ヱヴァンゲリヲン新劇場版(ヱヴァ)のネタバレ解説まとめ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とは、2007年から公開されているアニメ映画シリーズである。
1994-1995年のTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が原作。総監督はTVシリーズと同様に庵野秀明が担当している他、主要スタッフや声優もほぼ同一でリメイクではなく「リビルド(再構築)」作品。
全4部作予定で、現在3作目まで公開済み。巨大人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットの少年少女を主人公とし、人類の敵「使徒」との闘いや人間同士の争い、陰謀の謎解き、主人公の苦悩や成長を描いたストーリーである。

『破』

『Q』設定。

声 - 宮村優子

エヴァ2号機パイロットにして、第2の少女。『破』14歳→『Q』28歳。
日本人とドイツ系アメリカ人のクォーター。レイと同様に幼い頃からエヴァの専属操縦者として特殊教育・訓練を受けている。
レイとは対照的に強気で負けず嫌いの少女。旧シリーズでは姓は惣流だったが、本シリーズでは式波に変わっている。
後にシンジとレイのクラスに転校してくる。口癖は「あんたバカァ?」。
日本に来てからはシンジと共にミサトの家で同居することになり、共に行動するうちに惹かれていく。

『破』から登場し、当初はシンジのことを父親のゲンドウの七光りでパイロットになったとみなして「ナナヒカリ」と呼んでいたが、後に打ちとけ「バカシンジ」と小馬鹿にしながらも愛情を込めて呼び自身のことも「アスカ」と呼ばせていた。過去の経緯は語られていないが、当初は自分に絶対の自信を持ち、シンジやレイと慣れ合うことを拒んでいて、使徒は自分だけで倒せると豪語していた。しかし第8の使徒戦後、独りでは何も出来なかったことを認め、徐々に周囲に心を開くようになる。シンジとは同居するにつれ恋心が芽生え始め、『破』の終盤ではシンジのために料理を作ろうとするなど、普通の少女のような描写が見られるようになった。
レイのことはゲンドウに依怙贔屓されたパイロットとみなし、『破』では「エコヒイキ」と呼んでいた。しかし、ゲンドウの言いなりの人形だと思っていたレイが実際にはシンジに恋をするというれっきとした心を持った存在だと気がつき、認識を改めると同時に対抗意識も持つようになる。それでもレイやシンジに危害を加えることはなく、レイがシンジとゲンドウの仲を取り持つための食事会を開こうとしていることを知ると、一歩身を引いてその場をレイに任せた。
それらの経緯を経て、孤高だった自分も誰かと触れ合うことで笑顔になれることに気がつき、精神的に成長する。

しかし、その矢先に自身が乗るエヴァ3号機が第9の使徒によって侵食され、アスカを内部に取り込んだまま暴走。ダミーシステムによる自動操縦となった初号機により3号機は大破され、搭乗していたアスカはエントリープラグごと初号機に噛み砕かれた。 『破』では以降は生死不明のまま登場しなくなる。

その後、『Q』予告編で健在な様子を見せる。本編では28歳になっても「エヴァの呪縛」により14歳の外見のままで、上記のエントリープラグ破壊により左眼を喪失している。
終始シンジに対して攻撃的であり、より悪意を込めて「ガキシンジ」と呼ぶ。ミサトと同様に冷徹な性格に変貌しており、ろくに説明もせずにシンジにヒステリックな悪意を向けてばかりで、シンジの話はまったく聞こうとしない。『破』では周囲と触れ合うことに意味を見出し始めていたのだがむしろ悪化しており、以前よりも刺々しい。14年経っても精神的にはほとんど成長していないらしい。
しかし、それでもシンジを殺すには至らず、最終的には見捨てずに引っ張っていく様子が見られる。

真希波・マリ・イラストリアス(まきなみ・マリ・イラストリアス)

『破』

『Q』設定。右端のプラグスーツのみ『破』の設定。

声 - 坂本真綾

本シリーズから登場する新キャラクター。『破』から登場。
赤縁眼鏡が特徴的な少女。裸眼では視力はかなり悪いらしい。NERVユーロ支部所属のエヴァパイロットで、同じくユーロ支部に出向中だった加持リョウジとは面識があった。イギリス出身で日本語・英語のバイリンガルだが、日本語の方が話しやすいと語っている。

エヴァの戦闘をゲーム感覚のように楽しんで行うなど、非常に好戦的な性格。出撃時に『三百六十五歩のマーチ』を歌いながら移動したり、会話の語尾や掛け声などに猫を思わせるような「にゃ」という言葉を用いたりと、飄々としている。

『破』冒頭で仮設5号機搭乗時は暗緑色の旧型プラグスーツとヘッドギアを着用していたが、後に2号機への搭乗以降はピンク色の新型プラグスーツを用いる。

『破』冒頭でEVA仮設5号機に搭乗し、旧北極のNERV基地「ベタニア・ベース」で第3の使徒を撃破するが、仮設5号機も爆散してしまう(自身は脱出)。
その後、何者かの指令に従いパラシュートで極秘裏に第3新東京市へ潜入。シンジと偶然対面するが、シンジの体からL.C.Lの匂いを感じ取り、彼がエヴァパイロットであることを見抜いている。その際、何故かシンジのことを「NERVのわんこくん」と呼んでいる。
第10の使徒の襲来時にはNERV本部に侵入し、アスカの戦線離脱と共に封印されていたはずのエヴァ2号機を無断で起動させ、単独で出撃。第10の使徒相手に苦戦したために、エヴァのリミッターを解除する裏コード「ザ・ビースト」を発動させ、闘争心むき出しのパワーを披露。それでも第10の使徒には敵わず2号機は大破させてしまうが、吹き飛ばされた2号機が偶然シェルター内にいたシンジの眼の前に落下してきて再会。エヴァ搭乗を拒絶するシンジに闘いの強制はしなかったが、「そうやってイジけてたって、なんにも楽しいことないよ」と諭し、彼を避難させる。シンジをシェルターから出すと、シンジの眼の前でレイが零号機ごと使徒に捕食される瞬間を目撃することになり、結果的にシンジが戦場に戻るきっかけとなった。

『Q』ではアスカのサポート役に徹しており、アスカやシンジと同様「エヴァの呪縛」により歳をとらず、性格・容姿ともにほとんど変わっていない。アスカやミサトとともに「ヴィレ」に所属し、アスカのことは「姫」と 呼んでいて、アスカからは「コネメガネ」と呼ばれている。『破』と比べて目立った活躍は少ないが、ゲンドウのことを「ゲンドウくん」と呼んだり、アヤナミレイ(仮称)に対して「あんたのオリジナルはもっと愛想があった」と語るなど謎めいた発言も多く、現時点では正体は不明。

渚カヲル(なぎさ カヲル)

『破』登場シーン。

『Q』設定。

声 - 石田彰

『序』から登場している謎の少年。

『序』では、終盤に月面で棺の中から起き上がり、対面したことのないはずのシンジの名を呟いていた。
『破』では、中盤に月面でゲンドウが乗ったシャトルに向かって「おとうさん」と語りかけていた。 終盤では、初号機が覚醒した際にはエヴァンゲリオンMark.06で地球に舞い降り、カシウスの槍でサードインパクトを止め、「さあ約束のときだ、碇シンジ君。今度こそ、君だけは……幸せにしてみせるよ」と謎の言葉を語る。

『Q』で本格的に登場。
ゲンドウと冬月のみとなったネルフ本部に連れてこられたシンジの前に現れ、シンジはゲンドウから「その少年と共にエヴァ第13号機に乗れ」と指示される(第13号機はダブルエントリーシステムであり、二人で操縦する)。

旧シリーズと同様にこの時点では完全に孤立していたシンジに声をかけてピアノを連弾することで親しくなっていく。その後は故障したS-DATの修理、天体観測などを経て、短期間で友人となる。

エヴァ第13号機でセントラルドグマに降下した際、リリスとMark.06に刺さっていた槍が、2つともロンギヌスの槍であることを訝しみ、旧シリーズでは見られなかった動揺を見せる。シンジはカヲルやアスカによる制止も虚しく、槍を抜いてしまう。
カヲルは「まさか第1使徒の僕が13番目の使徒に堕とされるとは…始まりと終わりは同じという訳か」という言葉を漏らし、自身がフォースインパクトのトリガーであると察する。シンジに「また会えるよ」と笑顔で告げ、フォースインパクトを食い止めるために首のDSSチョーカーが爆発させ自決。その命をもって世界の崩壊を阻止した。

アヤナミレイ(仮称)

声 - 林原めぐみ

『Q』で登場。カタカナ表記と(仮称)まで含めて正式名称。
外見は綾波レイとまったく同じだが、『序』『破』に登場したレイとは別人のクローン体。故にシンジのことは情報として知っているだけで面識はまったくなく、本来のレイとシンジの間にあったことも知らない。レイとは対照的に黒いプラグスーツを着用。アスカは「綾波タイプの初期ロット」だと語っている。
ゼーレおよびゲンドウのもとで働いていて、旧NERV本部地下に設置されている粗末な小屋で生活していて、命令を待つ以外何もしない。
エヴァMark.09を操縦し、ヴィレの戦艦AAAヴンダーに監禁されていたシンジの前に現れ、彼を連行する。シンジから自分が過ごしたレイではないと知ったシンジから「綾波じゃない」と言われ、以降自分自身を模索する描写が見られる。その後エヴァ第13号機の護衛としてシンジとカヲルについて行き、マリ(8号機)・アスカ(改2号機)と交戦。改2号機に噛みつかれ、「こんな時、アヤナミレイならどうするの?」と自問自答した結果、エントリープラグを射出して脱出。その後はシンジやアスカのもとへと向かい、二人についていく。

NERV(ネルフ)

碇ゲンドウ(いかり ゲンドウ)

『序』『破』

『Q』設定。

声 - 立木文彦

特務機関NERV最高司令官。碇ユイの夫で、シンジの実父。旧シリーズと異なり、姓はもとから碇であり、ユイの旧姓は「綾波」。
常にサングラスをかけて笑みを見せることも滅多にない冷酷な男。目的のためならどんな手段でも躊躇わない。息子のシンジに対しても非常に冷たい。しかし、旧シリーズに比べるとやや穏やかになっていて、ミサトの言葉からシンジを信じて戦闘を続行させたり、レイから提案された食事会を了承したりなど、シンジのことも完全に眼中にないわけではない。あくまで「仕事をしなければならない大人」として接している。
『Q』では新たにバイザーを眼に装着するようになり、劇中では表情の判別が困難になっている(このバイザーは旧シリーズでゼーレのキール・ロレンツが着用していたものに酷似している)。シンジに対しては「第13号機に乗れ」としか言葉を発していない。終盤では、渚カヲルを罠に嵌めフォースインパクトを画策していたことが判明する。フォースインパクトが起こることはなかったが、それすらも計算内だと語る策略家となっている。
人類補完計画の責任者だが、真の目的は現段階では不明。

冬月コウゾウ(ふゆつき コウゾウ)

『序』『破』

『Q』設定。

声 - 清川元夢

NERV副司令官。趣味は将棋。
もとは大学で教授をしていた学者で、シンジの母親のユイは教え子。
形としてはゲンドウの部下だが互いに呼び捨てで呼び合っており、ゲンドウに意見できる貴重な存在。ゲンドウが耳を貸し比較的普通に接する数少ない人物。
『Q』では、シンジを将棋に誘い、その席で綾波レイとユイとの関係やエヴァ開発初期における秘密を話す。

NERV/WILLE(ヴィレ)

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

新世紀エヴァンゲリオン(エヴァ)のネタバレ解説まとめ

『新世紀エヴァンゲリオン』とは、監督・庵野秀明が率いるGAINAXによるTVアニメ作品および登場する巨大人型兵器の名称。略称『エヴァ』。 本作を原作とする劇場版、漫画、ゲーム作品などの派生作品が存在する。本記事では1994年10月から翌3月まで放送されたTVシリーズについて記述。 90年代に社会現象とまで言われた国民的アニメの一つ。ストーリーは主に少年少女の苦悩が描かれ、人類の敵「使徒」との闘うにつれ、使徒やエヴァの正体など多くの謎解きが展開されるが、すべては説明されずに完結した作品。

Read Article

エヴァンゲリオンシリーズの機体とパイロットまとめ

『新世紀エヴァンゲリオン』とはGAINAXによるアニメ作品、及びそこからメディア展開された作品である。14歳の少年少女が、巨大な人造人間エヴァンゲリオンに乗り込み、使徒と呼ばれる謎の敵と戦うのが主軸。そこに聖書や心理学の要素を絡めた実験的な作風や人間ドラマが人気を呼び、社会現象にまでなった。2007年には「再構築」として『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズが公開。今尚アニメ界で異彩を放つ作品。

Read Article

エヴァンゲリオンシリーズの使徒まとめ

使徒とは、庵野秀明監督率いるGAINAX制作のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』及び同作の再構築版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場する敵である。大きな災厄セカンドインパクトから15年。14歳の少年少女が人造人間エヴァンゲリオンに乗り、謎に包まれた敵、使徒と戦う物語が主軸となっている。使徒は戦い方やデザインが従来のロボット物の敵と一線を画しており、『エヴァ』の人気を支えた一要素でもある。

Read Article

新世紀エヴァンゲリオン(エヴァ)の名言・名セリフまとめ

『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年に製作された庵野秀明監督によるロボットアニメ作品。巨大な人造人間である「エヴァンゲリオン」のパイロットである14歳の少年少女たちと、謎の敵「使徒」との戦いを描く。謎めいたストーリー展開、今までにない独特の世界観から社会的ブームを巻き起こした。それぞれの個性的なキャラクターたちから印象深いセリフが放たれている。

Read Article

トップをねらえ!(Aim for the Top GunBuster)のネタバレ解説まとめ

『トップをねらえ!』とは、1988年にGAINAXによって制作された庵野秀明初監督のSFロボットアニメ作品。主人公タカヤ・ノリコが、努力と根性で苦難を乗り越え成長しながら未曾有の脅威「宇宙怪獣」と戦っていく。OVAの金字塔とまで言われ、いまだに多くのファンに愛され続けている。キャッチフレーズは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」。

Read Article

風の谷のナウシカ(Nausicaä of the Valley of the Wind)のネタバレ解説まとめ

1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ』。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。

Read Article

シン・ゴジラ(Shin Godzilla)のネタバレ解説まとめ

2016年7月29日より公開された空想特撮映画。脚本・編集・総監督は、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明。監督・特技監督は、漫画「進撃の巨人」の実写版を作った樋口真嗣。東宝製作のゴジラシリーズとしては12年ぶり、29作品目となる。 東京湾より突如現れた巨大不明生物ゴジラに対し、日本政府が立ち向かっていく様を描く。 キャッチコピーは「現実(ニッポン)対 虚構(ゴジラ)」

Read Article

ふしぎの海のナディア(Nadia, The Secret of Blue Water)のネタバレ解説まとめ

「ふしぎの海のナディア」とは1990年から1991年までNHKによって放送されたテレビアニメ。この作品は「海底二万マイル」を原作としており、庵野英明が総監督を務めていました。19世紀を舞台としており、ナディアを巡ってノーチラス号と世界制服を企むネオ・アトランティスの戦いを描いたアニメです。

Read Article

天空の城ラピュタ(LAPUTA: Castle in the Sky)のネタバレ解説まとめ

1986年公開、スタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。

Read Article

風立ちぬ(The Wind Rises)のネタバレ解説まとめ

『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。

Read Article

目次 - Contents