零~紅い蝶~・零~眞紅の蝶~(Fatal Frame II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~紅い蝶~』とは、「零」シリーズの第2作目で、2003年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。
霊を射影機に写すことで撃退できることや、民俗学的な視点による謎解きなど、前作『零~zero~』の長所を生かしながらも一つの屋敷から一つの廃村へと舞台が変更されており、より広い範囲で行動することになる。登場人物の中には、前作に因縁のある人間も多く、今作によって明かされる前作の設定なども見どころだ。

『FATAL FRAME II CRIMSON BUTTERFLY DIRECTOR'S CUT』

『FATAL FRAME II CRIMSON BUTTERFLY DIRECTOR'S CUT』とは2004年にXbox用ソフトとして発売された『零~紅い蝶~』のリメイク作品である。
リメイクに当たっていくつかのモードやエンディングが追加された。

FPSモード:First Person Shooterと呼ばれる常に一人称の視点でゲームが進行するモードである。自由に辺りを見渡せるようになるものの、映される画面の範囲は狭まり、死角も増える。

サバイバルモード:ゲーム本編とは異なる流れの中を進んでいき、霊に触れてしまった時点でゲームオーバーとなってしまうプレイヤーの力量が試されるモードである。

アディショナルフィーチャー:カメラを強化する際に使用するポイントを使って、澪や繭のコスチュームやアクセサリー、またはゲーム攻略に有利になるアイテムや設定画などを購入できるおまけ要素。

新エンディング「約束」:PS2版では「紅い蝶」と「虚」という主人公澪にとって幸福とは言い切れないエンディングしかなかった為に追加された、澪を繭も助かるハッピーエンドのエンディングである。

『零~眞紅の蝶~』

『零~眞紅の蝶~』とは2012年にwii用ソフトとして発売された『零~紅い蝶~』の二回目のリメイク作品である。
PS2と比べて高性能であるwiiの性能が生かされ、グラフィックやキャラクターの動きなどあらゆる点で美麗になった。また、主人公澪と繭の年齢が2歳引き上げられるなどの変化もあった。

視点:PS2、Xbox版ではキャラクターを1視点から俯瞰する場面が主だったが、主人公澪の肩越しの視点へと変更された。
操作:眞紅の蝶の前作である『零~濡鴉の巫女~』のシステムを受け継いでおり、コントローラーに特徴のあるwiiならでは操作方法になっている。

お化け屋敷:シンプルな操作で手軽に恐怖体験を味わうことの出来るモード。
夜店:Xbox版におけるアディショナルフューチャーのように、アイテムや澪達のコスチューム等の購入が出来るおまけ要素。
追加エンディング:Xbox版に続いて『凍蝶』と『陰祭』という二つのエンディングが追加された。どちらも『零~紅い蝶~』の雰囲気を受け継いだものになっており、主人公澪にとっては幸福とは言い難いものである。もちろんXbox版で追加された『約束』も残っている。

『零~紅い蝶~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

紅い蝶のモデルはディレクターの夢

紅い蝶は前作に比べて物語部分が濃くなっているということに関して、ディレクターの柴田氏は自身の夢がモデルになっていると語っている。
双子の姉妹と紅い蝶が出てくる、怖いながらも綺麗な夢だったようで、そこからキャラクターや設定が生まれて行ったのだそうだ。

二人の霊感の差

当初、主人公姉妹は常に二人で行動し、霊感の弱い澪を動かし、霊感の強い繭と行動することで過去の幻視や霊を視ることが出来るようにするというものだったらしい。しかし、常に二人で居ると恐怖が半減してしまうということが分かり二人が共に居ない時間を多く作ったようだ。
澪が、始めに屋敷に足を踏み入れた際、怯える繭に触れたことで幻視したのはその名残なのだそうだ。

幻の序ノ刻

序ノ刻は始め、主人公姉妹は二人で森に入り、そして村人達の霊に追われる中崖を二人で登るという描写があったのだそうだ。足の悪い繭を引き上げようとした澪は、その時に首を吊った繭を幻視してしまうという内容で、一人で儀式をするために首を吊られてしまった紗重と重なるようなプロローグになっていたらしい。

『零~紅い蝶~』の主題歌・挿入歌

今作から零シリーズには、エンディングに流れる主題歌が追加された。シリーズを通して「天野月子」が担当している。
彼女のデビュー曲「箱庭」を聞いた時から零の雰囲気に似ていることを感じていたディレクターの柴田氏による推薦であり、ゲームのストーリーや設定から曲を作るという手順を経た。その為、天野月子の世界観を持ちつつも、零の世界観が表現されたものになっている。
また、眞紅の蝶には新たに『くれなゐ』というテーマソングが用意された。

天野月子『蝶』

天野月子『くれなゐ』

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@shuichi

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