ヱヴァンゲリヲン新劇場版(Rebuild of Evangelion)のネタバレ解説まとめ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とは、2007年から公開されているアニメ映画シリーズである。
1994-1995年のTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が原作。総監督はTVシリーズと同様に庵野秀明が担当している他、主要スタッフや声優もほぼ同一でリメイクではなく「リビルド(再構築)」作品。
全4部作予定で、現在3作目まで公開済み。巨大人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットの少年少女を主人公とし、人類の敵「使徒」との闘いや人間同士の争い、陰謀の謎解き、主人公の苦悩や成長を描いたストーリーである。

封印される2号機。

国際条約のバチカン条約で、「一国のエヴァ機体保有数は3体まで」と決められていた。その都合で、NERV本部が3号機を保有することと引き換えにアスカの2号機は封印されることになった。

エレベーターで鉢合わせる2人。
アスカが殴ろうとするが、レイは受け止める。

自身の唯一の居場所が奪われたように感じたアスカは、エレベーターで鉢合わせたレイに刺々しい態度をとってしまう。「碇司令(ゲンドウ)のおすまし人形のくせに!」と怒鳴るアスカに対して、レイは毅然と「私は人形じゃない」と答える。激昂したアスカはレイを殴ろうとするが、その手をレイに止められる。レイの手には自分と同様に不器用ながら料理の練習をして怪我をした痕跡があった。それ以上責められなくなったアスカは去り際に、シンジのことをどう思っているのかと質問する。レイは「わからない。ただ、碇くんと一緒にいるとポカポカする」と答えた。アスカは、レイが人形ではなくれっきとした心と意志をもった少女だと気がつき、認識を改める。

初号機に搭載されるダミープラグを訝しむミサト。

NERV本部には、新たなバックアップ装備として「ダミープラグ」が搬入された。それは別の基地「ゴルゴダベース」にて建造された装備で、本来シンジ達が乗り込むエントリープラグに代わるものであり、これによりパイロットなしでもエヴァを動かせる可能性があったが、まだテスト段階だった。搬入後、初号機に試験運用を兼ねて搭載されることになる。
ミサトはダミープラグがどうもいけ好かないと感じていたが、「子供を乗せて闘わせるよりは無人の方が人道的だそうです」とNERVオペレーターの日向マコトに諭される。

3号機起動実験直前に嬉しそうにミサトと話すアスカ。

続けて、エヴァ3号機も日本に到着することになり、長野県・松代で起動実験が計画される。しかし、その実験予定日がレイの食事会の日とぶつかってしまった。それを知ったアスカは、レイとシンジの時間を作るために、自ら起動実験に志願した。
レイはアスカの志願の意図を察し、電話越しに「ありがとう」と伝えた。

思わぬ感謝をされたアスカは戸惑いつつも喜びを隠せなかった。起動実験前にミサトと話し、孤独でいることが好きだったはずだけど、他人といるのもいいなと思うようになったと語る。ミサトもアスカの心境の変化を喜んだ。

すべてはうまくいっていたはずだった。

エヴァ3号機の暴走、第9の使徒

使徒に奪われた3号機。
ダミープラグにより暴走し、アスカの乗るエントリープラグを噛み砕く初号機。

3号機には「第9の使徒」が侵入していた(アメリカから運ばれる際、機体が大き過ぎたためむき出しの状態で空輸されていたが、どの時点で侵入していたのか不明)。
第9の使徒は侵食型の使徒で、アスカの乗った3号機の起動実験が開始された途端、3号機とアスカの意識を奪って暴走し、周囲一帯を吹き飛ばす大爆発を起こした。

ゲンドウはエヴァ3号機を第9の使徒と認定し破壊することを決定し、シンジの初号機のみを出撃させる。シンジにはアスカが乗っている事を知らされていなかったが、アスカが乗っていることを察し、「アスカを殺すよりはいい!」と戦闘を拒否する。それを見たゲンドウは今のシンジでは役に立たないと考え、シンジとエヴァを繋ぐ回路を切断。ゲンドウは初号機の制御をあらかじめ搭載させておいたダミーシステムへと切り替えさせる。
ダミープラグにより再起動した初号機は暴走し、3号機を行動不能にするだけでは飽きたらず、腕や腹部を噛みちぎり、徹底的に破壊する。
シンジは初号機内で攻撃をやめるようゲンドウに懇願するが、聞き入れられない。遂には使徒のコアとアスカの乗るエントリープラグを噛み砕いてしまった。

NERVとの離別、第10の使徒

NERV本部を破壊しかけた罪で手錠をかけられるシンジ。
NERVから去るシンジに「大人になれ」とゲンドウは語る。

松代ではミサトとリツコは3号機が起こした爆発に巻き込まれ重傷を負いながらも、かろうじて生存していた。しかし、アスカはどうなったのか以降は不明のままストーリーが進む。

シンジは強制的に初号機を闘わせたゲンドウに激怒し、エヴァでネルフ本部を破壊しようとするが、L.C.L.(エントリープラグ内に満たされている特殊液体)の圧縮濃度を限界まで上げられ意識を失い、行動不能になる。

意識を失ったシンジは奇妙な精神世界に迷い込む。そこではシンジはレイと電車に乗っていた。シンジが絶えず所持して聴いていたS-DATプレイヤーはもとはゲンドウの物だったという。それを聴いていれば、ゲンドウが自分を見捨てずに嫌な世界から守ってくれているような気がしていたと語るシンジ。しかし今となってはもう必要ないという。

目を覚ましたシンジは犯罪者として手錠をかけられる。もはやゲンドウとの関係は修復不可能となったシンジはもうエヴァには乗らないと断言し、ネルフを離脱する。

ミサトの家を去る際に、レイがシンジとゲンドウの和解を望んで食事会を計画していたことを告げられるシンジ。

ミサトの家も去ることになり、シンジはもう誰にも心を開こうとしなかった。最後にミサトから、レイの食事会にはゲンドウも招待されていて、レイがシンジとゲンドウの和解を望んでいたことを聞かされる。NERVのゴミ箱にはシンジが捨てたS-DATがあり、レイはそれを拾っていた。

第10使徒の襲来により避難するトウジ・ケンスケ・ヒカリ。

シンジが去った直後に「第10の使徒」が襲来する。
電車で第3新東京市を去っていたシンジもそれを察したが、今となってはシェルターに避難するしかなかった。

第10の使徒はそれまでの使徒よりも遥かに強く、自衛隊のどんな攻撃もまったく通用しない。避難する市民の中にはトウジ、ケンスケ、ヒカリの姿もあった。

闘えるNERVパイロットはレイしかいなかったが、零号機は第8の使徒との戦闘で左腕が損傷したままだった。その時、封印されていたはずの2号機が突然出撃する。パイロットは不明で出撃命令も出ていなかったが、誰であれ今は2号機に頼るしかなく、ミサトは独断出撃を容認する。初号機は無人で動かすためにダミープラグを準備中だった。

マリの闘い、ザ・ビースト

裏コード「ザ・ビースト」により姿が変貌する2号機。
それにシンクロしてマリのテンションも高まり、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と叫ぶ。

2号機に乗っていたのは密かにジオフロントに潜入していたマリだった。危機的状況でもあっけらかんとしたマリは第10の使徒と闘うが、使徒のあまりの強さに歯が立たない。
一方、初号機はコアがダミープラグを拒絶し、起動しなかった。

このままでは勝てないと判断したマリは「人を捨てたエヴァの力、見せてもらうわ」と呟き、NERV職員すら知り得なかったリミッター解除の裏コード「ザ・ビースト」を発動させる。すると、エヴァの制御装置が外れていき、2号機は野獣のような姿に変形していく。マリは精神が汚染される危険性もありながらそれすらも楽しんでいた。「ザ・ビースト」となった2号機は、それまでとはまったく異なる獣のような動きで使徒を攻撃する。闘争心をむき出しにしたパワーで使徒のA.T.フィールドを破壊していき、反撃を受けて左腕と側腹部をえぐられてもお構いなしに突進していく。しかし、それでも第10の使徒を倒すには至らず、2号機は吹き飛ばされる。もはやこれが人間の限界かと思われた。

連携して使徒のA.T.フィールドを破壊する零号機と2号機。

そこに突如レイの乗った零号機が出撃する。零号機が所持していたのはN2爆雷(人類が保有する最大級の破壊力を持つ兵器)であり、それを抱えて自爆覚悟で使徒に突進しながらレイは「碇くんがもうエヴァに乗らなくてもいいようにする!」と叫ぶ。レイのパイロット席にはシンジが捨てたS-DATがあった。
しかし使徒のA.T.フィールドが強力過ぎて零号機だけでは破れない。そこに吹き飛ばされた2号機が頭部をえぐられながら尚も突進し、A.T.フィールドを破壊する。N2爆雷が使徒の体に届くと、レイは2号機を背後に投げ飛ばし避難させ、マリに「ありがとう」と告げる。爆雷により大爆発が起こるが、零号機も使徒も生存していた。

シンジの決断

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