ピアノの森(第1話『選ばれた手』)のあらすじと感想・考察まとめ

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森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりに育った一ノ瀬 海。ある日、海の学校に雨宮 修平が転校してくる。修平の父は有名なピアニストであり、彼自身もピアニストになることを目標にしている。修平が触っても全く音の出ないピアノを海がたやすく弾きこなしたことを音楽教師の阿字野に話すと、阿字野は動揺し夜の森に出向く。そこで彼はかつて捨てたはずのピアノとそれを演奏する海の姿を見る。
今回は「ピアノの森」第1話『選ばれた手』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ピアノの森」第1話『選ばれた手』のあらすじ・ストーリー

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コンクールに臨む海

「よ、ショパン。やっとここまできたぜ」
ショパン・コンクールの会場となる、ワルシャワ国立フィルハーモニーホール。日本人青年 一ノ瀬 海は『エチュード ハ長調 作品10-1』を奏でる。ここに至るまでの道程を思い出しながら。

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海のクラスに転校してきた修平。海を女の子と見間違える。

小学校5年生のある日、海のクラスに東京から雨宮 修平が転校してくる。4歳からピアノを始めた修平の目標は、父のようなピアニストになること。そんな修平にクラスのガキ大将・金平(通称 きんぴら)は、「ピアノだってよ、男のくせに」と言い、男子の仲間に入れて欲しければ森にあるという「おばけピアノ」を弾いてこいと難癖をつける。「おばけピアノ」とは森に放置された古いピアノ。近くで死体が見つかり、その亡霊が夜な夜な現れてピアノを弾いているらしい。以前きんぴらたちが肝試しした時も音は出なかった。「ピアノ習ってるんなら弾けるよな。できなきゃちんこ見せろ」と無理難題を言うきんぴらとその仲間達に困り果てていると、叩きつけるようなピアノの音が鳴り響いた。「森のピアノは壊れてなんかいない。ちゃんと音もでる。」と海が言うが「でまかせ言うな、俺が度胸試しした時は音なんか出なかったぞ」ときんぴらは返す。「それはきんぴらがビビってたらだろ?」と海が言うときんぴらは海に飛びかかり、殴り合いの喧嘩に発展した。クラスメイトは「いつものことだから」と喧嘩を放置し、音楽教師の阿字野が止めに入りようやく収まった。だが、その阿字野もそんな壊れたピアノの音が出るはずないと言い、生徒たちを帰宅させる。一人ピアノの下で泣く海を落ち着かせるため、阿字野はピアノを弾き始める。ジャズのスタンダードとして知られる『茶色の小瓶』を阿字野がオリジナルにアレンジしたものだった。だが突然曲の途中で打ち切ると海にも帰るよう促す。それとも続きが聞きたいかと尋ねる阿字野に海は「そんな下手くそなピアノ、聞きたくない。」と言い放つ。言葉もない阿字野に対し、海は音を外した回数、場所までも指摘する。海たち生徒の前で一度しか演奏していないはずの曲なのに、「一度聴いたら覚えるだろ」と言う。

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海に的確にミスを指摘され、驚く阿字野。

修平は学校での出来事を母親には言い出せずにいた。翌日の登校中、海に出会った修平は喧嘩させたことを謝り、かばってくれた礼をいう。そしてこのままでは何も解決しないだろうという海に誘われるまま学校をさぼり、森へと向かう。手を怪我するわけにいかないからと手袋をする修平を連れ、森の奥へと進む海。すると鬱蒼とした茂みの中に、一台のグランドピアノがあった。喜び勇んでピアノに触れる修平であるが、いくら鍵盤を叩いても音が出ない。やはり壊れてると海に訴えるが、代わって海が弾き始めるとちゃんと音が出る。「俺のピアノだから、俺にしか心開かないんだよ。」との海の言葉に疑問を持ちつつも、二人は学校に戻ることにした。

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いくら修平が弾いても音が出ない。しかし海はいとも簡単に『茶色の小瓶』を演奏してみせる。

森のピアノを弾いてきたと告げる修平だが、きんぴらは信用しない。海が証人だとなおも言い募る修平に対し、海では証人にならないという。
「お前の母ちゃん、スケベだからなぁ。」と母親の悪口を言うきんぴらに海が殴りかかり、またもや取っ組み合いの喧嘩になってしまう。クラスの女子たちが職員室に担任を呼びに行く。それを見た教師たちの間でも海が片親であること、住んでいる『森の端』が歓楽街で治安状態が悪い事、さらには母親の職業について陰口が叩かれていた。海の母親である一ノ瀬 怜子(いちのせ れいこ)は水商売をしており、学校の行事などにも満足に参加できないのであった。

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きんぴらたちにズボンを脱がされ、屈辱的な思いをさせられた修平は、再び森のピアノのもとに向かう。するとピアノを覆う大樹の上に海がいた。「この上が俺んち。遊びに来いよ。」という言葉に人生初めて木登りをする修平。やっとの思いで登り切ると隣接する建物の窓が開き、海の母、怜子が現れる。怜子に擦りむいた膝小僧を手当てしてもらった後、海に送ってもらい帰路につく修平は「今度はうちに来て」と海を自宅に招く。レッスン室まで完備した修平の自宅であるが、そのピアノの鍵盤は軽すぎて、普通に弾いても音量が抑えきれない。あまりの音量に苦情を言いに来た修平の母親であったが、二人が音楽教師の阿字野の話をするとそんなことはすっかり忘れ、古いスクラップブックを持ち出してくる。

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日本を代表するピアニストであった阿字野壮介

元音大生の彼女の話では阿字野は日本を代表するピアニストであったが、交通事故により左腕を負傷し、自身のピアニスト生命と婚約者をも失ったということであった。これ幸いと母親は修平の個人レッスンを阿字野に頼みに行くが、すげなく断られてしまった。放課後、修平は森で海がピアノを弾いてみせた話を阿字野にする。
その話に動揺をみせる阿字野。実は森のピアノは怪我をしてピアノが弾けなくなった阿字野が捨てたものであり、彼用に調整されたものであった。自分以外に弾けるはずのないピアノ。その音色が再び聞けるなら、と夜の森に向かう阿字野。その森で彼が聞いたのは確かに自分のピアノの音であり、自身がアレンジした『茶色の小瓶』のメロディだった。さらに歩みを進めるとそのピアノを弾いているのは海であった。阿字野は思わず海の左手を掴み、つぶやく。
「この手は、選ばれた手だ。」と。

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