EARTHSHAKER（アースシェイカー）とは【徹底解説まとめ】

EARTHSHAKERの概要

EARTHSHAKERとは、1980年代に登場した関西系メタルバンド。1978年に結成され、主に関西のライブハウスで活動をはじめる。キャッチーな楽曲を得意とし、44MAGNUMやLOUDNESSなどと共に80年代のハードロック・ヘヴィメタル界をリードする。

1978年に大学1年生であった石原慎一郎が結成。
当時は、石原の高校時代の同級生であった現ラウドネスの二井原実がヴォーカリストで参加していた。
1980年に二井原が音楽性の違いで脱退。マンティスというバンドで活動していた西田昌史（ボーカル）と甲斐貴之（ベース）が加入し、現在のメンバー構成となった。

アマチュア時代から郵便貯金ホールを満員にする人気だったアースシェイカーは「根拠のない自信にあふれていた」（西田）という。そこに目を付けたのが、今もファンから“ヘヴィメタの父”とあがめられる音楽評論家の伊藤政則氏である。そして伊藤は1983年、デビューアルバム『EARTHSHAKER 』をプロデュースする。
また伊藤はアメリカ出身のハードロック・バンドであるYesterday&Today（後にY&Tと改名）の1976年の1stアルバム『Yesterday & Today』に収録されている「Earthshaker」より、バンド名を“EARTHSHAKER”と決めたという。

1986年、日本のヘヴィメタで初の日本武道館単独公演し、1987年にはキーボーディストの永川敏郎が正式加入。ハードロック路線からメロディアスな方向性も打ち出していく。この頃は映画サントラ、アニメ主題歌の楽曲提供も行うなどメジャーな活動が目立つ。1990年代には再びハードロック色も強くなってきたが、1993年に解散決定、1994年の新年早々に、深夜番組「タモリの音楽は世界だ」にゲスト出演し、電撃的な解散宣言を行う。メンバーは個々に音楽活動を続ける事となった。

1999年、衝撃的解散から5年目を迎え、京都のライヴハウス「磔磔」の25周年イベント出演のために再結成。半年後にMARCY、SHARA、KAI、KUDOのオリジナルメンバーで 完全復活をはかる。

80年代の黎明期より、90年代のバンドブーム、ヴィジュアル系バンドの台頭する時代を経て、メンバーもほぼ変わらず、独自の音楽を継続させている貴重なベテランバンドである。

EARTHSHAKERのメンバー

西田昌史（にしだまさし/Vo）

1959年7月8日生まれ。福岡県出身。
愛称はMARCY（マーシー）で、ソロ名義としてMARCYと名乗る事もある。
高校卒業後、福岡・大牟田から神戸へ。美容室で働きながら大阪でバンド活動を始め、1980年、EARTHSHAKERを脱退した二井原実 の後任ヴォーカリストとして加入。以来バンドのフロントマンを勤める。また、二井原とは加入前から交流があり、これが後の西寺実の結成へと繋がる（2008年、SHOW-YAの寺田恵子、LOUDNESSの二井原実と共に西寺実を結成）。
1988年、ビーイングに在籍し、T-BOLAN、FEEL SO BADの音楽プロデューサーとしての活動を開始。

多数のアーティストの作詞、作曲、編曲を手掛ける。
代表的なものでは、
＜作詞・作曲＞真田広之「HELLO GOOD BYE」
＜作詞＞アン・ルイス「天使よ故郷を見よ」、川島だりあ「ALONE」、久宝留理子「誰かのものじゃない」
＜作曲・編曲＞川島だりあ「Shiny Day」「Get it on（倉田冬樹と共同編曲）」
＜編曲＞川島だりあ『Don't Look Back（倉田冬樹と共同）』「悲しき自由の果てに」後藤真希「横浜蜃気楼」
T-BOLAN「悲しみが痛いよ」「離したくはない」

ハードロックバンドEARTHSHAKERとthe MARCY BANDのヴォーカル、音楽ユニット西寺実のヴォーカルであり、
バンド以外ではソロ名義で活動したり、他ミュージシャンのプロデュースを行ったり、MARCY’S VOXというヴォーカルスクールを開く等、幅広く活動している。

石原慎一郎 （いしはらしんいちろう/G）

1959年9月18日生まれ。EARTHSHAKERのギタリスト、作曲家、音楽プロデューサー。大阪府出身。
愛称は「SHARA（シャラ）」。

1975年、上宮高校入学、軽音楽クラブに入る。同級生であった二井原実らとハードロックバンドEARTHSHAKER（アースシェイカー）を結成。
1983年、EARTHSHAKERがキングレコードよりメジャーデビューし、1993年解散（正式な解散宣言は、翌1994年）。
このEARTHSHAKER解散後の1994年、二井原実（Vo）、樋口宗孝（Dr）、寺沢功一（b）と共にSLY（スライ）を結成。圧倒的なスケールと演奏力でアメリカでもCDをリリース。1998年、レーベルからの契約解除に伴い、SLYは活動停止状態となる。
1999年、EARTHSHAKERの再結成を宣言。活動を再開し現在に至る。

バンド外の活動としては1989年ZARD、大黒摩季、B’Z、シャムシェイドのアレンジャー、プロデューサーの明石昌夫のチームに参加し、ジャンヌダルク、ブルシット、オリビアを手がける。またスタジオプレーヤーとしてV6、高橋克典、大江千里、天野月子、2丁拳銃、影山ヒロノブ、奥田美和子、mai に参加。
2009年には自身のギターソロプロジェクト「Mintmints」を発足。メンバーは五十嵐美貴（g、SHOW-YA）、寺沢功一（b、RIDER CHIPS）、向山テツ（dr、FOLKROCKS・天月等）。

甲斐貴之 （かいたかゆき/B）

1959年生まれ。ベーシスト。愛称は“KAI”。

1980年マンティスより Vo.西田昌史と共にアースシェイカーに加入。
コーラスの美しさには定評があり、リリースアルバムにおいてもヴォーカルを取ることもある。

THE POLICEのカバーバンド「警察」としても活動を行ったり、ベース講師としても活躍している。

「有吉反省会」（2015年10月17日、日本テレビ）に単独で出演。“お風呂好き”を告白し、「風呂好きで自身のブログに入浴中のセクシーショットを掲載していること」を反省した。ブログでは自身の料理写真を頻繁に披露している。

工藤義弘（くどうよしひろ/Dr）

工藤義弘（くどうよしひろ）。1959年生まれ。奈良県出身。

EARTHSHAKERからメジャーデビュー後、様々なライブやレコーディングでセッションを行っている。
ESPミュージカルアカデミーのドラム講師も勤めている。

ドラムセットの改造を自前で行ってしまう事でも知られており、シェルのカバリングの張替えなどはもちろんの事、スタンド類を溶接して複雑なセッティングをコンパクトに行えるよう工夫を凝らした改造を行っている。かつてはドラムセットに電飾を組み込む、バスドラムを鳴らすと煙幕が出るようにする、バスドラムを二重に重ねた大砲のようなセットにする、等の見た目重視の改造が多かった。
また大きなバスドラを携え公共交通機関で移動するなど、驚愕なワイルドさとドラム愛を併せ持つ男気溢れるドラマーである。

EARTHSHAKERの元メンバー

二井原 実（にいはらみのる/Vo＆B）

二井原 実（にいはら みのる）。1960年3月12日生まれのヴォーカリスト（EARTHSHAKERではVo＆B）。

1975年、上宮高校に入学。軽音楽クラブに入り、そこで知り合った同級生の石原愼一郎らと共にハードロックバンド、「EARTHSHAKER（アースシェイカー）」を結成。
当初はベーシストとして参加したが、結成時のボーカルが1年ほどで脱退してしまった為、それ以降ヴォーカルも兼任することになる。
大学2年時、本格的にソウルミュージック・シンガーの勉強をするため脱退。
その際、バイト仲間でありハードロック・ヴォーカリストとしての実力も互いに認め合っていた西田に、EARTHSHAKERへの参加を依頼する。

「ハードロックはもうやらない」とEARTHSHAKER脱退時に語っていたのだが、その後日本を代表するハードロック、ヘヴィメタルバンド「LOUDNESS」にて海外進出も果たした。

永川敏郎（えがわとしお/Key）

永川敏郎（えがわとしお）。キーボーディスト。
EARTHSHAKERには1987年～1994年（解散時）まで在籍しており、愛称はTOSHIであった。

GERARD（ジェラルド）1980年代中盤から活動しているロックバンド（プログレッシブ・ロック・バンド）に所属していた。
当初はノヴェラと並行しての活動だったが、最終的にノヴェラを脱退し、その後、EARTHSHAKERにキーボーディストとして正式加入した。
EARTHSHAKER解散後の1994年には「永川敏郎's GERARD」のソロ名義でアルバムを1枚発表。

2017年には、『 5 Shakers tour ～ Ties to the future ～ 』として、1987 から1993年の5 人が在籍した時代の EARTHSHAKER によるライヴの再現として、ツアーが組まれた。

渡辺芳信（わたなべよしのぶ/Dr）