ゆるめるモ!(You'll Melt More!)とは【徹底解説まとめ】

ゆるめるも!(You'll Melt More!)とは、フリーライターの田家大知がももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」に触発されて、「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマとして自ら街頭でスカウトして集めてきたメンバーで結成された女性アイドル・グループ。名前の由来は「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味が込められている。

ミュージック・ヴィデオはおなじみの加藤マニ監督で制作されている。「モイモイピースダンス」と名付けられた振付の担当は、PUFFYや乃木坂46など数多くのアーティストの振付でも知られる南流石氏。南流石氏は日本のロック・バンド「JAGATARA」の元メンバーでもある。舞台になったファミレスの客はエキストラとして参加したゆるめるモ!のファンが演じている。

南流石氏:今回私は、ゆるめるモ!に初めて会ったんですけど、最高の振り付けの時間でした。適度にゆるく、振り付けを覚えるのがめちゃ早く、ひとりひとりがちゃんと真剣にライブと音楽に向き合ってるというのを、直接会ってみてすごく感じました。私はこれからはゆるめるモ!を応援する皆さんと同じ一員になりたいと思います。最初にゆるめるモ!の振り付けのお話しをいただいたときに、まず私はすぐライブ映像を観ました。そして彼女たちが、アイドルとかミュージシャンとかアーティストとか、いろんな枠に入ってないことにすごく興味を持ちました。ということは、すごく可能性があるということですね。これからどこにでも飛んで行ける可能性を感じて、すごく面白いなと思って、参加することを決めました。私は振付師なんですけど、実はJAGATARAというバンドをやっていたミュージシャンの側面もあります。そして私がやってきた音楽、私が大事にしてきたJAGATARAのバンドメンバーや音楽を、今回プロデューサーの田家さんをはじめ、みんながすごく大事に思ってくれてるということがわかり、より一層ゆるめるモ!が、身近に感じれました。
今回のモイモイピースダンスは、たくさんのピースのダンスをつなげていこうというコンセプトで作ってみました。ゆるめるモ!もファンの皆様も、応援されるのではなく、お互いに応援し合おうと。ちっちゃいピース、大きいピース、人間ピース、いろんな形のピースが出てきます。人それぞれピースの形は違うけど、みんなで絶対に自分のピースを離さないようにつかんで、そしてそのピースを広げていこう。みんなでつながろう。というコンセプト通りの振り付けになってます。いろんなピースの形が何個出てくるかチェックしてね。ぜひみなさんにこのダンスを覚えていただいて、ライブ会場で一体となって、大きなピースができたらいいなというふうに、南流石、心より思っております。

*南流石(みなみさすが):日本の振付師。神奈川県藤沢市出身。芸名の名付け親は桑田佳祐。1980年代に活動していたバンド「JAGATARA」のメンバーであり、コーラス・ダンサーとして参加していた。解散後には、同バンドのメンバーらと組んだ「TANGOS」というバンドでもボーカリストとして活動していた。

南流石氏。

南流石 振付CM。

*JAGATARA(じゃがたら):1979年に活動を開始した伝説的な日本のロック・バンド。エログロ的なライヴが話題になることも多かった。パンク、歌謡曲、ファンク、組曲風の楽曲、とヴァラエティに富んだ音楽性を有していた。ヴォーカリストの江戸アケミが一時期精神的不調に陥り活動を休止するが、インディーズからメジャーに移籍し、今度はアフロ・ビートを取り入れた音楽を聴かせてくれたりもした。江戸アケミの事故死によりバンドは解散。後にベーシストだった渡邊正己、サックスの篠田昌已も亡くなっている。

JAGATARAのアルバム「南蛮渡来」。

中央が加藤マニ監督。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――「モイモイ」の振り付けは南流石さんですが、私の世代にとってはJAGATARAのメンバーでもあったすごい人です。南流石さんに初めて振り付けをしてもらった感想はいかがでしたか?

しふぉん:わかりやすかったです。いい意味で徹底的に決めてて、隙がなくて。ライブの動画を見てくださっていて、私たちのレベルもわかっていて、「伝えたいことがそれぞれあるんだよね」と言ってくれて。角度すら細かく決まっていたので、質問することもなくできました。

けちょん:楽しかったです(笑)。振り付けの一個一個の意味を教えてくれて、「ピースは逃さないように腕をつかんで」とか、そこまでポーズの意味まで細かく考えてくれて教えてくれる人は今まで居なかったので嬉しかったです。

あの:わかりやすくて、ダンス全然得意じゃなくてもすぐできます。

ようなぴ:ハッピーな気持ちになりました。「モイモイ」ができたときに、この曲はゆるめるモ!にとって長く大切な曲になると思って、「振り付けはどうしよう?」となったときに田家さんが流石さんにお願いしてくれて。振り付けをしてもらったときに「きたー!」と思いました。ライブでのお客さんとのコミュニケーションも含めて、良いものを作れるという確信が持てました。これからのツアーが楽しみです、ワクワクしてます。

――「モイモイ」のMVのほかに、メンバーによる「モイモイ踊ってみた」も公開されるそうですね。

しふぉん:あのだけTake 3まで撮って(笑)。

あの:踊ってたら何も考えなくなっちゃって、いつの間にか適当に踊ってました2takeぐらい。最後はしっかり踊れました。

しふぉん:流石さんは撮影も見てくださって。

ようなぴ:「ここは撮り直そう」と言ってくれたんです。

――今回、どういう経緯で南流石さんにお願いしたのでしょうか?

田家:みんなが踊りやすい、かつわかりやすいものって、すごく難しいと思うんですけど、流石さんの手がけたPUFFYさんの振り付けってまさにそうじゃないですか。なのでダメ元でオファーしたら、すごく興味を持っていただけて、「すぐにお会いしたい」と言ってくださって。送ったライブ動画も全部見てくださったんです。あとは僕が単純にJAGATARAが大好きで、影響も多く受けているので、このタイミングでぜひと思って。

――「モイモイ」のMVは、ファンのみなさんと踊っていますね。みんなで踊るのはどういう感覚だったでしょうか?

ようなぴ:すごく楽しくて、現場の雰囲気も良くて。ライブに来たことのない人もいたけど和やかで、撮影時間が長くても、みんな最後まで嫌な顔をせずに付きあってくれて、いい作品ができました。ファンの人とひとつの作品を作れました。次はライブハウスでやって、もっと大きなものを作れるかなと思いました。

あの:覚えるのが早い。そんなに時間もなかったのに、完璧だったので仕込みかと思いました(笑)。若い女の子が多くて、それも嬉しかったです。

田家 応募の半分以上が10代の女子でしたね。

けちょん:演技がうまくてビックリしました(笑)。

ようなぴ:お客さんが怒ってるシーンとかあるんです。

けちょん:一体感があってとても楽しくて、やってよかったなと思いました。

しふぉん:「ありがたいや」と思うポイントがたくさんあって。たとえば、触ったり変なことができる距離感なのに、純粋にMVを作ろうとしてくれる人たちだけだったことに感動しました。親子で参加してくださった方もいて、ゆるめるモ!が広がってきてるなと嬉しかったです。


キャッチーでポップな楽曲。グラム・ロックの影響が垣間見れる。

ゆるめるモ!「モイモイ」。

ゆるめるモ!がモイモイ踊ってみた。

03. うんめー
作詞:大森靖子
作曲:大森靖子
編曲:ハシダカズマ
Guitar&Bass&Programming:ハシダカズマ

ゆるめるモ!のファンでもある大森靖子による初の提供楽曲。あのが大森氏の楽曲にゲスト参加したり、大森氏がゆるめるモ!のライヴに飛び入り参加して「ナイトハイキング」を共演したり、ツー・マン・ライヴを行ったりといった縁が今回の楽曲提供に繋がっている。

大森靖子氏:(「歌詞には5年後、10年後には使われてなさそうな言葉がバンバン出てきますよね」という質問に対して)それは、すぐリリースできることがありがたくて。アイドルのゆるめるモ!の『うんめー』という歌を書いた時に、「ポテチコンビニから消えた」って歌詞から始めたんですよ。その状況も一カ月も続かないじゃないですか。結構アイドルの方は近々のスケジュールで制作することが多くて、すぐリリースできて本当にありがたいなと(笑)

田家氏:大森靖子さんが4人に会って、雑談をずっとしてて。「休みの日何してるの?」とか「好きな色は何?」とか「好きな食べ物は何?」とかずっと話して、そうしたら大森さんが「もう大丈夫、書けます」と言って。会話に出てきたことが絶妙に歌詞に出ていて、すごいなと驚きました。もちろん大森さんのオリジナルの言葉もありますけど、4人にすごく溶けこんでいる空気感だと思いますね(Real Sound:2017年12月2日)。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――「うんめー」は大森靖子さん作詞作曲、ハシダカズマさん編曲です。「うんめー」は「運命」の意味なんですね。<僕は誰より 僕になりたい>という歌詞が印象的です。

あの:それ、ぼくも好きな歌詞です。よくインタビューや誰かに何になりたい?と聞かれた時、他の誰でもない僕は僕になりたいと答えることしかできなくて、大森さんに「何になりたい?」と聞かれたときも、「自分は自分になりたいです」と話しました。話し合いというよりも、大森さんが4人に聞きたいことをバンバン聞いてくださって、答えていく感じでした。

ようなぴ:「好きな食べ物なんですか?」とか「休みの日は何してる?」とか、日常的なことが多かったです。
けちょん:「好きなものは?」とか「普段何してるのか?」とか、こんな感じで曲を作っていく方なんだな、と新鮮でした。

しふぉん:いい意味で構えないでいられました、委ねたというか。それぞれも自然体で、ひとりひとりを知ってもらおうとしました。「大事にしてもらえてるな」と嬉しかったです。

名曲。特にサビのメロディは素晴らしい。歌詞にしても例えば「私へ」の「私で いることを辞めないでくれて ありがとう」にリンクするようなフレーズがあり、「モイモイ」と同じくキャッチーでポップで、でもそれだけではない深みがある楽曲。

ゆるめるモ!「うんめー」。

04. 我が名とは
作詞:小林愛
作曲:田家大知・松坂康司
編曲:松坂康司
Programming:松坂康司

日本的な古風な単語を使用した歌詞になっているが、これはゆるめるモ!のメンバーからのリクエストが反映されている。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――「我が名とは」は小林愛さん作詞、田家大知さん・松坂康司さん作曲、松坂康司さん編曲で、アルバム・タイトル通りのディスコサイケデリカです。小林愛さんの作詞も「モイモイ」と作風がガラッと変わって硬い言葉が多いですね。<我が名に夜明け求める者 闇夜の濃さに怯えるな>とか。

しふぉん:「古風な感じにしてください」とお願いしたんです。曲を聴いてそう感じたので。

ようなぴ:「和」の感じでお願いしました。

田家:サビのメロディがオリエンタルだからですね。

――田家さんは今、メンバーの意見には介入してるんですか?

田家:今はメンバーの議論をまとめる立場ですね。こういう成長は嬉しいですね、僕が何から何まで決めていた頃より、有機的なものが生まれて。

「スキヤキ」をもう少しエレクトリックにしたような楽曲。曲の構成もどことなく「スキヤキ」に似ている。作家陣が全く同じということもあるだろうが、ある程度意識はしていると思われる。

05. デテコイ!
作詞:ハヤシヒロユキ
作曲:ハヤシヒロユキ
編曲:ハヤシヒロユキ
Guitar&Programming:ハヤシヒロユキ

セカンド・アルバム「YOU ARE THE WORLD」に収録されていて「不意打て!!」以来、約1年7ヶ月ぶりとなるハヤシヒロユキ氏提供による楽曲。

エンディングはフェイド・アウトしていく楽曲となっている。2018年11月1日現在、ゆるめるモ!の楽曲でフェイド・アウトしていく楽曲は以下の4曲となっている。
・私の話、これでおしまい
・NNN
・睡魔
・デテコイ!
このうち、歌唱のままフェイド・アウトしていくのはこの「デテコイ!」だけである。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――「デテコイ!」は、POLYSICSのハヤシヒロユキさん作詞作曲編曲です。「デテコイ」は「出てこい」なんですね。

ようなぴ:この曲はポジティブで、目の前の人に対してでもあるし、遠くだけど手が届かないわけじゃない人にも聴いてほしいな。ハヤシさんと振り付けを考えました、みんなでライブで楽しめると思います。

あの:「かわいいな」と思いました。ハヤシさんが作ってくれる曲は全部楽しいけど変わったテンポや曲調が多くて。けど今回はキャッチーでアニメソングに使われてる曲みたいで、ハヤシさんの曲でも新鮮で楽しい曲になってます。

田家:「ゆるめるモ!らしさもありつつ、ちょっとエモい感じで」と伝えたんです。

けちょん:ハッピーでエモさもあって、振り付けをメンバーと考えてるときも面白いのばっか詰めこんでて。みんなで楽しみたい曲だと思うし、引きこもってる子に「出てこい、もっと楽しいところがあるよ、いろんな世界を見てほしいな」と伝えたいです。

しふぉん:ちっちゃい子も真似しやすいし、家族で楽しめて、いろんな世代に響くと思います。歌詞も注目してほしいけど、ライブで本当の楽しさがわかる曲だと思います。

ハヤシ氏らしい、目まぐるしくて忙しなくて、ハッピー感溢れるエレクトリック・ポップ。ゆるめるモ!らしい楽曲のひとつと言えるだろう。

ゆるめるモ!けちょん・ようなぴが「デテコイ!」を踊ってみた。

06. ミュージック 3、4分で終わっちまうよね
作詞:小林愛
作曲:田家大知・M87
編曲:M87
Guitar&Programming:M87

歌詞に登場する罵詈雑言は、実際にゆるめるモ!のメンバーが浴びせられたもので、歌割で担当している内容がそのまま各メンバーが受けた内容となっている。

ライヴの定番曲の一つであり、観客と一緒になって踊って盛り上がる曲でもある。

田家氏:面白い試みができたなと思いますね。メンバーと僕の会話の中で「面白くない?」みたいな話になって、「みんなどんなこと言われたの?」って聞いて集めて、愛ちゃんに送ったらこんなにもいい歌詞にしてくれました。転んでもただじゃ済ませないという感じがしますね(Real Sound:2017年12月2日)。

小林氏:只今発売されているゆるめるモ!のミニアルバム「ディスコサイケデリカ」に4曲歌詞を書かせていただいています。小林と申す女の者です。こんばんは。
このミニアルバムの中で「ミュージック 3、4分で終わっちまうよね」という曲があるのですが、この曲の歌詞は、少し前に出来上がっていたのが保留になっていたようで、1度完成させていた内容もぼんやり忘れてしまいそうな時、今回の「ディスコ~」に入るよって言われました。高速で仕上げたので直したかったのですが、その前後から体調を崩してしまい頭がぼんやりになり、気力がなくなっちゃって。。もう歌詞書けないなって思ったの覚えています。
でも、「ミュージック~」の歌詞は一応完成してるから別にいいか、、って思っていた時に何かの打ち上げで、メンバーのしふぉんちゃんと、お話する機会がありました。「ミュージック~、すごく気にいってます。メンバーと今この歌を歌わないでどうするんだって話してますよ」と言われて嬉しくてぎっくりしちゃいました。変な表現ですがほんと、ぎっくりと心が動いたのです。
そして、家に帰って、歌詞を書き直しました。ちょっとだけなんだけど、歌詞を書いている時に、「これはいけるな」という確信が久しぶりに脳みそにやってきてワクワクしました。幸せになったり、幸せにしてあげるのって急に出来ないじゃないですか。だから、最初は3、4分くらいからやっていきませんか。
この曲聞いている時くらい、励ましたいし楽しい気分になってほしいしアイドル嫌いゆるめるモ!知らないし興味ない人も、3、4分だけこの曲だけでいいから聞いてほしいな。
といういうような内容ですが、「ディスコサイケデリカ」は、全曲3、4分なので、結局、全曲聴いてね~という思いを込めてタイトルつけました~~。
ゆるめるモ!のみなさんへ
このミニアルバムの作家陣の並び、こんな凄いミュージシャンの方達に曲を作ってもらえる立場になったのに、未だに私に歌詞依頼してくれて本当にありがとう。7/23の赤坂ブリッツのライブ楽しんでくださいね。楽しみにしてますね!
※※
昔、イギリスでプライマルのボビーを見かけた時めちゃくちゃ寝癖ついてた。
(ひどもやま日記:2017年7月21日)。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――「ミュージック 3、4分で終わっちまうよね」は小林愛さん作詞、田家大知さん・M87さん作曲、M87さん編曲です。罵倒から始まるすごい歌詞だと思っていたら、<そうかも僕らのミュージック 気休めなんだ>と展開して、自分たちに向けられている罵倒を歌詞にしているんだとわかりました。

田家:「Aメロでは罵倒したい」とメンバーが言ったんです。過去に罵倒された言葉を具体的に入れて。

しふぉん:「そういうこともあったな」と凹むこともなく淡々と。

けちょん:「こんなのあったよね」「あるある」って。

ようなぴ:自分たちはきれいに進んできたわけじゃないから、自分たちのリアルなことを詰めたうえで「ここに立ってるんだよ」と伝えられたらいいなと思いました。

しふぉん:みんなも言われた言葉があるんじゃないかな?

――そういう歌詞を歌うのはつらくないですか?

しふぉん:これを普通に歌ったら悩んでる曲になっちゃうけど、笑い飛ばすのが自分たちにできることで。ゆるめるモ!だから歌ってるし、ゆるめるモ!なりの歌い方だと思うし、それはみんなで「やろう」と話しました。
――<どん底なのに 目の前の笑顔みると 僕らに出来ることがあるとか思っちゃう>という歌詞もすごいですね。

しふぉん:「できると思っちゃうんだよね」という感じが自分たちらしくて、感情移入できるし、今ライブでキラー・チューンになってるんじゃないかな。ひねくれた感じが気持ちを乗せやすいです。

ようなぴ:ファンの人にもかなり「良い」と言われます。振り付けもメンバーで考えて、初めて披露した日からみんな踊って楽しんだくれて。曲だけだと楽しい曲だけど、ゆるめるモ!として今歌うなら、歌詞はただ楽しいだけの方向にしたくないと思いました。

あの:楽しい方向にしたいしたくないという以前に自分たちが今現状の気持ちをのせるとそうなっちゃうんだと思います。この曲で楽しいだけの歌詞が来たら、みんな「歌いたくない」ってなると思います。自分たちの感情として。僕は嫌です。

――それは今の感覚として?

ようなぴ:永遠にそうな気がする。

しふぉん:そういうとこのこだわりが強いですね。気持ちを乗せられない曲になるとアレルギー反応が出ちゃうんですよ。

アッパーで元気モリモリな曲なのだけれど、歌詞がやはり凄まじい。こんなこと言われたらそう簡単には立ち直れないだろうに……。「そうかも僕らのミュージック 気休めなんだ」というフレーズは、「本当はそんなことないんだろう」という自信の表れ的な反語表現とも受け取れる。

ゆるめるモ!「ミュージック 3、4分で終わっちまうよね(Akasaka BLITZ Live Version)」。

07. 震えて甦れ(Remastered)
作詞:小林愛
作曲:田家大知・ハシダカズマ
編曲:ハシダカズマ
Guitar&Programming:ハシダカズマ
Guitar:上野翔

本ミニ・アルバムの約3ヶ月前にリリースされたシングル「孤独と逆襲EP」に収録されていた楽曲。

「ミニ・アルバム」に既存楽曲が収録されるのはこれが初めて。

本ミニ・アルバムに収録するに際して、リマスタリングが行われている。

*リマスタリング:マスタリングをやり直すこと。マスタリングとは、レコーディングされて、ミキシングされた音をレコードやCDにプレスするための原盤を作る作業であり、適切な音圧、音質にするための最終調整。リマスタリングはこのマスター・テープから再度音を起こし、音圧、音質の再チェックや、ノイズがあった場合はそれの消去などを行う。

2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。

――小林愛さん作詞、田家大知さん・ハシダカズマさん作曲、ハシダカズマさん編曲の先行シングル「震えて甦れ」は、<霧がとぎれ 消えていく>の箇所からファンキーになるのも『ディスコサイケデリカ』っぽいですね。半年ぐらい歌って、どんな楽曲になってきましたか?

ようなぴ:わりと挑戦曲であるという認識は変わらなくて。あれを出した時期はゆるめるモ!として一番つらい時期で、それを乗り越えたから今があると思います。4人になったことが、自分たちが思っている以上に世間の目には大きいんだなという実感があって、4人としての形をもがいて探してました。

あの:ああいう曲調で「Only You」みたいに長くなくて好きです。

――「Only You」は長くて好きじゃないんですか?

あの:わからない(笑)。「震えて甦れ」は、個人的にサウンドにも少しこだわったから、自分たちの歌がないバージョンも好きです。

けちょん:最初はファンの人たちもついてこれなくて、おどおどじゃないけど乗り方に困ってるように見えたけど、今は難しい曲なりに一緒に楽しんでくれて嬉しいです。あのが言ったみたいに曲自体がかっこいいから、バンドでやるとかっこよさがさらに際立つ気がします。

ようなぴ:むしろオケよりバンドさんとやってるときのほうが好きです。

しふぉん:いまだにつかみが薄い印象はありますけど、納得して出した曲だし、自分たちで歌っていてかっこいいと思ってるし、他のアイドルさんに渡して歌ってほしいぐらい自信があるんです。いまだにアイドルイベントでやるとポカーンとされて、あっけにとられつつ見てくれてるのが面白くて楽しいです。ゆるめるモ!を好きな人はどこかで乗ろうとしてくれるし、セットリストに入れるといいスパイスになるんですよ。

これまたケッタイな楽曲を作成してきたなぁ、というのが第一印象。プログレッシヴ・ロック・バンドが変拍子を屈指しながらハード・コアを演奏し、アヴァンギャルドに攻め込んでいる途中で思い出したようにミラー・ボールが回るディスコの雰囲気を挟み込み、情熱的でドラマティックなメロディで決意を歌い上げる、といった風情。「志の墓場」とか「優しい気持ちが弱い気持ちに塗り替えられる」とか「隣で寝ているお嬢さん、どうする?」といった歌詞は、挑発的でもあり狼狽させられる内容でもありながら、力強い決意表明でもある。複雑で歌いこなすのに苦労しそうな楽曲ではあるが、ライヴでの定番曲になっていく。

08. 永遠のmy boy
作詞:Sundayカミデ
作曲:Sundayカミデ
編曲:告井孝通
Guitar&Programming:告井孝通

Sundayカミデによる初の提供楽曲。

*Sundayカミデ(サンデーカミデ):日本の音楽家、ミュージシャン。大阪府出身。「ワンダフルボーイズ」でボーカルを担当、「天才バンド」で鍵盤、ベースを担当している。ソロとしては、ピアノ弾語りLIVEを中心に活動。

ワンダフルボーイズ「One music all right!!!」。

*告井孝通(つげいたかみち):愛知県出身のミュージシャン(音楽プロデューサー、ギタリスト。1973年に結成された日本のロック・バンド「センチメンタル・シティ・ロマンス」の元リーダーだった告井延隆の息子。ゆるめるモ!の2017年11月29日リリースのサード・アルバム「YOUTOPIA」に収録されている「歩くの遅い犬」では、あのと共にギターを弾いている。

天才バンド「Joy to the world!」。

はなわ「はなわ音楽会VOL.2 ダイジェスト」。
向かって一番左でギターを弾いているのが告井孝通氏。

yamada3desu
yamada3desu
@yamada3desu

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