サイレントヒル2(SILENT HILL 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』とは、コナミデジタルエンタテイメントが開発したホラーアドベンチャーゲームである。プレイステーション2用ソフトとして発売され、その後追加要素を加えた完全版『サイレントヒル2 最期の詩』が発売された。
主人公ジェイムスは、死んだはずの妻から届いた手紙をきっかけに、静養地であるサイレントヒルに向かう。彼はいつの間にか、霧と鉄錆の世界に迷い込み、奇妙な敵たちと戦うことになる。ホラーゲームの中でも傑作として名高く、驚きの結末がプレイヤーを待つ。

サイレントヒルに至るまでの長い長い霧の道

サイレントヒルの名前の由来は静岡県

サイレントヒルへの道をアンジェラ(右)に尋ねるジェイムス(左)。サイレントヒルは観光地だが、道は1本しかない

タイトルにもなっている「サイレントヒル」は、実は静岡県のこと。これはスタッフの中に静岡県出身者がいたことにより決められた。観光地である静岡県を英語にして仮タイトルとしたところ、「怖そうで良い」とそのまま正式タイトルになったとのこと。

クリーチャーのモデルは、ジェイムスの潜在意識を表したもの

上半身を縛られているような姿。苦しみを抱くクリーチャーだ

ジェイムスに見えているサイレントヒルのクリーチャーたちは、ジェイムス自身の意識を反映したものであるため、それぞれデザインにも意味がある。レッドピラミッドシングは、ジェイムス自身を罰する存在であり処刑人である。ジェイムスが自分を罰する存在を求め、それが街の持つ「力」によって具現化した存在がレッドピラミッドシングだ。マネキン人形の下半身を組み合わせたクリーチャー「マネキン」はジェイムスの性衝動を表している。また看護婦の姿をしている「バブルヘッドナース」は、メアリーの入院していた病院のイメージと、薬で醜く歪んた顔が組み合わさったものである。

またアンジェラを襲うクリーチャーは「アブストラクトダディ(抽象的な父親)」、娘に対して性的な虐待を行う父親のイメージである。ジェイムスが最初に出会うクリーチャー「ライングフィギュア」はジェイムスの苦しみをそのままクリーチャーにしたもので、苦しそうに移動するのはそのためである。また病院でジェイムスが出会う格子型と組み合わさったようなクリーチャーは、病によってベッドに縛り付けれられたメアリーの象徴である。

町中で見かける死体はジェイムス自身の死体

町中で見かける死体をよく観察してみると…

サイレントヒルの町の中では、所々で死体が見つかる。それらはよく見ると、ジェイムスと似たような服装をしている。それらはジェイムス自身であり、その都度(おそらくはレッドピラミッドシングに)殺されてしまっては、街の持つ「力」によって蘇り、ループさせられてしまっていたということだ。

「穴」はジェイムスの潜在意識

「穴」に入ろうとするジェイムス

主に刑務所においてだが、ジェイムスは穴に飛び込むというアクションを繰り返す。この所々に登場する穴については明確な答えは出ていないものの、地下に地下に降りていくことで、ジェイムスは自分自身の潜在意識の中に降りていっていると解釈することができる。またひたすら降りていった先には迷路があり、その中にレッドピラミッドシング(ジェイムス自身の自伐意識の現れ)が持っている大鉈がある。これはジェイムスが潜在意識の中では自分を罰してほしいと考えていると解釈できる。

シリーズおなじみギャグエンディング「いぬエンディング」「UFOエンディング」

ジョークエンディング「UFOエンディング」の世界観はシリーズでつながっている

サイレントヒルシリーズは毎回必ずジョークエンディングが入っており、今回は「いぬ」エンディングがそれに相当する。また『サイレントヒル2 最期の詩』ではさらにもう一つジョークエンディングが追加されており、「UFO」というものである。こちらもかなりシュールなものになっている。UFOエンディングは『サイレントヒル』『サイレントヒル2』『サイレントヒル3』でつながっているようで、『サイレントヒル3』のエンディングにも1の主人公ハリー、2の主人公ジェイムスが登場する。

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Theme Of Laura (ローラのテーマ)

サイレントヒル2のオープニングテーマは「Theme Of Laura (ローラのテーマ)」である。主人公のジェイムスでもなく、メアリーでもマリアでもない。ローラの名前が主題歌のタイトルとなった明確な理由は明かされておらず、各プレイヤーの考察に任されている。

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