グランド・ブダペスト・ホテル(The Grand Budapest Hotel)のネタバレ解説まとめ

『グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン監督、レイフ・ファインズ主演で製作された。ズブロフカ共和国にあるグランド・ブダペスト・ホテルが物語の舞台である。コンシェルジのグスタヴと部下のムスタファを主人公に、常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。本作は1930年代、1960年代、1985年、現在と4つの時間軸で展開されていく。

作家は何もない所から新たな物語を作り出していると勘違いされがちだが、事実は逆だ。

物語冒頭、晩年の作家がこちらに向かって言ったセリフ。
「作家とは、他人の経験を聞き、他人の経験を物語る人間なのだ」と語りだす。そのセリフから、今作の物語は展開される。冒頭のこのセリフの通り、若き日の作家は老紳士ムスタファと出会い、彼の昔話を元に「グランド・ブダペスト・ホテル」という小説を書いた。

荒々しさとは単に恐れを表現しているにすぎない。人は欲しくても手に入らないものを恐れるものだ。

グスタヴが劇中で読む詩の一節である。
このあと「最も嫌味で、魅力のない人物に唯一必要なことは愛されること。そうすれば、いつか彼らも花のように心を開くだろう。」と続けた。人にとって、虚勢や威圧は恐怖心から生まれた防御反応だという、人の弱さが上手く表現されている。

ホテルの名において謝罪する

脱獄に成功したグスタヴがムスタファと再会したときに言ったセリフ。
グスタヴが持ってきてほしいと頼んでいた品々をほぼ全て忘れていたムスタファに対し、感情的になったグスタヴが「なぜ故郷から洗練された社会に出てきた?社会は君を必要としていないのに!」と罵った。ムスタファは「戦争で、家族が殺され、村は焼かれ逃げ出すしかなかった」と自身の過去を語った。その言葉を聞いたグスタヴは自身の発言を反省し、自分を馬鹿だと罵倒しムスタファに心から謝罪し和解した。

私の大切な宝もの、愛するアガサへ。敬意、あこがれ、称賛、キス、感謝、幸運、最大級の愛を込めて!

若き日のムスタファが、恋人アガサへ電報を打ったときのセリフ。
ムスタファのアガサへの強い想いが情熱的に、またストレートに表現されている。真の愛の告白とは、ただ単純に自分の素直な想いを伝えることなのかもしれない。

ホテルはアガサの為に残した。ここで幸せだった。短い間はね。

物語終盤、若き日の作家と老紳士ムスタファの最後の会話シーンでのセリフ。
作家が、「グスタヴから受け継いだ遺産の中で、なぜホテルだけを手元に残したのか?このホテルがグスタヴとの最後の絆?」とムスタファに聞いた際、彼は「そうではない。グスタヴとはここで一緒に仕事ができた。絆は必要ない。」と答え、ホテルはアガサのために残したのだと語り、アガサへの深い愛情を見せた。

『グランド・ブダペスト・ホテル』の挿入曲

今作を作るにあたって、アンダーソン監督は映画の舞台を設定するために長時間かけてロケハンをしたそうだが、音楽に関しても時間をかけて研究し、自ら命名した「ズブロウキアン・ミュージック」を完成させた。
音楽担当のアレクサンドル・デスプラはオーケストラ用の楽器を一切使わず、ロシア産のマンドリンの一種バラライカやピアノの原型と言われているツィンバロンを用いて曲を作っていったそうだ。

S'Rothe-Zäuerli

Mr. Moustafa

Daylight Express To Lutz

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