零~紅い蝶~・零~眞紅の蝶~(Fatal Frame II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~紅い蝶~』とは、「零」シリーズの第2作目で、2003年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。
霊を射影機に写すことで撃退できることや、民俗学的な視点による謎解きなど、前作『零~zero~』の長所を生かしながらも一つの屋敷から一つの廃村へと舞台が変更されており、より広い範囲で行動することになる。登場人物の中には、前作に因縁のある人間も多く、今作によって明かされる前作の設定なども見どころだ。

ゲーム中はカメラ位置が固定、もしくは主人公の動きに合わせて自動で動く為、カメラの操作は必要ない。その変わりに懐中電灯の明かりが使える時に限って、この明かりの方向を操作することが出来る。
射影機を構えた際には、ファインダーモードと呼ばれる主観モードになり自由に視点を動かすことが出来るが、視界が制限される為に霊を発見しづらくなってしまう。Xbox用のリメイク作品『FATAL FRAME II CRIMSON BUTTERFLY DIRECTOR'S CUT』ではFPS(First Person Shooter)モードと呼ばれるこの主観モードが常に継続するモードが用意された。
フィラメントと呼ばれる霊の種類や方向、近さに反応して光を発する機能が画面上に常に表示されている為、これを頼りに霊や隠された扉などを探すことが出来る。
今作は姉妹で行動を共にする機会があるが、もちろんながら姉の繭を撮影することも出来る。
また、ストーリーの進行上倒すことの出来ない無敵の敵が存在しており、それらの霊に触れると一度のダメージでゲームオーバーとなってしまう。

ファインダーモード

射影機を覗くと主観モードのような画面に移行し、この状態でのみ霊を写真に収めることが出来る。画面上には霊の近さと方向を光の強さによってあらわすフィラメント、霊をファインダー内にとらえている間に発光するキャプチャーサークル、フィルム枚数など前作『零~zero~』から引き継がれたものの他にも様々な追加点が存在する。
また、霊を撮影することで得られる霊力ポイントによって、射影機の基本性能や強化レンズの性能を上げることが出来る。

キャプチャーサークル:霊をとらえると黄色く発光する。また、敵を背後に大きく弾き飛ばすことの出来るシャッターチャンスには赤く色が変わる。
フェイタルフレームランプ:今作で追加された。シャッターチャンスよりもさらに強力な攻撃「フェイタルフレーム」の瞬間を示してくれるランプ。
霊波計:今作で追加された。怨霊との距離を示し、近い程にゲージが上がりダメージが増える。
フィルム枚数:射影機で写真を撮るのに必要となるアイテムの残数である。フィルムにはいくつか種類があり、その種類によって霊に与えられるダメージが変わるものの、強力なものほどゲーム内に存在する数が少なくなっている。また、装填時間と言われるクールタイムが追加された。
強化レンズ:前作における補助機能に近い存在。怨霊との戦闘に有利になる効力を持つ。
霊力蓄積:今作で追加された。ゲージによって蓄積量が確認でき、ゲージが一度溜まる度に霊力としてストックすることが出来る。このストックされた霊力を使用することで強化レンズの能力を使うことが出来る。

敵の霊に大きなダメージを与えることが出来るシャッターチャンスは、撮影の間に起こるクールタイムをカットすることが出来るようになった。その為、シャッターチャンス後には連続して撮影することが出来る。また、シャッターチャンス中のさらに短い時間フェイタルフレームランプが発光し、この時間のみ撮ることの出来る「フェイタルフレーム」と呼ばれるものがある。このフェイタルフレームによって撮影されると、霊を撮ることで得られる霊力ポイントが通常よりも多くなる為に攻略の助けとなる。

ショット

写真を撮るという特性上、写真の良し悪しによって評価が変わるシステムがある。この評価によって得られる霊力ポイントやダメージに影響が出る。
そして、この評価基準の一つとなるのがショットである。

ゼロショット:シャッターチャンスで撮影。または、フェイタルフレームで撮影。
スペシャルショット:一部の強化レンズの装着中、シャッターチャンスで撮影。
コアショット:霊の中心を撮影。
クロースショット:霊をぎりぎりまで引き付けて撮影。
ジャストショット:霊を倒した時のHP残量の誤差が10以内。
ダブルショット:二体同時に撮影。
ダブルキル:二体同時に倒す。
トリプルショット:三体同時に撮影。
トリプルキル:三体同時に倒す。

『零~紅い蝶~』の登場人物・キャラクター

天倉澪(あまくらみお)

天倉姉妹の妹。幼い頃に姉が崖から落ちてしまうという事故の原因を作ってしまった為に負い目に思っている。今でも足が不自由な姉である繭の面倒を見るように付き添っている。
繭が、紅い蝶を追いかけていってしまった為に澪も皆神村へと閉じ込められてしまうのだった。

姉妹を殺すという残酷な儀式「紅贄祭」を実行してしまい、自身の手で繭を殺してしまう。それ以降、澪の首元には自身が繭の首を絞めた時に付けた紅い蝶のような跡が出来てしまう。

天倉繭(あまくらまゆ)

天倉姉妹の姉。澪に対して姉妹以上の想いを抱いており、大人になってしまえばいつか澪と別れなくてはいけないという不安を抱えていた。そんな不安と、崖から落ちてしまった事件の際に澪に置いて行かれてしまったという経験が重なった所為で、皆神村で彷徨い続けた紗重と同化してしまう。

澪と離れたくないという思いから、儀式を行い姉妹と永遠に一つになることを望んでいた。数種類用意されているエンディングは一見バッドエンドばかりのようにも思えるものの、正式にバッドエンドとされているのは繭が置いて行かれてしまう「マヨイガ」だけであり澪と一緒になれるという意味では繭にとっては殆どが悪くないエンドにも思える。

黒澤八重(くろさわやえ)

紅贄祭から逃げ出した双子姉妹の姉。後に生まれた方が姉となる、という現行の法と異なるしきたりによるものの為、実際には澪と同じ妹である。
紗重と共に村を逃げ出そうとするものの、紗重を置いて行ってしまう。実際には、村を出た後に戻ろうとしたものの、すでに闇に飲まれ消えてしまった村へは戻りようがなかった。二人の脱走を手引きした立花樹月の頼みによって二人を迎えに来ていた友人の宗方良蔵に発見され、その後結婚する。

その後、彼女は宗方八重として『零~zero~』の舞台となった氷室家へと引っ越し、そこで娘の美琴が見つけて来た射影機に呪われ首を吊ってしまう。『零~zero~』の主人公雛咲深紅の曾祖母に当たる。

黒澤紗重(くろさわさえ)

紅贄祭から逃げ出した姉妹の妹。先に生まれた方が妹となる、という現行の法と異なるしきたりによるものの為、実際には繭と同じ姉である。
繭と同様に、姉妹の紗重に対して姉妹以上の感情を抱いていたと思われる。その為に、二人が一つになれる紅贄祭には抵抗はなかったものの、八重が逃げると言った為に離れたくない一心からついていった。しかし、逃走中に崖から落ちてしまい先を走っていた八重に置いて行かれてしまう。
その後、たった一人で紅贄祭の生贄になるものの儀式は失敗し、村は虚と呼ばれる黄泉の門から瘴気(闇、恐怖)が吹き出す「大償」が起きてしまう。それ以降、八重がいつか戻ってきてくれると信じ求め続けている。
そんな経験から、似た思いを持っていた繭に憑依してしまう。

須堂美也子(すどうみやこ)

左の女性

恋人である槙村真澄を探しに、皆神村に迷い込んでしまった女性。
皆神村で、恐怖に脅えながら真澄を探し続け再開を果たすものの、強力な怨霊である楔に殺されてしまった槙村の怨霊に殺害される。

槙村真澄(まきむらますみ)

右の男性

ダム建設が行われる為に皆神村付近へと派遣された調査員であり、調査中に皆神村へと迷い込んでしまった。
恋人である須堂美也子が来るまで生き延びることが出来たものの、強力な怨霊であった「楔」に襲われて亡くなる。その後自身も怨霊となり、恋人の須堂を殺害してしまう。

黒澤良寛(くろさわりょうかん)

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