ニル・アドミラリの天秤(第6話『第陸章 母の俤 -カワセミ-』)のあらすじと感想・考察まとめ

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万屋の杙椰は、ツグミと翡翠に、ヨコハマの遊女が書いた本について聞かせる。本に執着を見せる翡翠のために、ツグミは一人で本の行方を追う。遊女の本は、ナハティガルの四木沼薔子の手に渡っていた。
今回は「ニル・アドミラリの天秤」第6話『第陸章 母の俤 -カワセミ-』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ニル・アドミラリの天秤」第6話『第陸章 母の俤 -カワセミ-』のあらすじ・ストーリー

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万屋でカワセミの羽根を見る翡翠

ツグミは、翡翠との巡回で万屋に立ち寄った。杙梛は、翡翠のために翡翠の原石を仕入れていた。翡翠は自分の名前に因み、鉱石の翡翠とカワセミの羽根を集めているのだ。
杙梛は、稀モノの可能性の高い本の情報も教えてくれた。ヨコハマの遊女が書いたもので、笹乞が買い取ったという。
ヨコハマの遊女の本は、笹乞の手から離れていた。購入した客について、ツグミと翡翠は教えてもらえない。翡翠が色をなして迫るが、笹乞は紫鶴の熱狂的なファンが犯した事件(5話)に触れて、フクロウは稀モノを探すべきだとからかう。
二人が笹乞の店を出ると、杖をついた男が翡翠に話しかけてきた。ツグミは、ナハティガルで笹乞と一緒にいた男・百舌山教授だと気付く。百舌山は「うっかり仲間を燃やさないように気をつけたまえ」と、翡翠に忠告した。百舌山は、ツグミにも興味を示して立ち去った。翡翠は、百舌山と関わってはいけないと、ツグミにきつく言い渡した。
アパートに戻ると、昌吾や雉子谷も交えてみんなが、燕野からの差し入れの煎餅を食べていた。燕野の祖母は、浅草で手焼き煎餅の店を営んでいるのだ。にぎやかな輪に翡翠は加わらなかった。

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差し入れの煎餅で和気あいあいの面々。左から紫鶴・隼人・鴻上・燕野・昌吾・雉子谷・ツグミ。この後、雉子谷のうんちくが炸裂する。

後日、ツグミは一人で万屋を訪ねた。翡翠の母親がヨコハマの遊女であったことなどを、ツグミは杙梛に聞かされた。
万屋からの帰り道、ツグミは四木沼薔子に「こんなところでお会いするだなんて、わたくしには偶然ではなくて運命のように思えるわ」と声をかけられる。薔子は、ヨコハマの遊女の本を買ったのは自分だと話し、ツグミを自宅に招く。
「見ない方がいいものたくさんある」ことを理由に、ツグミは目隠しをされて、ナハティガルの薔子の部屋に通された。薔子は、夫の四木沼喬を通じて、ツグミの稀モノを見る能力を知っていた。遊女の本は、「こまどりの夢」「カワセミの郵便屋さん」などの童話も書かれた日記であり、稀モノではないと、薔子は断言する。執筆者が翡翠の母親かもしれないと、ツグミが譲渡を頼んでも、薔子は自分にとっても大切なものだと言い張る。ツグミが交渉を貸与に切り替えると、薔子は万華鏡をのぞいたことがあるかと訊いた。はぐらかされて戸惑いながら、ツグミは「友人(鷺澤累)が作っていました」と答える。薔子は、「一番きれいで一番好きな形には二度と戻らない」万華鏡は、昔は好きだったけど今は嫌いだと言う。薔子は、日記を貸すことを考えておくと、ツグミに期待を持たせる。薔子は、ナハティガルの手形代わりに、ツグミに懐中時計を与えた。ツグミと親しくなりたいと伝え、「あなたがわたくしを裏切らなければ、わたくしもあなたを裏切らない」と、薔子は脅すようなことも口にする。
ツグミを見送る薔子に、百舌山が話しかけてきた。百舌山と薔子は旧知であるらしい。百舌山に、ツグミを引きこむつもりかと問われて、薔子は「そんな汚れたことなど、一切考えてませんわ」とはねのけ、部屋に引きこもってしまう。薔子は、窓からツグミの後ろ姿を見つめ、「あなたは美しい羽を持っていることで、どこにでも飛んでいける」「決して誰にも汚されないように」と祈っていた。

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薔子(右)は話題をめまぐるしく変えて、ツグミ(左)を翻弄する

アパートに帰ったツグミは、薔子に惹かれてナハティガルに行ったことを後悔しながら、翡翠にヨコハマの遊女の日記を読ませたいと思い続けていた。窓から翡翠が庭にいるのが見えて、ツグミは下りていった。
翡翠の足元には、いくつもの青い炎が揺らいでいた。「きれいね」とツグミが話しかけると、翡翠は「むしろ醜い」と忌々しそうに返した。
翡翠は自分の生い立ちを語った。ヨコハマの遊郭で翡翠は女ものを身につけて育てられた。酔った客に乱暴されそうになったとき、翡翠の発火能力は目覚めた。覚醒と同時に、翡翠の左目は赤くなった。翡翠は「人を殺そうとした醜い自分が許せない」と言う。翡翠には左目は罪の烙印に思えるのだ。百舌山が、翡翠の能力に目をつけ、実験台にしようとしたことも話した。その後、母親は失踪したことも、翡翠には自分から逃げたようにしか思えなかった。酔った客を殺しそうになるまでは、親子関係は良好で、翡翠は母親の語る「カワセミの郵便屋さん」などの童話が好きだったと言う。
薔子の手元にある日記は、翡翠の母親のものだとツグミが確信した。翡翠にその話をしようとしたとき、ツグミは朱鷺宮に呼び出される。
四木沼薔子の車に同乗するツグミを、帝都新報の葦切が目撃し、朱鷺宮に伝えていた。ツグミは、ナハティガルに乗り込んだことを問責されても、個人的なことだと口を割らない。翡翠が部屋に飛びこみ、自分のためにツグミが奔走していると、朱鷺宮に釈明する。翡翠は、杙梛に頼んで日記の購入者を突きとめてもらい、入手することはすでにあきらめていた。

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母・緋和子(左)の愛情にあふれている日記を読む翡翠

朱鷺宮から無軌道な単独行動を禁止されていたが、ツグミは薔子に会う決意を固めていた。勘付いた翡翠は、ツグミを待ち伏せしていた。翡翠は、「僕なんかのために、弟にするみたいにやさしい」と感謝する一方で、ツグミに年下扱いされる不満をこぼした。ツグミを止めることができないとわかった翡翠は、ツグミを守るために同行する。
ツグミは、翡翠とともにナハティガルの薔子に面会した。薔子は、翡翠が「緋和子の生き写し」だと言う。翡翠の母親・緋和子は、薔子の女学校時代の友人だった。緋和子が没落華族の娘であり、幼い兄弟のために身売りをしたことを、翡翠は初めて知る。薔子は、緋和子は大切なものを守るためならば、自分を犠牲にしたすることをためらわない、やさしい人だったと語り、自分の醜さを母親は疎んじていたと思いこむ翡翠を追いこんでしまう。薔子は、緋和子が翡翠を大切に愛していた証に、日記を読ませる。
翡翠に手渡された日記は、アウラを放った。誰よりも翡翠には幸せになってほしいと願いのこもった緋和子のアウラは、翡翠や薔子にも感じられた。
帰り際、薔子は、事情が変わったとツグミから懐中時計を返してもらい、ナハティガルに来ることを禁じた。帰り道での翡翠も、ツグミの向う見ずに釘を刺し、危険が迫ったときには全身全霊をかけてツグミを守ると誓った。翡翠は、母親への誤解が解ける機会を作ってくれたツグミに、心の底から感謝していた。
ナハティガルの一室では、四木沼喬が百舌山教授と面会していた。空っぽの鳥籠を前にして、四木沼は「手に入れる、欲しいと思ったものはすべて、この手で」と宣言した。

「ニル・アドミラリの天秤」第6話『第陸章 母の俤 -カワセミ-』の感想・考察

「ニル・アドミラリの天秤」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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