間、橙八の声が聞こえた。Esとキリが振り返ると、いつの間にか橙八がそこに立っていた。どうしてここに、と戸惑いながら橙八が近寄ろうとすると、キリが頭を抱えて苦しみだした。すると、キリの頭の中に声が聞こえてきて、目を開けると、ブレインキャットがキリに話しかけてきた。「コイツだ……お前の前に現れた男、そいつが『カガリトウヤ』だ!」と、焚き付けてくるブレインキャットに、キリは困惑する。橙八の顔を見てEsが安心したように笑顔になったから、橙八がEsの大切な人だと思ったからだ。だがブレインキャットは、Esは騙されていて、迷えばEsは残虐な目にあうとこじつけるように言ってくる。それにさらにキリが困惑すると、ブレインキャットは追い打ちに大声でこう焚き付けてきた。「さあ……目を覚ませ……エスを守れよヒーロー!! 世界の不幸を無くすんだろぉ!?」

ついにフリークスとして復活を果たしたリッパー。記憶を取り戻したEsの介入で橙八は命の危機を免れたが、フリークスに力を吸収されたことで苦戦を強いられる。

Esがいなくなったことにようやく気がついたひなたと由貴と晃。「閉鎖特区は自分たちに任せろ」という冥の言葉を信じ、3人は力を合わせて自分たちの行ける範囲でEsを探し回る。

その瞬間、キリの様子が一変した。頭を抱えて苦しんでいるのを見て、思わず駆け寄ろうとした橙八を威嚇してから、Esを守るようにして立った。「カガリトウヤ……この男が、ワルモノのボスなんだ……」そう言って、明確な敵意を露わにして橙八ヘ向かって進み出るキリ。そんなはずはないとEsは叫ぶが、キリの歩みは止まらない。橙八も困惑しながらも危害は加えないと訴えるが、キリは聞く耳を持たない。そして、不意にまた頭を抱えて大きくよろめいたキリに橙八が駆け寄った瞬間、ディスカバーコールが響き渡る。橙八が耳を疑った瞬間、キリが大きく口を開けて橙八の首に噛み付いた。
それを見た瞬間、Esは全てを思い出した。自分が一体何者なのか。自分がなぜ新横崎市にいるのか。自分が何をしにここへやってきたのか。その理由は、エンブリオだった頃、何百回も見た、この場所での橙八たちの悲劇にあるということを。「いやっ……!! 私はもう、大切な人を離さない!!」と、Esは叫んで、キリに体当たりして橙八から引き剥がした。そして、Esの体当たりで橙八はすぐにキリから引き離された。Esが無事を確認すると、キリがゆっくりと立ち上がり、こちらを睨みつけてきた。「クソガキが……お楽しみの途中で邪魔すんじゃねえよ……まあでも、やーっと取り戻せたなぁ。『俺の身体』をよぉ〜!?」そのどこか覚えがあるように感じられる声を聞いて、Esは再三耳を疑う。そして橙八は、原初の魔導書の力を解放しようとするが、前のように全てを出しきれないという違和感に気付いた。それぞれ驚きを隠せないEsと橙八を嘲笑った後、男はキリならたった今消えて無くなったと言い、そして自分が誰なのか橙八ならわかってるはずだと付け足す。その言葉に、橙八はすぐに誰なのか見当がついたらしく、怒りに表情を歪め、男の名前をこう叫んだ。「リッパァアアアアッ!!!」そう斬りかかる橙八に対し、黒いフードを脱ぎ捨てた、リッパーと同じ顔をした男は、鈎爪に変形させた両手を振り被って迎え撃つと共にこう叫び返した。「ハズレだカガリトウヤァアッ!! オレは『フリークス』だァ!!!」魔導協会の上層部を惨殺した「吸血鬼」と噂されるユニオンの名前を聞いて驚く橙八に、フリークスはリッパーとは自分の昔の名前だと言った後、橙八たちにこのようなことを教えた。以前のエンブリオ事件の時、魔導書を暴走させた橙八に力の大半を奪われて弱りきり、無我夢中で逃げ込んだ先の地下道でアベンジと遭遇し、そのまま首を取られた。そして次に気がついた時にはイシャナにいて、自分の体には「キリ」という別の人間の意識が芽生えていて、自分の意識はあのブレインキャットの中にいた。そこから先はキリをワルモノを倒すヒーローだと焚き付けて操り人形にしながら、イシャナを抜け出してようやく新横崎市へと戻ってきたのだという。そしてついに、自分に屈辱を味わわせた橙八への復讐が訪れたことに嬉々として、フリークスは両手の爪を振るって襲いかかった。

ひなたと由貴からの連絡で異変を察し、駆けつけてきて加勢する冥。だが、ゼクスに迫るほどのフリークスの凶悪なまでの強さに手傷を負わされる。

さらに久音とエルスも駆けつけて、一時は持ち直したかのように見えた形勢だが、フリークスは「新約の魔導書(イディオットドライブ)」と呼ばれる謎の能力で反撃を仕掛けてきた。

もはやこれまでかと思われたその一瞬、Esの左目が青く輝きだした。そしてこの後、「わたし」と再び会ったことで一度限りの奇跡を呼ぶ力を手に入れる。

その頃、ひなたと由貴がEsが家を抜け出したことにようやく気付いた。ふたりからの連絡を受けた晃はすぐさま駆けつけて彼女たちと共に家の近くを探し回り、同じく連絡を受けた冥は閉鎖特区に向かい、そこでEsをかばいながらフリークスと戦っている橙八を発見する。すぐさま加勢するが、フリークスの凶悪なまでの強さに橙八共々追い込まれ、手傷を負わされてしまう冥。そして冥からの連絡を受けて駆けつけてきた久音とエルスも加勢し、連携攻撃で一度はフリークスを追い詰めたかに見えたが、逆にまた隙をつかれて橙八の血を吸われ、彼から力を奪うことで発動させた、周囲にいるもの全ての生命力を吸収する「新約の魔導書(イディオットドライブ)」による反撃を受けて追い込まれる。フリークスが勝利を確信したその時、Esは橙八が取り落としたかつての自分の武器である大剣を手に取った。「私は……あなたを許しません……!」そう言って、果敢にもフリークスに挑みかかるも、Esは呆気なく弾き返されてしまう。その時、ひなたにつけてもらった左目の眼帯が千切れた瞬間、Esの目の前を真っ白い光が包み込んだ。
気がついた頃には、Esは青々とした空間に立っていた。そして目の前には、「わたし」が立っていた。目の前に立っている彼女を見て、Esは「私……きっとあなたを知っています。でも……わからない。思い出せません……胸が、とても、苦しいです。あなたは、何者ですか……?」と、目尻に涙を浮かべた。それを見た「わたし」は一瞬息を呑んだ後、「例え記憶がなくなったとしても……刻まれた『想い』は消えないのかもね」と、受け流すように答えた。そして「わたし」は、Esはすぐに元の世界に戻らなければならないと言った後、「一度しか使えない正真正銘の奇跡で、想いを形にする力」を使える言葉を教えた。「強く願えば願うほど、この力は強さを増す! 私は、Esを信じてるわ!」励ますように「わたし」がそう言った直後、Esの視界はまた真っ白い光に包まれた。

Esが手に入れた奇跡の力「幻影の魔導書」で、冥、久音、エルスも九死に一生を得た。なんとか息を吹き返した3人は、Esと力を合わせてフリークスへの反撃に打って出る。

そして、同じく「幻影の魔導書」で復活した橙八と共にEsは最後の一撃を叩き込み、ついに宿敵・フリークスとの激闘を制する。

次に気がついた時は、Esは現実に戻ってきていた。フリークスがとどめを刺そうと動いた時、Esの左目がゆっくりと開かれる。その目が青く美しく輝いているのに、フリークスが目を疑った瞬間、Esは「わたし」から教わった一度きりの奇跡を起こせる言葉をこう唱えた。「示幻干渉虚数方陣展開……幻影の魔導書(ファントムメモリー)、覚醒解放(エクスブレイズ)!!!」その言葉を唱えたと同時、Esはノーバディとして「わたし」と一緒にいた頃の記憶も思い出したのか、「わたし」の姿を思い浮かべ、心の中で「私、わかったよ……キミのこと。私の……とても、とても大切な友達……かけがえのない、私の宝物……」と、つぶやいた。その後、幻影の魔導書の力で全快し、息を吹き返した冥、久音、エルス、そして橙八の力を借りて、大激闘の末についにEsはフリークスを打倒することに成功した。戦いの後、フリークスはキリの意識が戻ったのか、その表情はキリとしての気が弱くて優しいものへとなった。「……ごめんね……きみを、まもれなくて……」と、弱々しい声で詫びてくるキリに、そんなことはない、と慰めるEs。そしてキリは「君は……やさ……しい、ね……」と、言い残した後、その場に静かに崩れ落ちた。それを見て、Esは静かにキリにこう言った。「キリ……ありがとう……」
その後、橙八たちもEsとの記憶を取り戻し、Esも御剣機関に復帰して、冥の元で橙八と同じ「アルバイト」という名目でユニオン拘束任務を手伝うようになった。さらにEsは冥が手を回してくれたことで、橙八やひなたたちと同じ学校に通えるようになり、橙八たちと一緒の日常に戻ることができた彼女の顔は、とても活き活きとしたものとなっていた。

『XBLAZE』のゲームシステム

TOi(Technology OF interest)

「CODE:EMBRYO」のゲームシステムで、XBLAZEの世界で若者の間で流行している情報収集アプリ。使用者の興味がある記事を解析し、インターネット上から自動的に集めてくる便利なツールであり、ゲームを進める中で追加されていく記事を見るか見ないかで物語が変化する、「選択肢」に代わる新しいシステムとなっている。

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