デイブレイカー(Daybreakers)のネタバレ解説まとめ

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『デイブレイカー』とは、オーストラリア出身のスピエリッグ兄弟の監督・脚本によるSFアクション・ホラー。人口の9割以上がヴァンパイアと化した近未来を舞台に、人間の減少により血液不足に陥った状況を解決するために代用血液の開発を進めていたヴァンパイアの男が、人間とヴァンパイアの双方を救う新たな道を探ろうとする。09年・オーストラリア・アメリカ製作。

『デイブレイカー』の概要

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海外版ポスター

『デイブレイカー』とは、長編デビュー作のサバイバル・ゾンビ・アクション・ムービー「アンデッド」(03)で注目を浴びたオーストラリア出身のスピエリッグ兄弟(マイケル&ピーター)が手がけた長編第2作。「アンデッド」同様、監督だけでなく脚本も兄弟が書いている。
人口の9割がヴァンパイアに変貌した近未来の世界で、人間が血液供給源として管理・飼育されているというユニークな設定が興味深いSFアクション・ホラー。血みどろの過激なバイオレンス描写が作品の随所にあり、日本公開時はR-15の指定を受けた。
ヴァンパイアは太陽の光に弱く食料は血、そして鏡に姿が映らないというところは今まで描かれてきたヴァンパイアの設定そのままだが、その太陽光を浴びることによって人間に戻ることができるなど斬新なアイデアが盛り込まれ、一味違う作品となっている。
主人公を演じる「ガタカ」(97)のイーサン・ホークは、元々は好きではないジャンルの作品だったため最初は出演をためらっていたが、脚本を読んで典型的なB級映画とは違うと感じ主役を引き受けたそうだ。本作でスピエリッグ兄弟と意気投合したのか、スピエリッグ兄弟の3作目「プリデスティネーション」(14)でも、主役を演じている。
共演は、「ジュラシック・パーク」(93)「マウス・オブ・マッドネス」(94)のサム・ニール、「スパイダーマン」(02)「スパイダーマン2」(04)のウィレム・デフォー、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(05)に顔を出しているクローディア・カーヴァン、「トランスフォーマー/リベンジ」(09)に脇で出ているイザベル・ルーカス、本作後にアメリカのテレビ・シリーズ「パトリオット~特命諜報員ジョン・ダウナー」(15~17)で知られるようになるマイケル・ドーマン。

スピエリッグ兄弟(マイケル&ピーター)

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スピエリッグ兄弟

1976年4月29日にドイツのバックホルツで一卵性双生児として生まれ、80年代後半に家族と共にオーストラリアのブリスベンに移住。97年、ブリスベンのグリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アートを卒業。学校では、マイケルはグラフィックデザインを専攻し、ピーターは映画とテレビを学んだ。在学中に製作した短編映画がCM監督のディック・マークスの目に留まり、広告業界で仕事をするようになる。
「The Big Picture」など15本の短編、何十本ものテレビ向けCMを製作後、00年初頭に長編映画製作を決意し、自分達の車まで売って制作資金を調達して低予算ゾンビ・ホラー「アンデッド」に着手。監督だけでなく、製作・脚本・編集・視覚効果を兄弟で兼任し、苦労の末、完成させる。
「アンデッド」はエジンバラ、モントリオール、シチェス、アムステルダムなど17の主要な映画祭で上映され、メルボルン国際映画祭では、国際映画批評家連盟から権威あるフィプレシ賞を受賞。
マイケルが影響を受けた作品や監督は、「スター・ウォーズ」シリーズとデヴィッド・クローネンバーグ。特にクローネンバーグは一番好きな監督だそうだ。
ピーターは、影響を受けた監督として、自分の育ったオセアニア地域のフィルムメーカー、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン、「マッド・マックス」シリーズのジョージ・ミラー、「ピクニックatハンギング・ロック」「刑事ジョン・ブック 目撃者」のピーター・ウィアーの名を挙げている。

●フィルモグラフィー
「The Big Picture」(短編・00)
「アンデッド」(03)
「デイブレイカー」(10)
「プリデスティネーション」(14)
「ジグソウ:ソウ・レガシー」(17)
「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」(18)

『デイブレイカー』のあらすじ・ストーリー

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代用血液の人体(ヴァンパイア)実験をするエドワードとクリストファー。

人間がコウモリから感染してヴァンパイアとなり、瞬く間に感染が広がり、人類の大半がヴァンパイアとなった近未来。
今や人間の数は全人口の5パーセントまで減少し、ヴァンパイアにとって食料である人間の血液が枯渇し、深刻な問題となっていた。
エドワード・ダルトンは、ブロムリー=マークス製薬会社の血液研究班主任で、代用血液の開発を進めていた。
彼は、人間に同情しているのか人血を飲もうとはせず、代わりに豚の血を飲んでいた。
会社には、人血を得るための人間飼育場と呼ばれる吹き抜けのドームがあった。そこには多数の人間が縛られ、ヴァンパイアのための血を吸い取られていた。
ある日、会社の幹部会議で、死刑囚のヴァンパイアを実験台に血液不足がもたらす影響を一ヶ月にわたり観察した結果が発表された。
人間の血液を一切与えらないことにより、死刑囚の耳が伸び、前頭葉が破壊され、ゾンビじみた凶暴な化け物に変異していた。それはサブサイダーと呼ばれた。サブサイダーは巷で急激に増えつつあった。
「一刻も早く代用血液を作り出さねば大変なことになる」と社長チャールズ・ブロムリーから急かされたエドワードは、動物実験の次の段階としてヴァンパイアの人体実験を研究チームのメンバー、クリストファー・カルーソと共に行うことになった。
実験台となったヴァンパイアに開発中の代用血液を注入すると、最初は大きな変化はなく順調に行くように見えたが、突然体が破裂して失敗に終わった。
気落ちして車で帰途についたエドワードは、車内でテレビニュースを見ていて前から来た車に気付かず接触事故を起こした。相手の車はフェンスにぶつかって止まった。
エドワードが車から降りて相手の車の様子を見に行くと、中から数人の人間が出てきた。彼らに近づこうとしたエドワードに、人間の女オードリー・ベネットが「近づかないで」と言い放ち、構えていたクロスボウの矢を彼に向けた。
その時、遠くからパトカーのサイレンの音が響いた。彼らが警官に見つかると捕獲されると思ったエドワードは「僕が助けてあげる」と言い、自分の車に隠れるように促した。
彼らは戸惑ったが、サイレンの音が大きくなると意を決してエドワードの車に乗り込んだ。エドワードは車のウインドーを保護モード(太陽光を避けるために黒い幕を張る)にして車内が見えないようにすると、やって来た警官に「ぶつかった車の人間はあっちに行った」と嘘をつき、パトカーは走り去っていった。
エドワードの車から出てきたオードリーは「ありがとう。また会いましょう」と告げると仲間達と共に去っていった。

自宅に帰ったエドワードが、花に水をやっていると弟で軍人のフランキー・ダルトンがやって来た。
その日はエドワードの10回目の35歳の誕生日だった。彼が35歳の時にフランキーに噛まれてヴァンパイアとなり歳を取らなくなったからだ。お祝いのプレゼントに、フランキーは純度100パーセントの人間の血を持参した。
だが「人血には手を出さない」とエドワードは、飲むことを拒否した。すると「人間飼育場で儲けた金で兄さんは研究が続けられるんじゃないか」とフランキーは反論し、口ゲンカが始まった。そして、頭に来たフランキーが出ていこうとした時、突然彼の前にサブサイダーが現れた。

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エドワード達の前に現れたサブサイダーを撃退しようとするフランキー

血に飢えて凶暴化したサブサイダーは、腕力も強くフランキーを投げ飛ばし、牙をむき出してエドワードに迫ってきた。だが、倒されたフランキーがすぐさま起き上がって目の前にあった料理用ナイフを手に取ると、サブサイダーに向かって行き腹を裂き首を切り落とした。
報告を受けた警察がエドワードの家を訪れ、「この地域でサブサイダーが現れたのは三度目です。セキュリティを強化してください」とエドワードに言った。
検屍官が死んだサブサイダーを調べると、サブサイダーがはめていた指輪からエドワードの住宅地区の庭師と判った。「2週間前に会ったばかりなのに」とエドワードが言うと、刑事が「ヴァンパイア同士の血を吸えば2週間でサブサイダーになってしまう」と語り、検屍官が「このサブサイダーには自傷行為が見受けられ、そんなことすると余計に変異が加速するわ」と続けた。
夜が明け、ソファーで寝ていたエドワードは、誰かがやってきたと気付き裏口に向かうと、昨夜助けたオードリーがクロスボウを構えて立っていた。
彼女は「力を貸して。信用できるヴァンパイアを探していたの。血液学者でしょ、力になって。代用血液は“治療法”じゃない。他に方法があるの」と言い、地図と待ち合わせ日時が手描きされたメモ用紙をエドワードに差し出した。

エドワードは、オードリーを信用していいものかどうか迷ったが、彼女が言った別の“治療法”がどういうものか気になり、会うのは昼間の指定だったが待ち合わせ場所に向かうことにした。昼間は、ヴァンパイアにとって陽の光を浴びると焼け焦げて塵となってしまうので危険なのだ。
車のウインドウに黒い幕が下りる保護モードにし指定された場所に向かうと、待ち合わせ場所にいたオードリーが「彼が待っている」と緑の生い茂る大木を示し、エドワードは大木の下のまで車を近づけ日光を避けながら降りた。
大木をぐるりと回ると、人間の男ライオネル・コーマックがいた。彼は「かっては俺もヴァンパイアだった」と言う。エドワードは「ありえない」と、信じることはできなかった。
その時、何者かがオードリーに近づいてきた。それは兵隊で、オードリーの背に銃を向けたままエドワードの方に歩み寄ってきた。
兵隊に気付いたライオネルがクロスボウを構えると、兵隊は「武器を下せ」と叫んだ。その声でエドワードは、弟のフランキーだと判った。フランキーは兄の行動が気になり尾行していたのだ。遠くからフランキーの援軍である重装備の車がやって来た。
オードリーはフランキーの隙を見て彼を横に押しやり陽の光に晒し、悲鳴を上げた彼をライオネルが殴り倒し気絶させた。陽の当たらないところで横たわっている弟をそのままに、エドワードはオードリーとライオネルを自分の車に乗せ猛スピードで走った。

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オードリーやライオネルと会おうとしたエドワードの後をつけてきたフランキー

軍の車の追撃をかわそうとエドワードは必死で運転したが、放たれた銃弾でリアウインドウに穴が空き、日差しが車内に漏れた。陽が当たると体が焼かれてしまうエドワードは恐怖に怯え「ムリだ。運転できない」と叫びだすと、ライオネルが彼を運転席から助手席に移らせ運転を替った。
執拗に追いかけてくる軍の車から逃れるため、ライオネルは道路から外れ川の上に架かる橋に向かった。真ん中の橋げたが失われた危険な橋だったが、ライオネルは器用に運転して渡りきった。そのすぐ後を軍の車が渡ろうとしたが運転を誤り脱輪して川底に落ちてしまった。
夜になり、ライオネルは車を小さな貯水湖の前で止めた。湖のそばに立ったライオネルは、自分がヴァンパイアから人間に戻った経緯を話し出した。
まだヴァンパイアだった頃、車好きなライオネルは日中に車のウインドウに黒い幕を下ろす安全モードでドライブしていた時、油断して貯水湖の柵に激突した。ライオネルは、フロントガラスを破って体が飛び出し、太陽に焼かれながら湖の中に落ちてしまった。そして水から上がったライオネルは人間に戻っていた。
エドワードは、「太陽の光を浴びて人間に戻ったのか」と半信半疑でライオネルに問いただすと、ライオネルは「死ぬほど痛かった」と答えた。
そしてオードリーが、「ライオネルに起こったことを安全な方法で再現したいの。あなたの知識や力が必要なの」とエドワードに言う。
ライオネルが実際にヴァンパイアから人間に戻れたのなら、ひょっとして他のヴァンパイアも人間に戻れるかもしれないと思いエドワードは協力することにした。

ライオネルやオードリー達、人間の隠れ家に到着すると、仲間のジャービスがヴァンパイアから隠れている外の人間を迎えに行くところだった。「途中経過は無線で連絡を取る」とジャービスは言い、バンに乗って出て行った。
隠れ家は、オードリーの両親が営んでいたワイナリー(ワインの醸造所)で、中にはヴァンパイアから逃れた人間達が大勢保護されていた。
エドワードは、早速ライオネルの血を採取し研究を始めた。「日焼けの程度をコントロールする必要がある」と考えたエドワードは、ワイナリーにあったワイン発酵タンクに目を付けた。タンク内は密封されており、炎を逃すファンも備わっていたので実験に打ってつけだと思ったのだ。そしてタンクに手を加え実験準備を整えていった。
その頃、外の人間を迎えに行ったジャービスが、待っていた人間と落ち合い、彼らを隠れ家まで運んでいた。ジャービスの隣の助手席にはチャールズの娘アリソン・ブロムリーが乗っていた。
彼女は、父チャールズから永遠の命を授かれるヴァンパイアになることを求められたが、「人の血を吸って永遠に生きるのはいや、人間のままでいたい」とそれ拒否し父の元から逃げていたのだ。人間がヴァンパイアに噛まれるとヴァンパイアと化してしまうが、アリソンは人間でいることを望み、噛まれるのを拒んだのだ。
その時、タイヤが何者かに撃ち抜かれパンクして急停車した。ジャービスは「ヤバい」と呟き、クロスボウを手に車から降りて辺りを窺った。
アリソンも彼に続いて車から降りた。その時、暗闇の奥から睡眠剤が塗られた小さな矢がジャービス達を目がけて飛んできた。それは、待ち伏せしていたヴァンパイアの軍隊の兵士達が放ったものだった。
ジャービス達は必死で応戦したが、兵士達に包囲され身動きできなくなった。結局アリソンも含め全員が睡眠剤が塗られた矢に倒れ捕まってしまった。
アリソンのそばに落ちていた小さな通信機を兵士のフランキーが見つけ手にすると、「どうしたんだ。聞こえるか」とライオネルの声が聞こえた。フランキーはライオネルの問いには答えず、仲間の兵士に通信機の発信元の場所を調べさせた。
ジャービス達に良くないことが起こったと気付いたオードリー達は、ワイナリーにいては危険だと考え、急遽隠れ家を仲間の一人が所有する山小屋に移すことにした。

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ワイナリーのワイン発酵タンクの中で人間に戻る実験をするエドワード

ワイナリーから逃げ出す用意をしていたオードリーがエドワードに早く逃げようと急かすが、エドワードは「僕は残る。もうすぐ夜が明ける。実験をやる唯一のチャンスだ」と動こうとしなかった。
エドワードの言うとおりかもしれないと思ったオードリーはライオネルと共に残り、他の仲間を逃がした後に実験に取りかかった。
夜明けになり、ワイン発酵タンクに入ったエドワードは、水に濡れた毛布を体にかけ陽の光を浴びると全身から炎が上がった。猛烈な痛みにエドワードは叫び声をあげたが一度目の実験では何の変化も起こらなかった。エドワードは「もう一度やろう」と言い、二度目の実験を行ったが、やはり変化は起こらなかった。三度目も失敗し、四度目の実験が始まった。
その頃、ワイナリーの場所を突き止めた軍隊が近づいて来ていた。
四度目の実験で、エドワードの心臓が脈打ち彼は人間に戻ることができた。成功したと思った矢先、ワイナリーの扉が破られ、完全武装したヴァンパイア兵士達が侵入してきた。エドワード達は、間一髪のところでワイン樽の中に素早く隠れ、なんとか見つからずに済んだ。

ヴァンパイア兵士達に掴まったアリソンは、チャールズの会社に護送され数年ぶりに父と再会した。
「お前を助けたい。もう安全だ」とチャールズはアリソンを抱きしめたが、「私の人間の仲間はどうなるの」と彼女が聞くと「仲間達は救えん。気の毒に思う」と冷たく言われてしまう。それを聞いたアリソンは部屋で見つけたナイフのようなものを父の腹に突き刺し逃げ出そうとした。だが、父の部屋から出たところで待機していた兵士に気絶させられ小さな部屋に監禁されてしまった。
チャールズは、アリソンを説得できないならいっそ娘をヴァンパイアにしてしまおうと考え、フランキーに命じて彼女を襲わせた。
ヴァンパイアとなってしまったアリソンは、自分の腕を噛んで血を吸うという自傷行為に走り、サブサイダーに変異しつつあった。そして、チャールズに「これが望みだったんでしょ」と喚きながら襲いかかった。「私と同じにしてやる」とチャールズの首に噛みつこうとしたが、ヴァンパイア兵士に阻止された。
チャールズは、仕方なくサブサイダーとなった娘を太陽の光に晒し死なせることにした。
フランキーは、自分が噛んだことでヴァンパイアになったアリソンが、自らサブサイダーと化し、陽の光をあびて悲鳴を上げながら焼け焦げ朽ちていく様を目にして複雑な思いに駆られた。

人間に戻ったエドワードは、オードリー達と共に新たな隠れ家である山小屋に向かったが、ヴァンパイア兵士達に先回りされていたのか、仲間は全員殺されるか捕獲されてしまっていた。
気落ちしたオードリー達だったが、エドワードは「頼れる奴がいる」と言い、仕事仲間だったクリストファーに協力をあおぐことにした。
クリストファーが仕事を終えて自宅に戻ると、エドワード、オードリー、ライオネルの3人が待ち構えていた。エドワードは、自分が人間に戻れたこと、代用血液より良い治療法があることをクリストファーに話した。そして、「その治療法を実践するには君の力がいる」と彼に協力を求めてきた。
エドワードの話が信じられないクリストファーは「どんな方法だ」と聞くが、その時、彼の携帯電話が鳴った。携帯電話を手に取ったクリストファーは「別れた妻からだ。揉めててね。ちょっとあちらで話す」と席を立って隣の部屋に移った。
不審に思ったオードリーが隣の部屋に行くと、突然、催眠剤入りの矢が彼女の胸に当たり倒れてしまった。そしてヴァンパイア兵士が現れ、彼女を連れ去っていった。クリストファーがエドワードを裏切り、隙を見て軍に連絡を入れていたのだ。異変に気付いたエドワード達は、ヴァンパイア兵士達にクロスボウで応戦したが、勝ち目はないと判断し、後で彼女を助ける方法を考えることにして逃げだした。地下道を逃げていくエドワード達を一人の兵士が目に停めた。
エドワード達が逃げ込んだのは、ライオネルの自動車修理工場だった。ガレージに入り電気をつけると、目の前に一人のサブサイダーがいて、エドワードに襲いかかってきた。だが、後を付けてきた兵士によってサブサイダーは倒された。兵士は、エドワードの弟フランキーだった。

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元ヴァンパイアで今は人間に戻ったライオネルに噛みつくフランキー

ライオネルはフランキーに向けてクロスボウを構えたが、互いに撃ちあう気配はなかった。
エドワードは、「俺は人間に戻ることができ、お前も人間に戻せる」とフランキーに言うと、彼は少し戸惑った。そして、なぜ自分が兄をヴァンパイアにしたかを話し始めた。
10年前、重い病気で兄のエドワードは助かりそうになかった。ヴァンパイアとなっていたフランキーは兄に生きてて欲しいと思い、兄に噛みついて彼をヴァンパイアにした。しかし、今になって自分の行為は間違っていたのかも知れないと思い始め、「俺は過ちを犯した」と悔いるように言った。
フランキーはアリソンの死を目にしたことで、ヴァンパイアでいることが果たして良い事なのかどうか迷いが生じていたのだ。
エドワードが、捕らわれたオードリーを救出するために「手を貸してくれ」と頼むと、フランキーは無理かもしれないが兄のためならと「分かった」と返事した。
フランキーが協力してくれると分かり気を許したライオネルが彼に近づくと、急にフランキーの目が血に飢えたようにライオネルの首筋の肌を見つめ、噛みつき血を吸った。慌てたエドワードは、ライオネルからフランキーを引き離したが、フランキーは床にひざまずくと突然ウウッウワッと呻きだした。

エドワードは一人でブロムリー=マークス製薬会社のビルの前に現れた。警備員に連行され、社長室に入ると、チャールズの傍らに血を抜き取られているオードリーがいた。
人間となったエドワードは、チャールズに「人間として生きるのに耐えられない。人間のままでは自由がない。助けて欲しい」と不可解なことを言い始めた。その上「僕とオードリーをヴァンパイアにして逃がしてくれたら、家畜として人間を増やす方法を教える」と言い出す。オードリーは驚き、エドワードをなじった。
だが、「その必要はもうない」とチャールズの返事は冷たかった。「安定した代用血液を造ることに成功したのだ。開発したのはクリストファーだ」と代用血液の入った瓶をエドワードの前に突き付けた。「お前はもう必要じゃないんだ。お前は元々腰抜けだった」とチャールズがエドワードを嘲ると、「腰抜けはどっちだ。自分の娘をヴァンパイアにするのに、自分じゃできず僕の弟にやらせたアンタのほうが腰抜けだ」とエドワードが言い返した。
それを聞いてカッとなったチャールズはエドワードの首に噛みつき血を吸った。

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人間に戻ったエドワードに噛みつき血を吸うチャールズ

エドワードの血を吸ったチャールズは急に体を震わせ苦しみだした。そしてチャールズは人間に戻った。
エドワードはチャールズに「人間に戻った元ヴァンパイアの血が、ヴァンパイアを人間に戻す“治療法”だったんだ」と言った。修理工場のガレージで元ヴァンパイアのライオネルの血を吸ったフランキーが人間に戻ったことで、そのことを発見したエドワードがわざとチャールズに自分の血を吸わせたのだ。
「これでアンタも人間だな。死ぬ運命だ」とエドワードは言うと、呻くチャールズを椅子に縛り付けエレベーターに乗せた。エレベーターが地階に到着し扉が開くと、駆けつけてきたヴァンパイア兵士達がいた。彼らは、チャールズが人間に戻ったと気付くと、一斉に彼に襲いかかり体を引き裂き血をすすった。
オードリーを救い出し、ビルから逃げ出そうとしたエドワードは、行く手をヴァンパイア兵士達に阻まれた。その時、ビルの玄関ドアをぶち破って車がロビーに突入してきた。乗っていたのはフランキーだった。エドワード達の応援に来たのだ。
だが、フランキーはヴァンパイアの兵士達に取り囲まれ、逃げることも出来ずに体を食いちぎられ殺されてしまった。フランキーの血を吸った兵士達は人間に戻ったが、彼らもまた後から来た兵士達の餌食となった。それが繰り返され、ロビーは阿鼻叫喚の血の海に染まっていった。
何とか生き延び、ロビーに立ちすくむエドワードとオードリーの目の前で、人間に戻った残りの兵士が突然現れたクリストファーに銃で撃ち殺された。
クリスファーは、「治療法などない。あってはならない。俺を恨むな」と言い、銃をエドワード達に向けた。自分が開発した代用血液が無意味になることに我慢できなかったのだろう。だが、助けに来たライオネルのクロスボウに胸を射られ、クリストファーは炎を上げて木っ端微塵になった。

エドワードは、「治療法がある。必ず君たちを治す。まだ遅くない」と希望を抱き、オードリーやライオネルと共にヴァンパイア達を人間に戻すために旅立つことのした。

『デイブレイカー』の登場人物・キャラクター

エドワード・ダルトン(演:イーサン・ホーク、吹替:宮本充)

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35歳の時に弟のフランキーに血を吸われヴァンパイアとなった。ブロムリー=マークス製薬会社の血液研究班主任として働き、ヴァンパイアのための代用血液の開発に取り組んでいる。望んでヴァンパイアになったわけではないせいか人間の血を吸うことを嫌い、豚の血を代わりに飲んでいる。
偶然知り合った人間のオードリーの仲間ライオネルがヴァンパイアから人間に戻ったと知り、彼らと共にヴァンパイアが人間に戻る方法を探る。
どうもヴァンパイアでいることに嫌気がさしており、人間に戻れるなら早く戻りたいと願っているようだ。

ライオネル・コーマック(演:ウィレム・デフォー、吹替:江原正士)

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