PLUTO(プルートウ)のネタバレ解説まとめ

『PLUTO』とは、手塚治虫の作品「鉄腕アトム」の中のエピソード「史上最大のロボット」を原作とした浦沢直樹の漫画作品。
舞台は人間とロボットが共存する世界。世界最高水準の能力を持つ7体のロボットが、次々と何者かに破壊される事件が起きる。7体のロボットの1人・ドイツ刑事ロボットのゲジヒトは、一連の事件に深く関わっているとされる謎のロボット「プルートウ」の正体に迫っていく。

表向きは、デュッセルドルフにて貿易会社に勤め、妻・イルザや息子・ハンスと暮らしているごく普通の男性。しかし、その裏では、妻や息子にも内密に、ロボットの人権廃止を訴える極右集団・KR団のメンバーとして活動している。

幼いころに父親が、勤めていた工場にロボットが導入された影響で失職し、さらに貧しい生活の中で娯楽が少なかったアドルフと彼の兄のためサッカーボールを盗んだところをロボットに見つかり、町中で泥棒としてさらし者にされた挙句、逮捕されてしまい、その後飛び降り自殺してしまったという過去を持つ。
父親を苦しめたロボットに対して、後に連続幼児型ロボット誘拐殺人事件を起こした兄と同じく深い憎悪を持っている。

兄が、兄が殺害した幼児ロボット・ロビタの父親であるゲジヒトに惨殺されたということを知り、兄の復讐としてゲジヒトを殺害しようと考えるが、良心の呵責にさいなまれ、実行できずにいた。
そんな中、ゲジヒトの暗殺を企てたことで「ゲジヒトを生かして、後に彼を反ロボットのプロバガンダに利用する」というKR団の計画を邪魔したとして、KR団に命を狙われ、車に爆弾を仕掛けられる。さらにそのことを警察に相談したところ、ボディーガードとしてゲジヒトが派遣される。

ゲジヒトに、ゲジヒトがかつて兄を殺害したという過去を突き付け、消去されていたゲジヒトの記憶を呼び覚ます。
その後、家族とともにKR団に殺害されそうになったところをゲジヒトに助けられ、ゲジヒトのことを殺害しようとした自分を守ったゲジヒトの行動に心を打たれて涙を流す。

アドルフ・ハースの兄

アドルフ・ハースの兄。2年前に連続幼児ロボット誘拐殺人事件を起こし、ゲジヒトの子供であるロビタを殺害する。その後、憎しみにかられたゲジヒトにより、ゲジヒトの特徴的な武器であるゼロニウム弾を用いて殺害される。

アドルフと同様、父親を苦しめ、死に追いやったロボットに対して深い憎悪を持っていた。
非常に残酷な方法で幼児ロボットを殺害しており、彼が起こした事件については、ロボットの排斥運動をしているKR団の幹部でさえ「吐き気を催す行為」と述べているほどである。

しかし、良き兄ではあったようで、弟のアドルフは「最低の人間だったが、少なくとも僕にとっては良い兄だった」と述べている。

アーノルド

トラキア合衆国の、気象予報士ロボット。おしゃべりな性格の持ち主で、エプシロンとは親しい模様。
ニュー・ワシントンの気象予想センタービルに所属している。

衛星写真を解析したところ、ボラーらしき巨大な影がペルシャの砂漠地帯を砂煙とともに移動しているのを確認するが、その影がボラーだという確証を得ることはできなかった。
気象予想センタービルに入った不自然な亀裂や、火山の急速な異常活動、過去に起こった大地震の周期に関するデータなどをもとに、トラキア合衆国を起点とした大規模な天変地異が起きることを予測し、アレキサンダー大統領をはじめとするトラキア合衆国の政府高官らにそのことを伝えた。

伴校長先生

アトムとウランが通う小学校の校長先生。「ヒゲオヤジ」というニックネームを持つ。
「ロボットも人間と同じように悲しむもの」という考え方の持ち主であり、アトムが死亡して悲しむウランの心を救おうとする。

モハメド・アリ

ペルシャのサマルカンドで花売りとして働くロボット。戦争の影響で体が半壊している。
プルートウの正体であるサハドのことをよく知っている。学者になることを夢見ており、オランダに留学して植物学を学んでいたサハドのことを尊敬している。

捜査の途中でサマルカンドに訪れたゲジヒトと出会い、ゲジヒトにサハドの留学先と名前を教える。

その後、プルートウとの戦闘を終え、ボディにダメージをおった状態のゲジヒトと再会するが、ゴジにボディを乗っ取られ、小型クラスター砲を使いゲジヒトを銃殺してしまう。
その際、小型クラスター砲を撃った反動により、もともと半壊していた自らのボディもダメージを負い、機能停止してしまう。

ワシリー

エプシロンが引き取ったペルシア人の戦争孤児。
彼が暮らしていた村は戦争の攻撃により、彼一人を除いて一瞬にして焦土と化した。その際、砂煙の中をボラーがゆっくりと横切っていく姿を目撃している。
その時に感じた強い恐怖心が精神に深いダメージを与え、その時以来「ボラー」以外の言葉は発せないという状態になってしまっていた。
しかし、エプシロンの孤児院で暮らすうちに、次第に「ボラー」以外の言葉も話せるようになっていく。

プルートウの関係者である「ヨハンセン」と名のる慈善家に、エプシロンをおびき寄せるためのおとりとして連れ去られてしまう。
その後、助けに来たエプシロンとエプシロンの護衛ロボット・ゴードンにより救出される。

『PLUTO』の用語

トラキア合衆国

世界最大級の豊かさを持つ大国。「世界のリーダー」を自称している。
しかし、ロボットの研究開発分野の発展に関しては、ほかの国々に後れを取っていた。
「エデン国立公園」と名付けられた、広大な保護区域を持っている。

「ペルシア王国は大量破壊兵器を持っている」とでっち上げ、国連で承認された大量破壊ロボット製造禁止条約に反しているとして、第39次中央アジア戦争を引き起こす。

ペルシア王国

自らを「ペルシア王朝の正統な後継者」と自称している国王・ダリウス14世が治める独裁主義国家。国民やロボットは、絶対君主制による圧政に苦しんでいた。
ロボット軍事力の強化により、中央アジア全域を統治することをもくろむが、国連や国連やトラキア合衆国と衝突し、第39次中央アジア戦争を引き起こした。

第39次中央アジア戦争に敗戦後、ダリウス14世による絶対君主制は崩壊し、トラキア合衆国や国連の占領により、ペルシア共和国と名を改めて民主主義国家となる。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

BILLY BAT(ビリーバット)のネタバレ解説まとめ

「BILLY BAT」とは、浦沢直樹による漫画作品。ストーリー共同制作は長嶋尚志。「モーニング」にて、2008年から2016年にかけて数回の長期休載を挟みつつ連載された。 歴史の裏を描くSF大河作品。特定の人物に取り付き、未来を予言する「こうもり」の声を聞いた人々が、やがて歴史的な事件に大きく関わっていく様子を描く。

Read Article

三つ目がとおる(The Three-Eyed One)のネタバレ解説まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

Read Article

MASTERキートン(マスターキートン)のネタバレ解説まとめ

1988年から1994年にかけて「ビッグコミックオリジナル」に連載された、勝鹿北星・浦沢直樹による漫画およびアニメ作品である。イギリスの保険調査員として日々過ごしてる平賀=キートン・太一。彼には考古学者と元特殊部隊という2つの顔がある。考古学で培った知識、特殊部隊で鍛え上げた鋼の精神と肉体を駆使して世界を飛び回る。

Read Article

MONSTER(モンスター)のネタバレ解説まとめ

『MONSTER』とは、浦沢直樹による漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。 舞台は1980年代後半から90年代後半のヨーロッパ。 日本人の天才脳外科医・テンマは強盗事件にまきこまれ重傷を負った少年・ヨハンの命を助ける。しかし、その9年後にヨハンと再会したテンマは、彼が平気で殺人を繰り返す殺人鬼であることを知る。 殺人鬼・ヨハンを生き返らせてしまったことに責任を感じたテンマは、その責任を果たすため、ヨハンを抹殺する旅に出る。

Read Article

火の鳥(Phoenix)のネタバレ解説まとめ

漫画界の巨匠、手塚治虫の描く壮大な物語が『火の鳥』だ。その血を飲むと永遠の命が得られる伝説の鳥である「火の鳥」。この伝説の鳥を巡り、古代から未来へ、未来から古代へ。またミクロからマクロへ、マクロからミクロへと想像を絶するスケールで世界が流転する。文明の進化と衰退、科学の罪、生命進化、人間の心と、「火の鳥」を狂言回しに、あらゆる要素を紡ぎ、手塚治虫が読者へ送る「究極の物語」だ。

Read Article

ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説まとめ

ブラック・ジャック(BLACK JACK)は、手塚治虫の代表漫画作品の1つ。黒いマント姿につぎはぎの顔の天才無免許医師が、法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ。1973年~1979年に「週刊少年チャンピオン」にて連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。

Read Article

ブッダ(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

「ブッダ」とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌「希望の友」(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。

Read Article

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。

Read Article

火の鳥(Phoenix)の名言・名セリフまとめ

『火の鳥』はあの『鉄腕アトム』を生み出した漫画界の巨匠、手塚治虫による『火の鳥(不死鳥)』を題材とした長編漫画である。日本の漫画文化を代表する作品の一つ。仏教の「六道輪廻」の考え方を軸に「死と再生」を主なテーマとした壮大なストーリーとなっている。 全12編ともなる独立したストーリーの舞台が過去と未来を行き来する独特な構成や、宗教思想と漫画の融合が当時画期的であり、現在でも数々の作品に影響を与え続けている。 この記事では、生命の本質や人間の業を説くような火の鳥の名セリフの数々を紹介する。

Read Article

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

田中圭一先生と言えば、漫画界の巨匠・手塚治虫先生の絵柄で下ネタギャグな作風を確立したパイオニア。その田中先生が現在webサイト「ぐるなび」にて、漫画家ご本人とそのご家族にまつわる“食”にスポットを当てたエッセイ漫画を連載しており、これが大変おもしろい!ですのでこちらでは、田中先生の作品を通して、ご自身も漫画家や他分野で活躍されているご家族も紹介させて頂きます。

Read Article

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作が最も美しく甦る。 『ブラックジャック』は過去、秋田書店等で何度か単行本化されているが未収録作品がいくつかある。 しかし本書は、過去の単行本化された中で未収録作品が3話と一番少ない。 なお、この3話(「指」・「植物人間」・「快楽の座」)は手塚プロダクションの意向により今後も掲載されることはないため、この『ブラックジャック大全集』が〈完全版〉と言えるだろう。

Read Article

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)

Read Article

マンガ「20世紀少年」のあらすじ紹介!【ネタバレ・キャラ紹介・元ネタ解説あり】

『20世紀少年』とは、浦沢直樹による漫画作品。2008年から2009年にかけて映画化もされている。 コンビニの店長として働く中年の男・ケンヂの身の回りで、不可解な事件が相次ぐ。やがて、それらの事件はケンヂとその仲間たちの子供のころの妄想を現実化したものであるということに気が付く。少年時代に共に未来の世界を想像した仲間を集めたケンヂは、仲間とともに事件の首謀者である「ともだち」と呼ばれる人物の正体を探る。

Read Article

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。

Read Article

目次 - Contents