メアリと魔女の花(Mary and the Witch's Flower)のネタバレ解説まとめ

『メアリと魔女の花』とは、2017年に公開されたスタジオポノック制作のアニメーション映画だ。監督はスタジオジブリで「借りぐらしのアリエッティ」と「思い出のマーニー」を手がけた米林宏昌。キャッチコピーは「魔女、ふたたび。」。主人公のメアリは縮れた赤毛の女の子。不器用で何をやっても上手くできず、人から期待されることがなかった。失敗が続いたある日、メアリは森で魔法の花「夜間飛行」を見つける。そして魔法の世界に迷い込み、彼女の大冒険が始まる。

ティブの恋人の灰毛の猫で、ピーターの飼い猫。
ピーターと共にマダムに誘拐され、ドクター・デイに「変身魔法」の実験材料にされた。

【声のキャスト】
Lynn

コンフューシャス

赤い館でシャーロットが飼っている老犬。
メアリが遊びに誘っても興味を示さず、寝てばかりいる。
名前の意味は中国の思想家であり哲学者の「孔子」をラテン語化したもの。

『メアリと魔女の花』の用語

魔法の箒

かつては赤毛の魔女の所有物だった魔法の箒だが、魔女が魔力を失ったと同時に人間界の森へ墜落して長い間眠っていた。そして霧の森でメアリが「夜間飛行」を見つけ、花の力で再び目覚めた。箒という生物外のキャラクターだが、作中でこの箒にはちゃんと「個性」がある。エンドア大学の箒小屋の番人であるフラナガンになだめられると、甘えるようなしぐさを見せたり、メアリを迎えに来た時には、くるくる回って喜んでみたりする。メアリもそんな箒を「ほうきくん」と呼び、生物であるかのように扱う。

魔法の花「夜間飛行」

「夜間飛行」は、いつも青く光を帯びており、種はブルーベリーのような丸い形をしている。メアリー・スチュアート原作の「小さな魔法のほうき」でこの花は、ただ単にメアリに魔法の力を与えてくれる花というだけで、マダム・マンブルチュークやドクター・デイが追い求めるようなものではない。原作で2人がメアリを追う動機は、黒猫のティブを奪うことと、「魔法の神髄」を取り返すことだった。だが本作、『メアリと魔女の花』では「夜間飛行」の存在こそがメアリが追われる原因となっている。
この花は、赤い館のそばにある森だけにある7年に1度しか咲かない魔法の花で、魔女たちが探し求めたという伝説が残っている。かつて赤毛の魔女が発見し、魔法学校エンドア大学校長のマダムと、魔法科学者のドクターに見せてしまったことから、彼らが「変身魔法」に野望を抱いてしまうきっかけとなる。この花には触れたものに魔法の力を与えるという特性があったからだ。通常では「1日だけの力」であるが、マダムたちはこの花を研究し変身魔法によって「すべての魔法が使える存在」を造りだす、という危険な実験を始めてしまったのだ。だが、過去の彼らの実験は、赤毛の魔女が2人から「夜間飛行」の花の種を盗み出したことで失敗した。暴発した「夜間飛行」の力は、周辺の魔法の力を全て吸い取ってしまう。そしてこの爆発に巻き込まれた赤毛の魔女は、力を失い人間界に墜落したのだった。

魔法の本「呪文の神髄」

メアリがマダム・マンブルチュークの校長室で見つけた魔法の本。これにはありとあらゆる魔法の呪文が魔法文字で書かれている。物語の鍵となる「すべての魔法を解く呪文」をはじめ、「物を腐らせる呪文」や「腹痛を治す呪文」などユニークな呪文も書かれている。校長室に飾られた魔法がかかった「夜間飛行」の絵の中(魔法が解けると、中から本棚が現れる)に隠されており、通常は魔力を持った者が「ナハケラヒ(反対から読むと「開け花」)」という呪文を唱えることで開く。だがメアリは手のひらに「夜間飛行」の花からもらった魔力を持っており、それによって触れただけで絵が開いたのだ。

「夜間飛行」によって魔力を得た者に現れる、手のひらの痣。

魔法科学 高度呪文「変身魔法」

檻の中にいるのは、変身魔法で姿を変えられたギブだ。

マダム・マンブルチュークとドクター・デイが研究している、魔法科学で一番高度な魔法。呪文を唱えて姿が変わるといった魔法ではなく、様々な機械を使って生み出される魔法だ。エンドア大学での変身魔法の研究は、赤毛の魔女が在籍していたころに始まる。普通の変身魔法の研究あったのであれば、何も問題はなかったのであろう。だが、2人が始めたのは「すべての魔法が使える存在」を変身魔法で造りだす、といった危険なものだった。その実験には魔法の花「夜間飛行」が必要不可欠で、変身させる素材には大学の生徒たちが使われていた。赤毛の魔女が2人に研究をやめさせるために、「夜間飛行」の種を盗み出してからは、満足に研究が出来ておらず、メアリが花を持って現れるまでは動物実験を繰り返しては失敗していた。エンドア大学の学則「不法侵入者は変身の刑に処す」というのも防犯目的ではなく、裏では実験材料として扱っていたようで、ピーターと一緒に誘拐されたギブは、ドクターに変身魔法の実験材料にされてしまった。

『メアリと魔女の花』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「あんたも黒猫なんかに生まれて災難ね。不吉だなんて言われてさ…。でも、私も同じ。」

赤い館に引っ越してきて、大人たちを手伝おうとするも上手くできなかったメアリが言う台詞。「赤毛の縮れ毛だし、ランチを一緒に食べる友達もいないし、何をやっても失敗ばかりだし。私になんか一生いいことなんて起こらないんだー…きっと。」という言葉の後に続ける。それは「赤毛」の人物は、差別され、いじめの対象になることが多いからだ。これはキリスト教が布教される際に、それまでは信仰されていた雷神トール(北欧神話の神で、赤い髪をしている)が、邪神とされてしまったことが原因となる。これによりキリスト教徒たちに「赤毛は悪い」というイメージが浸透してしまったのだ。メアリが「ランチを一緒にする友達もいない」と言うのは、ただ単に「バカンスシーズンで子どもが村にいない」という意味なのだろうが、転校生のメアリには「赤毛」がコンプレックスであり、いじめられないかという不安もあったのだ。

「今のは40%くらいの力ですね」

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