ハッピーシュガーライフ(ハピシュガ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハッピーシュガーライフ』とは、鍵空とみやきによる漫画。『月刊ガンガンJOKER』で連載され、2018年にはTVアニメも放送始された。高校1年生の松阪さとうは、家族に関する記憶を失っている少女・神戸しおと共に暮らしている。しかし実はしおはさらってきた子で、さらに2人が暮らす部屋の元の住人を殺害しているなど、さとうは他人に言えない秘密を幾つも抱えていた。猟奇的な一面を持つさとうを中心に、それぞれ歪んだ愛を持つキャラクター達が織りなす純愛サイコホラーである。

誓いの言葉とは、しおが毎晩、さとうに向かって唱えている以下の台詞である。

「病める時も健やかなる時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しい時も……死が2人を分かつまで、私はさとちゃんが大好きなことを誓います」

元々は母親のゆうなが、父親の暴力に耐える日々の中で、自分とあさひとしおの3人を結びつけるために生んだ言葉。あさひも1度しおに対して唱えていたが、当のしおは完全に家族から心が離れていた。

1208号室

さとうとしおが2人で暮らしている、マンションの一室。元々は男性画家が1人で住んでいた場所で、さとうは彼のもとで人物絵のモデルをしていた。しかしさとうがこの部屋にしおを連れて来た時、画家がしおを絞め殺そうとしたため、さとうは背後から画材で彼を撲殺。そしてその遺体は3つの袋に小分けにされ、鍵付きの部屋の中に放置された。以後さとうはこの部屋を「愛のお城」と称し、しおとのラブラブな生活を送っていく。

305号室

さとうの叔母が暮らしているマンションの一室で、幼くして両親を失ったさとうが幼少期の大半を過ごした場所。叔母は頻繁に男性を招き入れており、部屋には常に異臭が漂い、床には性行為の跡と思しきゴミが散らかっている。

家の外から叔母を呼び出すには、扉の前で鍵を落としてから、扉を数回ノックする必要がある。故にインターホンを押しても部屋から出てこない。

キュア・ア・キュート

さとうやしょうこ等、登場人物の多くが勤務しているメイド喫茶。バイトリーダーのみとりを除き、話数を追うごとにバイトメンバーがどんどん減っていく。

プリンセスインペリアル

さとうが1話で新たに働き始めた喫茶店。1話時点では太陽もここに勤務していた。女店長が気に入らないメンバーに残業を押し付けたり、終いにはその残業分の給料も払わないなど、中々のブラック職場。

『ハッピーシュガーライフ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

松坂さとう「私の中の瓶が壊れて、甘い欠片が壊れていく。行かないで、それは私の愛の粒なの! 私の心……! このままじゃダメ。ダメになる」

しおと暮らしていくためのお金をより多く稼ごうと、さとうは新たに喫茶店「プリンセスインペリアル」で働き始めた。しかしさとうの人気に嫉妬した女店長が、突如さとうに過酷な残業を課すようになったため、さとうがしおと居られる時間は日に日に減っていってしまう。

そしてある日帰宅すると、しおは玄関先で既に眠ってしまっていた。そんなしおの姿を見たさとうは「私の中の瓶が壊れて、甘い欠片が壊れていく。行かないで、それは私の愛の粒なの! 私の心……! このままじゃダメ。ダメになる」と、2人の幸せな時間が削られていくことへの危機感を吐露した。
後日さとうは店長を煽って未成年の太陽に手を出した不純異性交遊の事実を自白させた上で、彼女の語る「愛」を全否定した。

普段は温和に振る舞いつつ、愛のこととなると度々暴走を見せるのが彼女の特徴であり、これが記念すべき最初の豹変である。

北埋川大地「そうですね、いけないことですね。……フッ、だから良いんじゃないですか。危ない綱渡り、そういうギリギリって素敵なことだと思いません?」

さとうはある日の夜、画家の遺体の一部を川に捨てようとしたものの、何者かの気配を感じたためすぐにその場を走り去る。そして後日、ストーカーの正体をあぶり出すためにさとうがわざと路地裏へ入ると、程なくして学年主任の北埋川が現れた。

「先生が生徒をストーカーしていいのか」というさとうの問いに対し、北埋川は「そうですね、いけないことですね。……フッ、だから良いんじゃないですか。危ない綱渡り、そういうギリギリって素敵なことだと思いません?」と回答した。その後は、さとうに頼まれて処理した袋の中身が誰かの遺体であることを察しつつ、彼女の殺人疑惑について興奮気味に推理するようになる。また自分が共犯者として捕まる恐れがありながら、さとうの家に警察を差し向けるなど、スリル最優先の言動や行動は最後までブレなかった。

三星太陽「天使だ、僕を癒やしてくれる天使……! ああ、ああ……間違ってなかった!初めて君を見た時の、あの直感は……この子が僕を浄化してくれる、っていう直感は……間違いじゃなかった!ああ、しおちゃん……まさか、本当に会えるなんて! 僕が頑張っているのを、神様は見ててくれた!もっと、触って欲しい! もっともっと、僕を、ピュアにして……っ!」

さとうの帰りが遅いことを心配し、1人で外に出ていたしお。太陽はバイトの帰り道で偶然しおに出会うと、路上で土下座しながら「『痛いの痛いの飛んでいけ』ってして下さい」と懇願した。プリンセスインペリアルの店長に監禁されて以来、年上の女性に触れなくなった太陽は、ある日しおの写真が載ったチラシを目にしたのが切っ掛けで、彼女に執心するようになっていた。
しおに頭を撫でられている時、「天使だ、僕を癒やしてくれる天使……! ああ、ああ……間違ってなかった!初めて君を見た時の、あの直感は……この子が僕を浄化してくれる、っていう直感は……間違いじゃなかった!ああ、しおちゃん……まさか、本当に会えるなんて! 僕が頑張っているのを、神様は見ててくれた!もっと、触って欲しい! もっともっと、僕を、ピュアにして……っ!」と心の中でつぶやいていた太陽。彼が作中きっての変態キャラに成り果てた瞬間である。

もっと触って、ピュアにしてと願う太陽だったが、しおと実際に触れ合えたのはこの1度だけだった。またピュアな子供に救いを求める一方、しおとの面会目当てでさとうに協力していく内に、自らも「穢れた大人」と呼ばれるような存在になっていってしまう。

神戸あさひ「しおは、俺達の月だ。この世界で唯一の、かけがえのない……」

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