ASIA(エイジア)とは【徹底解説まとめ】

ASIAとは、イングランド出身のプログレッシヴ・ロックバンド。1982年の結成時よりメンバーは別バンドでの実績があった事もあり、そのデビューはセンセーショナルなものであった。後に80年代を代表する「スーパーグループ」として知られるようになる。ヴォーカル&ベーシストのジョン・ウェットンを中心とし、ドラマティックで清々しいポップなサウンドが特徴。展開のある楽曲は「3分間のドラマ」とも呼ばれる程、ストーリー性に富んでいる。メロディアスで美しいサウンドにファンも多い正統派バンド。

アリーナ

1.イントゥ・ジ・アリーナ (インストゥルメンタル) - "Into the Arena" (Geoff Downes, John Payne, Elliott Randall, Tomoyasu Hotei) - 3:00
2.アリーナ - "Arena" - 5:16
3.ヘヴン - "Heaven" - 5:17
4.トゥー・サイズ・オブ・ザ・ムーン - "Two Sides of the Moon" - 5:22
5.ザ・デイ・ビフォア・ザ・ウォー - "The Day Before the War" - 9:08
6.ネヴァー - "Never" - 5:31
7.フォーリング - "Falling" - 4:57
8.ワーズ - "Words" - 5:18
9.ユー・ブリング・ミー・ダウン - "U Bring Me Down" (Geoff Downes, Aziz Ibrahim, John Payne) - 7:07
10.テル・ミー・ホワイ - "Tell Me Why" - 5:14
11.ターン・イット・アラウンド - "Turn It Around" (Geoff Downes, John Payne, Michael Sturgis) - 4:12
12.ベラ・ノヴァ (アウトロ) - "Bella Nova" - 3:12

1996年リリースの6枚目のアルバム。ジェフ・ダウンズ&ジョン・ペイン時代としては3枚目となる。
新たなギタリストとして、元シンプリー・レッドのアジス・イブラヒムとエリオット・ランドールが参加。
ポップななかにもラテンやレゲエなどにも取り組み、アコースティックなサウンドも展開したスタイルはワールド・ミュージック/AOR的な方向性も示すなど、バンドにとって新機軸を披露した作品。M1のインストゥルメンタル曲「イン・トゥ・ザ・アリーナ」に、リードギターとして布袋寅泰が参加。
また、アルバムジャケットはロドニー・マシューズが手掛けている。

オーラ(Aura)

1.アウェイク "Awake"(Geoff Downes,John Payne)_6:01
2.ホエア・エヴァー・ユー・アー "Wherever You Are"(Andrew Gold,Graham Gouldman,Geoff Downes,John Payne)_4:49
3.レディ・トゥ・ゴー・ホーム "Ready To Go Home"(Andrew Gold,Graham Gold)_4:48
4.ラスト・タイム "The Last Time"(Geoff Downes,JOhn Payne)_4:58
5.フォーギヴ・ミー "Forgive Me"(Jimmy Santis,Richard Tancredi,Geoff Downes,John Payne)_5:24
6.キングス・オブ・ザ・デイ "Kings Of The Day"(Geoff Downes,John Payne)_6:41
7.オン・ザ・コールデスト・デイ・イン・ヘル "On The Coldst Day In The Hell"(Geoff Downes,John Payne,Ben Woolfenden)_6:26
8.フリー "Free"(Geoff Downes,John Payne)_8:13
9.ユーアー・ザ・ストレンジャー "You're The Stranger"(Geoff Downes,John Payne)_5:47
10.ロンゲスト・ナイト "The Longest Night"(Geoff Downes,John Payne,Ben Woolfenden)_5:18
11.オーラ "Aura"(Geoff Downes,John Payne,Elliot Randall)

2001年リリースのオリジナルアルバム。
かつてのエイジアのギタリストであるスティーヴ・ハウなど、これまでエイジアの作品制作に関わったギタリストが多数参加。
またWAXというアンドリュー・ゴールドと10CCのグレアム・グールドマンの2人によって結成されたポップス・デュオも制作共演している。
これらの新旧入り混じった多数のアーティストが参加したアルバムは、ポップで温かみのある仕上がりとなっている。
今作のジャケットはロジャー・ディーン(イエスなどプログレ系のアルバムジャケット作品も担当)によって描かれている。

サイレント・ネイション

1.ホワット・アバウト・ラヴ "What About Love"(Payne,Downes)_5:25
2.ロング・ウェイ・フロム・ホーム "Long Way From Home"(Payne,Downes)_5:58
3.ミッドナイト "Midnight"(Payne,Downes)_6:23
4.ブルー・ムーン・マンデー "Blue Moon Monday"(Payne,Downes)_7:16
5.サイレン・ネイション "Silent Nation"(Payne,Downes)_6:03
6.ゴースト・イン・ザ・ミラー "Ghost In The Mirror"(Payne,Downes,Sherwood)_4:35
7.ゴーン・トゥ・ファー "Gone Too Far"(Payne,Downes)_6:47
8.アイ・ウィル・ビー・ゼアー・フォー・ユー "I Will Be There For You"(Payne,Downes,Sherwood)_4:09
9.ダークネス・デイ "Darkness Day"(Payne,Downes)_6:17
10.ザ・プロフェット "The Prophet"(Payne,Downes)_5:15
11.ライズ "Rise"(Payne,Downes)

2004年リリース。オリジナル8枚目のアルバム。
「”ロックのルーツ”に帰った作品」と、バンド自らが評しており、「天空のアリア」や「 アリーナ」で極めた 派手なアレンジは影を潜め、シンプルにまとまっている曲が多い。
今までの「Aで始まりAで終わる」タイトルの法則からはじめて解放されたアルバムである。
また、ジャケットにロジャー・ディーン、ロドニー・マシューズの絵は起用されず、写真が使用された。

フェニックス

1. Never Again
2. Nothing's Forever
3. Heroine
4. Sleeping Giant / No Way Back / Reprise
5. Alibis
6. I Will Remember You
7. Shadow Of A Doubt
8. Parallel Worlds / Vortex / Deya
9. Wish I'd Known All Along
10. Orchard Of Mines
11. Over And Over
12. An Extraordinary Life

ジョン・ウェットン(B/Vo)、ジェフ・ダウンズ(Key)、スティーヴ・ハウ(G)、カール・パーマー(Dr)のASIAオリジナル・メンバーによる「アルファ(Alpha)」以来25年ぶりのスタジオ・アルバム。2008年リリース。
広がりのある開放的なサウンド、メロディアスでキャッチーな楽曲は80年代を彷彿させる。加えて繰り広げられるシンフォニックでドラマティックな展開には、かつてのAsia色が見事に蘇る、「Asiaらしさ」が詰まったアルバムとなっている。

オメガ

1. Finger On The Trigger
2. Through My Veins
3. Holy War
4. Ever Yours
5. Listen, Children
6. End Of The World
7. Light The Way
8. Emily
9. I'm Still The Same
10. There Was A Time
11. I Believe
12. Don't Wanna Lose You Now

2010年リリースのエイジアの通算10枚目のオリジナルアルバム。
アルバムタイトルとなった『オメガ』(ω)はギリシャ文字で24番目すなわち最後の文字を指す。これは1983年に発表された『アルファ』(α)がギリシャ文字で最初の文字を意味していたことからエイジアの1つの到達点としてつけられた。
前作はオリジナル・メンバーの再結成という事もあり、それだけで期待値、評価も高くなっていたが、今作はタイトル通り、Asiaのバンドとしての安定感、結束力を垣間見せる記念すべき作品となっている。
また、これまでジョン・ウェットンとスティーヴ・ハウの確執も取り沙汰されてきたが、今作では作曲の共同クレジットもされている点からも、メンバー間の問題が解消された事がみてとれる。

XXX〜ロマンへの回帰

1. Tomorrow The World
2. Bury Me In Willow 3. No Religion
4. Faithful
5. I Know How You Feel
6. Face On The Bridge
7. Al Gatto Nero
8. Judas
9. Ghost Of A Chance

2012年にリリースとなったエイジアの11枚目のアルバム。
「XXX」はローマ数字でありデビュー・アルバム「詠時感〜時へのロマン」をリリースしてから30年を迎えたという意味合いがある。読み方は「トリプルエックス」。
アルバムのジャケットは前作と同様、ロジャー・ディーンが担当した。
サビのある馴染みやすいフレーズを携え、瑞々しさを保ちながら良質なメロディを色褪せる事なく産み出し続けている。
この変わらぬフレッシュさに、数十年来のファンも唸らせられる作品となっている。
しかし、この作品と、伴うツアーを最後に、スティーヴ・ハウが脱退する。

グラヴィタス~荘厳なる刻

1. Valkyrie
2. Gravitas
3. The Closer I Get To You
4. Nyctophobia
5. Russian Dolls
6. Heaven Help Me Now
7. I Would Die For You
8. Joe Di Maggio's Glove
9. Till We Meet Again

12枚目のオリジナルアルバムは、再結成オリジナルASIAとなり、4枚目のアルバムとなる。
脱退したスティーヴ・ハウに代わり、若きサム・クールソン(G)が加入。
1987年生まれのサム・クールソンは、Asia結成後生まれの期待の新鋭ギタリストで、ポール・ギルバート(MR.BIG)などにも見出された実力派であり、スティーヴ・ハウ不在の穴を埋めつつ、オリジナリティーある演奏を期待されていた。しかし、今作では控えめな印象のプレイが多く、バンド音源の大規模なリニューアルには及んでいない。これまでのスティーヴ・ハウの功績を改めて感じさせられる作品となっている。
タイトルにもあるような「荘厳」さを押し出した曲もあるが、ドラマティックでポップで壮大なAsia色は根本的には薄れておらず、良質なサウンドは健在である。

エイジア・フィーチャリング・ジョン・ペイン(Asia Featuring John Payne)

もうひとつのエイジア

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