アタック・ザ・ブロック(Attack the Block)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アタック・ザ・ブロック』とは、南ロンドンの低所得者用の公営団地(ブロック)で暮らす不良キッズ達が、彼らがカツアゲした看護師も巻き込んで、宇宙から飛来した凶暴なエイリアン達と苛烈なバトルを繰り広げる一夜を描いたイギリスのSFアクション・ムービー。映画監督クエンティン・タランティーノが、11年度のベスト映画の1本に挙げた痛快娯楽作だ。2011年製作。

モーゼス達のグループに入りたがっている団地に住む10歳に満たない好奇心旺盛で少々向こう見ずなチビっ子。本名はガヴィンだが、友達のレジナルドといつも一緒で、自分達をメイヘム(乱暴者)とプロブス(問題児)と名乗っている。
ビックスが隠れているゴミ収納ボックスの前にいたエイリアンに向けてプロブスが油を入れた水鉄砲を放射し、メイヘムが爆竹を投げて焼き殺すという勇ましいところを見せる。

プロブス(演:サミー・ウィリアムズ、吹替:安武みゆき)

メイヘムといつも一緒にいるチビっ子。本名はレジナルド。彼も好奇心は人一倍旺盛で向こう見ず。
恐いもの知らずなところがあるが、ビックスが隠れているゴミ収納ボックスのまえのエイリアンを焼き殺して自慢気だったのに、やって来た警官達を目にすると逮捕されるんじゃないかと思い、慌ててメイヘムと一緒にゴミ収納ボックスに逃げ込んでしまう。どうも警官は怖いらしい。

ティア(演:ダニエル・ヴィタリス)

ビックスの従姉弟で、ちょっと勝ち気だが分別のある少女。ビックスからモーゼス達のワルい行いを聞いていて、彼らをよく非難しているが嫌ってはいない。
防犯ゲートのある部屋に住んでいて、モーゼス達がエイリアンから逃げ込んできた時は、女友達のティンプルスが彼らが部屋に入るのを拒んでも「ここは私の部屋よ、入って」と中に入れる。どうもモーゼスに気があるように見受けられる。

ディンプルス(演:ペイジ・ミード)

ティアの女友達。
モーゼス達がティアの部屋に来た時、厄介ごとに巻き込まれたくないと彼らが部屋に入るのを拒否してしまう。
部屋の寝室にエイリアンが入り込んで暴れたときは、ティアと共にスケート靴を振り上げて必死で応戦し、エッジの先をグサリとエイリアンに突き刺して止めを刺す活躍を見せる。

『アタック・ザ。ブロック』の名シーン・名場面

牙をむいた獰猛なエイリアン達から路上を逃げまくるモーゼス達

凶暴なエイリアン達から必死で逃げるモーゼス達

ハイハッツから逃げたモーゼス達が団地に戻ろうとするが、路上で幾匹もの黒くて獰猛なエイリアン達が襲いかかってくる様子をハイテンポで描いた手に汗握る場面だ。
ビックスは、目の前に迫ってきたエイリアンから逃れようと危険を承知で高い遊歩道の上から目の前の階段に飛び降りたり、デニスがバイクで歩道に設けられた鉄枠の下を体を屈めて潜り抜けたり、仲間それぞれの逃亡の様子が矢継ぎ早に描写され興奮させられる。
ペストが団地の玄関に向かって走ってくるそのすぐ後をエイリアンが青い目を光らせて追ってくるところもドキドキものだ。

エイリアンに追い詰められたビックスが歩道橋から向かいの階段に飛び降りようとする

モーゼス達とエイリアンの最後の戦い

メスのエイリアンの死骸を背負い、オスのエイリアン達との最後のバトルに向かうモーゼス

モーゼスが、メスのフェロモンを利用してオスのエイリアン達をまとめて一か所に誘い込み、一気に吹き飛ばす作戦を決行するスリリングでパンチの利いた名シーンだ。
ガスが充満するモーゼスの部屋におびき寄せ、彼らに向かってロケット花火を打ち込もうとするがライターに火がつかないところもハラハラドキドキさせる。モーゼスが手に持った武器が日本刀なのも面白い。

オスのエイリアン達を罠を仕掛けた部屋におびき寄せようと必死で走るモーゼス

団地の住人達からの「モーゼス、モーゼス万歳」と連呼されたのに笑みを浮かべるモーゼス

エイリアン達を全滅させた後、エイリアンの襲撃など知らない警察にモーゼスは連行されてしまうが、護送車の周囲にいたビックスやメイヘム&プロブス、ティア達から彼の行動を称えるように「モーゼス、モーゼス、モーゼス万歳」と連呼され、モーゼスがニンマリと笑みを浮かべる、実に印象深いラストショット。

『アタック・ザ・ブロック』の名言・名セリフ

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