ウォッチメン(Watchmen)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウォッチメン』とは、映像化不可能と言われたアメリカン・コミックを、「300/スリーハンドレッド」のザック・スナイダー監督が実写映画化した作品。かつてはスーパー・ヒーローだった男が何者かに殺され、彼の仲間だったヒーロー達が真相を突き止めようとする謎解きミステリー要素の強い2009年製作の異色ヒーロー・ドラマ。日本では映倫によりR-15指定を受けた。

スナイダー監督は、本作の監督を引き受けるに当たり、プロデューサーに「『300/スリーハンドレッド』を撮った時と同様に、何もかも原作通りにさせて欲しい。映画向けに一切変更しないこと」と条件を出したそうで、カット割りやカメラアングルなど、原作コミックを忠実に再現しようと努めた。そのために、まずコミックをそのままストーリーボードに写し、先に出来上がっていた脚本をストーリーボードに合わせて書き直していった。
原作の画を担当したデイブ・ギボンズが製作に全面協力したこともあり、構図や色調など原作にそっくりなシーンが随所に登場する。ギボンズが撮影現場を訪問した時、原作の世界を忠実に再現したセットに感動したんだそう。
そんな原作の絵を見事なまでに再現したビジュアルが大きな見どころだ。

『ウォッチメン』の主題歌・挿入歌

映画で使用されたバラエティに富んだ楽曲

オープニング・クレジットに流れるボブ・ディランの「時代は変わる」をはじめ、映画には様々なジャンルの名曲・ヒット曲が流れ、場面にぴったりとハマっているのが見どころというか聴きどころだ。

●使用楽曲
・「廃墟の街」/マイ・ケミカル・ロマンス
・「アンフォゲッタブル」/ナット・キング・コール
・「時代は変わる」/ボブ・ディラン
・「ロックバルーンは99」/ネーナ
・「サウンド・オブ・サイレンス」/サイモン&ガーファンクル
・「ミー・アンド・ボビー・マギー」/ジャニス・ジョップリン
・「ブギーマン」/K.C.&ザ・サンシャイン・バンド
・「ユアー・マイ・スリル」/ビリー・ホリディ
・「ブルート・イゴエ&プロフェシーズ」/フィリップ・グラス・アンサンブル
・「ハレルヤ」/レナード・コーエン
・「ウィッチ・タワー(見張塔からずっと)」/ジミ・ヘンドリックス・エクスペリメント
・「ワルキューレの騎行」/リヒャルト・ ワーグナー(演奏:ブダベスト交響楽団)
・「パイレート・ジョニー」/ニーナ・シモン
・「ファースト・ウィ・テイク・マンハッタン」/レナード・コーエン

オープニング・タイトルに流れるボブ・ディランの「時代は変わる」

「時代は変わる」ボブ・ディラン

ミニッツメンやウォッチメンのメンバー達が活躍した時代背景を、ケネディ暗殺や初の月面着陸など実際に起こった事件や出来事を交えながら、アンディ・ウォーホルやデヴィッド・ボウイなど実在の人物を登場させて見せる、物語のプロローグ的なオープニング・クレジット。また、ミニッツメンのメンバー達の活躍後の各々の落ちぶれたり殺されたりする姿も描かれる、実に中身の濃いオープニングだ。

コメディアンの死の場面に流れるナット・キング・コールの「アンフォゲッタブル」

「アンフォゲッタブル」ナット・キング・コール

コメディアンが何者かに襲われ激闘を繰り広げる場面に流れる、センチメンタルで美しいメロディの歌曲。“アンフォゲッタブル=忘れられない”の歌のタイトル通り、コメディアンが、恐ろしい計画を知ってしまったが故に、どうしてもそれを“忘れさること”が出来ず、そのために無残に殺されてしまう、彼の切ない心情に寄り添うような使われかただ。

コメデァインの葬儀で流れるサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」

「サウンド・オブ・サイレンス」サイモン&ガーファンクル

ダニエルとローリーの愛の場面に流れるレナード・コーエンの「ハレルヤ」

「ハレルヤ」レナード・コーエン

エンディング・クレジットに流れるマイ・ケミカル・ロマンスの「廃墟の街」

「廃墟の街」マイ・ケミカル・ロマンスのミュージック・クリップ

ボブ・ディランの曲をマイ・ケミカル・ロマンスがカバーしたもの。ボブ・ディランのアルバムでは演奏時間10分のアコースティック曲だった。

『ウォッチメン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

テレビ画面に「アウターリミッツ」が登場

1963年から65年に全米放送された一話完結のSFテレビシリーズ。日本でも第1シーズンが「空想科学劇場アウターリミッツ」、第2シーズンが「空想科学映画ウルトラゾーン」のタイトルで放映された人気を博した。
「これはテレビの故障ではありません。あなたは大いなる冒険に出発し、神秘に満ちた体験をします。心の奥底から宇宙へ “アウターリミッツ”」と冒頭に流れるナレーションは、日本でも同様に吹替で流れ、SF好きのテレビファンをワクワクさせた。

「ウォッチメン」のテレビ・シリーズ化が進行中

2015年頃からアメリカのHBO局が実写ドラマ化を企画していると伝えられてきたが、パイロット版の制作にゴーサインが出て、2018年春に撮影がスタートする模様だ。
パイロット版の監督には、テレビシリーズ「ジ・アメリカンズ」や「アメリカン・クライム」などの監督を手がけたニコール・カッセルが当たり、脚本は、「LOST」の企画・制作で知られ、「プロメテウス」「スター・トレック イントゥ・ダークネス」などSF大作映画の脚本を担当したデイモン・リンデロフ。ニコールとデイモンは製作総指揮も務める。
ストーリーが複雑に入り組んでいる原作だけに、映画化よりテレビドラマ化に向いていると言われており、期待が高まっている。
キャストの詳細は現在のところ不明。

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