月読調（戦姫絶唱シンフォギア）とは【徹底解説・考察まとめ】

調が越えた過去の壁

戦姫絶唱シンフォギアではシリーズを通して、奏者達が敵との戦いの最中、自分自身の心の闇や悩みを乗り越えて行くという描写が見られる。
彼女達はそれらの闇や悩みを乗り越えることで、戦う為の強い意思と新たなる力を得て行く。

暴走する仲間達（戦姫絶唱シンフォギアG）

調は同じレセプターチルドレンだったマリアや切歌、そして面倒を見てくれたナスターシャ教授と共に自分達だけ助かろうと月の落下を隠蔽していた政府や世界に対して宣戦布告をする。それは、力や権力を持たない人達を一人でも多く助けようという理想による計画だった。しかし、協力者であったウェル博士の暴走によって次第に計画は歪んでいき、それにも関わらず世界に宣戦布告をするという大それた事をしてしまったマリア達は今更計画を中止にすることも出来ず、それが既に歪んでしまっていると分かっているのにも関わらず計画を実行へと移してしまう。
調は仲間達が暴走していることを間違っていると判断し、敵対していた特異災害対策機動部二課へと単身で乗り込み仲間達を止めて欲しいと彼らに嘆願する。ほんの少し前まで敵として命を掛けた戦い続けて来たにも関わらず、特異災害対策機動部二課のメンバーは調の言葉を信じ共に戦うことにするのだった。
そして調は、親友である切歌を止める為に大好きであるにも関わらずに切歌と剣を交える事になる。切歌が親友の調と戦ってしまった理由は、切歌の中にフィーネの魂が宿りそうになっておりその所為で自分の魂や記憶が塗りつぶされて行くという事実に脅え、自分が消えてしまっても月が落下した後の世界で調だけには覚えていて欲しいと調を生かそうとした為だった。しかし、実際にフィーネの魂が宿りかけていたのは切歌ではなく調だった。この事実の発覚により切歌は戦意を消失させる。
さらに調と共に出撃した立花響の説得や、ナスターシャ教授が自分の身を顧みずに月の落下起動を修正した為に、もはやウェル博士の元で戦う理由を失ったマリアも響達と共闘することを決める。そして、敵対していたはずの奏者達が手を取り合ったことでウェル博士の計画は潰え、ナスターシャ教授という犠牲を出したものの月の落下を阻止し世界を救うことに成功するのだった。

足手まといな自分達（戦姫絶唱シンフォギアGX）

切歌と調は他の奏者達に比べてシンフォギアとの適合率が低く、「LiNKER」という薬が無ければまともに戦うことが出来なかった。シンフォギアを上手く纏えない二人は、過去にウェル博士に協力してしまった事を後悔し、それを償う為に少しでも皆の役に立ちたいと無茶な訓練をしたり、勝手に敵地へと飛び出て行ってしまう。そんな二人のことを周囲の人々が怒る所為で、切歌と調は自分達が足手まといだから皆に怒られるのだと解釈し、周りに認めて貰おうとさらに無茶な行動を起こしてしまう。
そんな中、敵の中でも最強である自動人形のミカが調と切歌に襲い掛かる。戦闘中、切歌に向かって放たれたミカの攻撃を調は自分の身を挺して防ぐ。それにも関わらず、調は切歌から怒られてしまうのだった。調は切歌と比べてもシンフォギアとの適合率が低かった為に、ついに切歌からも足手まとい扱いをされてしまったのかと悔しがる。
そんな調に切歌は、自分が調に怒ったのは大切な調が傷つくところを見たくなかったからであり、そして「みんなが私達を怒るのは私達を大切に思ってくれてるからなんデス！」と周りが自分達を怒る理由が足手まといだからではなかったのだと気づき、それを伝える。
自分達が足手まといではなかったと分かった調と切歌は、心配してくれる周りの人に心配されないくらい強くなりたいと、精神力が試されるイグナイトモジュールの使用に踏み切る。
イグナイトモードとなった切歌と調は、二人の歌を重ねることで力を増すユニゾンも駆使することで力を引き上げ、そしてミカを倒すことに成功するのだった。

自分だけ出来ないユニゾン（戦姫絶唱シンフォギアAXZ）

調と切歌は戦乙女ザババの振るう二本の刃ということと、二人が非常に仲がよいことから二人の心と歌を合わせることで力を増す「ユニゾン」を行うことが出来た。
更なる強力な敵に対抗する為に、奏者達はこの調と切歌だけが使うことの出来たユニゾンを誰とでも行えるように訓練をする。しかし、他のメンバー達がユニゾンを成功させていく中、調だけは切歌以外に心を開くことが出来ず他のメンバーとのユニゾンを成功させることが出来なかった。思うように行かない調は次第に自分にユニゾンすることは無理だから一人で強くなるしかない、と自棄になり一人よがりな戦いをするようになってしまう。
そんな中、機動力を持った錬金術師プレラーティが現れる。移動し続けるプレラーティに、追いつくことが出来たのは高機動を誇る調とバイクを操る翼だけだった。しかし、プレラーティの錬金術は強力であり、個々の力では敵わないのにも関わらず調は相も変わらず一人で戦おうとしてしまう。
そんな調を見ていた翼は調に言う。
「私もかつて亡き友を想い、これ以上失うものかと誓った心が壁となり、目を塞いだことがある。月読の壁も、ただ相手を隔てる壁ではない。相手を思ってこその距離感だ。それはきっと、月読の優しさなのだろうな」
翼の言葉を聞いた調は本当に優しいのは自分なんかではなく、心に壁を作ってしまう自分にも手を差し伸べてくれる周りの皆だと、そんなみんなの優しさに答えたいと自分から手を差し伸べる決意をする。
心の壁を少しだけ取っ払った調は自分を励ましてくれた翼とのユニゾンを成功させ、格上の相手であった錬金術師プレラーティを倒すのだった。

月読調の必殺技

α式・百輪廻

頭部に装着しているツインテールのような部分が開き、中に収納されていた大量の丸ノコの歯を射出する技。範囲と手数を兼ね備えた調の基本的な技。

β式・巨円斬

両手のヨーヨー型の武器を合体、巨大化させ敵にぶつける大技。二つのヨーヨーは調の主武器である丸ノコように変形し、対象に斬撃を与える。

γ式・卍火車

ツインテールのような頭部の装備の先端で回転させた丸ノコを投げ飛ばす技。手数は減るものの威力が上がった『α式・百輪廻』の強化版のような技である。

裏γ式・滅多卍切

裏γ式という名称の通り『γ式・卍火車』のようにツインテールのような頭部の装備の先端から回転させた丸ノコを出現させる。『γ式・卍火車』の場合はこれを投げ飛ばすものの、この技ではツインテールの装備を四つに増やしそれらを自由に操り周囲を切り刻む。