MONSTER(モンスター)のネタバレ解説まとめ

『MONSTER』とは、浦沢直樹による漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。
舞台は1980年代後半から90年代後半のヨーロッパ。
日本人の天才脳外科医・テンマは強盗事件にまきこまれ重傷を負った少年・ヨハンの命を助ける。しかし、その9年後にヨハンと再会したテンマは、彼が平気で殺人を繰り返す殺人鬼であることを知る。
殺人鬼・ヨハンを生き返らせてしまったことに責任を感じたテンマは、その責任を果たすため、ヨハンを抹殺する旅に出る。

声 - 野沢那智

心理学者・脳外科医であり、『なまえのないかいぶつ』などの作品を描いた絵本作家。
ドイツ系チェコスロバキア人で、チェコスロバキア秘密警察の元大尉。

かつて「西ドイツを駆逐する優秀な戦闘員を育成する」ことを目的とした人格改造実験の首謀者的な立場にいた。
「赤いバラの屋敷」で絵本の朗読会を開き、自身の絵本を用いてそこに集まった子供たちの人格改造実験を行っていた。
さらに、この朗読会での人格改造実験のノウハウは、511キンダーハイムの人格改造実験にも活用されている。
彼の実験を受けて育った子供たちは、感情が乏しいなどの人間的な欠陥を抱えるようになり、多くが成人後に自殺している。

西ドイツを駆逐するための、「エリート同士の間に子供を作り、その子供を優秀な戦闘員として育成する」という計画に首謀者として関わる。その実験の結果として、ヨハンとニナの双子が誕生した。
しかし、実験の途中で双子の母親に恋をしてしまう。双子の母親とその子供たちを非人道的な実験に巻き込みたくないと考えたボナパルタは、実験を放棄することに決める。
そして、「赤いバラの屋敷」で行われた実験の成果報告パーティーにて、計画の関係者全員を殺害する。そして、屋敷に連れてこられていたニナを逃がし、実験から解放する。
その後は先祖の故郷である田舎町・ルーエンハイムに帰り、ホテルのオーナーとしてひっそりと暮らしていた。

ヤロミール・リプスキー

声 - 平田広明

フランツ・ボナパルタの息子。
ボナパルタが「赤いバラの屋敷」で開いた「朗読会」に参加していたが、ボナパルタの言わんとしていることをすぐ理解できる「優秀な生徒」ではなかっため、「朗読会」から締め出される。
父母と一緒に暮らしたことはないという。

成人後、人形師として活動していた。
「赤いバラの屋敷」で倒れていたニナと、彼女の近くにいたディーターを保護する。

マルゴット・ランガー / ヘレンカ・ノヴァコバー

声 - 田中敦子

チェコ人の高級娼婦。
かつてシューバルトと愛人関係があり、2人の間の息子であるカールを産んだ。
カールの少年時代に、カールが「娼婦の子」として馬鹿にされ続けることを恐れて、彼を手放す。

ヨハンとニナの母親とは古くからの友人で、ともに反体制運動に参加していた。
一緒に亡命を図るが、マルゴットのみ亡命に成功し、離れ離れになってしまう。それ以降も手紙のやり取りなどは続けていた。

娼婦を引退してからは静かな暮らしをしていたが、1995年に他殺遺体として発見される。死の直前まで、ヨハンとみられる青年と暮らしていたことが明らかになっている。

ミハイル・イワーノヴィチ・ペドロフ / ラインハルト・ビーアマン

声 - 大塚周夫

かつて511キンダーハイムの院長だった人物。
ヨハンが511キンダーハイムに入所し、彼によって施設が崩壊させられる直前に院長の職を離れたので、その後の集団狂気に巻き込まれずに済んだ。

ベルリンの壁が崩壊した直後にチェコに亡命し、ロシア国籍と偽って生活していた。
プラハで無許可孤児院を開き、そこで511キンダーハイムで行っていた人格改造実験の続きを行っていた。
しかし、その実験の内容とは、「全く哀れみを感じない、感情が乏しい人間を育成する」ことを目的とした511キンダーハイムの実験の反省を踏まえたもので、「子供を愛情をもって育て、負の感情に屈しない人間を育成する」という、普通の親が子供に行っていることだった。
そのため、その孤児院で育てられた子供たちには、511キンダーハイムの子供たちのような人間的な欠陥はない。

511キンダーハイムのことについて調べていたグリマーと出会うが、その直後、ヨハンによって殺害されてしまう。
死の間際に、子供のころのヨハンが実験の一環として受けたインタビューが録音されているテープと511キンダーハイムの資料が入っている、貸金庫のカギをグリマーに託す。

フィリップ・ゼーマン / フィリップ・ゼマン

声 - 掛川裕彦

プラハ署の警部でスーク刑事の上司。一見温厚で人当たりのいい人物だが、実は旧秘密警察と関わりを持っており、彼らの要求を呑む代わりに多額の報酬を受け取るという汚職を行っていた。
ヨハンにより殺害されたペドロフが持っていた、「子供のころのヨハンのインタビューが録音されているテープ」を手に入れるために、ペドロフの死の直前に彼と一緒にいたグリマーを怪しみ、彼を拷問し、テープのありかを吐かせようとする。しかし、その途中で「超人シュタイナー」と化したグリマーに殺されてしまう。

カレル・ランケ

声 - 坂口芳貞

元秘密警察の大佐。
511キンダーハイムの実験資料とヨハンについての情報を探し求めている。

かつて、良い施設だという評判だった511キンダーハイムに、自分の甥を入所させてしまったという過去を持つ。
そのことをとても悔いており、甥の行方を捜している(後に、その甥はヨハンの手下・ロベルトだったということが明らかになる)。

ベンヤミン・ヴァイスバッハ

声 - 仲木隆司

リーベルト夫妻殺人事件、アイスラー記念病院院長ら殺害事件を捜査していた警部。
それから数年が経過した定年間際に、ヨハンと関係のある殺人犯に出会ったため、ヨハンが絡んでいた過去の事件を不審に思い、Dr.ギーレンとともに再度捜査を行う。

『MONSTER』の用語

なまえのないかいぶつ

フランツ・ボナパルタが描いた絵本の1つ。

昔々、名前が欲しくて仕方なかった「なまえのないかいぶつ」が、2つに分かれ、世界を旅して名前を手に入れようとするというストーリー。
2匹のうち、東に向かった「なまえのないかいぶつ」は、相手の体の中に入り、名前を手に入れる代わりにその人の力を強くするという交換条件を持ちかける。しかし、おなかがすくと自分が入っている人物を食べてしまうため、いつも「なまえのないかいぶつ」に逆戻りしてしまっていた。
病気の王子様の中に入った東の「なまえのないかいぶつ」は、その名前がとても気に入ったので王子様を食べることを我慢していたが、空腹に耐えきれなくなり、ついに王子様の周りの人間をみんな食べてしまう。
ある日、東の「なまえのないかいぶつ」は西に向かった「なまえのないかいぶつ」と再会し、自分に名前が付いたことを報告するが、西の「なまえのないかいぶつ」は「自分たちはなまえのないかいぶつだから、名前なんていらない」と言う。その言葉を聞いた東の「なまえのないかいぶつ」は西の「なまえのないかいぶつ」を食べてしまう。
せっかく名前が付いたのに、誰も呼んでくれる人はいなくなった。「ヨハン」、素敵な名前なのに。

「西ドイツを駆逐する優秀な戦闘員を育成する」ことを目的とした人格改造実験のために描かれた絵本。
ヨハンの人格形成に大きな影響を与えた本である。大人になって偶然この本と再会したヨハンは、本を読むなり強いショックを受け、気絶してしまう。

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