カードファイト!! ヴァンガード(2018アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』はオー・エル・エムが製作するアニメ。ブシロードの人気トレーディングカードゲームをもとにした、2011年から続くアニメシリーズの1作である。従来のキャラクターが登場するが、これまでのシリーズとは時系列上のつながりのない作品となっている。気弱な少年、先導アイチがヴァンガードを通じて仲間と出会い成長していく物語。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』の概要

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』は2018年から放送された、ブシロードが展開するトレーディングカード『ヴァンガード』をモチーフとするアニメだ作品だ。制作はポケットモンスター』シリーズや『イナズマイレブン』シリーズ、『妖怪ウォッチ』シリーズで知られるオー・エル・エム。
本作以前にも『カードファイト!! ヴァンガード 2011』や『カードファイト!! ヴァンガードG』といった作品が放送されており、本作には先導アイチ(せんどうアイチ)や櫂トシキ(かいトシキ)といった、これまでのテレビシリーズのキャラクターも登場する。しかし時系列的にはつながりがなく、主人公のアイチもヴァンガードを始めたばかりの設定になっている。そのため、従来のシリーズを見ていなかった人や、『ヴァンガード』を知らない人でも入りやすい。

ストーリーは気弱な少年、先導アイチがヴァンガードを通じて櫂トシキをはじめとする仲間と触れ合い、成長していく一方で、「カードの声が聞こえる」という不思議な能力に目覚めるというものである。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』のあらすじ・ストーリー

「ヴァンガード」を始めるアイチ

いじめられっ子だった先導アイチはある日、偶然出会った櫂トシキという少年から「ヴァンガード」というカードゲームを教えてもらい、レアカードである「ブラスター・ブレード」をもらう。それ以来アイチはそのカードをお守りとして持ち歩いていた。数年後、中学3年生になったアイチはクラスメイトの森川カツミに「ブラスター・ブレード」を無理矢理とられてしまう。森川を追ってカードショップ「カードキャピタル」を訪れたアイチ。森川は、そこでアイチから奪ったカードを使ってカードキャピタル最強のファイターに勝負を挑んで敗北し、「ブラスター・ブレード」はそのファイターのものになっていた。そのファイターはアイチに、カードを返してほしければカードファイトで自分に勝つように要求し、アイチはいつかファイトする日を想像して1人で作ってきたデッキを取り出し、最強のファイターに勝負を挑む。

「ブラスター・ブレード」を取り返すため、手ほどきを受けながらファイトに臨むアイチ。その途中、アイチは相手の少年の名前が「櫂トシキ」であると知っていることを明かす。櫂こそが、数年前にアイチに「ブラスター・ブレード」を渡した少年だった。アイチは一度は追い詰められるも、櫂にヴァンガードを教えてもらって以来、ヴァンガードが心のよりどころだったということ、あの日櫂にもらった「ブラスター・ブレード」が強くなるイメージを自分に与えてくれたことを思い起こし、逆転に成功。櫂を倒し、「ブラスター・ブレード」を取り戻す。翌日、カードキャピタルで櫂が来るのを待つアイチ。もしかしたらもう櫂はここへは来ないのではないかという不安が頭をよぎるが、ドアが開いて櫂が入ってくる。そしてアイチにファイトを持ちかけ、アイチは嬉しそうに頷いた。

最強のファイターとの対戦を求める葛木カムイ

カードキャピタルにアイチの妹、エミが来店する。さらに、最強のファイターとの対戦を求めて葛木カムイという少年が現れる。まず常連の三和がカムイと対戦するが、三和は負けてしまう。櫂はアイチにカムイと戦うように指示。アイチはカムイの6回連続攻撃に苦戦するが、次のターンをイメージすることで乗り切り、見事勝利を収めた。

アイチとミサキ

アイチは気弱な性格が災いして、他人をカードファイトに誘うことができずにいた。そんな中、ヴァンガードに興味がないという宮地学園の高等部のミサキを、勇気を出してカードファイトに誘う。一度見たことを決して忘れない「アイテテックイメージ」という能力を持つミサキは、店内で行われたカードファイトを覚えていた。その記憶からアイチの作戦を読み切るミサキ。実はミサキにはカードショップを営んでいた父がいたが、早くに両親を亡くしたため、父の好きだったヴァンガードを遠ざけるようになっていた。アイチとのカードファイトを通じてミサキは亡き父と、父の好きだったヴァンガードと向き合えるようになる。

カードファイト研究部

学校にカードファイト研究部があることを知ったアイチは入部を希望する。しかし、部は部員のテストの平均点が悪くて廃部に危機に瀕していた。成績の良いアイチが入部すれば廃部にならずに済むと部員たちは喜ぶが、アイチをカードファイターと認めない森川がアイチの入部を拒絶する。アイチは森川に認めてもらうために、カードファイトを申し入れる。一度は森川に追い詰められるも、森川とのファイトを制し、入部を認められるアイチ。アイチは森川をカードキャピタルへと誘う。その道中、森川はアイチに暴力を振るってカードを奪ったことを謝るが、アイチはそれがきっかけで櫂と再会できたため、もうそのことを全く気にしていなかった。

ショップ対抗戦

以前にカムイが通っていた店、「voyage」を訪れるアイチ、エミ、カムイ。そこにはアジア2位のファイターであるゴウキ、そして、彼と対戦しにやってきたアジアチャンピオンのレオンがいた。カムイはレオンにファイトを持ちかけ、ダメージ5まで追い込むが、わずか1ターンで逆転負けしてしまう。ゴウキの妹であるナギサの「カードキャピタルはたいしたことない」という言葉がきっかけで、カードキャピタルとvoyageで4vs4のショップ対抗戦が行われることとなる。voyageとのショップ対抗戦に向け、櫂、アイチ、カムイ、ミサキによる「チームQ4」が結成された。

ショップ対抗戦では第1試合のカムイVSナギサはカムイが制する。第2試合はミサキVSゴウキ。ミサキはゴウキにカードキャピタルを「無名店」と呼ばれて怒るが、負けてしまう。第3戦は櫂とアジア3位のファイター、光定の対決。光定は櫂の手札を減らしてガードの手段をなくす戦法をとる。光定の攻撃を何とか志納打開は見事な逆転を収め、アジア第3位の光定を相手に勝利を収めた。
ショップ対抗戦はチームQ4の2勝1敗で最終戦へ。アイチの相手はアジアチャンピオンの蒼龍レオンで、アイチは敗北を喫してしまった。そのファイトのさなかアイチは、無意識のうちに、まるでカードが勝手に動くかのようにカードを出すという、奇妙な感覚を味わう。
最終戦が終わり2対2になったショップ対抗戦。勝負の行方はカムイとゴウキの戦いにゆだねられた。カムイにとってこの戦いはどうしても越えられなかった壁であるゴウキから白星を奪うための戦いでもある。ゴウキの猛攻にカムイは苦しめられるが、アイチの言葉で見事ゴウキに勝利。ショップ対応戦はチームQ4の勝利で幕を閉じた。

フーファイター

カードキャピタルに「フーファイター」を名乗るファイター集団が現れた。彼らはVFグローブを着用したバトルを強要する。このVFグローブは、ファイトでダメージを受けるたびに体に激痛が走るように仕組まれていた。「痛みこそ本気のファイト」と豪語するフーファイターに櫂が勝負を挑む。櫂は序盤はノーガードを選択し激痛に顔をゆがめるが、「ドラゴニック・オーバーロード」を使う準備が整うと一気にフーファイターを追い詰め、敗北による激痛が怖くなったフーファイターは決着を待たずして逃げ出してしまう。
voyageにもフーファイターが現れ、ゴウキはフーファイター最強の4人「AL4」の一人であるキョウに負けてしまう。そこにアイチとカムイが現れる。キョウはカムイがかつていた店を潰した因縁の相手。カムイはキョウにファイトを持ちかけるが、キョウのカードのスキルで「パーフェクトライザー」の動きを封じられ、負けてしまう。カムイのカードを床にぶちまけるキョウだったが、静かな怒りをともしたアイチがキョウにファイトを挑む。
だが、キョウのカードのスキルでアイチは動きを封じられ、アイチは勝負を諦めかける。その時、「ブラスター・ブレード」の声が聞こえ背中を押されたアイチは状況を打開し、勝利を収めた。キョウはアイチから「PSYクオリア」と呼ばれる能力があることを知る。

櫂とレン

カードキャピタルにAL4の一人、鳴海アサカがやってくる。櫂の居所を聞き出そうとするアサカに、三和は自分に勝ったら教えるとファイトを持ちかける。櫂と三和は小学校時代からの親友だったが、櫂の突然の転校で離ればなれになってしまった。中学時代、町中で三和は下院に再会するが、櫂は三和と会話することなく、淡々とファイトを行う。櫂の変貌の原因を作ったのが、当時の櫂とともにいたフーファイターだと考えた三和は、櫂をフーファイターから遠ざけるためアサカにファイトを挑むが、敗れてしまった。
次はミサキがショップのプライドをかけてアサカにファイトを挑んだ。ミサキはアサカのトリッキーな戦いに苦戦するが、勝利を収める。そこに、フーファイターのボス、雀ヶ森レンが姿を現す。さらに、櫂の前にはAL4の新城テツが現れる。レンがミサキにファイトを挑む。ミサキは善戦するが、レンの完成されたPSYクオリアの能力の前に敗れてしまう。
一方、アイチとカムイの前にはフーファイターをやめたというキョウが現れており、キョウの誘いでフーファイター狩りを始める。キョウの目的はアイチのPSYクオリアを間近で見ることだったが、アイチはPHYクオリアを使うことなく勝利し、キョウは苛立ちを募らせていく。

櫂はレンとの出会いに思いをはせる。レンは櫂の「強くなった自分をイメージしろ」の言葉でPSYクオリアに目覚めるが、その能力と強さにおぼれ、敗者を見下すようになっていった。そんなレンと袂を分かった櫂は、高校入学を機に町を離れるが、レンがカードキャピタルに現れたと聞き、レンとの決着をつける決意を固める。

フーファイター狩りを続けるアイチたち。だが、強くなりすぎたアイチはPSYクオリアを使うことなく勝利をおさめ、キョウは頭を抱える。そこにAL4の一人にして、フーファイターの司令塔、新城テツが現れる。テツこそがVFグローブを作った張本人だった。テツはキョウから、アイチがPSYクオリアを持っていることを知らされ、そのことを確かめるためにアイチにファイトを挑む。アイチはテツとのファイトに敗れ、さらにPSYクオリアを発現した反動で倒れてしまった。
帰り道、偶然にもレンに出会ったアイチは、彼がフーファイターのボスであることを知る。そこに、フーファイターの本部に櫂が現れたとの知らせがレンのもとに入る。本部へと戻ったレンは櫂と再会した。
櫂はアイチがPSYクオリアを持つことを知り、「カードを捨ててもう戦うな」と迫った。しかしアイチはそれを拒否する。
櫂がアイチに負けたことが信じられないレンは、アイチとファイトすることで、その事実を確かめようとするが、櫂は自分が相手をするといい、櫂とレンのファイトが始まる。だが、レンのPSYクオリアの前に櫂は追い詰められていく。
カードから声が聞こえ、その声に従うことでファイトの流れを読むことができる、レンのPSYクオリア。だが、戦略性を重視する櫂は、レンはカードの言いなりになっているだけで、それは櫂の求める戦略性を重視した本気のファイトじゃないと一蹴する。櫂はレンを追い詰めるが、レンのPSYクオリアの前にとうとう敗れてしまう。櫂に勝った喜びに打ち震えるレンだったが、「アイチは櫂に勝っている」という言葉が頭を離れない。アイチを倒さなければ完全な自分にはなれない、とアイチにファイトを迫るレン。一方、アイチも戦いの連鎖を終わらせるために、レンとの、PSYクオリアを持つ者同士のファイトを承諾した。

アイチとレンのファイトが始まった。互いの持つ共感覚がどんどん拡大されていき、ギャラリーもその異様な雰囲気に圧倒される。その中でレンは自分が勝利するイメージを見て、ファイトの結末を知って退屈そうな表情を見せる。だが、アイチのイメージがレンを凌駕し、レンの想定外のことが起きた。レンは対応することができず、アイチの前に敗れた。

櫂が「本気のファイト」を求めるようになった理由

レンとのファイトの2日後、カードキャピタルを訪れたアイチは櫂とファイトをした。その中で、櫂はなぜ自分が「本気のファイト」を求めるようになったかに思いを馳せていく。小学生の頃、櫂の両親は会社の金を持ち逃げして姿をくらませた。残された櫂は様々な家をたらいまわしにされる。そこで出会ったのは表面的にはやさしい言葉をかけつつも、本音では櫂のことを厄介者と思っている大人たちだった。そんな櫂にとって唯一、人の本音が聞ける場所、それがヴァンガードファイトだったのだ。

アイチとのファイトの最中、櫂はPSYクオリアに覚醒し、逆転勝利を収める。やがて、春になりアイチは中学校の卒業を迎えた。アイチたちの卒業を祝し、カードキャピタルでは大ヴァンガード大会が開かれる。櫂はアイチにファイトを申し込み、この街に戻ってきて、アイチに再会できてよかったと笑顔を見せる。その笑顔を見て、アイチは涙を流した。

『カードファイト!! ヴァンガード 2018』の登場人物・キャラクター

チームQ4

正式名称は「チーム・クワリドフォリオ」。カードショップ「カードキャピタル」のショップ対抗戦用のチームである。

先導アイチ(せんどうあいち)

出典: pbs.twimg.com

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