かくりよの宿飯(第3話『かくりよの都にお出かけしました』)のあらすじと感想・考察まとめ

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天狗の長老に食事をもてなし、長老に気に入られた葵は「お前のおかげで天神屋の危機は救われた」と大旦那に礼を言われ、天神屋の宙船「海閣丸」に招待されていた。そして髪を結って、化粧をしてもらい、綺麗な着物を着せられてあやかしの王が住むという妖都(ようと)に案内されることになった。
今回は「かくりよの宿飯」第3話『かくりよの都にお出かけしました』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「かくりよの宿飯」第3話『かくりよの都にお出かけしました』のあらすじ・ストーリー

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空に浮かぶ海閣丸(かいかくまる)

葵は大旦那や仲居たちと一緒に、空に浮かぶ天神屋の宙船「海閣丸(かいかくまる)」に乗船していた。
葵「かくりよって自然がいっぱいなのね」
大旦那「自然もあれば大きな街もある、天神屋があるのは北東の端、つまりは鬼門」
葵「鬼門?」
大旦那「都を中心に八葉と数えられる八つの土地があり、それぞれを治めるあやかしもまた八葉の肩書を持つ」
葵「もしかして松葉様も?」
大旦那「朱門山を治める八葉の1人だ。松葉様のことはよくやった。お前の料理が天神屋を救ってくれたのだ、礼をしたいと思ってな」
葵「礼?」
葵がそう聞き返したところで、「さあさあ葵様」と仲居たちが呼び、葵を取り囲んだ。

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鏡に映る着物姿の葵

髪を結われ、化粧をしてもらい、花柄の美しい着物を着せられた葵は「こういうの自分じゃ絶対に選ばないけど」と思いながら、鏡に映る自分の着物姿に見とれていた。
仲居たち「なんとお美しい、大旦那様が見立ててくださったのですよ」
葵「へ、なんで大旦那様が?」
仲居たち「あの若女将が見たら悔しがります、若女将は大旦那様にぞっこんですから。大旦那様の愛人って、自分で勝手に言いふらしてるくらいですから」
それを聞いた葵は苦笑いを浮かべた。そこに大旦那が来て「やはりお前には赤い椿がよく似合うな、気に入ってくれたみたいでうれしいよ葵」と言った。
「確かに素敵だと思うわ、ありがとう」と礼を言った葵の髪に、大旦那はそっと簪(かんざし)を挿した。
「あれ、つぼみ何だか膨らんでない?」と、鏡に映ったかんざしの花のつぼみを見ながら葵は大旦那に尋ねた。
大旦那「紅水晶だからね、少しずつ動く。そのうち大輪の椿の花になるよ」
葵「花が咲くの?」
大旦那「ああ、そして最後には散ってしまうんだ。その花が散るまでが借金返済の期限だ。まぁ、頑張りたまえ。さてとそろそろ着くぞ」
そう言いながら大旦那は歩いて行った。「どこへ?」と葵は大旦那の背中に向かって尋ねたが、返事はなくただ笑っていた。

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妖都の夜景

海閣丸の甲板に出た葵と大旦那。
目の前に広がる雄大な街を見て葵は「すごい、ここはどこ?」と大旦那に尋ねた。
大旦那「ここはかくりよの都、妖都(*)だよ、あやかしの王が住む街だ」
それを聞いて葵は溜息まじりに妖都の街を眺めていた。
多くのあやかし達が出迎える中、下船する葵に向かって大旦那は「人間だとばれてあぶないよ」と、しっかり面を被るよう葵に促した。
明るい妖都の街を葵は大旦那と2人で見て回った。

*:妖都(ようと)とはかくりよの中心にある賑やかな街。かくりよを統一するあやかしの王が住む神殿がある。

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妖都切子を見る葵

食器の店に入った葵は、桃色の美しいガラス器を持ち上げて電灯に透かして見つめていた。
大旦那「妖都切子(ようときりこ)と言うんだ。うつしよから伝わった技術を元にかくりよ独自に生まれたものだ」
葵「へー、奇麗ね」
大旦那「それが気に入ったのかい?買ってあげよう」
葵「いやよ、タダより怖いものはないって言うでしょう」
大旦那「では、おいしいごちそうを奢(おご)られるのもいやなのかい?」
そう言って大旦那は食事処へと歩き出した。

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食事をする葵と大旦那

結局、大旦那に妖都切子を買ってもらった葵は食事もご馳走になる。
葵「おいしい、このモツ」
大旦那「あぶりモツだ」
葵「へー初めて食べたわ、ほんとおいしい。大旦那様の一番の好物ってモツ鍋?」
大旦那「モツ鍋?いや惜しいな。しいて言うなら、若い人間の娘の生血とか臓物とか」
葵「うえ、聞いた私が馬鹿だったわ」
葵がそう言い終えると「失礼いたします」と言って芸妓の鈴蘭が入って来た。天神屋の番頭をしている暁の妹だと大旦那は葵に紹介した。

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暁の妹鈴蘭

そして鈴蘭に、葵が津場木史郎の孫娘だと紹介した。
鈴蘭「まあ、史郎様の。では史郎様もかくりよに?」
「ああ、おじいちゃんは…」と葵が言いにくそうにしていると「史郎はここにはいないよ、来ているのは葵だけだ」と大旦那が答えた。
鈴蘭は「久しぶりにお会いしたかったのですが。葵様はどこか、史郎様に似ていらっしゃいますね」と言ってほほ笑んだ。

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三味線を弾く鈴蘭

そのあと、大旦那と葵は鈴蘭の奏でる三味線の音色に聴き入った。
宴も終わり店の外に出た葵は、「食事も鈴蘭さんの三味線もとても素晴らしかった」と大旦那に感謝した。
「甘い物でも食べに行くか?」と誘う大旦那に従って街を歩いていた葵は、あやかしが自分を見ているような視線を感じていた。
辺りを見回す葵は通行人とぶつかり、かんざしを落としてしまった。そして、かんざしを拾い上げた葵は、大旦那の姿が見えないことに気づいた。
大旦那とはぐれてしまった葵は、辺りを探すうちに狭い路地に紛れ込んでしまった。そして地面に氷が張ってあるのに気づかず転んでしまい、今度は帯に挟んでいた天狗のうちわを落としてしまった。

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あやかし達に囲まれる

うちわを拾い上げた葵に向かって、つぶてのような雪玉がどこからか飛んで来た。葵は身をかがめて避けたが、被っていた面に当たり地面に落ちて、葵の顔があらわになってしまった。
その時、「人間だ。人間の娘、うまそうだ」と言いながら、大勢のあやかし達が葵に向かってやって来た。
逃げ場のない葵は苦し紛れに、持っていた天狗のうちわをあやかし達に向けて思い切り振った。
すると「うわーっ」と言う声と共にあやかし達は空高くまで吹き飛ばされてしまった。

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お涼に詰め寄る葵

面を拾い上げ被りなおした葵は、路地の片隅に怪しい人影を見た。
葵に気づかれて逃げ出したあやかしは、後ろ姿から女と思われた。葵が飛びかかって捕まえてみると、天神屋で働く若女将の雪女、お涼だった。
お涼「どいてよ、なんて野蛮なの」
葵「それはこっちのセリフよ。氷を張ったり、雪玉飛ばしたり、あやかし達に食べられるところだったじゃない」
お涼「ふん、喰われればよかったのよ。人間の小娘が大旦那様と出かけるなんて、1000年早くてよ」
それを聞いて葵は、お涼が勝手に海閣丸(かいかくまる)に乗りこんで来たのかと問い詰めた。

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鈴蘭の手を引く葵

その時、「待てー!」と誰かが呼ぶ声が聞こえてきた。お涼と葵のもとに、声のする方から鈴蘭が走ってくるのが見えた。
葵は誰かに追われているよう見えた鈴蘭の手を取って、走ってその場から逃げ、物陰に隠れた。
「探せ」と言う声がやむのを待って、葵は鈴蘭に事情を聞こうとした。すると「よくも私を置いていったわね」と怒りながらお涼が追いついて来た。
お涼「鈴蘭を追いかけてた連中、八幡屋(*)の一反木綿達よね」
葵「八幡屋?」
お涼「大呉服屋の老舗よ、金も権力もあるわ。鈴蘭、あなた何したの?」
鈴蘭「私、売られたんです。八幡屋の若様に言い寄られて困っていたんですが、先ほど芸妓屋に戻ると八幡屋に嫁ぐよう命じられて。大金を積まれたらしいんです」
お涼「ほんと八幡屋のバカ息子、女好きで最悪だものね。天神屋でも好き勝手されて迷惑だったわ」
そう言い終えた時、葵を探していた大旦那が3人の前に現れた。

*:八幡屋(やはたや)とはかくりよの一反木綿達が営む大きな呉服屋。八葉の1人でもある一反木綿であるため金も権力も持ち厄介な存在である。詳しくは用語を参照

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葵を探しに来た大旦那

天神屋の留守を任されていたお涼は、バツが悪そうに身をよじらせながら大旦那の方を見た。
大旦那は3人の話を聞いていたらしく「なるほどな」と言って葵、お涼、鈴蘭の3人を連れて海閣丸(かいかくまる)に戻るため歩き出した。
道すがら葵は「雪女、大旦那様に見つかる前に天神屋に戻るつもりだったんでしょう?」とお涼に聞いた。
お涼は「うるさいわね、あんたには関係ないでしょう」とふて腐れて葵に答えた。

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八幡屋の若様と一反木綿たち

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