世界一初恋(セカコイ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『世界一初恋』とは、中村春菊が角川書店の雑誌「エメラルド」で連載しているボーイズラブ漫画・小説、アニメ。
少女漫画の編集部を舞台に、5組のカップルが繰り広げるドタバタ恋愛劇を描く。
小野寺出版の跡取り息子・小野寺律(おのでら りつ)は丸川書店に転職したが、文芸ではなく少女漫画を扱うエメラルド編集部に配属されてしまう。そしてエメラルド編集部の編集長・高野政宗(たかの まさむね)は、高校時代に律が初めて付き合った初恋の人だった。

徹夜明けで漫画を仕上げ、千秋は優とふざけて抱き合っていた。それを目撃した羽鳥は、持ってきた食材を置いてその場から立ち去った。
千秋はメールで謝ったが1週間も連絡がなかったため、ちゃんと謝ろうと羽鳥のマンションを訪ねた。
羽鳥が怒っていたのは、締め切りが遅れたことでなく優と抱き合っていたことだった。

千秋が優と温泉旅行に行くことを羽鳥に話すと「その日は何の日かわかっているのか」と怒り、またけんかになってしまった。
千秋はけんかをしたまま温泉に行ったが、優が用意したバースデーケーキを見て羽鳥が何に怒っていたのかが分かった。
その時、仕事の用事で羽鳥から電話があり、最後に「誕生日おめでとう」と言われ堪らずタクシーで羽鳥のもとに向かった。
突然家に来た千秋に羽鳥は驚き喜んだが、優と温泉に入ったことを聞いて不機嫌になる。羽鳥がヤキモチを妬いたことが嬉しい千秋だった。

小野寺律と高野政宗3

律は残業帰りに立ち寄った図書館で、本の返却に来ていた政宗に10年前のことをどれくらい覚えているのか聞かれた。その時政宗が自分の告白前から律を知っていたことを聞き驚いた。

マンションに戻ると、政宗の部屋から猫を抱いて出てきた横澤が「政宗の周りをうろつくな」と警告し、婚約者がいるのに政宗に告白した律が悪いと責め立てた。
部屋に戻る時に横澤が「猫のそら太を預けに来た」と政宗に言ったのを聞き、高校時代に政宗が拾った猫をなぜ横澤が飼っているのか不思議に思った。

政宗が近くにいると動揺してしまうのを自覚した律は、丸川書店は部署移動の融通が利くと聞いていたので、文芸編集部に異動を出そうか悩んだ。
政宗に異動の希望を聞かれ返答に困ったが、担当作家に「律が担当でよかった」と言われ異動しないことに決めた。

小野寺律と高野政宗4

律が「ブックスまりも」で新刊の売れ行きを見守っていると、営業部の横澤がやってきて政宗との関係をほのめかした。

担当作家の新刊重版に政宗は、お祝いをすると律を強引に部屋に連れ込んだ。酔っぱらった律は、政宗にからかわれてイライラすると自分の気持ちを吐いた。
翌朝、政宗のベットで目覚めた律は、昨晩の記憶がなく政宗からは意味深なことを言われてしまった。

誕生日のプレゼントに「ドライブがしたい」と言う政宗に、横澤と行けばいいのにと思いながら律は付き合った。
夜景がきれいな公園でキスをするが、横澤が気になる律は政宗から過去の話を聞く。大学時代横澤と恋愛関係だったと聞いた律は嫉妬してしまう。そんな律に「10年前から好きだった」と政宗は告白した。

吉野千秋と羽鳥芳雪3

仕事が忙しくピンチの千秋だったが、温泉旅行の途中で帰ったことを怒っていた優はそこにはいなかった。羽鳥が連絡してくれたおかげで優が来てくれ、なんとか無事入稿が完了した。ほっとした千秋は過労で倒れてしまった。
羽鳥の看病のおかげで復活した千秋だったが、失言してしまい羽鳥を怒らせてしまう。

優に湯布院に誘われた千秋は、羽鳥も誘おうと提案した。しかし優は気分を害し、怒りに任せて千秋が恋愛感情で好きだと言ってしまった。
優に告白されモヤモヤした千秋は羽鳥の家に行った。関係を終わらせたいのかとネガティブに考える羽鳥に、千秋は「同情や思いやりで男と付き合わない」と告白したのだった。

羽鳥に映画デートを仕事でキャンセルされた千秋は、気分転換に外出したが、羽鳥が昔の彼女と一緒にいるところを目撃してしまう。
イライラした千秋は優の家に泊まりに行き、さっき見たことを話し愚痴をこぼした。
そんな千秋を押し倒し、優はずっと好きだったことを告白した。しかし千秋は受け入れられなかった。
羽鳥は千秋の行動を軽率だと怒ったが、千秋は彼女といた羽鳥が悪いと責め立てた。彼女とは偶然会っただけだと知った千秋は、羽鳥を思った以上に好きなことに気づいた。

新年早々、律が企画会議を待っていると、婚約者の小日向杏(こひなたあん)から「フランスのお土産を渡したい」という電話が入った。帰りが何時になるか分からないからと断った。
政宗と一緒に帰ると、マンションの前で電話で断ったはずの杏が待っていた。
杏に嫉妬した政宗は律と言い合いになり、横澤の家に行くと言い出した。行って欲しくない律は「杏には好きな人がいると断った」と政宗を引き留め、嬉しく感じた政宗は律にキスをした。

純情ミステイク

丸山書店の御曹司である井坂龍一郎(いさかりゅういちろう)は作家になるのが夢で、体裁のために父親の会社に入社し、編集の仕事をしていた。朝比奈薫(あさひなかおる)は父が事業に失敗し、一家心中をしようとしたところを井坂の父に助けられ、以来井坂の世話役をしていた。

井坂は傷だらけの朝比奈に初めて会った時から、自分が守っていくと彼を思い続けていたが、朝比奈は自分の父が好きなのだと思っていた。
ある日、井坂は会社で先輩編集者たちが、自分の悪口を言っているのを聞いてしまい落ち込んでいた。何もかも上手くいかないことにネガティブになり、朝比奈に会いたいと思った。
家に帰って朝比奈に会うと我慢できず、彼を押し倒してキスをしてしまう。朝比奈に拒まれた井坂は、思ってもいないことを口にし朝比奈を傷つけた。
朝比奈は井坂の世話役をやめ、井坂の父親の秘書になってしまった。

しばらくして、朝比奈が丸川書店を辞めると聞いた井坂は、引き留めに朝比奈の部屋へ行く。怒る井坂に朝比奈は好きだと告白した。自分の父のことが好きだと思っていたのは井坂の勘違いだった。
お互いの気持ちを確かめ合い、朝比奈は秘書に復職し、井坂は作家にならず丸川書店のトップになることを決めた。
10年以上経ち、専務取締役になった井坂の横には朝比奈がいた。

小野寺律と高野政宗5

丸川書店の新年会の日、律の母から、友人の結婚式に出席している杏を迎えに行くよう電話が入った。忙しいので行けないと杏にはメールを送った。
新年会が終わって疲れて帰ろうとした律を杏が呼び止めた。杏は自分が婚約者だと言うが、律は妹のようにしか思っていなかった。杏に中学から好きだった人をまだ思っているのか聞かれた律は「そうだ」と答えた。
その時、政宗が2人に声をかけ、その様子を見た杏は怒って帰ってしまった。
政宗と車で帰った律は、さっきの杏との話を聞いていた政宗に、好きな人はいるのか聞かれた。「いない」と言って部屋に逃げ込もうとしたが、政宗に押し切られ身を任せてしまう。

木佐翔太と雪名皇2

木佐は恋人の雪名が、忙しい自分と会えなくても平気な様子に不安を感じていた。王子様のようで女の子にもてる雪名が、自分をからかっているのではないかと考えてしまう。
さらに、大学時代の友人がすれ違いが原因で10年付き合った彼女と別れ、別の人と結婚する話を聞いて思い悩んでしまった。

少しでもいいからと時間を作って会いに行くと、雪名が女性とホテル街に歩いていくのを目撃してしまった。
雪名が女性といることが自然だと思った木佐は、自分から消えた方がいいと思い、雪名のアドレスを消そうとした。そこに連絡がつかない木佐を心配した雪名から電話が入るが、彼女と会えばいいと電話を切ってしまった。
雪名から借りていた本を返そうと思ったが、彼の住所も大学も知らないことに木佐は呆然とした。

自暴自棄になった木佐が、クラブで知り合った男と出かけようとすると雪名が現れた。怒った雪名は、一緒にいた男を帰し部屋に木佐を連れ込むと理由を聞いた。木佐がホテル街で見かけたことを責めると、雪名は大学の友人に料理を教わる代わりに、ホテル街の近所にできた映画館へ行っただけだと説明した。

誤解は解けたが、雪名と付き合うことに自信が持てない木佐は別れを口にする。雪名は納得せず、自分のことを何も知らないと言う木佐に自己紹介し「木佐翔太が好きだ」とはっきり告白した。
2人は仲直りをし抱きしめ合いキスをした。

小野寺律と高野政宗6

以前、営業部の横澤の上司につぶされた新刊のフェアができることになり律は嬉しかった。苦手な横澤と打ち合わせなど増えるが、やる気を見せた。
政宗が風邪で会社を休み、心配で会社帰りに薬を買って渡そうとするが、案の定部屋には横澤がいて律の持ってきた薬を突き返した。律は「政宗のことは何でも知っている」という横澤と言い合いになった。
横澤が律の留学まで知っていたのに動揺し、政宗のことが「大嫌いだ」と言ってしまう。
それを聞いていた政宗は近所迷惑だからと2人を帰した。

昨日、律に何を言ったのか横澤に確かめた政宗は「律が好きだから何かするなら友達でいられない」と横澤に告げた。
横澤は政宗がすきなことを訴えるが、聞き入れてもらえず「友達でいたいから時間をくれ」と言ってその場を後にした。
政宗は図書館へ行った律を追いかけ、今までお互いに知らなかった話をたくさんした。
政宗は「自分が好きなのは今の律」だと言い、律も好きだと言うが雨にかき消されてしまった。一緒に帰宅した2人は律の部屋で一夜を過ごした。

翌日律は横澤に企画書を揉めてもらい、フェアの協力もしてもらえることになった。「政宗が嫌な思いしたら奪いとる」と言い残して営業部に去った横澤に、少し認めてもらった気がして嬉しかった。

政宗は会社に向かう途中、高校時代のことを思い出していた。
両親が不仲でいつも図書館にいた政宗は、自分のストーカーだと思っていた律に告白された。冷めた性格の政宗は、愛されて育ったであろう律に苛立ちを覚えたが、傷つけてやろうと付き合うことにした。
付き合ううちに、律は純粋で優しく、本当に自分のことが好きなのが政宗にも分かった。
自分の顔を見るだけで嬉しそうにする律を見て、自分の恋心に気が付いたのだった。
電車から降りた政宗は律の手を握り、律は自分の初恋だと心の中でつぶやいた。

劇場版 世界一初恋 〜横澤隆史の場合〜

丸川書店の営業部に努める横澤隆史は、大学の同期で親友の高野政宗に失恋していた。
自暴自棄になって居酒屋で飲み、朝目覚めると見知らぬホテルにいた。
昨日の記憶をたどっていると、シャワーを浴びたジャプン編集部の編集長、桐嶋禅(きりしまぜん)がガウン姿で現れた。
桐嶋は酔いつぶれた横澤の恥ずかしい写真を撮ったことを理由に、横澤を「下僕にする」と言った。

出社した横澤は、高野の初恋の相手で思い人の小野寺に遭遇した。彼のことは気に入らないが、まじめに働く姿は評価し高野との交際も認めた。
ジャプン編集部に行くと、桐嶋に捕まってしまった。ちょうどそこに高野の声が聞こえてそちらを見ていると、桐嶋が飲みに誘ってきた。

飲みに誘った理由を聞くと「プライドの高い奴をいじめるのが好き」と返ってきた。その時高野の名前が出たが、動揺を隠し飲み続けた。
店を出たところで「おごられたくない」という横澤に桐嶋はキスをした。

その日以来、桐嶋は横澤を食事や飲みに連れまわした。
業務後、桐嶋に家へ連れていかれた横澤は、彼の娘の桐嶋日和(きりしまひより)を紹介された。日和は10歳で、母親は日和の出産時に亡くなっていた。横澤は3人で楽しく食卓を囲み日和と仲良くなった。
この日以来、横澤は桐嶋の家で夕食をとるようになった。

ある日、桐嶋の仕事が終わらず、夜1人で留守番をしている日和を心配して、横澤が桐嶋家に向かった。日和の世話をして寝かせると、桐嶋が帰ってきて礼を言った。早く帰れない自分を責める桐嶋を励ました横澤は、礼を言って微笑んだ桐嶋に心が動いていた。

自宅で猫のそら太の具合が悪くなり、動揺した横澤は思わず桐嶋に電話をしてしまう。
病院では年寄り猫のため、しばらく様子を見るよう言われ、日和が面倒を見ることになった。桐嶋家にそら太がお世話になることになり、横澤も強制的に同居することになってしまった。

横澤は喫煙所で会った高野に、今まで無神経だったと謝罪を受けた。気にしていないと明るく振舞い、恋は叶わなかったが友達でいたいと思った。
横澤の様子を心配してくれた桐嶋に、暴言を吐いた横澤はそら太のいない自宅に戻り、なぜあんなことを言ってしまったのか後悔した。

桐嶋に振り回されていたことが、少しも嫌でなかったことに気づいた横澤は、桐嶋家を訪れ
正直な自分の気持ちを告白した。桐嶋は夢かとぼんやりしていたが、横澤を丸ごと受け入れることを伝え、2人はキスをした。

劇場版 世界一初恋 〜バレンタイン編〜

横澤隆史と桐嶋禅

横澤はバレンタインムードの社内で、女性社員に囲まれてチョコをもらう恋人の桐嶋禅を見かけた。
彼の娘の日和からメールをもらい家に行くと、一緒にチョコを作りたいとお願いされガトーショコラを作った。帰ってきた桐嶋は日和からの手作りチョコを喜び、横澤にも催促する。「義理だ」と横澤は照れながらチョコを渡した。

吉野千秋と羽鳥芳雪

羽鳥は、毎年手作りチョコを千秋に渡していたが、今年は忙しく読者からのチョコを千秋に渡すため自宅を訪れた。
調理器具をかたずけていた千秋は、漫画のネタのためチョコを作っていたと言い訳した。
千秋が自分のためにチョコを作ってくれたことが嬉しかった羽鳥だが、先に優にチョコを渡したと知って千秋にベッドでお仕置きをした。

木佐翔太と雪名皇

「ブックスまりも」では、雪名にチョコを渡そうとする女性の行列ができていた。雪名は女性に本命がいるからもらえないとチョコを断った。
木佐を見つけた雪名は手作りチョコを渡す。喜んだ木佐が「何が欲しいか」と尋ねると、キスが欲しいとねだられた。木佐にはハードルが高かったが、「会えただけで嬉しい」という雪名に意を決してキスをした。
抱きしめられながら、雪名にこれからも初めての経験をもらっていくのだと感じた。

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