かくりよの宿飯(第20話『竜宮城の夢の跡』)のあらすじと感想・考察まとめ

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果物は魔除けになるということを大旦那に聞いた葵は、果物を使った甘味を作り、大旦那と一緒に竜宮城跡地へと向かった。銀次と乱丸を育てたという磯姫に出会った葵は、南の地の守護獣としての銀次と乱丸の役割と、過去のいきさつを知らされる。目的だった人魚の鱗を無事手に入れた葵は、海宝の肴を手掛けるよう磯姫に託される。折尾屋に人魚の鱗を届けた葵は、乱丸に海宝の肴を作ることを申し出る。
今回は「かくりよの宿飯」第20話『竜宮城の夢の跡』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「かくりよの宿飯」第20話『竜宮城の夢の跡』のあらすじ・ストーリー

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一人酒を飲む雷獣

折尾屋の一室で、雷獣は独り言を言いながら、1人で杯を傾けて酒を飲んでいた。
雷獣「勇ましいねえ天神屋の鬼嫁は。邪気まみれの薄暗い穢れた竜宮城跡地へ行こうなんて。しかし、磯姫も馬鹿だよねえ、あんな所で無駄死にして。まあ300年前の儀式が失敗したのは、僕のせいなんだけどね。あれは愉快だったなあ、うっふふふふふ、うっふふふふふ」

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果物の甘味を作る葵と大旦那

折尾屋の旧館で、葵と大旦那は竜宮城跡地へ行く準備を進めていた。
大旦那「出発は夜がいい、そのほうが邪気が薄いから。それと甘いものを持って行くといい、果物はまだあるかい?」
葵「果物?」
大旦那「果物には魔除けの効果があるんだ」
葵と大旦那は、協力して果物を使った甘いものを作り始めた。
大旦那「フルーツ入りのどら焼きとは、さすが我が新妻だ」
葵「お料理のお手伝いが好きだなんて、大旦那様も相当変わった鬼よね」

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竜宮城跡地の入り口に立つ葵と大旦那

2人で作った甘味を手にして、葵と大旦那は竜宮城跡地がある、暗い洞窟の入り口に立っていた。赤い鬼火が入り口の暗い空間に不気味に揺らめいていた。葵は、ひしひしと感じる邪気に身を震わせた。中に入っていくと、大旦那が長居はしたくないと感じるほどに、先ほどの洞窟とは比べようもない強い邪気が漂っていた。

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砂の中に沈む葵

竜宮城跡地に近づくと、葵の耳に「葵、こっちだよ」という声が聞こえてきた。そして葵の足下の砂が、すり鉢状になり、葵は砂の中に吸い込まれてしまった。大旦那が振り向いた時にはもう葵の姿は見えなかった。勢いよく落ちて行く葵だったが、宮殿のような床近くに、ブレーキがかかったようにふわりと落ちた。葵の降り立った後ろには、一段高く玉座のようになった場所があり、青い椅子が一つ置かれていた。葵は辺りを見回し、かくりよっぽくないと感じた。

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青い椅子に腰かける人魚のあやかし

突然葵の後ろから「ようこそ竜宮城へ」と声がした。
葵が振り向くと、誰も座っていなかった青い椅子に、女のあやかしが座っていた。
女のあやかし「私は竜宮城を守るあやかし。珍しいお客人、さあこちらへ」
女のあやかしは葵にそう言うと、後ろを向いて歩きだした。後ろ姿に尾ひれを引きずるのを葵は見て「人魚」と小さく声を出した。

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1000年前の竜宮城の光景

葵と人魚のあやかしは賑やかな通りに出た。子供が走り寄り、葵の身体をすり抜けていった。
葵「もしかしてこの光景は幻?」
人魚「これは竜宮城を中心に繁栄した1000年以上も前の光景。しかしこの営みは泡と消えました。繰り返される天災によって」
人魚のあやかしがそう言った瞬間に、葵の目の前の賑やかな光景が消え、空に浮かぶ海とでも言えるような光景に変わった。青い海の中に大きな岩が所々に立ち、石造りのテーブルと椅子が葵の側にあった。

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フルーツ入りのどら焼きを喜ぶ人魚のあやかし

人魚のあやかしは葵にお茶を出し、葵は持って来たフルーツ入りのどら焼きを出した。
人魚「私は甘いものには目が無いのです、まあ果実の甘味?」
葵「このお茶に合うと思います」
人魚のあやかしは、葵の持って来たフルーツ入りのどら焼きをひと口食べた。
人魚「うーん、しっとりふわふわ、絶品です」
葵「果物の甘酸っぱさで、あんこが爽やかな味になるのよねえ」
人魚「こんなにおいしいお菓子を食べるのは久しぶりです、あの子達にも食べさせてあげたい」
葵「あの子達?」
人魚「ひとつ昔話を聞いてくれますか?お客人」

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幼い頃の乱丸と銀次

人魚のあやかしは八葉になったばかりの頃に、生まれて間もない孤児たちに海辺で出会った。そして、その二匹の獣のあやかし達が、南の地の今後を担う守護獣だと気づき、性格の全く違う二匹を一生懸命育てた。
葵「それは、乱丸と銀次さん?」
人魚「そうですよ、人間のお嬢さん。狗(いぬ)の乱丸は正義感が強く、真面目な子だけれど、喧嘩には弱い性格。このサンゴの腕飾りは、乱丸の手作りです。本当に一途で可愛い狗でした」
葵「私の知ってる乱丸と何か違う」

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仲良く育つ乱丸と銀次

人魚「狐の銀次は賢い子でしたが、いたずら好きの悪餓鬼でした。食いしん坊で喧嘩も負け知らず、乱丸には懐いて尊敬しているようでした」
葵「私の知らない銀次さん」
葵はそんな時代があったのに、と今はいがみ合う乱丸と銀次を思った。
人魚「そろそろ時間ですね、あまりあなたを独り占めしていては、鬼神(大旦那)が結界を破壊しかねない」
そう言って人魚のあやかしが立ち上がると、辺りが一気に夕焼けの景色に変わった。

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葵を送り出す磯姫

葵「磯姫様、あなたはここで死んだと聞きました」
葵は今までの話を聞いて、目の前の人魚のあやかしが磯姫だと確信してそう尋ねた。
磯姫「はい、私の身体は竜宮城の深い場所に横たわっているでしょう。これは思念体です、あの2人のことが気がかりで」
葵「銀次さんや乱丸に会ってあげないんですか?2人は何度もここへ来たはずなのに」
磯姫「良くお聞きなさい、津場木葵。これは、標の巫女である私が最後に示す未来への道標(みちしるべ)。海宝の肴はあなたが手掛けなさい」
磯姫は葵の額に指をかざし、葵の身体をそっと倒すように海に横たえた。
磯姫「乱丸と銀次をどうかよろしくお願いします」
葵の身体は海深く沈んで行った。
気がつくと葵は、最初に来た青い椅子のある場所に戻っていた。赤い鬼火が葵の周りを取り巻いていた。

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人魚の鱗を見つける葵

葵は暗がりの壁に光る物を発見し近寄ってみた。壁の人の背丈くらいの位置に、人魚の鱗が一枚、張り付いていた。
葵「これ人魚の鱗?やったあ見つけたわ。これで儀式に必要なものがまた一つ揃った」
葵は、いつの間にか手首に磯姫のサンゴの腕飾りをつけているのに気付き「やっぱりあの出会いは幻じゃなかった」と確信した。
葵が人魚の鱗を手に入れ感慨に浸っていると、青い椅子の背後から「旨そうな人間の女の匂いが…」という声と共に、不気味な姿の鬼が葵の前に現れた。「食べられる」と葵が思ったその時、大旦那が突然現れ、葵を抱えて鬼と反対側の方へ飛び移った。

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呪われた地の鬼に襲われる葵

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