はじめの一歩の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『はじめの一歩』とは、1989年より『週刊少年マガジン』で連載中の「森川ジョージ」作による、ボクシングを題材とした漫画である。登場人物の多くに実在選手を投影している。「登場人物全員が主人公」という作者の言葉通り、脇役やライバル達の物語も詳細に描かれている。作者自身も実際にボクシングジムのオーナーで著名なプロボクサー達と親交があり、誌上やコミックスなどでもインタビューや応援コメントの寄せている。コミックスは120巻を超えている長期連載漫画である。

鷹村の2階級制覇を賭けた試合のセミファイナルで、東洋太平洋タイトルマッチ防衛戦に臨んだ宮田。
相手はMr.サカグチの刺客メッガン・ダッチボーイという選手。病気の娘をダシにMr.サカグチは「宮田の全てが解るように全ラウンド立っていればいい」と持ち掛ける。そこから宮田は「戦う意思が感じられない」とアウトボクシングではなくインファイトを挑む。
そんな宮田を「立派なボクサー」と認め、「ボクサーとしての死に様を選ぶ」とヤル気を出す。試合は宮田の勝利で終わるのだが、最後に「ヤー ベー」とタイ語で声を掛ける。”敗けるなよ”という意味らしいが、宮田の”断固たる決意”を感じるセリフである。

どこかで… 観ているハズだよな オレを… 待ってるハズだよな

板垣と今井の東日本新人王決勝は板垣が勝利した。
それを観て一歩はある想いを鴨川会長へ告げる。「日本王座を返上させて下さい!!」。その固い意志に鴨川会長もこれを認める。
宮田サイドへ打診したところこれを快諾。ただし宮田は防衛線があり、それに勝利することを前提に内定する。一歩も防衛戦を挟むことになり、いつものように苦しみながらも勝利。
東日本新人王の時と同じく、一歩が宮田の勝利を待つことになる。宮田は”父との約束”は果たした。ライバルとの”約束のリング”へ向かうため試合に臨む宮田の感慨深い名セリフである。

縁が無かったと思ってくれ

日本フェザー級チャンピオン一歩VS東洋太平洋フェザー級チャンピオン宮田の夢の試合が内定した。
一歩は先に勝利し、東日本新人王のときと同じく宮田の勝利を待つ。しかし宮田は試合中に何かに気を取られピンチに陥り、拳を痛めるのだった。拳の治療のため夢の試合は延期となるのだが、その間に気を取られた謎が宮田には解ける。
一歩は母親に感謝し「次の試合が最後です」と宮田との試合に心躍らせていた。その最中、宮田と会う。
宮田の治り具合を気にして「お互いベストな状態で試合をやろう」と実に爽やかである。そんな一歩に宮田は「すまない」と土下座をする。
「もう待たなくていい できなくなった」と精一杯を振り絞り告げる…。去り際の宮田から名セリフが生まれた。

あとは 斬って落とす――のみ!!

一歩との約束果たせなくなった宮田。「縁が無かったと思ってくれ」、そう言って宮田は去っていった…。
一歩も目標を失い、破門され引退も感じられたが、「強いとはなにか?」という疑問を追うことを思い出し、奮い立つ。
宮田は東洋太平洋暫定王者との統一戦を前に、試合をすることになる。その控室で拳の具合を訊かれ答えた、実に宮田らしいクールでありながら自信たっぷりに闘志を燃やす名セリフである。

むしろオレは―― この運命を 喜んで受け入れるぜ!!

一歩との”約束のリング”を反故にした宮田。
東洋太平洋暫定王者との統一戦を前にノンタイトルで試合を挟む。勝利後、新型のカウンターを試したことをとがめられるのだが、「今度の敵にはカウンターは通用しない」と含みがある。
拳を壊したあの試合――。気を取られたのはMr.サカグチではなく、隣にいた男にだった。男は試合終了後に宮田を待ち伏せし「運命からは逃れられない」と言い残す。宮田は「確かに運命さ よくぞ目の前に現れてくれた」とほくそ笑み、名セリフを生んだ。

まっすぐここまで来たんじゃねえか 引き返せない道を――

一歩との”約束のリング”を反故にした理由。それはかつて父が敗れたボクサーの息子だった。
父を追い詰め、引退させたボクサーの息子だから、宮田にとっては”運命の相手”である。一歩もそれを知り、納得した。宮田は父が敗れた試合を観ており、父のボクシングは間違っていない証明をする、と幼い心に誓っていたのだ。
夜、ロードワークをしていると声を掛けてくる子供がいた。「親が心配する」と振り返るとそれは幼き日の自分であった。「一人きりだって強くなれる 世界王者になってみせる」と力強く言うと、幼い自分はグローブを渡し、走り去っていった…。
これは夢であった。そして幼い自分に言った「どこへ行くんだ」の問いに、自ら答える名セリフが生まれる。

ボクは絶対忘れないっ

「みんないなくなっちゃったけど ボクの中じゃ父さんはあの時のままだ リングの上で… カッコいい王者(チャンピオン)のままだ」
「だけどボクは子供だから どんどん忘れていくんだ だんだん思い出せなくなっちゃうんだ そんなの嫌だ!! 忘れるのは嫌だっ 嫌だ嫌だ 嫌だ! いっぱい練習して いつでも思い出せるようになるんだ」

宮田の父は東洋太平洋タイトルマッチへ挑み、敗れ、引退した…。
生活は荒み、周りから人が去っていく中、息子の一郎だけはずっと側にいた。ある夜の公園、”音”に導かれるように奥へ進むとそこには「子供の短い手足で しかしこしゃくにも形になっているシャドー」をする息子の姿があった。それは「模倣しているフォーム」と解る。「思い出させるな!」と怒鳴るが、一郎は「嫌だ!」と頑固さを見せる。幼い子供の意地と誇りを感じる名セリフである。

自分で決めた道さ!!

「フェザー級に留まるのはもはやマイナスでしかない」と父も心配する中、立ち上がる宮田の意地のセリフである

宮田にとって”運命の相手”が現れた。それは一歩との”約束のリング”よりも重く、大事なモノであった。
かつて父が挑んだ東洋太平洋タイトルマッチ。父を引退させた相手の息子”阿修羅”ランディー・ボーイJr。父親ラクーン・ボーイと同じ両利きの選手で、オーソドックスにもサウスポーにもスイッチできる稀なボクサーである。
父のボクシングは通用する、と証明するために”運命のリング”へ上がる宮田だが、鴨川曰く「受け継いだモノは父親を凌駕していた 希望も憂いも 希望とは攻撃力 憂いとは打たれ弱さ」。Mr.サカグチは宮田を「ガラスの顎(ジョー)」と見下している。

感謝している父さん… …だけど ここからは子供同士の喧嘩だ 親の出る幕じゃないぜ!

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