グランド・ブダペスト・ホテル(The Grand Budapest Hotel)のネタバレ解説まとめ

『グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン監督、レイフ・ファインズ主演で製作された。ズブロフカ共和国にあるグランド・ブダペスト・ホテルが物語の舞台である。コンシェルジのグスタヴと部下のムスタファを主人公に、常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。本作は1930年代、1960年代、1985年、現在と4つの時間軸で展開されていく。

ムスタファは恋人のアガサが働く菓子店メンドルのお菓子を差し入れにグスタヴの面会に訪れた。
ムスタファはマダム・D遺言執行人である弁護士コヴァックスに会い、マダム・Dの真犯人について調べていた。コヴァックスの話によると、殺人を目撃した思われるルッツ城の執事、セルジュが行方不明になっているとのことだった。これら全てはマダム・Dの遺産を我が物にしようとしているドミトリーの陰謀であったが、グスタヴやムスタファは知る由もなかった。 ドミトリーはジョプリングを使い、次々とマダム・Dの事件関係者と思われる人たちを殺害していっていた。

刑務所の中でも持ち前の明るさと性格で囚人と仲良くなるグスタヴ

収容所の中でも優雅にふるまうグスタヴは、その性格と機転の良さから囚人たちを仲間にし、脱獄を計画する。ムスタファやアガサの協力を得て脱獄するための工具を手に入れて脱獄に成功した。そして、ホテル・コンシェルジュのネットワーク「鍵の秘密結社」の協力を得てムスタファと共に逃亡し、山上の修道院で行方不明になっていたセルジュと再会した。セルジュは、マダム・Dが殺害された場合のみ有効となる、第2の遺言の存在を告白した。しかし、グスタヴたちが詳細を聞く前に、セルジュはジョプリングに殺害されてしまった。

ジョプリングを追うグスタヴとムスタファ

セルジュを殺害して逃亡したジョブリングをグスタヴとムスタファは追跡するが、断崖に追い詰められてしまう。ムスタファは隙をみてジョプリングを崖下に突き落とすと、今度は脱獄したグスタヴを追いかけてきたヘンケルスに見つかってしまうが、グスタヴとムスタファはどうにかヘンケルスたち警察の包囲を脱出し、アガサと合流した後、絵画を手に国外逃亡する計画を立てる。
深夜に戦争が始まった。グスタヴたちと合流したアガサは、戦争により兵舎として使われていたホテルへ忍び込みグスタヴが隠していた絵画を手にする。しかし、ホテルへと出向いていたドミトリーと鉢合わせしてしまい、アガサはドミトリーにホテル内を追い回される。アガサの帰りが遅く心配したグスタヴとムスタファは、彼女を助けるためにホテルへ入った。

アガサ救出に向かったグスタヴとムスタファ

ホテル内でドミトリーに見つかってしまったグスタヴは、「絵を返せ」と言われるが断った。それに激怒したドミトリーは隠し持っていた銃をグスタヴに向け発砲した。その音を聞いた軍人たちが駆けつけホテル内は一時、銃撃戦になってしまうが、ヘンケルスが止めに入り銃撃戦は終了する。
その時、女性の悲鳴とガラスの割れる音が聞こえ、アガサの声だと気づいたムスタファは声のする方へ急いで向かった。アガサは窓から脱出しようとして失敗し、バルコニーにぶら下がっていた。それを助けようとしたムスタファも同じ状況に陥ってしまう。
ムスタファとアガサ二人の重さに耐え切れなくなったバルコニーは崩壊し、二人は落下するが下に止まっていたトラックの荷台の荷物がクッションになり命は助かった。
一方、アガサが持ち出した絵の裏からは、以前セルジュが忍ばせた、極秘と書かれた封筒が発見された。

ヘンケルス立ち合いのもと第2の遺言が開示された

その封筒の中身は、マダム・Dの第2の遺言だった。
ヘンケルスが立ち合いのもと開かれた第2の遺言により、マダム・Dの全ての財産がグスタヴに遺贈されることになった。また、マダム・Dがオーナーだったグランド・ブダペスト・ホテルもグスタヴに引き継がれ、彼がオーナーとなり、ムスタファはロビーボーイではなくコンシェルジュとして働くことになった。

コンシェルジュとなったムスタファ

マダム・Dの遺産を巡る大騒動は、第2の遺言発見と共に解決し、ホテルは再び優雅さを取り戻し、ドミトリーは失踪した。
グスタヴ立ち合いのもと、ムスタファとアガサは結婚式を挙げ夫婦となった。しかし、そんな幸せも長くは続かなかった。
戦争の結果、独立国家としてのズブロフカは消滅し、敵国の占領が始まっていた11月21日、グスタヴとムスタファ、アガサの3人はルッツ城へ向かう列車に乗っていた。

マダム・Dの遺産を相続し豪遊するグスタヴ

亡くなったマダム・Dの元へ向かったあの日と同じように、再び列車は検問によって止められた。今度は、グスタヴが持っていた臨時通行証も通用せず、さらに移民としての旅券しか持たないムスタファは拘束されそうになる。そんなムスタファを庇ったグスタヴは拘束され、銃殺刑となった。さらにその後、アガサと、ムスタファの息子は流行り病であっけなく死去した。グスタヴの遺産を継いだムスタファは大富豪となった。
しかし、ズブロフカ新政府とムスタファの交渉によって、ムスタファは引き継いだ資産のほとんどを新政府に渡し、グランド・ブダペスト・ホテルだけを手元に残した。
戦争によって独立国家でなくなったズブロフカの大型商業施設や城などは新政府の国有財産となっているため、グランド・ブダペスト・ホテルも国有財産になるはずだったのである。
ムスタファがグランド・ブダペスト・ホテルだけを手元に残したのは、愛するアガサのためだった。アガサと過ごした楽しく幸せだった思い出を残すために、ホテルだけを手元に残したのだ。

若き日のムスタファとアガサのデート

こうしてムスタファの物語は終わり、作家はその後も長く旅を続け、グランド・ブダペスト・ホテルでムスタファに聞いた話を小説化した後、死去した。
この物語冒頭に出てきた、作家の像の前の女性も、持っていたグランド・ブダペスト・ホテルの小説を読了し本を閉じた。

作家の銅像の横でグランド・ブダペスト・ホテルを読み終えた女性

『グランド・ブダペスト・ホテル』の登場人物・キャラクター

ムッシュ・グスタヴ・H (演:レイフ・ファインズ、吹替:木下浩之)

高級ホテル、グランド・ブダペスト・ホテルで手腕を発揮する凄腕コンシェルジュである。
究極のおもてなしを信条にホテルを訪れる利用客をもてなしている。また、ホテルの利用客の多くに愛人を抱えている。彼を目当てにホテルを利用する客は少なくない。

ゼロ・ムスタファ(ロビーボーイ時代)(演:トニー・レヴォロリ、吹替:佐藤せつじ)

高級ホテル、グランド・ブダペスト・ホテルで働く新人ロビーボーイである。グスタヴの愛弟子でもある。また、戦争により親族を失い故郷を追われた彼にとってグスタヴは保護者がわりである。グスタヴのそばに控え、彼を助け支えている。

若き日の作家(演: ジュード・ロウ、吹替:浜田賢二)

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