殺戮の天使(第1話『Kill me... please.』)のあらすじと感想・考察まとめ

見覚えのないビルの最下層で目を覚ました少女、レイチェル。わけもわからないまま、出口を求めてビルの中をさまよっていると、顔を包帯で覆い、大きな鎌を持った殺人鬼、ザックが現れる。
「3秒数えてやる。だからさぁ、逃げてみろよ!」
今回は「殺戮の天使」第1話『Kill me... please.』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「殺戮の天使」第1話『Kill me... please.』のあらすじ・ストーリー

窓から綺麗な、けれど偽物のような青い月が見える部屋の中で目覚めた少女、レイチェル(通称:レイ)。見覚えのない部屋を不思議に思いながらも、早く両親のもとへ戻らないと、と部屋を出る。
しかし、部屋の先に広がっていたのは、異質な空間だった。
無機質な壁に囲まれた廊下と、そこに設置されたたくさんの監視カメラ。

おかしい。自分はたしか、病院に来ていたはず。でも、ここじゃない。

ふと見ると、壁に文字が書かれていた。

『君はいったい誰で、何者か。自身で確かめてみるべきである。本来の姿か。望む姿か。天使か。生贄か。己を知れば、門は開かれる』

導かれるようにして隣の部屋に入るレイチェル。すると、部屋の中央の機械が起動。

自動的に紙に文字が打ち込まれ、『あなたの名前は?』と、まるでレイチェルに問いかけるような文章が。
レイ「…レイチェル・ガードナー」
疑問を抱きながら、機械の問いに答えるレイチェル。
『何故ここにいるのですか?』
問いかけは続く。
レイ「病院に来ていて、気が付いたらここに…」
『何故?』
『何故?』
『何故病院にいるのですか?』
レイ「人が死ぬところ…殺されるところを見たから。だから、カウンセリングに連れてこられた。早くここから出たい」

質問に答え終わると、エレベーターに続く門が開いた。これで外に出られると思い、レイチェルがエレベーターに乗り込むと、放送が響き渡った。

『最下層の彼女は、生贄となりました。皆さま、各フロアにて、ご準備をお願いします』

しかしレイチェルには何のことだかわからない。そのままエレベーターで上階に上がる。

エレベーターは階をひとつ上がったB6で止まってしまった。
そこはまるで路地裏のような場所で、本当に建物の中なのかとレイチェルは訝しみながらも、更に上へ続くエレベーターを探して探索を開始する。
途中、ケガをした小鳥を見つけたレイチェルは、ここから一緒に出ようと微笑みかけた。その時。
目の前に鎌が振り下ろされ、小鳥がまっぷたつに。何が起きたのか理解できていないレイチェルの前に現れたのは、顔を包帯で覆った殺人鬼の男、ザックだった。

ザック「ヒャハハハ!お前は今、満ちた顔をしやがったな?でも、今は絶望だ!3秒数えてやる。だからさぁ、逃げてみろよ!もっと見せろ!絶望の顔を!」
楽しそうに笑うザック。
ザック「さぁん!」
たった3秒のカウントダウンが始まる。レイチェルは弾かれたように走り出した。

偶然逃げ込んだ部屋で見つけた大きな箱の中に身を潜め、なんとかザックをやり過ごすができたレイチェルは、上階へ通じるエレベーターを探しに、来た道を戻り、道中で切り裂かれた小鳥の死体を見つける。そして

(…違う。こんな姿じゃなかった。こんな可愛そうじゃない。…私の小鳥に、直してあげる)
小鳥の身体を縫い合わせてから地面に埋めた。
そして上へ続くエレベーターを見つけ、B5へ。

B5はB6とはまったく雰囲気が異なり、一般的な病院のような内装だった。しかし、廊下の奥から足音が近づいてくることに気付いたレイチェルは、先ほどの殺人鬼を思い出して咄嗟に逃げ出す。追いかけてくる足音はだんだんとレイチェルに迫り、ついにレイチェルは捕まってしまう。しかし怯えたレイチェルに、足音の主はこう言った。

「僕だよ、レイチェル。君のカウンセリングをしていた、ダニー先生だよ」

彼は自身をレイチェルを担当していた医師のダニーだと名乗り、レイチェルを安心させようとする。困惑するレイチェルに、少し混乱しているみたいだね、でも大丈夫、と繰り返すダニー。結局ふたりは一緒に出口を探すことに。

B5を探索するふたり。レイチェルは再び壁にメッセージが書かれていることに気付く。

『自分の望みを知っているか。欲望を知っているか。それが本望であるならば、抗う意味など無に等しい。何故なら、そんな意味すらここに居る君は持たないのだから。ただし、望みには対価がいる。ルールは破らぬように』

レイ「ルールって?」
ダニー「ここにはルールがあるんじゃないかな」
レイ「じゃあ、この望みって?」
ダニー「それは人によって違うだろうね。僕なら、綺麗な目が欲しいな。僕は、片目がよくなくてね。君のような目が僕のだったら、それはそれは素敵だろうね」

その言葉に、若干の違和感を覚えるレイチェル。更に下にメッセージが続いていることに気付き、それを読もうと壁の埃を払おうとすると、その手がダニーによって遮られる。

「やめなさい。目にゴミが入る」

様々な部屋を回り、手術室にたどり着くふたり。

ダニー「レイチェル、その目をよく見せてくれないか」

その言葉に怯えるレイチェル。ダニーは更にたたみかける。

ダニー「本当に綺麗な目だ!それなのに、恐怖に怯えた目をしてしまって、まるで普通の目だ。僕は悲しい。この悪夢から目を覚ませば、君の瞳に、あの青い月のような美しい静けさが戻ってくるのかな。レイチェル、僕はね、その瞳の傍で生きていたいんだよ」
レイ「せん、せい…?」

そこでダニーは言葉を切り、レイチェルに探し物を頼んだ。奥の部屋に行き、自分が置き忘れた大切な物を見つけてほしいと言う。

ダニー「僕が何を探しているのか、忘れてしまったのかい?ヒントをあげる。僕の瞳は、アレキサンドライト」

奥の部屋は義眼だらけだった。
その中のひとつを、ダニーは自分のものだと言い、今からこれをつけるから、向こうの部屋で待っているようにレイチェルに告げる。そして、逃げちゃ、許さない、とも。

そこでようやくレイチェルはダニーが異質であることに気付き、こっそり部屋を抜け出そうとする。しかしダニーに見つかり、捕まってしまう。

ダニー「ここはね、僕のフロアだよ。このフロア以外に逃げたら、この手で君をどうにかできなくなるじゃないか。
レイ「いや…」
ダニー「君の生きた目を、傍で見続けることが望みだったのに。もう駄目だ!仕方ないんだ!君はもう理想の、僕の生きた青い目じゃない!だから、レイチェル…」

「その目を僕にちょうだい」

レイ「離して!」
必死に逃げようと暴れるレイチェルを手術台に押し倒すダニー。そして、「やめて」「お父さんとお母さんのところへ帰りたい」と懇願するレイチェルに、ダニーはこう答える。

ダニー「君のお父さんとお母さんは、地獄で待っている」

その言葉を聞いた途端、レイチェルの顔から表情が、目から光が消えた。

ダニー「レイチェル…?」
レイ「…」
ダニー「レイチェル!それだよ!君はなんて素敵な目をするんだ!」
レイチェルの眼球を取ろうとしていたダニーが、ここでいきなり喜んで、レイチェルに共に生きようと言い始める。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

あまんちゅ!(Amanchu!)のネタバレ解説まとめ

『あまんちゅ!』とは、天野こずえによる漫画作品、及びアニメシリーズ。 2016年と2018年の2度アニメ化した際には、舞台である静岡県伊東市を中心に大きな盛り上がりを見せた。 登場人物が所属する静岡県立夢ヶ丘高校ダイビング部の日常を描いた作品であるが「日常ときどきダイビング。」というキャッチコピーのようにメインは日常であり、ダイビングに対する知識がなくても日常作品として楽しめる。 勿論、ダイビングに関する知識や楽しさ、そして恐さも作中で描かれておりダイビング漫画としても評価が高い。

Read Article

アリスと蔵六(Alice & Zouroku)のネタバレ解説まとめ

「アリスと蔵六」とは、今井哲也による漫画、及びJ.C.STAFF製作のアニメーション作品。2012年から連載が始まり、2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。「アリスの夢」と呼ばれる能力者である主人公「沙名」は、住んでいたある研究所から逃亡する。空腹の中出会ったのは、曲がった事が大嫌いなお爺さん「樫村蔵六」であった。

Read Article

プラネット・ウィズ(Planet With)のネタバレ解説まとめ

『プラネット・ウィズ』とは、「J.C.STAFF」製作のオリジナルアニメーション作品。2018年に放送。本作は漫画家「水上悟志」が書き下ろしたネームを元に製作されている。漫画版は水上悟志自らが描いている。主人公「黒井宗矢」は記憶喪失の状態で「先生」「黒井銀子」の二人と暮らしていた。ある日、街に「ネビュラウェポン」と呼ばれる謎の飛行物体が現れ、それをヒーロー7人が倒す。しかし宗矢は銀子にヒーロー達を倒すように言われるのであった。

Read Article

ウィッチクラフトワークス(Witch Craft Works)のネタバレ解説まとめ

『ウィッチクラフトワークス(Witch Craft Works)』とは、講談社『good!アフタヌーン』に掲載されている水薙竜のファンタジー漫画、およびそれを原作とするアニメ作品。 とある普通の高校生(多華宮君)と全校生徒から姫様と敬愛される美少女クラスメートの魔女(火々里さん)を中心に多華宮君を巡って繰り広げられる魔女たちと多華宮君の物語である。

Read Article

初恋限定。(Hatsukoi Limited.)のネタバレ解説まとめ

『初恋限定。』は、河下水希による漫画作品。 『週刊少年ジャンプ』にて、2007年44号から2008年26号まで連載された。 中学2年生の有原あゆみと江ノ本慧を中心に、中学生と高校生計8人の恋が同時進行で進む姿を描いたオムニバス作品だが、連載期間は約半年と短命に終わった。 いわゆる「打ち切り」となった作品であるが、打ち切りに遭いながらドラマCDやアニメといったメディアミックス化された珍しい作品でもある。

Read Article

食戟のソーマ(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

『食戟のソーマ』とは、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊による料理・グルメ漫画。原作コミックは発売から2週間で20万を超える部数を売り上げた。テレビアニメも好調で、2015年から2019年で4回に渡って放送された。 下町の定食屋で育った主人公・幸平創真は店を継ぐつもりだったが、父親が突如店を閉めることを宣言する。創真は料理のエリートが集う名門料理学校・遠月学園に進学することになる。

Read Article

クジラの子らは砂上に歌う(クジ砂)のネタバレ解説まとめ

「クジラの子らは砂上に歌う」とは、「梅田阿比」による漫画作品。2017年にJ.C.STAFF製作でアニメ化。砂の海に浮かぶ巨大な船「泥クジラ」には、超能力「情念動(サイミア)」を操る「印」と、操れない「無印」がいた。印である主人公「チャクロ」は泥クジラの歴史を綴る記録掛りをしていた。チャクロはある日、砂の海を漂流してきた島で謎の少女「リコス」に出会う。

Read Article

ふらいんぐうぃっち(Flying Witch)のネタバレ解説まとめ

『ふらいんぐうぃっち』とは、2012年より講談社「別冊少年マガジン」で連載された石塚千尋による漫画の事である。主人公の魔女、木綿真琴(こわたまこと)が修行のため横浜から青森の親戚の家やって来る。居候先の倉本家で高校生活を送りながら魔術の勉強をしたり、他の魔女や異世界の住人と関わりと通じて一人前の魔女としての修行に励む、日常系ほのぼのファンタジー。

Read Article

探偵オペラ ミルキィホームズ(Detective Opera Milky Holmes)のネタバレ解説まとめ

『探偵オペラ ミルキィホームズ』とは偵都ヨコハマを舞台にしたアニメで、探偵を目指す四人の少女を中心としたものである。ゲーム版『探偵オペラミルキィホームズ』を原作にしており、J.C.STAFFによって製作された。2010年10月から12月まで1期が、2012年1月から3月まで2期が放送された。2013年7月から9月から3期が、2015年1月から3月まで4期が放送された。

Read Article

食戟のソーマの十傑まとめ

『食戟のソーマ』とは、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊による日本の漫画作品である。小説やアニメなど、多数のメディアミックスが成された。 創真は日本屈指の料理の名門校『遠月茶寮料理學園』へと編入する。そして、そこで出会う仲間やライバルと共に研鑽を積んでいく。 『十傑』とは、遠月に存在する最も優れた10人の料理人である。創真は遠月で最も優れた料理人になるため、十傑の打倒を目標とする。

Read Article

とある魔術の禁書目録(インデックス)の名言・名セリフまとめ

「とある魔術の禁書目録」は、鎌池和馬によって書かれたライトノベル作品。 科学によって超能力を発現する「能力開発」をカリキュラムに組み込んだ、大規模な教育機関「学園都市」。その街に住む高校生「上条当麻」のもとにある日現れたシスター「インデックス」を巡って、上条は魔術の世界に踏み込んでいく。オカルトと科学、相反する二つの世界を描くバトルアクションとして、深いストーリーや名言の評価が高い作品である。

Read Article

食戟のソーマの名言・名セリフまとめ

「食戟のソーマ」は、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊による漫画作品。 下町の定食屋の倅である「幸平創真」は、一人前の料理人になるべく家業を手伝いながら料理の修業に励む日々を送っていた。中学卒業の折、幸平は父親の紹介により世界屈指の料理学校「遠月学園」に通うことになる。遠月学園での幸平の活躍と成長を描く料理漫画。料理を通して人生について語られる名言が数多い。

Read Article

目次 - Contents