サイレントヒル2(SILENT HILL 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』とは、コナミデジタルエンタテイメントが開発したホラーアドベンチャーゲームである。プレイステーション2用ソフトとして発売され、その後追加要素を加えた完全版『サイレントヒル2 最期の詩』が発売された。
主人公ジェイムスは、死んだはずの妻から届いた手紙をきっかけに、静養地であるサイレントヒルに向かう。彼はいつの間にか、霧と鉄錆の世界に迷い込み、奇妙な敵たちと戦うことになる。ホラーゲームの中でも傑作として名高く、驚きの結末がプレイヤーを待つ。

地下階を進むと、突然 階段が燃え始めた。アンジェラが炎の中に佇んでいる。アンジェラは父親に虐待を受けており、それを知っていながら黙っていた母親を探していたのだ。アンジェラにはいつも炎が見えていたという。彼女は炎の中に消えていった。

水の滴るホテルの中を探索すると、ある部屋でマリアが逆さ吊りにされていた。そして側にはレッドピラミッドシングが彼女を処刑しようと待ち構えている。「何度も私を苦しめないでくれ」と叫ぶジェイムスだが、結局マリアはレッドピラミッドシングに殺害されてしまった。ジェイムスは「私は弱かった だからお前の存在を望んでいた 私の罪を罰してくれる誰か…」とつぶやく。襲ってくるレッドピラミッドシングを退けると、彼らは槍を喉に突き刺し、自害してしまった。

ジェイムスはすべてを思い出していた。病身のメアリーが、自分を口汚く罵っていたこと、同時に彼をどうしようもないほど必要としていたことも。広い部屋に出るとそこにはメアリーの姿をしたマリアがいた。ジェイムスがすべてを思い出したことを告げ、「もういいんだ」と語りかけると、マリアは激高し、その姿を変化させる。ベッドのようなものにくくりつけられた女の姿。そう、彼女が最後に戦わないといけない敵なのだ。

マリアを退けたジェイムスは、エンディングに向かう。エンディングではメアリーの言葉が読み上げられる。「あいまいな眠りの中で 夢見るのはあの町 サイレントヒル いつかまた 二人で行こうと 約束しておきながら 私のせいでかなわなかった 私は一人でそこにいる あの思い出の場所で あなたを待っている いつかあなたが来てくれるのを 待っている だけどあなたは来てくれない 寂しさと哀しみの中で いつまでも待ち続ける 私の許されない罪 あなたを傷つけてしまった私の罰 現実も夢と変わらない 私はいつもあなたを待っている 会いに来てくれることを祈っている ベッドに横たわり 変わらない天井を眺めながら いつもそんなことを思っている」。「それでも私は最期だから ここに書き留めておきたい 私はあなたを愛している」「ジェイムス 私は幸せでした」。

エンディング分岐1 In Water

トルーカ湖に飛び込むジェイムスに見えたのは、その水の青さだった

メアリーとの語らいの中で、メアリーとジェイムスはお互いの本音を吐露する。楽にしてほしかったというメアリーと、メアリーのためではなく自分が楽になりたいから君を殺したというジェイムス。それに対しメアリーは、「あなたが私を殺したことで苦しんでいる、それでいい」と答える。そして息を引き取ったメアリーを車に載せ、ジェイムスは車ごと水の中に飛び込む。彼はそれで、メアリーのいる場所に行くことが出来るのだ。

サイレントヒル2の小説版やサイレントヒル4ではこのエンディングが採用されており、シリーズ内ではこのエンディングが正史とされている。

エンディング分岐2 Leave

ローラとジェイムスは、サイレントヒルを2人で立ち去ることを選んだ

メアリーとの語らいの中で、ジェイムスは、メアリーを殺害したのは妻を楽にしてやりたいのではなく、自分が楽になりたいからだったと語る。メアリーの最期の願い「死なないで」という言葉を受け入れ、ジェイムスはローラとともにサイレントヒルを立ち去り、生き続けることを望むというエンディング。そこには苦痛が伴い、彼はメアリーを殺したことで苦しみ続けるかもしれないが、それでもメアリーの望みを叶えるため、ジェイムスは生きる。

エンディング分岐3 Maria

ジェイムス(奥)はマリア(手前)とともにサイレントヒルを立ち去る

亡くなったメアリーではなく、元気なマリアをジェイムスは必要とするようになり、彼女と共にサイレントヒルを立ち去るというエンディング。「メアリーは?」というマリアの問いかけに対して、ジェイムスは「ここにいるじゃないか 君が…」と答える。車に乗り込むジェイムスとマリアだが、マリアはまだ病気を患っているような素振りを見せる。場合によってはまたマリア(メアリー)は病気になってしまうことを予想させるエンドである。

エンディング分岐4 Rebirth

秘術を行うため、トルーカ湖にやってきたジェイムス

こちらは2周目以降にゲットできる特殊なアイテムをすべて拾得すると見ることが出来るエンディングである。ジェイムスはトルーカ湖に向かい、サイレントヒルに伝わる秘術でメアリーを蘇らせようとする。その「死をも否定する力」が何をもたらすのかまでは明示されずに物語は終了する。

エンディング分岐5 いぬ

すべては犬(右)の仕業だったのだ

こちらはいわゆるジョークエンディングで、アイテム「犬の鍵」をゲットしてホテルの一室に入ると突然始まるエンディングである。ジェイムスがその部屋に入ると、司令室のようなところでボタンを操作する柴犬の姿があった。ジェイムスは「お前の仕業だったのか!」と何故か日本語で言い、うなだれる。その後流れるエンドロールも通常のものとは異なっている。犬の妙な可愛らしさも相まって、とてつもなくシュールなエンディングである。

エンディング分岐6 UFO

宇宙人によって攻撃されるジェイムス(中央)

こちらは『サイレントヒル2 最期の詩』で追加されたエンディングで、特定の場所でアイテム「チャネリングストーン」を3回使用するとこのエンディングとなる。サイレントヒルにUFOがやって来ると、そのUFOに乗っていたシリーズ1作目『サイレントヒル』の主人公ハリーがジェイムスに語りかける。「この辺で女の子を見ませんでしたか?」逆に自分の妻のことを聞き返すジェイムスに対し、宇宙人たちは攻撃し気絶させてしまう。そしてジェイムスを連れ去る。

UFOエンディングは『サイレントヒル』『サイレントヒル3』にも登場する。またジェイムスは、『サイレントヒル シャッタードメモリーズ』『サイレントヒル ダウンプア』『サイレントヒル ブックオブメモリーズ』のジョークエンディングにもそれぞれ登場する。

マリア編「Born From A Wish」

「気がついたらここにいた」というマリア

マリアは、気がついたらその街にいた。サイレントヒル、街を歩き回るクリーチャーたち。街中の霧はあくまで深く、視界は狭い。迷い込んだボールドウィン家の屋敷の中でマリアは、街にはもういなくなっていると思っていた「人間」に会うことができた。しかしその人物、アーネストは街がクリーチャーだらけになっていることを知りながらも「一人でいたい、街のことなどどうでもいい」と言う。部屋に閉じこもって出てこないアーネストを横目に、マリアは屋敷の探索を行う。

探索を続けると、どこかで鍵の開く音がした。見ると、塞がれていたはずの暖炉の扉が開いており、そこから鍵がかかっていた部屋の鍵を見つけることができた。屋敷の中にあったアーネスト宛のバースデーカードから、エイミー・ボールドウィンという人物がこの家の家族であることを知ったマリアに、「渡して… パパに…」という声が語りかけた。

さらに屋敷を調べていくマリアは、アーネストが「不死」あるいは「死者の蘇り」に興味を持っていることを突き止めた。アーネストに語りかけバースデーカードを渡すと、10年前にアーネストは娘であるエミリーを亡くしたことがわかった。うなだれるマリアに、アーネストは「君はもしかして… だからか、だから私は君に会えた」と意味深長な発言をする。そして隣のアパートから白い液体を持ってきてくれるようにマリアに頼むのだった。

アパートに向かったマリアは、液体を回収して屋敷に戻る。マリアに感謝したアーネストは、ジェイムスのことをマリアに話す。マリアは最初はジェイムスの名を思い出せなかったが、記憶が蘇る。アーネストの部屋に入ると、そこには誰もいなかった。屋敷を去る道すがら、マリアは持っていたリボルバーの拳銃の銃口を自分の頭に当ててみる。しかしリボルバーを放り出し、ジェイムスの名前をつぶやくのだった。

暗闇の中でジェイムスがマリアを呼び、マリアがそれに答え、マリア編は終わる。

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』のゲームシステム

セーブポイント

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