鹿楓堂よついろ日和(第8話『エスプレッソ・エスプレッシーヴォ』)のあらすじと感想・考察まとめ

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ぐれは毎朝のランニングで見かける中学生の洋を気にかけていた。あるきっかけでぐれと話した洋は、世の中を妬むようなことを口にして、にこりともしない。日を置かず、洋は朝の公園に現れなくなった。洋が何か問題を抱えているのではないかと心配していたぐれは、夜の公園で洋を見つける。
今回は「鹿楓堂よついろ日和」第8話『エスプレッソ・エスプレッシーヴォ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「鹿楓堂よついろ日和」第8話『エスプレッソ・エスプレッシーヴォ』のあらすじ・ストーリー

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グレのラテアート「いつも仲良し双子のパンダちゃん」

今や常連となったつばさ(1話メインゲスト)は、今日も友人の杏と鹿楓堂にやってきて、カフェラテを頼んだ。ぐれは、「仲良し双子のパンダちゃん」というラテアートを披露する。つばさと杏は、不気味なラテ画に絶句しながら、絶品のラテを堪能した。つばさは、店の古いエスプレッソマシンについて、ぐれにたずねた。イタリア育ちのぐれは、故郷でバリスタの修行をしていたことを明かす。使いにくいとされているレバー式のエスプレッソマシンだが、ぐれには修業時代から扱い慣れているタイプなのだ。

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ぐれのスリリングな操舵に青ざめる洋(右)

開店前のランニングが、ぐれの日課である。公園を回るコースは、顔見知りも多く、ゴールデンレトリーバーのごん助になつかれている。ここしばらく、公園のベンチにいる制服姿の少年・洋(よう)を、グレは気にかけていた。
別の日の朝、ぐれは、ごん助が洋にじゃれているのを見かけた。ごん助は、飼い主が持て余すほど大きくなっても全身で甘えるので、傍目には洋を襲っているようにも見える。洋も怖がっていると見てとったぐれは、ごん助を手なずけて助けた。
洋は、世を拗ねているような態度で、ぐれにまともな礼を言わない。洋がしばしば見かけるぐれは、池のアヒルボートに乗っていたり、ランニングをしている。洋は、快活で健康的なぐれに「人生楽しそうだなって」印象を抱いていた。「楽しいよ」と頷いたぐれは、洋を公園内の池に連れていき、ハッピーになれるからとアヒルボートに乗せた。足こぎボートで一周したぐれは、「つきあってくれてありがとう。君のおかげで、今日は最高に楽しかった」と、隣に座っていただけの洋に握手を求める。手をとらない洋に、ぐれは鹿楓堂のショップカードを握らせた。洋は「変な奴。(アヒルボートに乗っても)全然ハッピーになんか、なるわけないじゃないか」と、うつむきがちに去っていった。

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夜の公園にいた洋(左)のためにエスプレッソを淹れるぐれ(右)

ぐれの元にイタリアの師匠からコーヒーの生豆が届いた。荷物の整理をしながら、ぐれは鹿楓堂の仲間に洋の話をする。ときたかたちは、ぐれの見かける時間から、洋が不登校なのではないかと心配する。
洋は、学校を無断欠席し、帰宅も遅かった。学校ではいじめられ、成績も思わしくない。家では、両親の口論が絶えない。八方ふさがりの洋は、無断欠席をして、公園や図書館で時間を潰していたのだ。学校から母親に連絡があり、叱られた洋は、また学校に行くようになる。
洋を公園で見なくなり、ぐれはわだかまりを感じていた。再び学校に行くようになったとしても、洋にとってよいことなのか、ぐれには判断できない。気分転換のために、ぐれは鹿楓堂の仲間と飲みに出かけた。酔ったぐれたちは、人けのない夜の公園のベンチに座っている洋を見つけた。
ぐれは、洋を鹿楓堂に連れていった。二人きりの店内で、ぐれはエスプレッソを淹れる。「人類全員を笑顔にする」ことがぐれの夢であった。ぐれ自身も壮大な夢だとわかっているので、自分に関わる人を笑顔にすることからはじめようとした。洋は、笑顔でいられるのは、ぐれのように友達がいて居場所もいる「恵まれた人」だけだと考えていた。今の洋は、日常を耐えることに精一杯で、上向きに変化しないことを「疲れて辛くて空しい」と感じていた。

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雨宿りしていたぐれ(左)のためにエスプレッソを淹れるバールのマスター(右)

ぐれは、イタリアに住んでいた少年時代の話をする。周囲に不満だらけで、すさんだ日々を送っていたぐれは、ある日、バールの軒先で雨宿りをしていた。するとバールのマスターがぐれを招き入れ、エスプレッソを作ってくれる。いくつもの工程を経てコーヒーが抽出される様子に、ぐれは見入った。カップを差し出されて、「ほどこしは受けるほど落ちぶれちゃいねえ」とそっぽを向くぐれに、マスターは「飲め。おまえのために淹れた」と強要する。「エスプレッソの飲み方なら知っているだろう、この町の男なら」と挑発した。さらに「周りが変わってくれることを望むな。世の中は不公平だ。どうにもならないことは山とある。それを恨んだって何も変わらない。悔しかったら、まずは自分を変えてみろ」と言う。マスターの淹れるエスプレッソは、今までぐれが味わったことがないものだった。マスターのようなコーヒーを淹れられるようになれば、人生の何かが変わるような気がして、ぐれはその店で修行をはじめた。

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マスターがぐれのために淹れたエスプレッソ。ぐれが洋のために淹れたのも同じもの。

ぐれが淹れたエスプレッソはチョコレートのような味で、洋を驚かせる。甘いエスプレッソを飲んだ洋は、苦しい現実から逃げて諦めたふりをしている自分が嫌いだと号泣する。
人心地がつき、少し素直になった洋をぐれは送っていく。自宅の近くでは、母親が名前を呼びながら息子を探していた。ぐれは、はじめて「洋」という名を知った。洋は、ぐれに変わることが怖くなかったのかとたずねる。「最初の一歩を踏み出せば、あとは何とかなるもんだよ」と答えたぐれは、店で出しているフロランタンを洋に土産に持たせ、背中を押してやった。洋は「ありがとう」を言い残して、母親の元に帰っていった。洋の背中を見送りながら、ぐれは、父親の生まれた日本を見るために、「お世話になりました」と師匠の元を離れたことを思い出していた。

数日後、アヒル同好会の活動日に洋が笑顔でやってきた。公園の池では、ぐれと一緒に揃いのTシャツを着た同好会のメンバーが洋を迎え入れた。ヤンキー崩れや強面の面々にしりごみしながら、洋は、ぐれが「人類全員を笑顔にする」野望を着々と進めている底知れない男だと実感するのだった。

「鹿楓堂よついろ日和」第8話『エスプレッソ・エスプレッシーヴォ』の感想・考察

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