コクリコ坂から(ジブリ映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『コクリコ坂から』とは、2011年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画。監督は宮崎吾朗で、キャッチコピーは『上を向いて歩こう。』。
港南学園高校2年生のメルこと松崎海は、毎朝庭で旗を揚げていた。それは戦争に行ったきり、帰ってこない父親へ向けた信号旗だった。ある日、学校新聞「週刊カルチェラタン」で、自分が旗を揚げる少女として取り上げられていることに気が付く。それは同じ高校の3年生、風間俊が書いた記事だった。メルはこの記事をきっかけに俊を気にするようになり、だんだんと彼に惹かれていく。

カルチェラタン

男子文化部の部室棟で別名「魔窟」(実際の名称は清涼荘)と呼ばれる。男子しかいないため、清掃などに無頓着で荒れ放題だ。そして文化部の男子は個性的な人物が多く、カルチェラタンに部室を持つ生徒のことを、別の生徒たちは「魔窟の住人」と呼ぶ。
カルチェラタンという建物は原作では登場せず、映画版のオリジナルだ。カルチェラタン(Quartier latin)の語源はフランスにある地名で、かつて多民族が集まり、ラテン語を共通語として話す人々が暮らしていた「ラテン地区」というところからくる(意味:Quartier →地区、latin →ラテン語)。この土地にはパリ大学をはじめ、たくさんの教育機関があり、1966年に起きた5月革命(発端はストラスブール大学の学生運動で、教授独占の階級体制に反対して起きた)において、この地区が学生運動の引き金になった地区だ。

ガリ切り

ガリ切りとは、ガリ版印刷(謄写版印刷)の工程のひとつだ。ロウ紙と呼ばれる原紙に鉄筆で傷をつけて、その上から版画のようにインクを引くことによってプリントされる印刷法である。鉄筆で傷をつける際、ガリガリと音が出ることから、下書きのことを「ガリ切り」というのだ。学校にプリンターが普及する前の時代、印刷物などはほとんどがこれで、ガリを切った人の字がそのまま印刷される。そのため字のきれいなメルは、俊にとって即戦力だった。

タグボート

サイズは様々であるが、港湾で船舶が岸壁や桟橋に着離岸するのを補助したり、水上構造物を押したり引いたりするための曳船(または押船)。船体を輸送対象物に接触させて押すこともあるため、船体の外周に古タイヤなどを緩衝材として装着している。

朝鮮戦争

朝鮮戦争とは、1650年に勃発した大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の朝鮮半島領土主権をめぐる戦争だ。約3年にわたって続き、多くの死者を出した。当時、太平洋戦争敗戦後の日本は、連合国軍(国連軍)の占領下におかれていた。そして国連軍の要請(拒否権のないものだった)により、海上保安官や民間船員など8000名以上がこの作戦に参加した。

LST

アメリカ海軍式の戦車揚陸艦(せんしゃようりくかん)の艦種類別記号こと。この揚陸艦は、艦自体が直接海岸に乗り上げることができるため、歩兵や戦車などを運送するのに特化した船である。

『コクリコ坂から』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

俊の揚げる信号旗

映画のオープニングで、コクリコ荘の庭から旗を揚げるメルに、返事をしていた俊。俊の信号旗が示す意味は「ありがとう」(一番上の三角の旗は回答旗と言って、U・W旗への返答を意味する)。俊は毎朝U・W旗「安全な航行を祈る」を揚げていたのがメルであることを知っていて、自分は養父の運転するタグボートから返事をしていたのだった。だがメルからは俊の信号機が見えず、映画中盤になって初めてこのことに気づく。メルが俊に恋心を抱くきっかけとなる「絵」が描かれるための、伏線を兼ねたシーンだ。

「私、風間さんが好き!血がつながっていても、ズーッと好き!」

実は兄妹であると分かっていても気持ちを抑えられなかったメルが、俊に告白したときの台詞だ。このシーンより以前に、やはりメルに惹かれていた俊もこの事実に落ち込んでいた。兄妹と分かってこれ以上自分の恋心が膨らまないように、俊はメルにわざと冷たくしていたが、自分たちが反対運動をしていたカルチェラタンの取り壊しを救ってくれつつあるメルに、その気持ちは否が応でも大きくなっていた。メルのこの言葉に「俺も、お前が好きだ」と返すのだった。二人はここで初めて、自分の気持ちをお互いに「言葉」にした。

「古いものを壊すことは、過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!人が生きて、死んでいった記憶を、ないがしろにする事と同じじゃないのか!」

カルチェラタン取り壊しについて、開かれた全学討論会で俊が言った台詞だ。取り壊し賛成派の生徒に反対派である俊が壇上に飛び乗り声を上げて言う。それで討論は激化するが、見学していたメルの心に、この言葉は響いた。メルの住むコクリコ荘もカルチェラタンと同じ時期に建てられたもので、現在でもきれいに掃除されて美しく保存されている。さらに、「人が生きて、死んでいった記憶をないがしろにする事と同じ」という部分は、戦死したと分かっていても父のことを待ち続けるメルにとっては、共感できるものだった。この台詞で、メルの俊への恋心はますます膨らんだ。

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