ハッピーシュガーライフ(Happy Sugar Life)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハッピーシュガーライフ』とは、『月刊ガンガンJOKER』で連載している漫画作品であり、TVアニメは2018年7月より放送が開始された。原作者は鍵空とみやき。
牧原高校1年生の松阪さとうは、家族に関する記憶を失っている少女・神戸しおと共に暮らしている。しかし実の所しおは攫ってきた子であり、更に2人が暮らす部屋の元の住人を殺害しているなど、さとうは他人に言えない秘密を幾つも抱えていた。さとうは愛するしおとの生活を守るため、時には凶器を握りながら、あらゆる邪魔者を排除していく。

さとうはある日の夜、画家の遺体の一部を川に捨てようとしたものの、何者かの気配を感じたためすぐにその場を走り去る。そして後日、ストーカーの正体をあぶり出すためにさとうがわざと路地裏へ入ると、程なくして学年主任の北埋川が現れた。

本台詞は、「先生が生徒をストーカーしていいのか」というさとうの問いに対する北埋川の回答。その後は、さとうに頼まれて処理した袋の中身が誰かの遺体であることを察しつつ、彼女の殺人疑惑について興奮気味に推理するようになる。また自分が共犯者として捕まる恐れがありながら、さとうの家に警察を差し向けるなど、スリル最優先の言動や行動は最後までブレなかった。

天使だ、僕を癒やしてくれる天使……! ああ、ああ……間違ってなかった!初めて君を見た時の、あの直感は……この子が僕を浄化してくれる、っていう直感は……間違いじゃなかった!ああ、しおちゃん……まさか、本当に会えるなんて! 僕が頑張っているのを、神様は見ててくれた!もっと、触って欲しい! もっともっと、僕を、ピュアにして……っ!

さとうの帰りが遅いことを心配し、1人で外に出ていたしお。太陽はバイトの帰り道で偶然しおに出会うと、路上で土下座しながら「『痛いの痛いの飛んでいけ』ってして下さい」と懇願した。プリンセスインペリアルの店長に監禁されて以来、年上の女性に触れなくなった太陽は、ある日しおの写真が載ったチラシを目にしたのが切っ掛けで、彼女に執心するようになっていた。本台詞はしおに頭を撫でられている時の、太陽の心の声。彼が作中きっての変態キャラに成り果てた瞬間である。

もっと触って、ピュアにしてと願う太陽だったが、しおと実際に触れ合えたのはこの一度だけだった。またピュアな子供に救いを求める一方、しおとの面会目当てでさとうに協力していく内に、自らも「穢れた大人」と呼ばれるような存在になっていってしまう。

しおは、俺達の月だ。この世界で唯一の、かけがえのない……

日夜しおを探し回っていたあさひは、ある日しょうこに出会うが、彼女の目の前で突如卒倒してしまう。それ以来、しょうこは夜な夜なあさひに食べ物を渡すようになり、あさひもそんな彼女に少しずつ心を開いていった。

本台詞は、しおに関するチラシを手に取ったしょうこが「この子何なの?」と尋ねた際、あさひが月を見上げながら発した言葉。「俺達」とはあさひ及び母親のゆうなのことであり、悲惨な人生を送っていた両者にとって、しおが唯一の希望であることを示している。

どんな欲望でも、全部飲み込んであげるから。だってそれが、愛だから

さとうの幼い頃から、叔母は見知らぬ男性をたびたび部屋に上げていた。このセリフは愛に関する自らの信念であり、暴力でも性行為でも何でも受け入れていた。さとうは叔母のもとを離れて以降も、時々この言葉を思い出しては、不快な表情を浮かべている。

「皆を愛する」「何をされても良い」という叔母の考え方を全く理解出来なかったさとうは、のちに「1人(しお)だけを愛する」「何をしても良い」という、叔母とは真逆の愛に目覚めることとなった。

私初めてなの、誰かのためにここまでしたの。満たされることなんかない、って思ってた。でもやっと見つけた……私分かったの、この感情の名前をなんて言うか。ありがとう、お兄さん

男性画家のもとで絵のモデルをしていたさとうはある日、意識を失ったしおを抱えて画家の部屋を訪れる。すると、さとうの居ない間に画家がしおの首を絞めようとしたため、それに気づいたさとうが彼を背後からイーゼルで撲殺した。

本台詞は画家の遺体を解体したさとうが、その遺体に向かって語った感謝の言葉。長い間「愛」を知らなかったさとうは、愛する人のために行動することの喜びを、殺人という最悪の方法によって知ってしまった。これが「愛のためなら、何をしても許される」という、さとうのポリシーの原点である。

例え悪魔でも、私はアンタのことが大好きだから。私がアンタを、光のもとに連れ戻すから! さとう!

さとうを「大好きな親友」と位置づけるしょうこは、さとうによるしおの誘拐疑惑を太陽に聞かされて以降、ずっと真相を追い求めてきた。さとうの家『305号室』で叔母を紹介された時、しょうこは部屋の異様な雰囲気や叔母の異常な言動に恐怖し、一度はさとうに目を背けてしまう。それでもあさひに勇気づけられたしょうこは後日、さとうが今住んでいる本当の部屋番号を叔母から聞き出し、ついにさとうとしおが一緒に居る場面を捉えるのだった。

本台詞はしょうこがさとうに、しおを解放するよう説得する中で発した言葉。さとうの誘拐行為が事実だと判明した上、しょうこはさとうに「その他大勢と変わりない」などと言い捨てられてしまう。それでもしょうこはさとうの親友として、最期まで彼女に寄り添おうとしていた。

死ぬ時は、共犯者で居させて?

しょうこを殺害後、寝込んでしまったさとうに代わり、しおは家の掃除に取り掛かる。そしてさとうが目覚めるまでの間に、家族に関する記憶を次々に思い出していった。それでもさとうと協力して今の生活を守りたいと願うしおだったが、当のさとうは「何もしなくていいんだよ」などと言い、一切しおを頼るつもりがない様子。そのためしおは一度さとうを突き放した後、「守られるだけじゃ嫌だ」ということを彼女に伝えた。

本台詞は、さとうと共に戦うことを決めたしおが、その決意表明の最後に語った言葉。無知で純粋な子供だったしおが、誰かを愛する一人の女性になった瞬間だった。

叔母さんは皆を愛する、皆同じで1番がない……私はそれを愛とは呼べない。今ならはっきりとそう言える……叔母さん、あなたの愛は間違ってる

殺人の証拠を消してしおと2人で逃亡するため、さとうは叔母に協力を要請。過去に305号室を訪れた男性の中には殺人者もおり、叔母はその時と同じようにさとうのことも愛すると言うが、さとうはそんな叔母の愛を真っ向から否定した。

さとうは愛を貫くために何でもしてきたものの、事あるごとに叔母の語る「愛」を思い出し、苛まれていた。しかししおが「2人で戦おう」と言ってくれたことで、さとうは自身の愛に確固たる自信を持つ。本台詞はそんな自信の表れである。

お母さんに伝えて。私を不幸から解き放ってくれて、ありがとうって。だから……私は私のために生きる!

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