アタック・ザ・ブロック(Attack the Block)のネタバレ解説まとめ

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『アタック・ザ・ブロック』とは、南ロンドンの低所得者用の公営団地(ブロック)で暮らす不良キッズ達が、彼らがカツアゲした看護師も巻き込んで、宇宙から飛来した凶暴なエイリアン達と苛烈なバトルを繰り広げる一夜を描いたイギリスのSFアクション・ムービー。映画監督クエンティン・タランティーノが、11年度のベスト映画の1本に挙げた痛快娯楽作だ。2011年製作。

『アタック・ザ・ブロック』の概要

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『アタック・ザ・ブロック』とは、「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のエドガー・ライト監督が製作総指揮を務めた、不良キッズ達が飛来したエイリアン達と戦うSFアクション・ムービー。
本作で監督デビューを果たしたジョー・コーニッシュは、実際に不良キッズ達にカツアゲされたことがあり、それをきっかけに「なぜ彼らが凶暴な行動に走るようになったんだ?」と興味を持ったのが始まりで、彼らへのリサーチを重ね、やがてそれを映画にしようと脚本を書き始めた。
普通なら社会派ドラマになるところだが、「E.T.」や「グレムリン」「クリッター」のような現実とファンタジーを組み合わせたような映画が大好きだったコーニッシュは、ウォルター・ヒル監督の「ウォリアーズ」や「ストリート・オブ・ファイヤー」などのストリート・ギャング映画も好きで、そういう彼の好きな要素を組み合わせて、自分の生まれ育った南ロンドンを舞台にシナリオを書いたんだそうだ。
出演は、主人公モーゼスに「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のフィン役で広く知られるようになったジョン・ボイエガ、看護師役に「ヴィーナス」(06)で英国インディペンデント映画賞にノミネートされたジョディ・ウィテカー、マリファナ売人役にコーニッシュとは20代半ばにエドガー・ライトを通して知り合った長年の友人でもある「ショーン・オブザ・デッド」のニック・フロスト、それにボイエガもそうだがオーディションで選ばれた10代の少年少女達が映画初出演ながら活きのいい演技を見せている。
日本劇場公開は、2012年6月。

ジョー・コーニッシュは1968年12月イギリス・ロンドン生まれ。
コメディアンとしてキャリアを積み、テレビやラジオで活躍。同じコメディアンのアダム・バクストンとコンビを結成したコメディ・ショー「アダム・アンド・ジョー」はカルトな人気を誇り、フロストはその番組の大ファンだった。
「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」の脚本を、エドガー・ライトと共に書いている。

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ジョー・コーニッシュ(左)とニック・フロスト

『アタック・ザ・ブロック』のあらすじ・ストーリー

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女性看護師のサムを襲う不良キッズのモーゼス達

イギリスの南ロンドンにある公営団地の近くで、夜道を歩いて団地に向かっていた女性看護師サムは、ひと気のない道路に入った時、覆面の不良キッズ達に襲われた。
不良キッズのリーダーであるモーゼスがサムをナイフで脅して携帯電話やサイフや指輪を取り上げた時、突然、夜空から隕石のようなものが降ってきて、彼らのそばに停めてあった自動車に激突した。キッズ達がひるんでいる隙にサムは慌てるように逃げ出した。
モーゼスは彼女を追おうとはせず、その車が高級車なのに気づき、お宝があるんじゃないかと車内を物色することにした。
ダッシュボードを開こうとした時、車内にいた得体の知れない小柄な生き物が鋭い歯をむき出してモーゼスに襲いかかってきた。それは隕石のようなものに潜んでいた凶暴な生き物だった。その生き物によって額に傷を負ったモーゼスが持っていたナイフで突き刺すと、そいつは素早い動きで逃げ出した。
モーゼスは、「このままじゃ済ませないぜ」と謎の生き物が逃げ込んだ丘の上のバラック小屋に近づいた。仲間のペストが爆竹に火をつけ小屋に投げ込むやいなや、モーゼス達は火煙を上げる小屋に突入し、謎の生き物をなんとか殺すことができた。
殺した生き物を見下ろしながら仲間達が「なんだか分かんねえ生き物だ」「正体不明だ」と呟きあっていると、ペストが「こいつはきっとエイリアンだ。地球を征服に来たんだ」と言い出した。
その頃、幾つもの流星が夜空の向こうから地球に向かって突き進んでいた。

モーゼス達は、殺した謎の生き物で一儲けできるんじゃないかと考え、その死骸を自分達の住む団地に持ち帰ることした。
途中で、同じ団地に住む女友達のティナ達や、メイヘムとプロブスのチビっ子コンビに出合い、死骸を自慢げに見せびらかした。
モーゼスは、死骸の置き場として、同じ団地の最上階に住み自分たちの溜まり場にしているロンの部屋の温室が良いのではと考えた。ロンはマリファナの売人で、それの原料になる植物を温室で育てていたのだ。
ロンの部屋にはマリファナを買いに来た学生・ブルースがいた。ロンとブルースが、モーゼス達が持参した生き物を観察し、生物学を学んだブルースが「これは未知の生物だ。おそらくエイリアンだ。間違いない」と断言すると、モーゼス達は「俺たちが見つけたんだ。これでリッチになれる」「オークションに出そうや」「メディアに高く売りつけるんだ」と互いに大金が入ることを期待して喜び合った。
モーゼスがロンにエイリアンをマリファナを育てている温室に置かせてほしいと頼むと、自分は雇われの身だから麻薬密売のボスのハイハッツに聞いてくれと言われた。
温室に入り、中にいたハイハッツに頼むと、彼はそのエイリアンの死骸にあまり興味を示さず好きにしろとオーケーしてくれた。
その代わりとでも言うのか、ハイハッツは「こっちの方が儲かるぜ」とモーゼスにコカインの密売を命令した。
モーゼスが温室から戻ってきた時、彼や仲間達は窓の向こうにエイリアンを乗せた隕石のようなものが幾つも白い光を放って地上に落下してくるのを目にした。
大金が入るんじゃないかと浮かれ気分だったモーゼスの仲間達は、「もっとエイリアン狩りをしようぜ」と言い出し、それぞれが自分の部屋に戻って武器になるものを手にして外に飛び出した。
モーゼス達が出かけるのを目にしたメイヘムとプロブスは、「僕らも一緒に連れてって」とせがんだが、無視して落下場所の公園に向かった。
落下地点に近づくと、隕石らしきものの中に、落下の前に死んでしまったらしきエイリアンが横たわっていた。それは先に殺したエイリアンの3倍近い大きさで爪も長く伸び太かった。その姿を目にし、モーゼスの仲間達は急にビビりだした。
その時、モーゼスの仲間のデニスが連れてきた愛犬ポゴが、異様な鳴き声を聞きつけ丘の上に駆け上がっていった。
モーゼス達が丘の上を見上げると、ポゴが何かに襲われたのか声が途絶え、黒い毛に覆われ目が青白く光るエイリアンが姿を現した。

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エイリアンを運んだ隕石を目にし、中のエイリアンの大きさに少々ビビるモーゼスの仲間達

エイリアンが口を大きく開けると、目と同様に長く伸びた鋭い歯も青白く光っていた。
それを見たモーゼス達は、慌てるように団地に向かって逃げ出した。
モーゼス達を追いかけて公園にやってきたメナヘムとプロブスも、エイリアンを目にするとびっくりして逃げた。
仲間のビックスを後ろに乗せて自転車で走ったモーゼスは、彼らがカツアゲしたサムの通報で周囲を見回っていた警察に見つかり逮捕されてしまった。車両には、不良キッズを特定する証人としてサムも乗っていた。
モーゼスが手錠をはめられ車両に押し込められるのを、無事に逃げたビックスやペスト達が歩道橋から見ていたが、道路の端のほうからエイリアン達が警察車両に近づいてくるのに気づいた。
エイリアン達は、素早い動きで警官達を血祭りに上げると、車内にいるモーゼスを襲おうとした。
このままではモーゼスが殺されてしまう、助けなくては、とペストが持参していた大型花火の導火線に火をつけ、警察車両に向かって投げつけた。
大型花火は車の真下に転がり、大きな火花を上げ火煙が辺りに充満し、エイリアン達が一瞬怯んだように見えた。
その隙に、デニスがバイクに乗って背中に差した日本刀を抜いて警察車両に突進し、モーゼスを助け出そうとした。
デニスは車内に入ると、襲ってくるエイリアンを足で蹴ってドアを閉め、運よくキーが付いたままだった警察車両を発進させた。
なおも襲ってくるエイリアン達を必死で振り落とし、デニスは地下駐車場で他の仲間と落ち合おうと連絡した。
地下駐車場に警察車両を突入させた時、運悪くハイハッツの乗った車と正面衝突してしまった。警察車両の運転席の後ろにはまだサムが乗っていたが、それに気付いたデニスは「エイリアンが襲ってきた。今逃げないと大変だ」と言って彼女を逃がした。その後、ペスト達も駐車場にやって来た。
ハイハッツは、最初は警察車両にぶつかったのにマズイことになったと思ったが、運転していたのがモーゼスの仲間だと分かると銃を手にして車両から出てきて、銃口をモーゼス達に向けた。
ペストが、エイリアン達に襲われたことなどハイハッツに事情を説明したが、彼は全くペストの話を信じようとしなかった。
その時、ハイハッツの背後で不気味な息遣いが聞こえ、何かが天井から落ちた。手下が気味悪がったが、ハイハッツは彼に様子を見に行かせた。手下がハイハッツの車の後ろに回ると、そこには何もいなかったが突如、駐車場の奥から一匹のエイリアンが手下目がけて襲いかかり、ノドに噛みついて惨殺した。
ハイハッツが手下を襲ったエイリアンに銃を撃っている隙に、モーゼス達は駐車場から逃げ出した。
それに気付いたハイハッツは、「モーゼスの腰抜け野郎!ブッ殺してやる、待ってろ!」と叫んだ。

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獰猛なエイリアンから必死で逃げるペスト

モーゼス達は、ひとまず団地に戻ることにしたが、帰り道には最初に殺したエイリアンよりデカくて黒く獰猛なヤツが幾匹もいるのでは、と恐れる気持ちもあった。だが、このままではどうしようもないと、バイクや自転車に乗って団地に向かった。
案の定、モーゼス達の前にエイリアン達が現れ、襲いかかってきた。モーゼス達は別々に逃げることにし、それぞれ違う道を通って必死で逃げた。
仲間のビックスは命からがらゴミ置き場のゴミ収納ボックス、モーゼス達は何とか団地内に逃げ込めたが、エイリアンが扉を破ってペストの足を鋭い歯で噛みついた。
ペストは痛みに耐えながら野球バットでエイリアンを殴りまくった。エイリアンが一瞬後ずさった時、モーゼス達はペストを引きずって階段を駆け上がって逃げた。
彼らと同じ団地に2か月前から住み始めたサムが、自分の部屋に入ろうとした時、階段を上がってきたモーゼスと目が会った。彼らと関わりあいになりたくないサムは慌てて自分の部屋に入ろうとしたが、ドアを閉じる寸前にモーゼスが無理矢理部屋に入り込んできた。
サムは、モーゼス達を追い出そうとしたが全く相手にされず、彼らは知り合いに「外に出ては危ない、殺されるぞ」と注意を呼びかけるメールを送り始めた。そして、サムをカツアゲした時に見た身分証で、彼女が看護師だったと気付いたデニスが、ペストの手当てを彼女に頼んできた。
自分をカツアゲした彼らがエイリアンに襲われたと言っても全く信用しないサムだったが、「アンタに手は出さない」とモーゼスから言われ仕方なく手当てをすることにした。
手当ての最中に、サムの部屋のドアが大きな音で叩かれた。モーゼスがバットを手にして構え、ドアの覗き窓から廊下を覗くとエイリアンが歯をむき出して吠える姿が目に映った。エイリアンはドアを蹴破って部屋に侵入し、暴れ出した。モーゼスが、咄嗟にデニスの背中から刀を抜き取り、「喰らえ」と力いっぱい振り下ろすとエイリアンはあっけなく死んだ。
モーゼス達が殺したエイリアンを囲んでいる隙に、サムは部屋を出て逃げようとしたが、突然廊下の明かりが消え真っ暗になった。そして不気味な唸り声を耳にして怖くなったサムは、部屋から出ていこうとするモーゼス達に「私もアナタ達に付いていく」と言い出した。
デニスは嫌がったが、ペストは傷の手当てをしてもらったせいもありオーケーし、モーゼスも彼女が同行することを受け入れ「何か武器を持て」と言った。

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エイリアンから逃げてサムの部屋に押し入ったモーゼス達

手下を襲ったエイリアンを殺したハイハッツは、他の手下達を地下駐車場近くに呼び出した。やって来た手下の車に乗り込むと、ハイハッツはモーゼス達への怒りを手下にぶつけ、「団地に行け、あいつ等に思い知らせてやる」と息巻いた。

モーゼス達は、防犯ゲートのあるティアの部屋に行くことにした。途中でプロブスとメイヘムが現れ、「僕たちも一緒に戦うよ」と銃を見せた。その銃をデニスが取り上げ、二人を追い払った。
ティアの部屋には彼女の女友達のディンプルス等がいて、ディンプルスがモーゼス達が部屋に入るのを拒否したが、ティナは「ここは私の家よ、さあ入って」と彼らを迎え入れた。
デニスやペストが、彼女達にエイリアンに襲われたことを話すが、全く信じてもらえず小バカにされた。
その時、ティアが窓の外に青く光る四つの眼を目撃し、他の女友達と共に寝室に逃げ込んだ。二匹のエイリアンが団地の壁を這い上がって来たのだ。
モーゼス達は身構え、デニスがエイリアンに向けてメイヘムから取り上げた銃を発砲した。だが、その銃はオモチャだった。そのことに唖然とするデニス目がけて、エイリアンは窓を破り襲いかかってきた。容赦なく鋭い牙がデニスの体を引き裂き、彼は殺されてしまった。
一匹が、ティナ達のいる寝室に入り込んだ。ティナ達はアイススケート靴のエッジや電気スタンドで必死に応戦した。
もう一匹を殺そうとモーゼスは手にした日本刀を振り上げたが、勢い余って刀は後ろの壁に深く突き刺さってしまった。何とか壁から刀を抜こうと力を入れたが、なかなか抜けず、エイリアンはじわじわとモーゼスの眼前に迫ってきた。
このままでは殺されると思った矢先、サムが持参していたナイフをエイリアンのノド奥に深く突き刺し仕留めた。寝室のエイリアンも、ティナ達により何とか殺すことが出来た。

デニスの死を悲しむモーゼスに、ティナやディンプルスが「最初に一匹殺したのがまずかったのよ」「怪物はアンタを追ってきた。あんたは疫病神よ」「もうこれ以上巻き込まないで」と言い放つと部屋から逃げ出していった。
デニスの死は自分にせいかも知れないと思ったモーゼスは、「俺から離れろ、もう誰も死なせない」と仲間のペストやジェロームに言ったが「バカ言うな。デニスの敵をとってやる」と離れようとはしなかった。
廊下に出た時、ハイハッツが手下と共にモーゼス達の前に現れ銃を向けてきた。驚いたモーゼス達は、ハイハッツの銃撃から命からがら走って逃げた。ハイハッツが彼らを追いかけようとした時、新たなエイリアンが現れた。そのエイリアンは今までのものより大きく、素早い動きで銃撃を除けながらハイハッツ達に迫ってきた。
これはヤバいと思ったハイハッツは手下達と共にエレベーターに逃げ込んだが、扉が閉まる寸前にエイリアンが侵入してきた。
エレベーターはそのまま下に向かって動き、ある階で止まって開いた。自宅に帰ろうとしたブルースがエレベーターのボタンを押していたのだ。
中なら血まみれのハイハッツが現れ、彼の足もとには手下やエイリアンの死体が転がっていた。
何が何だか分からず恐怖を覚えて立ちすくむブルースに、ハイハッツは「隣のエレベーターに乗りな」と言うと立ち去った。
ブルースがオロオロしながら隣のエレベーターに乗って降りようとした時、モーゼス達が乗り込んできた。
その時、直ぐ近くから不気味な獣の叫び声を耳にしたブルースは、何が起こっているんだと不安気にモーゼスに問いただした。
ペストやジェロームがエイリアンに襲われたことを彼に話し、その隙にモーゼスが最上階へ行くボタンを押した。
下にはハイハッツやエイリアンそれに警察もいてヤバイから、最上階のロンの部屋の温室なら安全だと考え、そこを目指そうとしたのだ。

最上階に着きエレベーターを降りると、廊下の奥にエイリアン達がいた。
モーゼス達は、ペストが持参した花火でエイリアンを脅し、その隙にロンの部屋に入ることにした。
ロケット花火をエイリアン達に向けて発射すると、モーゼスは爆竹を手にもうもうと煙が立ち込める廊下を用心しながら前に進んだ。
最後尾にいたジェロームが突如エイリアンに襲われ悲鳴を上げた。心配になったペストが後戻りし、煙の中でジェロームを探し、エイリアンに襲われて顔に深い傷を負ったジェロームを目にした。だが、彼が「助けて」と言うや否やエイリアンに強引に後ろに引きずられ惨殺されてしまった。
仲間のジェロームを失ったペストは、エイリアンに怒りをぶつけるように大声で泣き叫んだが、このままでは自分達もヤバイと慌てるように階段を駆け上がりロンの部屋に向かった。
何とかロンの部屋の扉までたどり着いたモーゼス達だったが、中に入るとハイハッツが待ち構えていた。モーゼス達がロンの部屋にやって来るだろうと思い、先回りしていたのだ。

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ロンの部屋でエイリアンに襲われる麻薬密売のボス・ハイハッツ

ハイハッツはモーゼスに銃を向けながら「お前のせいだ。お前が怪物を呼んだんだ。おかげでサツまで来たぞ!」と息巻いた。
その時、ハイハッツの背後の窓に何匹ものエイリアンが張り付いているのをモーゼスやペストが目にし「エイリアンがあんたの後ろに来てる」と言ったが、彼は聞く耳を持たず銃の引き金に手をかけた。
だが、窓の外のエイリアンが叫び声をあげると、それを耳にしたハイハッツが振り向き、本当に彼らがいたことに驚いて発砲したが、多勢に無勢、窓を破って入ってきたエイリアン達に取り囲まれたハイハッツは無残に殺されてしまった。その隙に、モーゼスはペストやサム達と温室に逃げ込み、扉をしっかりと締めた。

デニスやジェロームなど仲間を死に至らしめたことで、落ち込んだモーゼスは「最初のエイリアンを追って殺さなきゃよかった」と深く悔いた。
モーゼスがふいに立ち上がり、温室に預けていた最初に殺したエイリアンをじっと見つめた時、彼のジャケットに白く光るシミが多数できているのをペストが指摘した。
ブルースが「それは温室の照明に使ってる紫外線の反射だ」と言い、「おそらく、それはフェロモンだ。同じ種族を刺激して反応させる生体ホルモンのことだ」と大学で生物学を学んだ彼は言った。続けて「多分、最初に殺したエイリアンがメスで、後から来た奴らはオスだ。メスのフェロモンに引き寄せられているんだ」と説明した。そして、「だから君が服を脱げば、他のエイリアンには襲ってこないし、彼らに見つからないと」とモーゼスに対処方法を話した。
ブルースの話を聞いたモーゼスは、「そのフェロモンを利用してエイリアンをまとめて一か所に誘い込み、一気に吹き飛ばす」とある作戦を思い付いた。

作戦とは、エイリアンに触れていなくて襲われる危険がないサムが、一人で外に出てモーゼスの部屋に行き罠をしかけるというものだった。本当は、ペストやブルースが引き受けても良かったのだが、二人はエイリアンに触れていてダメだった。
モーゼスは、自分の部屋に行ってガスの栓をぜんぶ開いてくれとサムに言い、着いたら電話してと携帯を渡した。その時、カツアゲして彼女から奪った指輪を返した。
サムが温室から出ると辺りにエイリアンがウヨウヨいたが、ブルースの言葉通り彼らは彼女を襲おうとはしなかった。

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エイリアンがウヨウヨいる部屋から抜け出そうとするサム

無事にロンの部屋から抜け出たサムは、モーゼスの部屋に向かった。そして、部屋に入ると携帯で彼からの指示を受けて台所のガスの元栓を全開にし、団地の外に出た。
モーゼスは背中にエイリアンのメスの死骸を括り付けて温室から出ると、ロケット花火で彼らをけん制しながら刀を片手に玄関に向かい、廊下に出て自分の部屋まで勢いをつけてひた走った。エイリアン達は、フェロモンに引き寄せられ群れを成してモーゼスの後を追いかけてきた。
自分の部屋に入ったモーゼスが、背中のエイリアンの死骸を床に投げ出すとオスのエイリアン達は雪崩のように部屋に押し入り死骸に群がった。
モーゼスはベランダ近くまで後ずさり、そこから彼らに向けてロケット花火を放った。部屋は大爆発を起こし、エイリアンは全滅した。だが、爆風に煽られモーゼスはベランダの外に投げ出された。しかし、ベランダの上から吊るしていたイギリス国旗にしがみつき命は取り留めた。

ロンの部屋に残っていた彼とペストとブルースは用心しながら廊下に出たが、団地の騒ぎを聞きつけ出動してきた警官達と遭遇し、逮捕されてしまった。そしてモーゼスも騒ぎの張本人として警官に手錠をかけられた。
彼らが連行されるのを、ゴミ収納ボックスから出てきたビックスやティナ達やサム、それに団地の住人達が見つめていた。ビックスは「彼らがエイリアンから団地を救ったんだ、ヒーローなんだ」と声高に訴えるが、不良キッズ達の仕業と決め付け全く耳を貸さなかった。
最初にモーゼス達にカツアゲされて警察に通報したサムは、警視から「彼らが犯人なんですね」と問われると、「いえ、あの子たちは近所の子です。私を守ってくれた」と答えた。
モーゼスが護送車に乗せられ連行されるなか、ビックスやティナ達が「モーゼス、モーゼス、モーゼス万歳」と彼の名を何度も呼び、やがてその声が団地の住人たちの間に広がっていった。
自分の名を連呼されるのを聞いたモーゼスは、ニヤリとほくそ笑んだ。

『アタック・ザ・ブロック』の登場人物・キャラクター

モーゼス(演:ジョン・ボイエガ、吹替:長崎浩瑛)

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団地に住む不良キッズ・グループのリーダー。無口だが勇敢な少年で、仲間を大切に思っていて面倒見が良い。大人びた風貌だが、後でまだ15歳だったことが分かる。
最初にメスのエイリアンに襲われて噛み付かれたのが彼で、そのエイリアンのフェロモンがジャケットに付着し、後から地上にやって来たオスのエイリアン達を引き寄せてしまう。
仲間のデニスやジェロームがエイリアンに殺されたのは自分のせいだと落ち込むが、意を決してエイリアンを全滅させる作戦を思い付き、看護師サムの協力を得て実行。見事にエイリアンを皆殺しにする。

サム(演:ジョディ・ウィッテカー、吹替:佐古真弓)

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モーゼス達の住む団地につい最近入居した看護師の女性。
モーゼス達にカツアゲされたことで彼らを恐れているが、エイリアン達に襲われた彼らが彼女の部屋に逃げ込んできてしまい、その後からエイリアンが現れ、仕方なく彼らと行動を共にすることとなる。
最初はモーゼス達を嫌っていたが一緒にいるうちに打ち解け、そんなにワルい子達じゃないと思いはじめる。そして、最後にはモーゼスに協力し彼の考えたエイリアン全滅作戦を実行するため、勇敢にもエイリアン達の中を通り抜けモーゼスの部屋で罠を仕掛ける。

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