はたらく細胞(第5話『スギ花粉アレルギー』)のあらすじと感想・考察まとめ

Saibou

今年もスギ花粉の季節がやってきた。眼から入った花粉がアレルゲンとなり、さまざまな症状を引き起こす。スギ花粉アレルギー緊急対策本部には、被害報告が次々と寄せられていた。記憶細胞は『言い伝え』を口にする。『宇宙より災いの流星飛来せし時、山は怒り、大地は荒ぶり、海はうごめく』。ヘルパーT細胞は、B細胞を現場へ向かわせた。血球や細胞たちは自分の仕事をまっとうしようとするが、災害はどんどん広がってゆく。
今回は「はたらく細胞」第5話『スギ花粉アレルギー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「はたらく細胞」第5話『スギ花粉アレルギー』のあらすじ・ストーリー

静かな湖畔のような眼球粘膜のそばにたたずむ一軒家で、マクロファージたちがお茶を楽しんでいた時、それは起こった。
マクロファージ「見て、粘膜に何かが」
粘膜の表面に、次々と落ちる黒い物体。粘膜に沈むと殻を破り、中からスギ花粉のアレルゲンが出てくる。スギは花粉を風に乗せ、遠距離に飛散させるのだ。ピークは2~3月である。マクロファージはヘルパーT細胞に、外敵の侵入を知らせた。ヘルパーT細胞は、外敵がどんなものであるかという情報をもとに、侵入した敵に的確に攻撃できるよう戦略を決める司令官だ。
ヘルパーT細胞「きてしまった。スギ花粉が、今年も」
制御性T細胞「135K50地点に、複数の花粉着水」
ヘルパーT細胞「まばたきが、間に合わなかったのか」
制御性T細胞「このままでは、アレルゲンたちが排水口から体内へ侵入します」
ヘルパーT細胞は、警報を流すよう指示した。

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制御性T細胞「このままでは、アレルゲンたちが排水口から体内へ侵入します」

アナウンス「排水口から外敵が侵入したため、眼球粘膜付近の職員の方々は、くれぐれもお気をつけくださいませ」
網膜の近くで迷子になっていた赤血球は、早く配達をすませようと地図を広げていた。背後には、黄色い大きなかたまりが。ふりかえった赤血球は、息を呑む。そこへ駆けつけた白血球が、黄色いかたまりをナイフで倒す。
赤血球「それ、いったい何なんです?」
白血球「さあ、とにかく食えばわかる」
かたまりに、かぶりつく白血球。食作用だ。食細胞と呼ばれる単球やマクロファージ、白血球(好中球)等が細菌や異物を細胞内に取り込み、分解することである。貪食ともいう。
白血球「この味は、スギ花粉からでてきたアレルゲンだな。今の時期なら、めずらしくもない。図体はデカイが、細菌やウイルスとは違って、病気の原因になったりはしない。それでも何かしら、トラブルの原因になるからな、殺すのが決まりなんだが」

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かたまりに、かぶりつく白血球

記憶細胞「そいつはまさか、スギ花粉のアレルゲンじゃないか!粘膜の排水口から入り込んだってのは、そいつだったのか!」
抗原の免疫を記憶している、リンパ球の記憶細胞が現われた。彼は、同じ細菌やウイルスの再度の侵入に備えているのだ。
白血球「何を慌ててるんだ。スギアレルゲンは、危険な抗原ではないだろう」
記憶細胞「まだ今はな。だが、オレたち記憶細胞に代々伝わる、『言い伝え』があるんだ」
『言い伝え』とは、こうだ。『宇宙より災いの流星飛来せし時、山は怒り、大地は荒ぶり、海はうごめく』つまり、大噴火・地殻変動・大洪水がいっきに起こり、大災害に見舞われるというのだ。いつの間にか、異常な数のスギアレルゲンが体内に侵入していた。白血球は、赤血球を逃がす。

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記憶細胞「まだ今はな。だが、オレたち記憶細胞に代々伝わる、『言い伝え』があるんだ」

スギ花粉アレルギー緊急対策本部には、スギアレルゲンの被害報告が次々と寄せられていた。ヘルパーT細胞は、B細胞を現場へ向かわせる。B細胞は抗体産生細胞とも呼ばれており、細菌やウイルスなどの抗原に対し、抗体という武器を作り戦うリンパ球の一種だ。B細胞は、IgE抗体を発射した。IgE抗体はアレルゲンに対抗するべく、ヘルパーT細胞の命令によりB細胞が作り出す抗体である。アレルゲンが増えれば、IgE抗体も増えるのだ。
マスト細胞「なんなの、この大量のIgE使用値は。こんな数値、わたしはじめてだわ」
肥満細胞とも呼ばれるマスト細胞は、『ヒスタミン取扱マニュアル』を確認した。過剰につくられたIgEの刺激に反応して、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を分泌するためだヒスタミンは、異物や組織の損傷を認識したマスト細胞(肥満細胞)などから分泌される化学電達物質で、血管内皮細胞の間隔を広げ、白血球たちの遊走性を高めるはたらきがある。
マスト細胞「IgEの量に応じたヒスタミンを出せって、書いてあるし。マニュアルどおりにやればいいの、それがわたしの仕事なんだから」
天井から大量のヒスタミンが放出された。ヒスタミンで炎症をおこして、アレルゲンを排除するのだ。しかし、洪水のように分泌中枢に流れ込んだヒスタミンのせいで、緊急用免疫システム=ヒスタミンによるアレルギー反応が発動してしまう。ヒスタミンによるアレルギー反応とは、ヒスタミンが活性化されすぎて、発赤・かゆみ・浮腫・痛み・気管支収縮などを起こすことだ。

噴火のように、複数のロケットが発射された。くしゃみだ。ヒスタミンが鼻の粘膜にある知覚神経を刺激し、この刺激がくしゃみ中枢に達すると、くしゃみが連発してしまうのだ。地面が盛り上がった。鼻づまりだ。ヒスタミンが鼻の粘膜にある血管に作用して、炎症などを引き起こす。その結果、鼻の粘膜が腫れてむくみ、鼻づまりが起こるのだ。ダムから、涙があふれた。ヒスタミンが目の知覚神経などを刺激して、充血やかゆみなどの炎症を引き起こすため、涙も必要以上に出るのだ。
スギ花粉アレルギーは、スギ花粉が抗原(アレルゲン)となって起きる“くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ”などのアレルギー症状である。大噴火・地殻変動・大洪水がいっきに起こる『言い伝え』は、まことであった。

「そもそもおまえが、抗体をガバガバ使うから」と細胞たちがB細胞を攻める。
B細胞「オレのせいじゃないよ、悪いのはヒスタミンだろう」
マスト細胞「あたしマニュアルどおりに、仕事しただけだもん」

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ケンカをはじめる、B細胞(左)とマスト細胞(右)

白血球「それぞれが自分の仕事をまっとうしただけなのに、こんなことになってしまうとは。こうなることが、わかっていれば。わかっていても、やるしかなかったが。どんな事情があろうと、職務放棄は許されん」
赤血球が配達にやってきた。黒くて丸いその荷物には『薬用』と書いてある。突然、中からロボットのようなものが現われ、細胞に向かって攻撃を開始した。記憶細胞が、その正体を思い出す。
それはステロイドだった。ステロイドは副腎皮質ホルモンとも呼ばれており、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つ薬剤で、ヒスタミンによって起こった諸症状やアレルギー反応そのものを強力に抑える。
逃げまどう赤血球、白血球、記憶細胞、B細胞、マスト細胞、その他の細胞たち。やがて、ステロイドが有効成分切れで沈黙。アレルゲンも自然消滅し、アレルギー反応も落ちつく。そして跡には、破壊された建物、隆起した土地などの荒れ果てた光景が広がっていた。ステロイドは長期投与や大量投与により、副作用が起こる場合もある。用法・用量を守ることが大切だ。

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ステロイドが攻撃を開始

「はたらく細胞」第5話『スギ花粉アレルギー』の感想・考察

「はたらく細胞」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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