魔法少女 俺(第5話『魔法少女☆旅行中』)のあらすじと感想・考察まとめ

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さきたちが修学旅行先の沖縄を満喫しているころ、首都圏は怪獣チヂラに襲われていた。チヂラの東京上陸を阻止するため、政府は対策本部を立ち上げる。チヂラ誕生には、日本のアニメーション業界の闇と、人命が関わっていることが判明する。うろたえるだけの対策本部に、アニメ納品請負人を自称する六人の男が現れる。
今回は「魔法少女 俺」第5話『魔法少女☆旅行中』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「魔法少女 俺」第5話『魔法少女☆旅行中』のあらすじ・ストーリー

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制作中のアニメが作り直されることになって動揺する藤本一郷と弟たち。上段中央の藤本から時計回りに、三豪・四業・六轟・五鋼・二剛。

アニメ製作会社スタジオひろえでは、大問題が起こっていた。現在放映中のアニメ『魔法使い私』第5話の盗作が発覚した。何者かが情報をリークし、元ネタである先行作品の製作会社からクレームが入ったのだ。
版権管理部部長は責任者のC水を呼び出し、最初から作り直すことを命じる。C水は、元ネタとはRGB値(三原色の配合値)がひとつ違うなど弱弱しい抗弁をして、部長の神経を逆なでする。元ネタの先行作品も巧みにパロディを織り交ぜていたことにも、C水は触れる。部長は、「悪意のある作品は良識をもってそれを駆逐する」と、元ネタ制作会社を皮肉る。今回問題になったのは、元ネタ制作会社に使用許可を求める仁義を通さなかったことであり、誰が見てもスタジオひろえに非がある箇所だった。
版権管理部を出たC水は、リテイクの連絡を入れる。
その連絡を受けたのは、改造人間一郷だった。五人の弟たちとアニメ制作に関わっているのだ。やり直しに愚痴をこぼす弟たちを叱咤し、一郷は窓を開ける。窓の外にはスタジオひろえプラスの紙袋をかぶった巨大な怪獣のオブジェのようなものが見えた。一郷には、この怪獣が目覚める前にアニメを仕上げなければという、使命感があるらしい。
一郷が正義の味方っぽく気取っていると、また電話が鳴った。相手は不明だが、一郷は神妙に相手の話を聞き、弟たちに「青トレスの表現もNGだって」と伝える。放映開始から2分38秒、青かったキャラクターの描線が、いつも通りの黒に変わった。

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普通の女子中学生として羽を伸ばすさき(左)と桜世。

さきと桜世が修学旅行で沖縄を満喫中、首都近郊は非常事態に見舞われていた。
神奈川県宮ヶSAY湖で発生した巨大生物は、相模OH野市を焦土にし、北東に進行していた。東京上陸を阻止のため、政府は多摩川に最終防衛ラインを築いた。南多摩附近で、巨大生物を足止めさせることに成功し、今はオブジェのように動かない。
藤本兄弟は、五話カット再発注特設対策本部(以下、略称・五再対)という仰々しい看板を掲げ、今後の方針を話し合っていた。兄弟は、正義の味方らしく巨大生物へ関心を振り分けつつ、主にアニメ制作の進行を気にかけていた。
TV各局は巨大生物の報道特番に切り替え、アニメ放映のめどもつかない。周辺住民も避難している。そういった状況下でも、『魔法使い私』制作委員会は、スタッフに待機を命じ、期日に納品することにこだわっていた。作り直す話には新たに予算が下り、ただ働きしなくてよいことに、藤本兄弟たちは喜んでいた。自分たち改造人間のメンテのために、藤本兄弟は資金が必要なのだ。
ここ数日、藤本兄弟は、プロデューサーと仕事の打ち合わせをしていた。いつも連絡してくるのは、デスクの千葉だった。千葉が逃げたのではないかと藤本兄弟は笑うが、笑い話ですまされない差し迫っていた状況になっていた。

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その18時間前、国会には、巨大生物災害対策本部特別指令室が設置されていた。
巨大生物の肉片からは、ヒトのDNAが確認されていたことが報告される。DNAは、スタジオひろえプラスの千葉と一致していた。三日前の4月24日から、千葉は行方を断っていた。神奈川県宮ヶSAY湖の駐車場に、千葉が運転していた社用車が乗り捨てられていた。車内には、原画と千葉の手書きのメモが残されていた。
原画の質の悪さに、室長をはじめ、対策室の官僚たちもあきれる。室長は、ジャパニメーションの現状に絶望して千葉が身投げしたと推測する。湖に落ちたことは確実だが、経緯は違った。三日前から、スマホゲーム関連のSNSでは、宮ヶSAY湖に珍しいモンスターが出ると話題になっていた。湖周辺の監視カメラに映た千葉は、スマホゲームに気に取られて、不注意による転落だった。「もっと早く、歩きスマホ禁止の看板を出しておくべきだったな」と、室長は後手に回ったことを後悔する。この後、巨大生物は「チヂラ」と命名された。
政府は、チヂラが千葉の意思を反映していることと合せて、最終目的地が杉並区であると確定する。杉並区には、スタジオひろえプラスがある。チヂラ災害対策本部に集まった官僚たちは、チヂラの目的地が官公庁の集中する都心ではないことにほっとし、不幸中の幸いと軽口を叩いた。
一人の発言者が、最悪杉並区が襲われれば、日本のアニメ産業が壊滅すると話しはじめた。日本国内の七割のアニメ関連会社が、杉並区と隣の練馬区にある。一同は、声優や好きなアニメの行く末を心配する。混乱のさ中、「例の箇所」から非公式のメッセージが届けられた。室長は、「杉並を守れ。アニメオンエアを止めるな」と苦々しくメッセージを読み上げた。

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政治の中枢に乗り込んできた男たちは「アニメ納品請負人」を名乗る。藤本一郷(中央)と弟たちである。

決断を迫られる室長の前に現れたのは、スーツ姿の藤本六兄弟だった。一郷は、「いつもは町の牛乳配達、その実態はアニメ納品請負人」と正義の味方らしい口上を述べる。事情通によると、「納品スケジュールぎりぎりの制作スタジオに現れて、一本だけ作って、天文学的な金額を請求する組織」が、藤本兄弟である。一郷は、チヂラの活動を完全停止する手段を提起する。
手始めに、一郷は、最大の謎であった相模OH野襲撃の解明をする。千葉のPCには、スタッフのブラックリストがあった。リストに名を連ねるある人物が、相模OH野在住であった。対象の人物が締切直前の4月24日に同人誌即売会に行くことが露見し、千葉は即売会参加を阻止するつもりであったらしい。その執念を受けたチヂラが、相模OH野を火の海にしたと考えられた。
相模OH野の件を踏まえて、『魔法使い私』を期日の三日後までに納品すれば、千葉を安心させ、チヂラも完全停止すると、一郷は仮説を披露する。一郷は、該当作品が昨日初期段階から作り直しが決まったことを話し、納品のために政府のバックアップを求めた。チヂラ災害対策本部でも、チヂラが再び動き出すのは約三日後だと見なしていた。室長はアニメの完成を優先することを決断し、噂通りの莫大な料金を、一郷に請求された。

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納期の日、再び動き出したチヂラ。

藤本兄弟には、豪華スペシャル制作部屋なるものが用意された。弟たちは、政府が口車に乗ったことを喜び、仕事を放り出して国外に高飛びしようかとふざけている。豪遊気分の弟たちを、我々は正義のために生まれてきた改造人間だ」と一郷はいましめた。
彼の国の特使シブーャ・アヤーノが、一郷たちに面会を求めてきた。彼の国のチヂラ攻撃作戦を延期するように、一郷は要請する。特使は、自分たちの国家リーダーは興奮した赤牛そのもので、作戦を止めることは難しいと言う。さらに、特使は赤牛と呼ぶリーダーが力強く国家を導くことを誇り、「あなたたちの作品(の方向)は誰が決めるの?」と一郷を挑発する。一郷は、「それ言うと、色々問題がな…」と言葉を濁すことしかできない。
藤本兄弟は、特使や五再対の臨時のスタッフたちと、アニメーターをかき集める。東京と大阪には作画会場が設けられ、在宅で作業する人員も加えると、原画三百人、レイアウト三百人、作画監督百五十人を動員することができた。原画は、全国の動画スタジオで仕上げる算段だったが、引受先が見つからない。藤本兄弟たちがSNSで万策が尽きたと弱音を吐くと、海外のスタジオから救いの手が差し伸べられた。
ビデオ編集を終えて、一郷が室長に感謝されているところに、急報が入る。チヂラの背びれが光り、動き出す兆候があるという。映像に映ったチヂラは、もの欲しそうに口を開け、納品を迫っているようだった。
都内の大型クレーンをかき集めたが、チヂラの口に放り込むことはできない。ついに、チヂラは動きはじめた。

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ステルスから華麗に飛び降りた魔法少女たち。

絶体絶命かと思われたそのとき、彼の国のステルス数機が現れる。ステルスからは、魔法少女オレと魔法少女サキガスキが橋の上に降り立った。二人は、ジーマミー豆腐キックを繰り出して、チヂラを粉砕する。チヂラのなかからは飛び出した無数の妖魔は、異界へ帰っていった。
今までの努力が水の泡となった藤本兄弟、室長、特使は、憮然とするだけだった。

「魔法少女 俺」第5話『魔法少女☆旅行中』の感想・考察

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